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第四章
その1
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ミシオン王子とリーデルはさっそく戦いの準備を整え、兵士たちの前に立ちました。兵士たちは自分たちの知っている王子とはまるで別人のようなミシオン王子に驚き、またその王子が見知らぬ羊飼いの青年を伴っていることにも目を留めましたが、兵士たちの中にはリーデルのことを覚えている者も何人かいて、彼が優秀で勇敢だったことを知っていたので、リーデルを快く迎え入れました。
ミシオン王子は軍を率いて隣国に進軍しました。不意を突かれた隣国は充分な準備が整わないまま応戦することになりましたが、それでもさすがに手ごわく、ミシオン王子たちは苦戦を強いられました。しかしミシオン王子は敵の兵士たちと戦いながら、かつて軟弱者と侮られていた自分が、すっかり別人のように強くなっていることに手応えを感じ、次々と襲いかかってくる剣や槍の猛攻をかわしては反撃しました。
激しい戦闘の中にあって、村での仕事や遊びが自分の心と肉体を強く大きく育んでくれたことに、ミシオン王子は改めて村での生活に感謝と驚嘆を感じずにはいられませんでした。
とそのとき、背後からリーデルが自分の名を叫ぶ声が聞こえて振り返ると、王子のすぐ目の前に敵兵の放った矢が迫っていました。矢を剣で振り落とすには間に合いそうにありません。しかし次の瞬間、王子の眉間を射抜くより早く、矢は真横から勢いよく伸びてきたリーデルの大きな手によって、しっかりと掴み取られていました。
「すまない、リーデル! 助かった」
「王子、お気をつけください。敵は目の前にいるばかりではありません」
「わかった! 手数をかけた」
忠告を受けて気を引き締めた王子を見ると、リーデルは新たに飛んで来た矢を素早く剣で落としながら、
「しかし王子、初めての実戦とは思えませんね」
と言って余裕綽々たる態度で笑ってみせると、掛け声とともに馬の腹を蹴り、こちらに向かって走って来る敵兵の塊に突っ込んで行って、一度にまとめて数人を相手に剣を奮いました。
王子もリーデルに負けじと敵の兵士に向かいました。そんなミシオン王子とリーデルの姿を見た兵士たちは、勇気を得るとともに勝機があることを信じたので、皆勇んで戦いました。
ミシオン王子は軍を率いて隣国に進軍しました。不意を突かれた隣国は充分な準備が整わないまま応戦することになりましたが、それでもさすがに手ごわく、ミシオン王子たちは苦戦を強いられました。しかしミシオン王子は敵の兵士たちと戦いながら、かつて軟弱者と侮られていた自分が、すっかり別人のように強くなっていることに手応えを感じ、次々と襲いかかってくる剣や槍の猛攻をかわしては反撃しました。
激しい戦闘の中にあって、村での仕事や遊びが自分の心と肉体を強く大きく育んでくれたことに、ミシオン王子は改めて村での生活に感謝と驚嘆を感じずにはいられませんでした。
とそのとき、背後からリーデルが自分の名を叫ぶ声が聞こえて振り返ると、王子のすぐ目の前に敵兵の放った矢が迫っていました。矢を剣で振り落とすには間に合いそうにありません。しかし次の瞬間、王子の眉間を射抜くより早く、矢は真横から勢いよく伸びてきたリーデルの大きな手によって、しっかりと掴み取られていました。
「すまない、リーデル! 助かった」
「王子、お気をつけください。敵は目の前にいるばかりではありません」
「わかった! 手数をかけた」
忠告を受けて気を引き締めた王子を見ると、リーデルは新たに飛んで来た矢を素早く剣で落としながら、
「しかし王子、初めての実戦とは思えませんね」
と言って余裕綽々たる態度で笑ってみせると、掛け声とともに馬の腹を蹴り、こちらに向かって走って来る敵兵の塊に突っ込んで行って、一度にまとめて数人を相手に剣を奮いました。
王子もリーデルに負けじと敵の兵士に向かいました。そんなミシオン王子とリーデルの姿を見た兵士たちは、勇気を得るとともに勝機があることを信じたので、皆勇んで戦いました。
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