婚約破棄してドヤ顔ですが…隣の令嬢、私の親友ですよ。

8.ある昼下がり、お茶会にて

あのパーティから数日を経て
アンジェリア様を我が家に呼んでお茶会を開いています。



「それにしても、本当にあのパーティでグリアンド様が婚約破棄をするなんて驚きでしたわね。」


「えぇ、エルセ様。浅はかな方であるとは思ってましたが、まさかあそこまでとは驚きでした。」


「いずれはこちらから婚約を解消をしようと思っていたのに、このような形で婚約を解消できて良かったですわ。慰謝料もしっかり頂きましたし。
ローゼには感謝ですわ。アンジェリア様も、協力していただきありがとうございました。」



「いいえ。今までエルセ様にはたくさんお世話になりましたもの。これくらいお安い御用ですわ。」



「それにしてもアンジェリア様ったら演技派だったのね。グリアンド様がアンジェリア様を抱き寄せ私を糾弾する時、震えてらしたもの！私、笑ってしまいそうになりましたわ！」
　

「あれは！違いますわ！好きでもない方に触れられて気分が本当に悪くなったのですわ。」


「ふふっ！」


………………




私達は、ローゼが私とグリアンド様の婚約を破棄させようと必死になっていた事にとっくに気付いていました。

気づいていて、まんまとその策に乗りました。

私は婚約した初めは渋々ですが、王家との繋がりを持つ事で侯爵家（今は公爵家ですが）の力を確固たるものにすることができるし、思い通りになる後継もできて良いと思ったのですが、


隣国の王女に手を出そうとしたり、他にも浮気し放題、散財癖のある、傲慢でしかもイケメンでも無いグリアンド様が
嫌で！嫌で！嫌で、どうしても婚約を解消したかったのです。


どうにかして婚約解消できないか悩んでいるところに、
アンジェリア様から、
「最近、エルセ様の妹君であるローゼ様に子供だましの嫌がらせを受けているのです。
　調べてみますと、エルセ様が王家に嫁ぐ事に腹を立てたローゼ様が、私のせいにして、エルセ様とグリアンド様の婚約解消を狙っているそうですわ。」

と相談があり、私は天にも昇る気持ちでした。チャンス！！


「アンジェリア様…！教えてくださってありがとうございます！！
　アンジェリア様は不快かもしれませんが、もう少しその茶番に付き合って貰えませんこと！？怪我をしたり、過度な嫌がらせが無い様に、私のお兄様セルビアに、影から見守ってくださるようにお願いしますから！お兄様も、今の季節は体調が優れていますので！」



「セッセルビア様にですかっ⁉︎セルビア様が私を見守ってくださる、、。
　私、いくらでも茶番にお付き合いしますわ！！」


バッと立ち上がり、顔を真っ赤にされるアンジェリア様…可愛い…。
本当にアンジェリア様ったらお兄様の事が好きですわね。


家に帰り、お兄様に事情を話しアンジェリア様を見守るようにお願いすると、



「アンジェリア嬢がローゼから嫌がらせを受けているだと！？あいつ、、。私からローゼにガツンと言ってやろうか？？」


「お兄様！私は婚約破棄してほしいのです！そして、今まで散々私のモノを奪い続けたローゼにお灸も据えてやりたいのです。どうか、策にご協力ください！
それとも、他の騎士様にお願いしようかしら…。」


「エルセ…わかったよ。
他の誰にも頼まないでくれ。
私がアンジェリア嬢を見守るよ。これ以上アンジェリア嬢の虜になってしまう輩が増えたら困る。」



ふふふ、相変わらずお兄様もアンジェリア嬢が大好きですわね。

誰が見ても2人はお似合いなのだから、早くくっついてしまえばよろしいのに…。


いえ、とりあえずは私の婚約破棄ですわ！




……………………

ここまでうまくいくとは思っていませんでしたわ。


「アンジェリア様のおかげで無事、婚約解消できたこと、改めてお礼申し上げます。ありがとうございました！」




「いいえ！お役に立てて良かったですわ。でも、私なんかがセルビア様と結婚して、公爵夫人として公爵家を支えていくことができますでしょうか…。
やはり、エルセ様がお後を継いだ方が、、。」



「アンジェリア様なら大丈夫ですわ！
私、実は隣国に嫁ぐ事になりそうですの。」



「まぁ！！」