上 下
6 / 17

6.断罪forグリアンド

しおりを挟む


普段温厚な陛下が怒鳴ると、グリアンド殿下は腰を抜かしてしまいました。


尻餅をつきながら、唖然とした顔の殿下に、陛下は顔の血管を浮かび上がらせて近付かれました。
(あぁ、陛下持病の高血圧が…。)





「婚約破棄は当然認める!!」


「父上!ありがとうござい…


「お前は炭鉱行きだ!!」


「えっ!?僕がなぜ炭鉱に行…


「なぜだと!?
ろくに調べもせず、アンジェリア嬢に不敬を働いた者をエルセ嬢と決めつけ、大勢の前で無実の罪を糾弾したであろう!
小娘1人の策略も見抜けぬようなマヌケが王族なんて、この国の恥だ!!」


「そ、それだけ…


「それだけでは無い!以前隣国から王女が留学に来ていた事は知っているだろう?」


グリアンド殿下、全く最後まで話せていません。

グリアンド殿下は、肩をビクッと鳴らし、気まずそうに顔を背けておられます。


「お前はあろうことか、王女に言いより、"私の女にならねば、王女が私に不敬を働いたと父上に報告してしまおうかな~"などと言ったようだなぁ⁉︎」




会場の皆様は、シラーーっとグリアンド殿下を見ております。

"うわー…最低…"

全員がそう思ったでしょう。



「王女と、同行していた王女の兄も大層お怒りだったが、エルセ嬢がその後、王女に豪華なピンクパールのネックレスを贈り、丁重に謝罪をし許して頂いたのだ!!」


(お陰様で隣国でもピンクパールのアクセサリーが飛ぶように売れていますわ。)


「エルセ嬢に免じて、その件については不問としたが…。しかし!!そのエルセ嬢になんたる仕打ち!!
お前には、ほとほと愛想が尽きたわ!
しっかりと働き、エルセ嬢にキチンと慰謝料を払うのだ!」



「父上ぇっ!!
しかし!!私は次期皇帝…





「なるわけがなかろう!!
そもそもお前が皇帝になる予定は無い!!
第1王子も第2王子もお前よりもずっと優秀なのだ!

サハラーシャ公爵家に婿入りさせて欲しいとこちらから願い入れたのだ!
サハラーシャ公爵の長男は、身体があまり強く無いとのことで後継にはエルセ嬢がなる予定だったのだ…!

エルセ嬢と婚約破棄したお前には価値は無い!!!!」




「そ、そんな、、、。」


その場で崩れ落ちるグリアンド殿下…ではありませんね。グリアンド様。


役立たずのグリアンド様も、公爵家のお飾り当主になることができそうでしたのにね。

私のお兄様は身体は丈夫ではいらっしゃいませんが、素晴らしい方です。
その優秀な頭脳と、私で公爵家を支えて行こうと思っておりました。

身分だけが取り柄の、中身空っぽのグリアンド様は、操りやすくってちょうど良かったのですが…。ふふ。










しおりを挟む
感想 51

あなたにおすすめの小説

【完結】婚約者取り替えっこしてあげる。子爵令息より王太子の方がいいでしょ?

との
恋愛
「取り替えっこしようね」 またいつもの妹の我儘がはじまりました。 自分勝手な妹にも家族の横暴にも、もう我慢の限界! 逃げ出した先で素敵な出会いを経験しました。 幸せ掴みます。 筋肉ムキムキのオネエ様から一言・・。 「可愛いは正義なの!」 ーーーーーー ゆるふわの中世ヨーロッパ、幻の国の設定です。 完結迄予約投稿済み R15は念の為・・

私が死んだあとの世界で

もちもち太郎
恋愛
婚約破棄をされ断罪された公爵令嬢のマリーが死んだ。 初めはみんな喜んでいたが、時が経つにつれマリーの重要さに気づいて後悔する。 だが、もう遅い。なんてったって、私を断罪したのはあなた達なのですから。

保健副委員長を解任されたら生徒会書記と仲良くなりました

ハツカ
恋愛
「リーラ・ラヴァンド!君を保健副委員長から解任する!」 私は、役立たず呼ばわりされ、委員会予算横領の疑いをかけられ、委員会をいきなり解任された。 委員長が、副委員長の座をガールフレンドにプレゼントしたいがために。 でも、落ち込んでいる私の所に生徒会書記のヴァンがやってきて― 王道の話を書いてみたかったので書いてみました。 ※カクヨムにも投稿しています。

捨てられた者同士でくっ付いたら最高のパートナーになりました。捨てた奴らは今更よりを戻そうなんて言ってきますが絶対にごめんです。

亜綺羅もも
恋愛
アニエル・コールドマン様にはニコライド・ドルトムルという婚約者がいた。 だがある日のこと、ニコライドはレイチェル・ヴァーマイズという女性を連れて、アニエルに婚約破棄を言いわたす。 婚約破棄をされたアニエル。 だが婚約破棄をされたのはアニエルだけではなかった。 ニコライドが連れて来たレイチェルもまた、婚約破棄をしていたのだ。 その相手とはレオニードヴァイオルード。 好青年で素敵な男性だ。 婚約破棄された同士のアニエルとレオニードは仲を深めていき、そしてお互いが最高のパートナーだということに気づいていく。 一方、ニコライドとレイチェルはお互いに気が強く、衝突ばかりする毎日。 元の婚約者の方が自分たちに合っていると思い、よりを戻そうと考えるが……

【短編完結】悪役令嬢が私に婚約者を押し付けて来る!どれも要らない!お断りです

鏑木 うりこ
恋愛
高柳はるは異世界召喚で聖女として呼び出されてしまった!しかもそこは悪役令嬢に聖女がざまぁされる小説ほぼ一緒だった!  内容を知っているハルはなんとか上手く立ち回ろうとするけるども……令嬢達の様子がおかしいんです。  短編と言うよりショートショートですね!5000字切ってます。  書きたいものがとっ散らかってしまい、纏まらないー💦

公爵子息に気に入られて貴族令嬢になったけど姑の嫌がらせで婚約破棄されました。傷心の私を癒してくれるのは幼馴染だけです

エルトリア
恋愛
「アルフレッド・リヒテンブルグと、リーリエ・バンクシーとの婚約は、只今をもって破棄致します」 塗装看板屋バンクシー・ペイントサービスを営むリーリエは、人命救助をきっかけに出会った公爵子息アルフレッドから求婚される。 平民と貴族という身分差に戸惑いながらも、アルフレッドに惹かれていくリーリエ。 だが、それを快く思わない公爵夫人は、リーリエに対して冷酷な態度を取る。さらには、許嫁を名乗る娘が現れて――。 お披露目を兼ねた舞踏会で、婚約破棄を言い渡されたリーリエが、失意から再び立ち上がる物語。 著者:藤本透 原案:エルトリア

誤解なんですが。~とある婚約破棄の場で~

舘野寧依
恋愛
「王太子デニス・ハイランダーは、罪人メリッサ・モスカートとの婚約を破棄し、新たにキャロルと婚約する!」 わたくしはメリッサ、ここマーベリン王国の未来の王妃と目されている者です。 ところが、この国の貴族どころか、各国のお偉方が招待された立太式にて、馬鹿四人と見たこともない少女がとんでもないことをやらかしてくれました。 驚きすぎて声も出ないか? はい、本当にびっくりしました。あなた達が馬鹿すぎて。 ※話自体は三人称で進みます。

処理中です...