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1章
21. レオン様の調査報告
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夕焼けの景色の中でレオン様を含めたお父様たちのお帰りを出迎えた。
男子全員のお帰りなので従者も含めると大人数だ。
邸前広場で馬を降り、お父様を先頭にお兄様たち、レオン様が、外出のため騎士姿になった従者たちをひき連れて歩く姿は壮観だ。
堂々と私と使用人たちが待ち構える正面玄関に向かってくる。
「ソフィア! アドの露店料理、美味しかったぞ」
格好良かったお父様が早速人相を崩して私に近づき、抱擁のために腕を広げる。
が、申し訳ありません。
お父様を無視して、私はレオン様に一直線です。
「レオン様! いかがでした?」
「・・・えーっと・・・」
レオン様、端切れが悪い。
今日は調べる事が出来なかったとか?
「さーあ、夕飯前に風呂に入らなきゃね!」
アド兄様がお父様とアレク兄様をぐいぐい引っ張って邸内に入っていきました。
「レオン様?」
私は報告が聞きたくて仕方ありません。
「えーっと、ここで?」
レオン様は困り顔です。
「そうですわね! ごめんなさい。帰ってきたばかりだというのに」
「いや、いいんだけど、俺の部屋に行きながらでいい?」
相変わらずの優しい対応です。
「はい」
私は返事をすると、レオン様に割り当てられた客間へ向かって歩きながら話を聞きました。
食用油は領内生産、他領から仕入れ、外国からの輸入、どの方法をとっても潤沢らしい。平民にも安価で普通に流通している。
畜産は今日だけで全体を把握出来なかったが、街に肉は少ないらしい。魔物の影響で家畜が狩られて減ってしまい、また、郊外飼育場へ行くのも危険を伴う様子だという。現状は飛ばない鳥、コケッコーの卵と、日持ちする加工肉が主流になっている。
服に関しては従者たちが手分けして領民に聞いて回ってくれたのだそうだ。
通常、普段着る服は2着程度で修復をしながら着られなくなるまで使用。
下着は毎日洗濯するので3着程度持っている人が多い。
外套などは何年も使い込んだ物を1着。持っていない場合は下着の重ね着とストールなどで寒さをしのぐらしい。
我々貴族の恵まれた環境を顧みる良い機会になったと、レオン様が言ってくれた。
簡潔明瞭な報告のおかげでレオン様のお部屋に着く前に聞き終わった。
「ありがとうございます」
客間の扉の前で私は立ち止まりお礼を言った。
流石にお部屋の中まで押しかける気はありません。
「役に立ったかな?」
レオン様は私を覗き込み聞いて来ます。
身長差があるので立っているとどうしてもレオン様は首を俯け、私は上を仰ぎ見る形になってしまいます。
やっぱり、ちゃんと椅子に腰かけてお話すべきですね。
レオン様、肩が凝ってしまうわ。
「ええ、とても貴重な情報です。すぐにでも実行できそうな案があります!」
「すぐにでも? ならば明日もお手伝いしよう。他にも知りたいことがあんでしょう? 代わりに調査に出てあげる」
レオン様がまたも外での情報収集を買って出てくれた。
その優しく魅力的な声についつい首を縦に振りたくなってしまうところだが!
私は欲求を何とか振り切る。
「み、魅力的な申し出なのですけれど、まずは今晩です。お夕食を楽しみにしていて下さい」
今やるべきことに専念しようとレオン様にお暇を言い、心臓をバクバクさせながら急いで調理場へ向かった。
もう、レオン様のお誘いは何というかこう、悪い事をしているわけではないのに、心臓がギュン!と縮まる思いがするのです。
男子全員のお帰りなので従者も含めると大人数だ。
邸前広場で馬を降り、お父様を先頭にお兄様たち、レオン様が、外出のため騎士姿になった従者たちをひき連れて歩く姿は壮観だ。
堂々と私と使用人たちが待ち構える正面玄関に向かってくる。
「ソフィア! アドの露店料理、美味しかったぞ」
格好良かったお父様が早速人相を崩して私に近づき、抱擁のために腕を広げる。
が、申し訳ありません。
お父様を無視して、私はレオン様に一直線です。
「レオン様! いかがでした?」
「・・・えーっと・・・」
レオン様、端切れが悪い。
今日は調べる事が出来なかったとか?
「さーあ、夕飯前に風呂に入らなきゃね!」
アド兄様がお父様とアレク兄様をぐいぐい引っ張って邸内に入っていきました。
「レオン様?」
私は報告が聞きたくて仕方ありません。
「えーっと、ここで?」
レオン様は困り顔です。
「そうですわね! ごめんなさい。帰ってきたばかりだというのに」
「いや、いいんだけど、俺の部屋に行きながらでいい?」
相変わらずの優しい対応です。
「はい」
私は返事をすると、レオン様に割り当てられた客間へ向かって歩きながら話を聞きました。
食用油は領内生産、他領から仕入れ、外国からの輸入、どの方法をとっても潤沢らしい。平民にも安価で普通に流通している。
畜産は今日だけで全体を把握出来なかったが、街に肉は少ないらしい。魔物の影響で家畜が狩られて減ってしまい、また、郊外飼育場へ行くのも危険を伴う様子だという。現状は飛ばない鳥、コケッコーの卵と、日持ちする加工肉が主流になっている。
服に関しては従者たちが手分けして領民に聞いて回ってくれたのだそうだ。
通常、普段着る服は2着程度で修復をしながら着られなくなるまで使用。
下着は毎日洗濯するので3着程度持っている人が多い。
外套などは何年も使い込んだ物を1着。持っていない場合は下着の重ね着とストールなどで寒さをしのぐらしい。
我々貴族の恵まれた環境を顧みる良い機会になったと、レオン様が言ってくれた。
簡潔明瞭な報告のおかげでレオン様のお部屋に着く前に聞き終わった。
「ありがとうございます」
客間の扉の前で私は立ち止まりお礼を言った。
流石にお部屋の中まで押しかける気はありません。
「役に立ったかな?」
レオン様は私を覗き込み聞いて来ます。
身長差があるので立っているとどうしてもレオン様は首を俯け、私は上を仰ぎ見る形になってしまいます。
やっぱり、ちゃんと椅子に腰かけてお話すべきですね。
レオン様、肩が凝ってしまうわ。
「ええ、とても貴重な情報です。すぐにでも実行できそうな案があります!」
「すぐにでも? ならば明日もお手伝いしよう。他にも知りたいことがあんでしょう? 代わりに調査に出てあげる」
レオン様がまたも外での情報収集を買って出てくれた。
その優しく魅力的な声についつい首を縦に振りたくなってしまうところだが!
私は欲求を何とか振り切る。
「み、魅力的な申し出なのですけれど、まずは今晩です。お夕食を楽しみにしていて下さい」
今やるべきことに専念しようとレオン様にお暇を言い、心臓をバクバクさせながら急いで調理場へ向かった。
もう、レオン様のお誘いは何というかこう、悪い事をしているわけではないのに、心臓がギュン!と縮まる思いがするのです。
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