悪夢の実験場~ギーク王国誕生編~

焼き芋さん

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ストーリー

僕の憧れた英雄…その名は…

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 ガスマスクにフードを被ったグレイトの腕を二人の若い女性が繋いでいる。

「グレイト私を守って!」
「まだ死にたくないの!お願い!」

 彼女達はグレイトの殺人実況放送のリスナーの若い女性だった。
 彼は少しだけ照れている様子。

「ああ、いざとなったら俺が何とかしてやるよ!」

 グレイトの周りには不良少年3名と、柄悪いおっさん2名が立っていた。
 彼等の持つ武器を見たグレイトがそれらを指さして爆笑している。

「うっはぁw
銃やナイフ持ってんのかよお前等、犯罪じゃねぇかw」
「いやぁ、グレイトさんに犯罪とか言われてもねぇ…」
「護身用だよ、こんな状況では銃でもないと襲われた時に終わりだ」
「けけけっ、ちげえねぇw」

 すると銃を持ってるおっさんに対抗するかのように不良少年達が言った。

「俺らだって敵が来たらナイフで一発だぜ!」
「へへっ、今から敵に会うのが楽しみだ♪」
「グレイトもいるし負ける気がしねぇ!」
「おう!頼りにしてるぞお前等!」

 グレイトが不良少年の肩をポンとたたき、彼等はナイフを持って辺りを警戒しに行った。
 キモオタ数人はネットを繋ぎ情報を集めている。
 そして残りのリスナー達は脅えながらグレイトの周りを歩いていた。
 グレイトも考えがあるのか目的地を話し始めた。

「まずは隣町まで逃げる、範囲はそこまでかも知れないしな」

 毒ガス、爆弾、容器に入れた硫酸などを入れたリュックを背負いながら、グレイトも辺りを警戒して歩いていた。

 そこに…

 一軒家の屋根の上から、見知らぬ女の声がしてくる。

「フードにガスマスクの男は無力化した後、生け捕り、そして、その仲間達は全員死刑ですわ♪」

 声の主は茶髪の長い髪型の和服の女だった。
 彼女は刀を持って屋根から飛び降りると、こちらにゆっくりと歩いてくる。

「何だ?この近くのキャバ嬢の姉ちゃんか?」
「うっはぁ!美人だぜ!犯っちまうか?」
「今グレイトって言ったよな?まさか、あいつもさっきの姫みたいなやばい奴なんじゃ…」

 やたら好戦的なナイフを持った不良少年三人のうち一人が襲いかかりそうになる。
 しかし、その直後だった。

「黒姫流抜刀術「賽子」」

 ナイフを持った男達が皆サイコロ状態になる。

「腕が…体が…馬鹿な…」
「え?何が…あ…」
「ぎゃああぁぁっ!!」

 彼等の体はポロポロと地面に落ち、砂へと変化して、地面に溶けていく。
 そして彼等はわけもわからずその場で死亡した。 
 女達は悲鳴を挙げて、銃を持った男達は和服の女に発砲する。
 しかし、その銃弾は彼女の体をすり抜けて、まるで効いていなかった。

「銃弾が効かねぇとか、ゲームかよ!」
「そんな事あってたまるか!化け物め!」

 男達は銃弾を連射するが彼女は避ける動作もなく欠伸をして挑発している。
 しかしグレイト彼女の足場を見ると、何かに気付き笑みを浮かべた。

(くくっ、馬鹿め、そこは俺が爆弾を透明化して仕掛けておいた場所だ!)

 そして彼はスイッチを押すと、彼女の足場が爆発する。
 大きな音を立てて、通常なら足がバラバラに吹き飛ぶほどの威力だった。

「ヒャッハァ!!どーだ!!あらかじめ仕掛けていた爆弾!見えないようスキルで消しておいたから気付かなかったろ?」

 グレイトが調子に乗っているが、砂埃の中から無傷で立つ彼女が現れる。

「え???」

 間抜けな声を漏らすグレイト。
 向こうから歩いてくる彼女には、やはり、傷一つ付いていなかった。
 
「そんなもの、私には効きませんわ♪」

 銃を撃っているおっさん2人が銃弾を連射する。
 しかし効果はなく、歩いてきた和服の女に刀で首を跳ねられ、即死だった。

「きゃあぁっ!!」
「おい、グレイト!」
「俺らどうすればいいんだ…」

 戦闘要員がいなくなった影響で、グレイト以外は誰も立ち向かって行かなかった。

「残りは立ち向かってすら来ないのですか?
それでは、そんな弱虫さんは…サンドバック決定です♪」

 彼女は立ったまま、動かない。
 にもかかわらず、グレイトの仲間は首がもげ、骨が折れ、腹を見えない何かが貫通する。
 彼等は倒れ込み、血を吐き、二度と立ち上がる事はなかった。

「何が…怒ってやがる…」

 今まで一緒だった仲間の死体を見て、グレイトは体がガクガクと震え出す。

「これで後はお前だけですわ♪」

 グレイトは慌ててスマホの画面を女に向ける。
 画面の中にはロボがいて、そのロボの腕から小型ミサイルなどが発射される。
 それらは画面から飛び出て彼女に追尾し、そして直撃したのだった…
 すると巨大な爆発が起こり、彼女の後ろにあった一軒家が吹き飛んでしまう。
 グレイトは引きつった笑顔でその様子を見て笑っていた。

「あはははは!どうだ!流石に効いたろこりゃ!!」

 火事が起こっているが、その煙の中から彼女は無傷のままこちらに歩いてくる。

「何故だ、何故当たらない!効かない!?」
「さぁ、何故でしょうね?」

 彼女の姿が突然消えると、目の前に現れグレイトはお腹を膝蹴りされて吹っ飛んだ。

 「げほっ、げほっ…」

 グレイトは転げ回り、一撃であばら骨が折れたのを理解する。
 このままでは殺されると理解し、リュックから毒ガスを取り出した。

「はぁ!はぁ!!」

 グレイトは毒ガスを周囲に撒き散らし、近付けないようにしたつもりだった。
 自分はガスマスクを付け、防御は完璧、手でマスクを触った感触もある。

 しかし…

「はぁっ、はぁっ、ぐっ、おえっ……」

 目に激痛が走り、血を吐きながら、激しい頭痛に苦しんでグレイトは転げ回る。
 それはまるで、毒ガスを吸ったような感覚だった。

「私の得意とするスキルは幻術、本当はあなた、ガスマスクなどしていませんわ?」

 グレイトはあばらに膝蹴りをされた時、あの時、空気が顔に当たったような気がしたのを思い出す。
 つまり、本当はあの時に外されていたにも関わらず、彼女の能力で今もガスマスクを付けたままだと誤解していたのだった。
 ただ、彼女はガスマスクを手に持ったまま、平然と毒ガスを吸っているのに何故か平気だった。

「さあ、行きますわよ。
あなただけは生け捕りと言われていましたので、このまま私と来て貰いますわ♪」

 気を失ったグレイトを、引きずりながら彼女は何処かへ連れて行った。


 ──小学校グラウンド──

 そこには、シオン、和樹、咲、ミサ、健一、翔太の6人と…
 それから、紫髪のポニーテールの和服の女が翔太を見つめて舌舐めずりをしていた。

「あらあら、可愛らしい男の子ねぇ♡
お姉さん貴方のような男の子大好きよ♪確か鈴木翔太君だったかしら?
痛くしないからこっちに来なさい?」
「いっ…嫌だ!!」
「あら、残念ねぇ…」

 すると、黒髪の前髪ぱっつんロングの和服の女が後ろから現れ言った。

「皐月、駄目ですよ遊んでは…任務が最優先です!でも…去勢するならば話は別!我が愛刀にて男達の竿を切り落として差しあげましょう!」
「去勢なんて、駄目に決まっているでしょう?
何の面白みもなくなってしまうじゃないの」

 その女の言葉に和樹が脅えている。

「あの…去勢って…」
「気にするな和樹、それよりやばそうな連中が来たな…
明らかにこちらに敵意を向けている…
ミサ、翔太、召還は出来るか?」
「はい、出来ます!」

 翔太は目を瞑り唱えるように言った。

「来い!グールの軍勢!」

 翔太がスキルで過去に見たグールの軍勢をイメージし、召還した。

「100が限界か…僕もまだまだです…」
「ゴーレム召還!!」

 ミサは杖で地面に魔法陣を描くと、学校の校舎ほどの巨大なゴーレムを召還した。

「炎魔法連射!
ファイヤーボール」

 続いてシオンも空に魔法陣を展開させ、そこから炎の玉を大量に降らせていく。
 しかし彼女等は軽くかわしながらこちらへ走ってくる。

「桔梗、ターゲットはどこ?」
「あそこです!あの木の上にいる、本を持っている男です!
さっそく、我が最強スキルの餌食にしてあげましょう!」
「駄目よ桔梗、私が行くわ?あなたは彼女達の相手をしなさい?」
「さっきから何ですかその態度は!皐月、まさか、私に喧嘩を売っているのですか!?」
「あら、桔梗ったら怒っちゃったぁ?
簡単な話よ、私の方が強いんだから貴方が私の言うことを聞くのは当然でしょう?」
「皐月ぃっ!!!」

 2人はその場で刀と刀を交差させ睨み合ってしまう。
 そして戦いを始めてしまった。
 真正面からはグールの軍勢、超巨大ゴーレム、炎の玉が降っているのに彼女等は気にせず喧嘩を始めている。
 しかし恐ろしいのは2人の速度だった。
 翔太陣営の中に追いきれる者は誰一人いなかった。

「どうしますか?シオンさん!」
「チャンスだ、まずはそこのゴーレムを強化
「ロックブースト」」

 シオンの強化魔法により岩属性のゴーレムが光り、さらに硬度が上がったような感じがした。

「続いて翔太のグールにも強化魔法をかけてやろう」

 土強化魔法を受けたグールは、動きが早くなったのがわかる。

「まだ手は出すなよ、仲間割れしている間にこちらの陣営を出来るだけ強化しておこう」

「では、続けて召還します!
来い!ゴブリン・ナイトメア!そして、サキ・ナイトメア!」

 王冠を被ったゴブリンとサキュバスの女が翔太の前に現れた。

「またか小僧!」
「ねぇ、アタシを読んだ理由は?」
「小僧って…
呼び出したの僕なのに…
とにかく、指示が来たら奴らを遠距離魔法で攻撃して下さい」
「オッケーよ、任せなさい」
「ああ了解だ小僧!ゴブリンロードの力見せてやる!」

 翔太に召還されたのに何故か偉そうな空想上のゴブリンとサキ、しかし彼女等の能力、性格、力は正確に再現されていた。
 ゴブリンは棍棒を持ちサキュバスは羽をバタバタさせながら空を飛んでいる。
 それを見たシオンが翔太を見て感心していた。

「グールを出したまま連続で召還出来るのか、やるな翔太」
「自分より強い人は召還出来ませんけどね」

 健一は本をパラパラ捲りながら真剣に何かを考えている様子。

「咲さん、強化魔法をお願いします!」
「オッケーよ、任せなさい♪」

 翔太の頼みで咲が強化魔法を使い、ゴブリンとサキュバスの体に鎧と武器が追加された。

「はぁ、はぁ、皐月!今はブラッディ・ムーン発動中です!こんな事をしている場合ではありません!」
「それはこちらの台詞よ、敵を間違えないで欲しいわね…
それじゃ桔梗、2人で行きましょうか」

 喧嘩をしていた2人はようやく落ち着くと、我に返り、翔太達のほうへ向かって行く。
 桔梗が刀を突き出したまま、まるで独楽(こま)のように回転し、グールを真っ二つに切り刻んでいく。

「黒姫流剣術「車輪の太刀筋」鞭ゴマ!!!」

 刀がゆらゆらと揺れはじめ、まるで鞭のようになりながら伸びていく。
 その刀はグールを叩きながら切り刻み、粉々に切り裂いていった。
 皐月はゴーレム、サキ、ゴブリンに向かって少し離れた位置から剣を構えている。

「まぁ、桔梗ったらあんな技をここで使うなんて…だったら私も!
黒姫流剣術「炎の太刀筋」火炎山脈!」

 火事どころでは済まない炎が燃え上がり、グラウンド、学校が火に包まれ火の海になる。

「きゃあぁぁっ!!」
「おのれ!氷の棍棒!」

 サキとゴブリンが氷魔法で応戦するも、炎の威力が桁違いでゴーレムと一緒に焼けて溶け、そして消えてしまった。

「そんな…サキ、ゴブリン、グールまで…」
「あああぁぁ…私のゴーレムが一撃で…」
「不味いなこれは…全員巻き込まれてしまう…」

 健一はパラパラ本をめくりながら覚悟を決めているのか、胸に手を当て構えていた。
 おそらく最悪の場合、時間を戻すスキルを使うつもりだろう。

「水魔法!
タイダルウェイブ」

 シオンがグラウンドに津波を出現させ、炎を消化する。
 しかし、皐月は笑みを浮かべ、こちらを眺めていた。

「どうしますかシオンさん!」
「正直、逃げ出したいところだが、そうは行かないだろうな…お手上げだ…」
「そんな…」

 その時、桔梗が健一の目の前に瞬間移動して現れた。

「ぐっ!!!」

 両手を押さえつけられ、又の間には膝を入れられ、健一は動きを封じられてしまう。

(ならば…舌を噛んで…)

 しかし、噛み切ろうとしても、何故か健一の口は動かなかった。

「そう何度もコンティニューさせるわけにはいきません!黒姫様をどれだけ振り回すつもりですかあなた!」

 魔法なのかスキルなのかわからない、しかし彼は動けなくなっていた。

(くっ…この状況…本当にまずい…)

 健一は動けず、咲、シオン、ミサ、翔太も皐月が放った炎で動けなくなっている。

「さて、あなた達にもそろそろトドメを刺さなくてはね?
せっかくだから、黒姫様の弟子の中で、私だけしか使えない技を見せてあげる♪」

 彼女が構えると、周囲の音が静かになってくる。
 風の音も止み、誰かの悲鳴も聞こえない。
 そんな中、彼女は名を叫び技を撃とうとしていた。

「この技を受けて、生き残った者は今までに一人としていないわ?さぁいくわよ??
黒姫流抜刀術!奥義!
「枯葉の構え」デッド・ツリー」

 直後、皆の体に突然変化が起き始めた。
 その現象に皆は驚愕しどうすることも出来なかった。

「馬鹿な…なんだこの技は…手が…足が」
「うっ…苦しい…ミイラになって…」
「きゃあぁぁっ!!!」
「はぁ…はぁ」
「こんなとこで…僕は…干からびて…」

 シオン、咲が倒れ、続けて悲鳴を上げるミサが動けなくなり、和樹、翔太も倒れてしまう。
 皆の体はまるで枯れ木のように干からびていき、手足、全身にも力が入らなくなってくる。
 
「はぁ…はぁ、僕、死ぬんだ…美優ちゃんに告白したのに…こんなところで…」

 翔太は死を受け入れ、目を瞑ってしまった…


 ───暗闇の中───

 僕、鈴木翔太は、真っ暗な暗闇の世界で目を覚ました。
 辺りには何もなく、僕はその空間では孤独で、涙が出そうな程に寂しくなってくるのがわかった。

 しかし、その闇の中に人影があったのだ…



 僕はそれを見ようと、目を擦り、しっかりと目を見開いた…
 するとそこには、いるはずのない人物が立っていた。

「やぁ、翔太君、元気かい?」

(何だこれ、走馬灯って奴か?死ぬ前に見る幻覚の…)

 僕はそんな事を考えながら前に現れた人物を見つめていた。

 ちなみに彼のことはもちろん覚えている…

 二年前、僕の学校の事件をいとも簡単に解決してくれた最強剣士。
 彼の前に敵はなく、どんな相手も余裕で倒す無敵のチート剣士に見えていたからだ。

 そんな彼が今、僕の夢の中にいる。

「大丈夫かい?疲れ果てて今にも倒れそうだぞ?」

 彼は心配し、こちらに手を差し伸べてくる。
 しかし僕には、その手を掴む体力も残っちゃいなかった…。

(ああ…僕も、彼のような強い剣士になりたかったなぁ…)

 そんな事を思いながら、僕は暗闇の中で疲れ果て、瞼を閉じそうになり、倒れていくのがわかる。
 しかし、不思議と倒れはしなかった。
 そこにはまるで手を掴まれたような感触があったからだ。
 ただ、瞼は重く、もしここで閉じたら二度と目が覚めないのは理解できた。
 訪れるのは永遠の死…だからこそ僕は必死で瞼を開いて目の前にいる黒髪オールバックの男を見る。

 すると彼は僕の手を掴んでいた…

「翔太君、俺の名を叫び、イメージしろ…」

 最後に「力を貸してやる」と口が動いたような気がした。

 僕はだんだん頭も回らなくなり、口を動かすのも辛くなっていた。
 しかし彼の名前だけは、僕の中に記憶としてはっきり残っているのがわかった。

 頭の中に名前が浮かび上がる。

(僕の憧れた英雄…)

 そう、彼の名は──

「ユウト…!」
「ユウトさん!?」
「ちょっ、マジ!?」
「えぇっ!?っておい!隠れてたのにびっくりして声出しちゃったじゃねぇかキモオタァ!」
「いや、僕のせいなの?サクラたん…」

 今にも死にそうなシオン達ですら、予想外の相手出現に、あまりにも驚いて声を挙げていた。
 さらに和樹のバッグに隠れていた動くフィギュア、サクラまで顔を出している。
 ミサはわけがわからず混乱している様子だった。

 その黒服の剣士は回復魔法を発動した。

「上級回復魔法「リザレクション」」

 辺りが白い光に包まれてシオン、咲、和樹、ミサの四人がミイラのような状態から元の人間の状態に戻った。
 そして彼の姿は消え、和服の女達の前に出現すると、黒服の剣士は彼女等に切りかかった。

「きゃぁっ!!」
「何をするのです!そもそも誰ですかあなた!今すぐ去勢されたいのですか?!」

 黒服の剣士は彼女等を斬り付けることに成功し、確かな手応えを感じていた。

(効いている、そして体が軽い、今までに感じたことのない魔力、何だこれは…)

 鈴木翔太に無かった知識、戦闘経験が流れ込み、彼の使える魔法、スキルが頭に記憶される。
 僕は聖剣デュランダルを彼女等に向けて振り下ろした。

「聖剣デュランダルに切れぬもの無し!桐の太刀筋!
エンプレス・ツリー」

 その虹色の斬撃は地面を走り、彼女等に向かっていく。

「そんな!あれは…黒姫様の剣術です!他に使える者がいたとは!何者ですか彼は!」
「不味いわ桔梗…もう間に合わない…あれを食らったら木に変化して即死よ?もう二度と元に戻らない…」

 斬撃は彼女等を巻き込み、その位置にも木が生えたのを確認する…

 しかし…

「まったく…私が戻って来なければ貴方達、今ので終わってましたわ」

 茶髪の髪の和服の女がいつ救い出したのか、両脇に残り2人を抱えたまま離れた位置に立っていた。

「紅葉!助かりました!感謝します!」
「助かったわ紅葉、もう駄目かと思った…」

 黒髪と紫髪は涙を流しながら茶髪の女、紅葉に泣きついている。

「あの青年剣士ですか…黒姫様に見せていただいた手配書に無かった男ですわね?」
「あれはおそらく、鈴木翔太、彼が変身した姿です」
「でもまるで別人みたいに強くなっちゃって…」

 翔太はデュランダルを仕舞い、今度はもう一つの剣、エクスカリバーを鞘から抜いた。
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