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ストーリー
ギーク王国女王「ギーク・ハザード」
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「いったい、何をやったんだ!答えろ!」
10代後半ぐらいの不良少年が叫んで言った。
縛られてはいるが、もし縛ってなければ殴りかかってそうな勢いだ。
「簡単な事よ、貴様等の考える安全圏を、そうでないものに変えただけの事じゃ…」
「はぁ!?意味わかんねぇぞてめぇ!それに!とっとと解放しやがれ!」
「そうよそうよ!私ら何も悪くないんだから、この縄をさっさと解きなさい!」
「こんな事して犯罪だぞ!女!」
「そうだぞ!俺ら何も悪い事してねぇじゃねえか!」
「今すぐ縄を解け!さもないと俺達の仲間も黙っちゃいねぇぞ?」
不良少年の第一声に続くように皆が一斉に騒ぎ出す。
グレイトは考え事をしているのか無言だった。
しかし指をカタカタまるでタイピングをするように動かしながら、ニヤリと笑っていた。
すると、真っ二つに割られたPCモニターに、二次元の女の子のキャラが写り込む。
着物の女はその映像を興味深そうに覗き込んでいた。
画面の中に写るのは背中に大きな黒い羽を生やし、ボンテージ衣装を着たピンク髪の女の子の3Dアバターだった。
サキュバスのようにもみえる。
「ども~♪バーチャル○ーチューバーのリリスだよ~♪着物のお姉さんこっち向いて☆」
「何じゃ…これは」
「そうそうそのまま☆」
画面の中の女の子は覗き込んでくる着物の女に指を向けて叫ぶ。
「パーンッ☆」
するとモニターから銃弾のようなものが発射され、それは黒姫の額を打ち抜いた。
彼女は驚いた顔で、その場で倒れ込み動かなくなった。
それを見たグレイトが口角を釣り上げて笑い始めた。
「くくくっ…不意打ち成功だぁ…お前ら見たか、奴の死に様を♪」
皆は、その有り得ない光景に口を閉じ、何も言えなくなっていた…
しかしそれがグレイトの仕業だとわかると場が一気に盛り上がる。
「おお!すげぇ!」
「やっぱりグレイトはすげぇよ!」
「やるじゃねぇか、流石に殺されるかと思ったぜ」
「ざまぁみろ着物女!」
「あの驚いた顔、傑作だったぜ!」
「しかし、どうなってんだ?このVチ○ーバー」
皆がグレイトを称えはじめる。
しかし…皆の期待を裏切るかのように、着物の女は何事もなかったかのように立ち上がった。
「うーん…痛いのぉ…まったく酷いことをする…貴様等、いったい妾を誰じゃと思うておる」
起き上がった彼女の額の穴はすでに塞がっており、皆はそれを見てガタガタと震えだした。
「妾はギーク王国女王「ギーク・ハザード」いずれ世界を統べる王になる者じゃ!
貴様等は調子に乗っておるようじゃから、今から地獄を見せてやろう」
勝ち誇った表情の彼女は空を見て手を広げると何か呪文のようなものを口にする。
「月光よ妾を照らせ」
すると、昼間にも関わらず空の景色が突然、夜へと変化してしまう。
「おい、夜になったぞ」
「まだ昼なのにいったい…」
「どうなってるんだ!ふざけんな!」
「きゃああぁぁぁっ!!!」
皆がパニックになっていた。
彼等の絶叫を笑い飛ばすと彼女は二本の刀を月に向ける。
「死の恐怖、とくと味わうがよい!
黒姫流二刀流剣術奥義!ブラッディ・ムーン!」
彼女は月に向かって独特の構えから剣を降り降ろすと、斬撃が空を走り、それは巨大化しながら月へと向かっていく。
そしてその斬撃は月に直撃した。
「なんだあれ、月から血が出てる」
「馬鹿な!そんなわけがあるか!」
「何が、何が起こってやがる!」
「認めねぇぞ!夢だ!これは夢だ!」
「刀振ったら何か飛んでったぞ」
「おいグレイト!何とかしてくれ!」
その月が血を流すというあり得ない光景に、皆混乱し、ギーク・ハザードと名乗った女に恐怖していた。
「なんだあれは…」
「おかしいぞこの女」
「おい…こいつ透明に…」
「ひいいぃっ!化け物!化け物!」
彼女は空に浮かんだまま透明になっていき、縛られたグレイト達のほうへ向いて言った。
「あの月が赤く染まりし時、この町一帯を無に返す黒い雨が降る。
その雨に触れれば、たとえ能力者であろうと永遠の死を迎える…せいぜい足掻いてみよ、楽しみに見物させて貰うぞ?」
するとグレイト達の縛られていた縄は突然切れて解けていく。
全員自由にはなったが、辺りはまだ少し赤くなった月が見下ろしている。
着物姿の姫は完全に消えて、郁麿の死体も消えてしまっていた。
皆は放心状態で、その場に立ち尽くすだけだった。
「シオンさん空が…」
「ああ、困ったな…いったい何が起こっているのやら」
「やばそうだ、良い予感が何一つしない…」
飲食店でご飯を食べている翔太、咲、シオン、健一、ミサ、和樹は空を見上げ不安になっていた。
他の客達も騒ぎになり外を眺めていた。
着物の女、彼女はギーク王国女王にして二つの名を持っている。
ひとつは黒姫、もう一つはギーク・ハザード。
まあ、別人格と言うわけではなく場面によって使い分ける偽名でもあるが、女王としての表の名前がギーク・ハザードだ。
「郁麿、連れてきた妖怪は、絡新婦だけか?」
ギーク・ハザードこと黒姫と、郁麿はグレイトに襲撃に遭った一軒家の中にいる。
どうやら彼女に回復させて貰ったようで郁麿は生きていた。
「連れてきたのは…絡新婦、雪女、妖狐でおじゃる…
しかし、黒姫様、麻呂はあのグレイトを許せぬ…
それとどうかユキを…ユキを蘇えらせてほしいでおじゃる」
「ふむ…しかしな郁麿よ、死体の一部すらなければ流石に妾のスキルでも不可能じゃ…残念じゃが、今回は諦めろ…」
すでに雪女の体は溶けて水となり蒸発していた。
結果、黒姫の蘇生スキルでも蘇生不可能な状態だった。
しかし妖狐のほうは蘇生に成功し、絡新婦はその場に来ていた。
「くっ…おのれ!おのれ!またしても!
麻呂はもう、奴をこの手で殺さねば生きていけぬでおじゃる!」
地面をバンバン叩く郁麿に絡新婦と妖狐は目を瞑り仲間の死を哀しんでいる。
黒姫はそんな郁麿を抱きしめ頭を撫でると、一つ、提案をした。
「わかった、では妾が奴と一対一で戦える舞台を整えてやろう…それで良いか?郁麿」
郁麿は涙を流しながら頷いて黒姫の案を受け入れた。
「さて、ではここからは妾の仕事…
郁麿、すべてが終わった後、貴様には勝手に着いてきた罰を受けて貰う…しかし今はここで待機じゃ」
「はい…黒姫様」
その後、黒姫はスキルでワープゲートを開き、ギーク王国から部下を呼び寄せた。
それは黒姫の側近の三人、紅葉、桔梗、皐月…和服だが黒姫とは違い可愛い系ではなくセクシー系。
皆、娼婦にいそうな胸元が見えそうな感じで、下は足がよく強調された衣装だった。
「まったく、黒姫様の命令を無視し勝手な行動をした挙げ句この有様、ギーク王国の恥晒しですわ」
髪型が茶髪でハーフアップの鋭い赤い瞳の女、紅葉。
服装は赤と黒の混ざり合い、花模様で、胸元や脚がよく見える和服。
そんな紅葉が郁麿を見て口元に手を当てて笑っている。
「そうです!こんな恥晒しの男、今すぐ去勢しましょう!黒姫様、去勢の許可を!」
「ひいいぃっ!!!」
黒髪ぱっつんロングな髪型で黒い瞳の桔梗という女が剣を抜いて「去勢」と言うと、郁麿は脅えていた。
彼女の服装は紫に黒の入り交じった、ピンクの花模様の和服でスリットが入っており足が強調されている。
「あらあら、桔梗、気持ちは分かるけど黒姫様の前よ?
去勢するなら任務が終わった後でしょ?」
髪型はポニーテールの紫色、この中で一番優しい笑顔を向ける落ち着いた感じの女性皐月。
服装は青に赤の模様が混じり合った和服。
肩がはだけ、下は短めで脚がよく見える。
「なんなら私も手伝って差し上げますわ♪桔梗」
「だまりゃ!何じゃ貴様等!麻呂は!麻呂は!」
「何ですか?白塗り野郎!役立たずの雄は去勢です!」
「うふふっ…♡郁麿さんったら、仕草もたまに女性のようで、声も高いですし、切り取ったら女の子になりそうですね♪」
黒姫の側近、紅葉、桔梗、皐月が郁麿をからかっている。
すると黒姫がパンパンと手を叩き喧嘩をやめさせた。
「そこまでじゃ、妾の前で喧嘩をするとは良い度胸をしておるのぅ?」
黒姫の言葉に側近三人と郁麿が慌てて頭を下げて横に整列し謝った。
「「申し訳ございません」」
「ふむ、まぁよいわ……」
黒姫は少し間をおいて本題を話し始める。
「今からお前達にいくつか任務を与える。
一つは、透明人間になり、何やら電子機器を操る能力者グレイトを無力化したのち捕縛」
「無力化ですか??殺してはいけないのですか?」
「殺すのは郁麿に殺らせる、妾の決定じゃ」
「承知しましたわ」
紅葉が納得すると次の任務を話し始めた。
「次の任務は、危険因子五人を抹殺、うち一人は復活不可能なスキルで始末する事、お主等なら出来るな?」
「「はい」」
皆、自信満々に答えていた。
すると黒姫がプリントされた写真を見せていく。
そこには、翔太、シオン、健一、ミサ、咲の五人が写っていた。
「しかし、黒姫様、何故、ブラッディ・ムーンを発動したのですか?」
「もしや、それほどの相手が?」
桔梗、皐月が疑問に思っていると黒姫が笑みを浮かべて答え出した。
「いや、違う。
妾への悪戯が過ぎた小僧共に力を見せつけてやっただけじゃ…確かに大人げない事をしたが…」
「黒姫様を怒らせたのはグレイトとその仲間でおじゃる!」
「それは本当か!?郁麿!」
「許せませんわ!滅多刺しにして差し上げます!」
「うふふっ♪お仕置きが楽しみねぇ…♡」
紅葉、桔梗、皐月が怒り、目の奥に炎を燃やしている。
「グレイトの仲間は好きにしてかまわん、殺しても問題ない、のぅ郁麿?」
「はい、問題ないでおじゃる」
その後、彼女の側近は散らばって、目的の対象を殺害に向かっていった。
10代後半ぐらいの不良少年が叫んで言った。
縛られてはいるが、もし縛ってなければ殴りかかってそうな勢いだ。
「簡単な事よ、貴様等の考える安全圏を、そうでないものに変えただけの事じゃ…」
「はぁ!?意味わかんねぇぞてめぇ!それに!とっとと解放しやがれ!」
「そうよそうよ!私ら何も悪くないんだから、この縄をさっさと解きなさい!」
「こんな事して犯罪だぞ!女!」
「そうだぞ!俺ら何も悪い事してねぇじゃねえか!」
「今すぐ縄を解け!さもないと俺達の仲間も黙っちゃいねぇぞ?」
不良少年の第一声に続くように皆が一斉に騒ぎ出す。
グレイトは考え事をしているのか無言だった。
しかし指をカタカタまるでタイピングをするように動かしながら、ニヤリと笑っていた。
すると、真っ二つに割られたPCモニターに、二次元の女の子のキャラが写り込む。
着物の女はその映像を興味深そうに覗き込んでいた。
画面の中に写るのは背中に大きな黒い羽を生やし、ボンテージ衣装を着たピンク髪の女の子の3Dアバターだった。
サキュバスのようにもみえる。
「ども~♪バーチャル○ーチューバーのリリスだよ~♪着物のお姉さんこっち向いて☆」
「何じゃ…これは」
「そうそうそのまま☆」
画面の中の女の子は覗き込んでくる着物の女に指を向けて叫ぶ。
「パーンッ☆」
するとモニターから銃弾のようなものが発射され、それは黒姫の額を打ち抜いた。
彼女は驚いた顔で、その場で倒れ込み動かなくなった。
それを見たグレイトが口角を釣り上げて笑い始めた。
「くくくっ…不意打ち成功だぁ…お前ら見たか、奴の死に様を♪」
皆は、その有り得ない光景に口を閉じ、何も言えなくなっていた…
しかしそれがグレイトの仕業だとわかると場が一気に盛り上がる。
「おお!すげぇ!」
「やっぱりグレイトはすげぇよ!」
「やるじゃねぇか、流石に殺されるかと思ったぜ」
「ざまぁみろ着物女!」
「あの驚いた顔、傑作だったぜ!」
「しかし、どうなってんだ?このVチ○ーバー」
皆がグレイトを称えはじめる。
しかし…皆の期待を裏切るかのように、着物の女は何事もなかったかのように立ち上がった。
「うーん…痛いのぉ…まったく酷いことをする…貴様等、いったい妾を誰じゃと思うておる」
起き上がった彼女の額の穴はすでに塞がっており、皆はそれを見てガタガタと震えだした。
「妾はギーク王国女王「ギーク・ハザード」いずれ世界を統べる王になる者じゃ!
貴様等は調子に乗っておるようじゃから、今から地獄を見せてやろう」
勝ち誇った表情の彼女は空を見て手を広げると何か呪文のようなものを口にする。
「月光よ妾を照らせ」
すると、昼間にも関わらず空の景色が突然、夜へと変化してしまう。
「おい、夜になったぞ」
「まだ昼なのにいったい…」
「どうなってるんだ!ふざけんな!」
「きゃああぁぁぁっ!!!」
皆がパニックになっていた。
彼等の絶叫を笑い飛ばすと彼女は二本の刀を月に向ける。
「死の恐怖、とくと味わうがよい!
黒姫流二刀流剣術奥義!ブラッディ・ムーン!」
彼女は月に向かって独特の構えから剣を降り降ろすと、斬撃が空を走り、それは巨大化しながら月へと向かっていく。
そしてその斬撃は月に直撃した。
「なんだあれ、月から血が出てる」
「馬鹿な!そんなわけがあるか!」
「何が、何が起こってやがる!」
「認めねぇぞ!夢だ!これは夢だ!」
「刀振ったら何か飛んでったぞ」
「おいグレイト!何とかしてくれ!」
その月が血を流すというあり得ない光景に、皆混乱し、ギーク・ハザードと名乗った女に恐怖していた。
「なんだあれは…」
「おかしいぞこの女」
「おい…こいつ透明に…」
「ひいいぃっ!化け物!化け物!」
彼女は空に浮かんだまま透明になっていき、縛られたグレイト達のほうへ向いて言った。
「あの月が赤く染まりし時、この町一帯を無に返す黒い雨が降る。
その雨に触れれば、たとえ能力者であろうと永遠の死を迎える…せいぜい足掻いてみよ、楽しみに見物させて貰うぞ?」
するとグレイト達の縛られていた縄は突然切れて解けていく。
全員自由にはなったが、辺りはまだ少し赤くなった月が見下ろしている。
着物姿の姫は完全に消えて、郁麿の死体も消えてしまっていた。
皆は放心状態で、その場に立ち尽くすだけだった。
「シオンさん空が…」
「ああ、困ったな…いったい何が起こっているのやら」
「やばそうだ、良い予感が何一つしない…」
飲食店でご飯を食べている翔太、咲、シオン、健一、ミサ、和樹は空を見上げ不安になっていた。
他の客達も騒ぎになり外を眺めていた。
着物の女、彼女はギーク王国女王にして二つの名を持っている。
ひとつは黒姫、もう一つはギーク・ハザード。
まあ、別人格と言うわけではなく場面によって使い分ける偽名でもあるが、女王としての表の名前がギーク・ハザードだ。
「郁麿、連れてきた妖怪は、絡新婦だけか?」
ギーク・ハザードこと黒姫と、郁麿はグレイトに襲撃に遭った一軒家の中にいる。
どうやら彼女に回復させて貰ったようで郁麿は生きていた。
「連れてきたのは…絡新婦、雪女、妖狐でおじゃる…
しかし、黒姫様、麻呂はあのグレイトを許せぬ…
それとどうかユキを…ユキを蘇えらせてほしいでおじゃる」
「ふむ…しかしな郁麿よ、死体の一部すらなければ流石に妾のスキルでも不可能じゃ…残念じゃが、今回は諦めろ…」
すでに雪女の体は溶けて水となり蒸発していた。
結果、黒姫の蘇生スキルでも蘇生不可能な状態だった。
しかし妖狐のほうは蘇生に成功し、絡新婦はその場に来ていた。
「くっ…おのれ!おのれ!またしても!
麻呂はもう、奴をこの手で殺さねば生きていけぬでおじゃる!」
地面をバンバン叩く郁麿に絡新婦と妖狐は目を瞑り仲間の死を哀しんでいる。
黒姫はそんな郁麿を抱きしめ頭を撫でると、一つ、提案をした。
「わかった、では妾が奴と一対一で戦える舞台を整えてやろう…それで良いか?郁麿」
郁麿は涙を流しながら頷いて黒姫の案を受け入れた。
「さて、ではここからは妾の仕事…
郁麿、すべてが終わった後、貴様には勝手に着いてきた罰を受けて貰う…しかし今はここで待機じゃ」
「はい…黒姫様」
その後、黒姫はスキルでワープゲートを開き、ギーク王国から部下を呼び寄せた。
それは黒姫の側近の三人、紅葉、桔梗、皐月…和服だが黒姫とは違い可愛い系ではなくセクシー系。
皆、娼婦にいそうな胸元が見えそうな感じで、下は足がよく強調された衣装だった。
「まったく、黒姫様の命令を無視し勝手な行動をした挙げ句この有様、ギーク王国の恥晒しですわ」
髪型が茶髪でハーフアップの鋭い赤い瞳の女、紅葉。
服装は赤と黒の混ざり合い、花模様で、胸元や脚がよく見える和服。
そんな紅葉が郁麿を見て口元に手を当てて笑っている。
「そうです!こんな恥晒しの男、今すぐ去勢しましょう!黒姫様、去勢の許可を!」
「ひいいぃっ!!!」
黒髪ぱっつんロングな髪型で黒い瞳の桔梗という女が剣を抜いて「去勢」と言うと、郁麿は脅えていた。
彼女の服装は紫に黒の入り交じった、ピンクの花模様の和服でスリットが入っており足が強調されている。
「あらあら、桔梗、気持ちは分かるけど黒姫様の前よ?
去勢するなら任務が終わった後でしょ?」
髪型はポニーテールの紫色、この中で一番優しい笑顔を向ける落ち着いた感じの女性皐月。
服装は青に赤の模様が混じり合った和服。
肩がはだけ、下は短めで脚がよく見える。
「なんなら私も手伝って差し上げますわ♪桔梗」
「だまりゃ!何じゃ貴様等!麻呂は!麻呂は!」
「何ですか?白塗り野郎!役立たずの雄は去勢です!」
「うふふっ…♡郁麿さんったら、仕草もたまに女性のようで、声も高いですし、切り取ったら女の子になりそうですね♪」
黒姫の側近、紅葉、桔梗、皐月が郁麿をからかっている。
すると黒姫がパンパンと手を叩き喧嘩をやめさせた。
「そこまでじゃ、妾の前で喧嘩をするとは良い度胸をしておるのぅ?」
黒姫の言葉に側近三人と郁麿が慌てて頭を下げて横に整列し謝った。
「「申し訳ございません」」
「ふむ、まぁよいわ……」
黒姫は少し間をおいて本題を話し始める。
「今からお前達にいくつか任務を与える。
一つは、透明人間になり、何やら電子機器を操る能力者グレイトを無力化したのち捕縛」
「無力化ですか??殺してはいけないのですか?」
「殺すのは郁麿に殺らせる、妾の決定じゃ」
「承知しましたわ」
紅葉が納得すると次の任務を話し始めた。
「次の任務は、危険因子五人を抹殺、うち一人は復活不可能なスキルで始末する事、お主等なら出来るな?」
「「はい」」
皆、自信満々に答えていた。
すると黒姫がプリントされた写真を見せていく。
そこには、翔太、シオン、健一、ミサ、咲の五人が写っていた。
「しかし、黒姫様、何故、ブラッディ・ムーンを発動したのですか?」
「もしや、それほどの相手が?」
桔梗、皐月が疑問に思っていると黒姫が笑みを浮かべて答え出した。
「いや、違う。
妾への悪戯が過ぎた小僧共に力を見せつけてやっただけじゃ…確かに大人げない事をしたが…」
「黒姫様を怒らせたのはグレイトとその仲間でおじゃる!」
「それは本当か!?郁麿!」
「許せませんわ!滅多刺しにして差し上げます!」
「うふふっ♪お仕置きが楽しみねぇ…♡」
紅葉、桔梗、皐月が怒り、目の奥に炎を燃やしている。
「グレイトの仲間は好きにしてかまわん、殺しても問題ない、のぅ郁麿?」
「はい、問題ないでおじゃる」
その後、彼女の側近は散らばって、目的の対象を殺害に向かっていった。
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