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時
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僕よりも早くこの世界の時空に乗り、僕を時空に乗せてくれた時計がついに壊れてしまった。毎時零分になるとこの時計はピエロの音楽隊のようなものが出てきて、軽快にその時を祝してくれる。たとえそれが誕生日でもお正月でも失恋の時でもこの時計は全く変わらない時を刻んでくれていた。流石に古いものらしく直るかどうかは微妙なところらしい、今は久しぶりに地上に降りて緊急のオペを父にされている。この世界にいるすべての生物は姿、形、大きさ、全てが違う。だが時間だけが僕ら生物をつないでいる。学校、会社、国、星、にいるそれら全ての生物が時によって、必然的に同じ世界にいる。どこかで戦争をしているとか、どこかの国のお姫様が結婚したとか全てが時によってつながっている。今日はいつになっても戻ることはできないし、明日も明日しか来ない。こうしている間にも同じ一秒が過ぎていっている。焦ることはない、地球ができてからの時間に比べればほんの一瞬にしかすぎない。嫌なことがあってもほんのちっぽけなことに思えてくる。この時はいつか終わりを迎えるかもしれない、その時にこの中に入れてよかったと思えるようになってみたいな。そんなことをふと考えていると、遠くから軽快な音楽が時を運んできた。
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