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ストーリー
絶体絶命のピンチ
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その日、僕はクラスの女の子に告白した。
前から気になっていた女の子で、ちょっとアホっぽいが癒し系の美優ちゃん。
「美優ちゃん、僕と付き合って下さい!」
校舎裏に呼び出しての告白、今時こんな古くさいやり方はどうかと思ったが僕は覚悟を決めて告白した。
「うん、いいよ♪こちらこそよろしくね翔太くん」
「ほ…本当に?美優ちゃん僕でいいのか?」
「うん、二年前のあの時、一人で先生達に立ち向かった翔太くんを見てから…私だって、ずっと惚れてたんだから…♡」
「え…?」
「それじゃ、またね?」
「うん」
僕は頬を赤くしながら教室に戻った。
そして放課後、美優と一緒に帰る。
「翔太くん?」
「翔太でいいよ、美優」
「じゃあ翔太、今日さ、お家に遊びに行ってもいい?」
突然の彼女の質問に僕は頬を赤くしてあわてていた。
「良いけど、どうして?」
「うーん、ただ翔太くんの部屋が見てみたいなぁって♡」
笑顔の美優を見ると翔太は照れくさくなり、しかし頷いた。
「わかったよ…何もない部屋だけどそれでも良かったら」
翔太は美優を家に上げて、部屋の中に入れた。
母親は驚いており息子が彼女を連れてきたとパニックになっている。
二人はただ、一緒にゲームをしたり、本を読んだりするだけで特に進展は無かったが時間は過ぎて夜になっていた。
「最近は通り魔殺人事件が起こってるし、お父さん帰ってきたら車で送るわよ?」
「いいよ、お母さん、美優は僕が送ってくるから」
「ちょっと、子供二人だけじゃ危ないでしょ?
待ちなさい!?」
「えへへっ♪翔太くんのお母さん、お邪魔しましたぁ」
二人は楽しそうに出て行ってしまい、翔太の母親も止められなかった。
「翔太のお母さん慌ててたよ?後で怒られたりしないかな?」
「大丈夫だって、今まで何度も怒られた事あるし」
二人は手を繋いだまま、夜道を歩いている。
翔太と美優は住宅地の辺りを歩いていくが、そのとき、鼻を指すような刺激臭がしてくる。
見ると、首がない男が血塗れで倒れていた。
「きゃああぁぁぁっ!!!」
「見るな!美優!!」
彼女の目を隠し、翔太もまた、動揺を隠せないが、辺りを見渡した。
「とりあえず、110番で連絡を…」
翔太は警察に連絡し、パトカーがやってきた。
美優はトラウマで、今も震えながら涙を流している。
「大丈夫、大丈夫だから…」
警察の人はこれも通り魔殺人事件だと言って、僕たちに事情を聞いてしばらくすると解放される。
美優の両親とは連絡が取れて車で迎えに来たが、僕の両親は警察が連絡しても繋がらなかったそうだ。
不思議に思いながらも、近くなので僕は歩いて家に帰る。
しかし、家の様子がおかしかった。
やけに静かな雰囲気、虫の声ひとつしない…
「あれ?鍵が開いて…いや壊れてる?お母さん?」
ドアを開くとやはり、開いてしまった。
つまり鍵が壊れていて、しかもこれは何者かに壊された感じだ。
(まさか泥棒か?)
翔太は恐る恐る玄関からあがり、父親、母親がいないか部屋中を歩き回る。
すると、風呂場の辺りからシャワーの音がする。
僕は、音のする風呂場に行くと、そこには吐き気を催す程の悲惨な光景が広がっていた。
浴槽の中にはバラバラに解体された母親と父親の死体がある…
しかも胸の辺りに穴がありおそらく心臓が無かった。
そして全裸の女が鼻歌を歌いながらシャワーを浴びていたのだ。
「ああああ…ああああ…ああああああああ!!!!」
僕が悲鳴を上げると女はこちらに気付いて青い瞳を向けてくる。
「妾の裸を見て悲鳴をあげるとは、失礼な奴じゃ、これは仕置きが必要かのう♡」
僕は思った事が現実に出来る能力を発動し、奴が燃え上がり死ぬイメージをしながら言った。
「お前は全身から炎が燃え上がり、そして死ぬ!」
「可愛い…可愛いのう…小僧♡」
翔太のスキルは確かに発動した筈だった。
なのに、目の前の女には傷一つ付かず、炎も燃え上がらない。
「あああ…うわあああああっ!!!」
僕は剣を出現させ、彼女に斬りかかった。
しかし、見えない壁に弾かれて剣の斬撃は奴には届かない。
僕は家の玄関から逃げ出そうと走り出すが、今度は家の玄関のドアが開かなかった。
剣で切りつけてもスキルで命じても開かなかった。
やがて、風呂場から赤い着物のような服を着た青い髪の女がやってくる。
「ほれ小僧、妾から逃げてみよ…♪
捕まれば切り刻まれて終わりじゃぞ?」
見ると、彼女の着物の袖からチラリと刃を覗かせていた。
おそらく着物の中に二本の刀を持っている。
僕は慌てて部屋の中を逃げ回るが、彼女は楽しむように、ゆっくりと歩いてくるだけだった。
「そうじゃ、殺す前に捕まえて犯してやろうかの♡
小僧の悲鳴は貴重じゃ、じっくりと楽しませて貰おうか」
スキルも使えず、出られない家で逃げ回る翔太は絶体絶命のピンチだった。
前から気になっていた女の子で、ちょっとアホっぽいが癒し系の美優ちゃん。
「美優ちゃん、僕と付き合って下さい!」
校舎裏に呼び出しての告白、今時こんな古くさいやり方はどうかと思ったが僕は覚悟を決めて告白した。
「うん、いいよ♪こちらこそよろしくね翔太くん」
「ほ…本当に?美優ちゃん僕でいいのか?」
「うん、二年前のあの時、一人で先生達に立ち向かった翔太くんを見てから…私だって、ずっと惚れてたんだから…♡」
「え…?」
「それじゃ、またね?」
「うん」
僕は頬を赤くしながら教室に戻った。
そして放課後、美優と一緒に帰る。
「翔太くん?」
「翔太でいいよ、美優」
「じゃあ翔太、今日さ、お家に遊びに行ってもいい?」
突然の彼女の質問に僕は頬を赤くしてあわてていた。
「良いけど、どうして?」
「うーん、ただ翔太くんの部屋が見てみたいなぁって♡」
笑顔の美優を見ると翔太は照れくさくなり、しかし頷いた。
「わかったよ…何もない部屋だけどそれでも良かったら」
翔太は美優を家に上げて、部屋の中に入れた。
母親は驚いており息子が彼女を連れてきたとパニックになっている。
二人はただ、一緒にゲームをしたり、本を読んだりするだけで特に進展は無かったが時間は過ぎて夜になっていた。
「最近は通り魔殺人事件が起こってるし、お父さん帰ってきたら車で送るわよ?」
「いいよ、お母さん、美優は僕が送ってくるから」
「ちょっと、子供二人だけじゃ危ないでしょ?
待ちなさい!?」
「えへへっ♪翔太くんのお母さん、お邪魔しましたぁ」
二人は楽しそうに出て行ってしまい、翔太の母親も止められなかった。
「翔太のお母さん慌ててたよ?後で怒られたりしないかな?」
「大丈夫だって、今まで何度も怒られた事あるし」
二人は手を繋いだまま、夜道を歩いている。
翔太と美優は住宅地の辺りを歩いていくが、そのとき、鼻を指すような刺激臭がしてくる。
見ると、首がない男が血塗れで倒れていた。
「きゃああぁぁぁっ!!!」
「見るな!美優!!」
彼女の目を隠し、翔太もまた、動揺を隠せないが、辺りを見渡した。
「とりあえず、110番で連絡を…」
翔太は警察に連絡し、パトカーがやってきた。
美優はトラウマで、今も震えながら涙を流している。
「大丈夫、大丈夫だから…」
警察の人はこれも通り魔殺人事件だと言って、僕たちに事情を聞いてしばらくすると解放される。
美優の両親とは連絡が取れて車で迎えに来たが、僕の両親は警察が連絡しても繋がらなかったそうだ。
不思議に思いながらも、近くなので僕は歩いて家に帰る。
しかし、家の様子がおかしかった。
やけに静かな雰囲気、虫の声ひとつしない…
「あれ?鍵が開いて…いや壊れてる?お母さん?」
ドアを開くとやはり、開いてしまった。
つまり鍵が壊れていて、しかもこれは何者かに壊された感じだ。
(まさか泥棒か?)
翔太は恐る恐る玄関からあがり、父親、母親がいないか部屋中を歩き回る。
すると、風呂場の辺りからシャワーの音がする。
僕は、音のする風呂場に行くと、そこには吐き気を催す程の悲惨な光景が広がっていた。
浴槽の中にはバラバラに解体された母親と父親の死体がある…
しかも胸の辺りに穴がありおそらく心臓が無かった。
そして全裸の女が鼻歌を歌いながらシャワーを浴びていたのだ。
「ああああ…ああああ…ああああああああ!!!!」
僕が悲鳴を上げると女はこちらに気付いて青い瞳を向けてくる。
「妾の裸を見て悲鳴をあげるとは、失礼な奴じゃ、これは仕置きが必要かのう♡」
僕は思った事が現実に出来る能力を発動し、奴が燃え上がり死ぬイメージをしながら言った。
「お前は全身から炎が燃え上がり、そして死ぬ!」
「可愛い…可愛いのう…小僧♡」
翔太のスキルは確かに発動した筈だった。
なのに、目の前の女には傷一つ付かず、炎も燃え上がらない。
「あああ…うわあああああっ!!!」
僕は剣を出現させ、彼女に斬りかかった。
しかし、見えない壁に弾かれて剣の斬撃は奴には届かない。
僕は家の玄関から逃げ出そうと走り出すが、今度は家の玄関のドアが開かなかった。
剣で切りつけてもスキルで命じても開かなかった。
やがて、風呂場から赤い着物のような服を着た青い髪の女がやってくる。
「ほれ小僧、妾から逃げてみよ…♪
捕まれば切り刻まれて終わりじゃぞ?」
見ると、彼女の着物の袖からチラリと刃を覗かせていた。
おそらく着物の中に二本の刀を持っている。
僕は慌てて部屋の中を逃げ回るが、彼女は楽しむように、ゆっくりと歩いてくるだけだった。
「そうじゃ、殺す前に捕まえて犯してやろうかの♡
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