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レベル13 お前が知恵袋ヤマモトか ~長すぎるイントロはストレスのもと~
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レベル13
無駄な努力などない。
と人は言う。が、ある。今まで見たことなかったかもしれないが、今しがた無駄な努力をした。
アケミの言う通り、金に目がくらんで禁断の書・五月号をばあさんから買いたたこうとしたが、結局あったのは塔ではなく店舗で、金銀財宝はないが門番だけはいて、俺たちふたりはぶん殴られた。
無駄な努力などない。
想像しないようにしているが、そもそも「魔王退治」自体無駄な努力ではないだろうか。そんなことはないはずだと、俺は頭を振ってその予感を振り落とした。
アケミが姿を見せると、村人たちがどよめいた。中には明らかな防御態勢を取るものもいる。
「ほら、私一目置かれてんのよね」
かなり危険視されているのは確かなようだ。俺はいざという時の為に、意識が朦朧としているロメロを盾にするようにして歩いた。
古本屋ではばあさんが俺たちを待っていた。
「ケシシシシシシ。どうだい。財宝は見つかったかい?」
「何言ってんの。冒険する心、それが財宝よ」
「あら、アケミちゃん。珍しいじゃないか、こんなところに来るなんて」
「まあね。こいつら世話してやってんのよ」
さすがのアケミも老人には手を出さないようで、ばあさんも安心しきっている。
「でさ、こいつらがばあさんに騙されて塔に来たんだけど」
「なんじゃ、そういうことか」
ばあさんはケシシと笑いながら俺とロメロを指さし、周囲の店舗の店主たちに「聞きました?こいつら引っかかりましてんて。聞きました?」と言った。アケミも一緒になって俺たちを指さしている。とっても恥ずかしい。
「そ、それよりさ」
俺は話題を変えることにした。どんな言い訳をしても哀れになるだけだ。ここはもう「引っ掛けられました参りました」の精神で、無理やりにでも前に進めるしかない。
「ヤマモトさんて人、いるかな」
倒れていた俺を介抱してくれたじいさんの情報に頼ることにした。おばあちゃんの知恵袋的な人から何か有力な情報が得られるとも思えないが、「ひっかけられましたけど、情報は得ました。ね?マイナスじゃないでしょ?」感を出すためにも、今はヤマモトさんに頼るしかない。
「わしじゃが」
ばあさんが言った。
まあ、どことなく気づいてはいましたよ。ええ。気づいていましたとも。
まだ冒険に出て二つ目の村だが、俺を取り巻く状況から察するに、このばあさんこそがヤマモトさんである可能性を見抜いてはいた。いたが、信じたくなかった。草むらで倒れていた俺とロメロを村まで運んでくれたじいさんがいた。この村で初めて触れた人の優しさを、俺は信じたかった。介抱してくれた腕の温かさを、俺は忘れたくなかった。あの優しさがまだどこかにあると、運命こそがその優しさであると、信じていたかった。
「いえ、もうひとりの方の」
一応言ってみたが、この村にはヤマモトさんはひとりしかいないようだ。全ての希望がついえた。
「まあまあ、そう落ち込むことはない」
ばあさん、いや、ババアが言った。
「わしは感謝しとるんじゃよ。塔ではなかったとはいえ、おぬしらはわしの願いを聞こうとしてくれた。お礼に、いいことを教えてしんぜよう」
なんだかいい話風にまとめようとしているが、その手には騙されない。大体ババア、お前そんな喋り方じゃなかっただろう。それにどうせお前のは知恵袋じゃなくてシワ袋かなんかだろう。何も入っちゃいない、ただの古びた袋だ。
「おぬしら、このアケミに殴られたであろう」
「ああ、思いっきりやられた」
「それは気の毒じゃが、しかしおぬしらもこれから冒険を続ける身。いつ何どき悪意を持ったものが襲い掛かってくるとも限らんし、その悪意を持ったものはひょっとすればアケミより強いかもしれない」
「そんなことはないわよ!」
アケミが口を挟んだかと思うと、「見て!」と、ロメロの胸倉を掴んでその顔に拳を捻じ込んだ。
「うむ。おぬしは確かに強い。しかし見よ、この・・・、えっと・・・、ニャホ太郎とぶっちょモリモトを」
俺たちの名前を知らなかったのはいい。教えていないから当然だ。だとしても急に名前を付けないでもらいたいし、なんだその名前は。咄嗟に出てきた名前だとは思えないし、その変な名前が咄嗟に出てくるようでは、やはり知恵袋ではなくシワ袋で、その袋はきっとねばねばした生臭い液体で満たされているに違いない。
「な~んにも鍛えられておらん。な~にも。さん、はい!」
「な~んにも!!」
周辺店舗の店員や客たちが声をそろえて叫んだ。
しかし、俺たちが弱いのは事実だ。俺は反応はできているが避けれずにダメージを負っているし、ロメロは反応すらできていない。
「おぬしら、アケミはなぜこんなに強いと思う?」
「それは・・・」
「鍛えてるからよ!」
アケミが元気に言った。ババアはせっかくクイズを出したのに、横にいた奴に答えを言われてる子供みたいな表情でアケミをひと睨みしたかと思うと、一枚の紙きれを渡した。
「それは、ここから少し行ったところにある会員制のジム、シルバージムの無料体験チケットじゃ!」
「無料体験チケットじゃ!」じゃないだろう、ババア。なんだかすごい魔法を知っているかのような雰囲気をだしてくるな。どうせ新聞の勧誘に「チケットつけるからさ~おばあちゃん、契約してよ。二か月でいいんだ。二か月したら解約してくれて構わないからさ。はい、これチケット」とか言われたに違いない。そこは普通野球のチケットだろう。いや、違う。そんなことを言っている場合ではない。
「シルバージムは世界一のマッチョから世界一の貧弱まで対応しているジムでな。何を隠そう、アケミはそこのインストラクターだったのじゃ!」
アケミがマッチョなポーズを取った。確かにすごい二の腕だが、その腕から放たれるパンチが俺たちの顔にめり込んだかと思うと、素直に感心できない。
「しかし、アケミはその職を追われることに・・・」
アケミが横で絶望的な表情を浮かべている。だが、どうせ客を殴ってクビになったんだろう。みなまで聞くまでもない。
「さておぬしら、何が言いたいか、分かるじゃろう」
「こいつは無職」
俺が言うとアケミがロメロを殴った。
「なんでロメロを殴るんだ」
「あんたが殴られたかったの?」
「いや、ロメロでいいけど」
「いいか」
ばあさんが顔を近づけた。
「わしは知恵袋ヤマモトじゃぞ?」
珍妙な二つ名だ。
「冒険、仲間、仕事。とくれば、もう分かるじゃろう」
まさか。これはかの有名なゲームの有名なシステムと同じなのではないだろうか。かの有名なゲームでは神殿を訪れ、神官に話しかけると、「どのような職に就きたいのじゃ?」などと尋ねてくる。冒険者が選ぶと神官が祈り、転職できるというあれだ。
「ヤマモトさん!」
俺は今までの無礼をなかったことにして、キラキラした目をヤマモトさんに向けた。
「次は本当に本当じゃ。塔ではなく神殿を目指してもらう」
「おう!」
俄然やる気が出てきた。
「転職の総本山、カーマの神殿じゃ!」
転職の総本山というとなんだか夢がないが、それでもそのカーマの神殿という、パクリ丸出しの神殿に行けば、例のあの転職が出来ると言うのだ。
「本当だろうな」
一応念を押す。ヤマモトさんは前科持ちなので、きちんと確認しないといけない。今回は口約束だけで済ませるつもりはない。
が、本音を言うと、本当でも嘘でもどうでもいい。さっさとこの村を出ていきたいというのが今の正直な気持ちなのだ。
「もちろんじゃとも。わしが嘘をついたことがあるか?」
本当のことをいつ言ったのだ。
「まあ、信じられんのも分かる。このご時世、行けば仕事が見つかる神殿なんて、夢物語を通り越して妄想にしか聞こえんからな。だから今回はおぬしらに信頼してもらうために、ある村人が同行する!」
背筋に悪寒が走りまくった。何往復もしている。この流れは前のキモチムラ村でも味わった。
俺がゆっくりと横を見ると、いつの間にか旅支度を終えたその村人が立っていた。
「アケミ!」
「よろしくね!」
地獄だ。
しかし、もしそれを本人に伝えたら、今横で伸びている男の二の舞になることは間違いない。カーマの神殿で職を見つけるまでの辛抱だ。反撃は出来ないが、せめて危機察知能力を身に付けられるよう精進せねばなるまい。俺はすばやくロメロを盾にするポーズを考えた。
「ヤマモトさん、そうと決まったらすぐに出発したい。神殿はどっちにあるんだ?」
俺が聞くと、ヤマモトさんはにんまり笑って「明後日の方向じゃ」と宣った。それは方角ではない。
アケミがロメロを叩き起こそうとしたが、アケミが叩くともう一段深く眠ってしまうかもしれないので、俺がロメロの体を揺すった。
「Yo、Yoyoyo・・・」
殴られて気絶した割には寝不足男の寝起きみたいな顔をしている。
「待てい!」
ヤマモトさんが俺を呼び止めた。返事も億劫なので黙って振り向くと、ヤマモトさんが「これを、おぬしに授けよう」と重々しく言った。
差し出したのが「禁断の書・五月号」だったので、俺は「いらんわ!」と大声で叫んでその場を後にした。あとでこっそりロメロが取りに行ったらしいが、それはまた違うお話。
こうして、不本意ながら旅の仲間が増えた俺とロメロは、密かに「防御力だけでも鍛えよう」と誓い合ったのであった。
無駄な努力などない。
と人は言う。が、ある。今まで見たことなかったかもしれないが、今しがた無駄な努力をした。
アケミの言う通り、金に目がくらんで禁断の書・五月号をばあさんから買いたたこうとしたが、結局あったのは塔ではなく店舗で、金銀財宝はないが門番だけはいて、俺たちふたりはぶん殴られた。
無駄な努力などない。
想像しないようにしているが、そもそも「魔王退治」自体無駄な努力ではないだろうか。そんなことはないはずだと、俺は頭を振ってその予感を振り落とした。
アケミが姿を見せると、村人たちがどよめいた。中には明らかな防御態勢を取るものもいる。
「ほら、私一目置かれてんのよね」
かなり危険視されているのは確かなようだ。俺はいざという時の為に、意識が朦朧としているロメロを盾にするようにして歩いた。
古本屋ではばあさんが俺たちを待っていた。
「ケシシシシシシ。どうだい。財宝は見つかったかい?」
「何言ってんの。冒険する心、それが財宝よ」
「あら、アケミちゃん。珍しいじゃないか、こんなところに来るなんて」
「まあね。こいつら世話してやってんのよ」
さすがのアケミも老人には手を出さないようで、ばあさんも安心しきっている。
「でさ、こいつらがばあさんに騙されて塔に来たんだけど」
「なんじゃ、そういうことか」
ばあさんはケシシと笑いながら俺とロメロを指さし、周囲の店舗の店主たちに「聞きました?こいつら引っかかりましてんて。聞きました?」と言った。アケミも一緒になって俺たちを指さしている。とっても恥ずかしい。
「そ、それよりさ」
俺は話題を変えることにした。どんな言い訳をしても哀れになるだけだ。ここはもう「引っ掛けられました参りました」の精神で、無理やりにでも前に進めるしかない。
「ヤマモトさんて人、いるかな」
倒れていた俺を介抱してくれたじいさんの情報に頼ることにした。おばあちゃんの知恵袋的な人から何か有力な情報が得られるとも思えないが、「ひっかけられましたけど、情報は得ました。ね?マイナスじゃないでしょ?」感を出すためにも、今はヤマモトさんに頼るしかない。
「わしじゃが」
ばあさんが言った。
まあ、どことなく気づいてはいましたよ。ええ。気づいていましたとも。
まだ冒険に出て二つ目の村だが、俺を取り巻く状況から察するに、このばあさんこそがヤマモトさんである可能性を見抜いてはいた。いたが、信じたくなかった。草むらで倒れていた俺とロメロを村まで運んでくれたじいさんがいた。この村で初めて触れた人の優しさを、俺は信じたかった。介抱してくれた腕の温かさを、俺は忘れたくなかった。あの優しさがまだどこかにあると、運命こそがその優しさであると、信じていたかった。
「いえ、もうひとりの方の」
一応言ってみたが、この村にはヤマモトさんはひとりしかいないようだ。全ての希望がついえた。
「まあまあ、そう落ち込むことはない」
ばあさん、いや、ババアが言った。
「わしは感謝しとるんじゃよ。塔ではなかったとはいえ、おぬしらはわしの願いを聞こうとしてくれた。お礼に、いいことを教えてしんぜよう」
なんだかいい話風にまとめようとしているが、その手には騙されない。大体ババア、お前そんな喋り方じゃなかっただろう。それにどうせお前のは知恵袋じゃなくてシワ袋かなんかだろう。何も入っちゃいない、ただの古びた袋だ。
「おぬしら、このアケミに殴られたであろう」
「ああ、思いっきりやられた」
「それは気の毒じゃが、しかしおぬしらもこれから冒険を続ける身。いつ何どき悪意を持ったものが襲い掛かってくるとも限らんし、その悪意を持ったものはひょっとすればアケミより強いかもしれない」
「そんなことはないわよ!」
アケミが口を挟んだかと思うと、「見て!」と、ロメロの胸倉を掴んでその顔に拳を捻じ込んだ。
「うむ。おぬしは確かに強い。しかし見よ、この・・・、えっと・・・、ニャホ太郎とぶっちょモリモトを」
俺たちの名前を知らなかったのはいい。教えていないから当然だ。だとしても急に名前を付けないでもらいたいし、なんだその名前は。咄嗟に出てきた名前だとは思えないし、その変な名前が咄嗟に出てくるようでは、やはり知恵袋ではなくシワ袋で、その袋はきっとねばねばした生臭い液体で満たされているに違いない。
「な~んにも鍛えられておらん。な~にも。さん、はい!」
「な~んにも!!」
周辺店舗の店員や客たちが声をそろえて叫んだ。
しかし、俺たちが弱いのは事実だ。俺は反応はできているが避けれずにダメージを負っているし、ロメロは反応すらできていない。
「おぬしら、アケミはなぜこんなに強いと思う?」
「それは・・・」
「鍛えてるからよ!」
アケミが元気に言った。ババアはせっかくクイズを出したのに、横にいた奴に答えを言われてる子供みたいな表情でアケミをひと睨みしたかと思うと、一枚の紙きれを渡した。
「それは、ここから少し行ったところにある会員制のジム、シルバージムの無料体験チケットじゃ!」
「無料体験チケットじゃ!」じゃないだろう、ババア。なんだかすごい魔法を知っているかのような雰囲気をだしてくるな。どうせ新聞の勧誘に「チケットつけるからさ~おばあちゃん、契約してよ。二か月でいいんだ。二か月したら解約してくれて構わないからさ。はい、これチケット」とか言われたに違いない。そこは普通野球のチケットだろう。いや、違う。そんなことを言っている場合ではない。
「シルバージムは世界一のマッチョから世界一の貧弱まで対応しているジムでな。何を隠そう、アケミはそこのインストラクターだったのじゃ!」
アケミがマッチョなポーズを取った。確かにすごい二の腕だが、その腕から放たれるパンチが俺たちの顔にめり込んだかと思うと、素直に感心できない。
「しかし、アケミはその職を追われることに・・・」
アケミが横で絶望的な表情を浮かべている。だが、どうせ客を殴ってクビになったんだろう。みなまで聞くまでもない。
「さておぬしら、何が言いたいか、分かるじゃろう」
「こいつは無職」
俺が言うとアケミがロメロを殴った。
「なんでロメロを殴るんだ」
「あんたが殴られたかったの?」
「いや、ロメロでいいけど」
「いいか」
ばあさんが顔を近づけた。
「わしは知恵袋ヤマモトじゃぞ?」
珍妙な二つ名だ。
「冒険、仲間、仕事。とくれば、もう分かるじゃろう」
まさか。これはかの有名なゲームの有名なシステムと同じなのではないだろうか。かの有名なゲームでは神殿を訪れ、神官に話しかけると、「どのような職に就きたいのじゃ?」などと尋ねてくる。冒険者が選ぶと神官が祈り、転職できるというあれだ。
「ヤマモトさん!」
俺は今までの無礼をなかったことにして、キラキラした目をヤマモトさんに向けた。
「次は本当に本当じゃ。塔ではなく神殿を目指してもらう」
「おう!」
俄然やる気が出てきた。
「転職の総本山、カーマの神殿じゃ!」
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「本当だろうな」
一応念を押す。ヤマモトさんは前科持ちなので、きちんと確認しないといけない。今回は口約束だけで済ませるつもりはない。
が、本音を言うと、本当でも嘘でもどうでもいい。さっさとこの村を出ていきたいというのが今の正直な気持ちなのだ。
「もちろんじゃとも。わしが嘘をついたことがあるか?」
本当のことをいつ言ったのだ。
「まあ、信じられんのも分かる。このご時世、行けば仕事が見つかる神殿なんて、夢物語を通り越して妄想にしか聞こえんからな。だから今回はおぬしらに信頼してもらうために、ある村人が同行する!」
背筋に悪寒が走りまくった。何往復もしている。この流れは前のキモチムラ村でも味わった。
俺がゆっくりと横を見ると、いつの間にか旅支度を終えたその村人が立っていた。
「アケミ!」
「よろしくね!」
地獄だ。
しかし、もしそれを本人に伝えたら、今横で伸びている男の二の舞になることは間違いない。カーマの神殿で職を見つけるまでの辛抱だ。反撃は出来ないが、せめて危機察知能力を身に付けられるよう精進せねばなるまい。俺はすばやくロメロを盾にするポーズを考えた。
「ヤマモトさん、そうと決まったらすぐに出発したい。神殿はどっちにあるんだ?」
俺が聞くと、ヤマモトさんはにんまり笑って「明後日の方向じゃ」と宣った。それは方角ではない。
アケミがロメロを叩き起こそうとしたが、アケミが叩くともう一段深く眠ってしまうかもしれないので、俺がロメロの体を揺すった。
「Yo、Yoyoyo・・・」
殴られて気絶した割には寝不足男の寝起きみたいな顔をしている。
「待てい!」
ヤマモトさんが俺を呼び止めた。返事も億劫なので黙って振り向くと、ヤマモトさんが「これを、おぬしに授けよう」と重々しく言った。
差し出したのが「禁断の書・五月号」だったので、俺は「いらんわ!」と大声で叫んでその場を後にした。あとでこっそりロメロが取りに行ったらしいが、それはまた違うお話。
こうして、不本意ながら旅の仲間が増えた俺とロメロは、密かに「防御力だけでも鍛えよう」と誓い合ったのであった。
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