80 / 84
76話殻にこもる成長期
しおりを挟む
マーヤさんの家に着くと、盛大にご飯が準備されていた。もちろん唐揚げも。何人前なの⁉︎ってぐらいに。
それをペロッとルピは食べてしまい、マーヤさんも残すかと思ったんだけどねぇ…ってビックリされる食欲だった。
「これ家にいる子に持って行っておあげ」
「いつもすいません。ありがとうございます。でも、4つで大丈夫なんです。あれ?ルピ?」
ルピが僕に寄りかかり眠たそうにうっつらうっつらしてる。まだそんな時間じゃないよね?
「お腹いっぱいになったら眠くなったさね。泊まって行くかい?」
「家でご飯待ってると思うんで帰ります。明日また来ます!」
よいしょとルピを抱えて、家に戻りベットに寝かせた。
◇
「ロッソー!まだ起きてる?僕そろそろ寝るね」
尻尾を振ってお休みとロッソが泉から挨拶してくれる。ルピの盛大な寝相をなおして布団に潜り込まなきゃな。
ガチャッ
あれ?思ったよりも静かに寝てる?いつもなら、バッサーと布団めくれてるのに。よっぽど疲れてたんだなと布団をめくり
「え……」
ガタン…ガタ
ダダダダダッ!
ガダンッ!
「ロッソ‼︎ロッソー‼︎」
「なに?大声出さなくても聞こえてるわ。靴も履かずにどうしたの?」
「ルピが‼︎ルピが‼︎‼︎」
僕の様子に慌ててロッソが付いてくる。靴下は土まみれだけど、そんな事を機にする余裕が僕にはない。
「ねぇ!これなに!?ルピの中で何が起こってるの??」
『落ち着いてあるじ。この膜はなに…。あたしも初めて見たわ。でもこの感じって』
「ねぇ⁉︎この中でルピどうなってるの⁉︎」
落ち着いてというロッソの声が耳に入ってこない。どうしよう…どうしよう…ルピが。
やっぱりあんなに食べて良いって言うんじゃなかったんだ。僕が止めればよかったのに…。
それとも、ドラゴンで無理しすぎたのかな…。どうしよう…。
『何事じゃ。騒がしいの』
『ルピが…』
『ほぉ…。間も無くだとは思っていたが、今日じゃったか。ドラゴンが効いたかの』
僕の後ろでロッソとコリーの話し声が聞こえるけど、僕には内容が全く耳に入っていない。殻のような膜の中にいるであろうルピに寄り添う事しかできない。
ごめん…ごめんルピ。僕が無茶させ過ぎたんだ!精霊が時々新しいタオルを持ってきてくれ、僕のためにと飲み物を置いてくれていたけど、飲む気にはなれない。
気づけばすっかりと夜になっていた。この膜は破って良いの…?中の様子が全くわからない…。
ーーー
ーーーーパリッーー
ーーパリッペリペリーー
殻のような薄い膜が破れ、中からルピがフアァと屈伸をして出てくる。
『…ハヤト?おうち?』
「ルピ!!苦しくない!?痛くないの!?」
『苦しくない。お腹空いた…』
「今日は食べちゃダメだよ!このまま寝てよ?ね?」
お腹減ったからご飯食べたいというルピ。食べたいって、でも万が一食べ過ぎでこうなったなら食べちゃダメな気もするし…。こんな時どうすればいいんだろう…。
『あら、ようやく起きたのね。やっぱりそうだったのね。そろそろだって気づいてなかったの?』
『んーー、変なモヤモヤはあったよ』
『次からは感じとりなさい。森にいる時になったら襲われるわよ』
何の話し!?モヤモヤ?感じとる?意味が全く分からない。
「ロッソ、話しが全く分からないんだけど…」
『何度も説明しようとしたのに、聞かなかったのはあるじじゃない。コリーもほっとくしかないって地下に行っちゃうし』
「そうだったんだ…ゴメン…」
『ルピね、大きくなったの!』
ごめんルピ。全く意味が分からない。大きくなったのって何が?見た目全然変わらないんだけど…。元気になったのはわかるんだけどさ。
『ルピ成長期だったのよ。異常に食べてたのもそのせいね。コリーが言うにはドラゴン倒したことで、それがきっかけになったんだろうって』
「成長?」
『そっ。成長。生きてるんだもの。成長するわよ。あたしは50年目に大きな節目があったわね。次はまだ感じないからもう少し先ね』
ルピやロッソ達は経験値を経て成長していくにつれ、魔力量やそれにあった力を受け入れる準備をするらしい。それがルピは今日だったみたいだ。
膜のような殻に覆われ成長を遂げる事は、特定の種族にはみられるらしい。ロッソは見た事なかったらしいけど、コリーは見たことがあったため慌てていなかったようだ。
「えっと、体は無事なんだね?苦しくないんだよね?」
『全然平気!』
『この感覚覚えてなさい。次あったら、またあるじがパニック起こすから。でも、今までそれを感じずにその強さって、あんたどれだけ強くなるつもりよ』
『いっぱい!』
確かにどれだけ強くなるんだろう…。いっぱいと笑顔で話しているけど、ドラゴンを簡単に倒すルピだ。それがまだまだ強くなるなら、ルピは最終的に何を倒すんだろう…。ドラゴンより強そうな魔物って何?
『で、ルピはどれぐらい強くなったのよ?あたしも負けられないわ!』
『比べっこする?』
『良いわよ!』
外に出て行こうとするルピとロッソを止める。いやいや、2人にとっては普通の事だとしても僕には普通じゃないんだって。
『ハヤト、ルピが強くなったのみたくないの?』
「そんなわけじゃないんだけど…。あ!明日教会に行こう!ね?教会に行って見るから、だから今日はおとなしくしてて」
『今出せるよ?』
「それはわかるんだけど、ほら!前コリーがギルドカード登録しに行った時にルピもまたやりたいって言ってたでしょ?ね?」
1番はルピが心配なのがある。でも、今の2人が外に出て行ったら、大量の魔物をどっちがどれだ狩るかになるか、夜中に手合わせされても心配になる…。
それをペロッとルピは食べてしまい、マーヤさんも残すかと思ったんだけどねぇ…ってビックリされる食欲だった。
「これ家にいる子に持って行っておあげ」
「いつもすいません。ありがとうございます。でも、4つで大丈夫なんです。あれ?ルピ?」
ルピが僕に寄りかかり眠たそうにうっつらうっつらしてる。まだそんな時間じゃないよね?
「お腹いっぱいになったら眠くなったさね。泊まって行くかい?」
「家でご飯待ってると思うんで帰ります。明日また来ます!」
よいしょとルピを抱えて、家に戻りベットに寝かせた。
◇
「ロッソー!まだ起きてる?僕そろそろ寝るね」
尻尾を振ってお休みとロッソが泉から挨拶してくれる。ルピの盛大な寝相をなおして布団に潜り込まなきゃな。
ガチャッ
あれ?思ったよりも静かに寝てる?いつもなら、バッサーと布団めくれてるのに。よっぽど疲れてたんだなと布団をめくり
「え……」
ガタン…ガタ
ダダダダダッ!
ガダンッ!
「ロッソ‼︎ロッソー‼︎」
「なに?大声出さなくても聞こえてるわ。靴も履かずにどうしたの?」
「ルピが‼︎ルピが‼︎‼︎」
僕の様子に慌ててロッソが付いてくる。靴下は土まみれだけど、そんな事を機にする余裕が僕にはない。
「ねぇ!これなに!?ルピの中で何が起こってるの??」
『落ち着いてあるじ。この膜はなに…。あたしも初めて見たわ。でもこの感じって』
「ねぇ⁉︎この中でルピどうなってるの⁉︎」
落ち着いてというロッソの声が耳に入ってこない。どうしよう…どうしよう…ルピが。
やっぱりあんなに食べて良いって言うんじゃなかったんだ。僕が止めればよかったのに…。
それとも、ドラゴンで無理しすぎたのかな…。どうしよう…。
『何事じゃ。騒がしいの』
『ルピが…』
『ほぉ…。間も無くだとは思っていたが、今日じゃったか。ドラゴンが効いたかの』
僕の後ろでロッソとコリーの話し声が聞こえるけど、僕には内容が全く耳に入っていない。殻のような膜の中にいるであろうルピに寄り添う事しかできない。
ごめん…ごめんルピ。僕が無茶させ過ぎたんだ!精霊が時々新しいタオルを持ってきてくれ、僕のためにと飲み物を置いてくれていたけど、飲む気にはなれない。
気づけばすっかりと夜になっていた。この膜は破って良いの…?中の様子が全くわからない…。
ーーー
ーーーーパリッーー
ーーパリッペリペリーー
殻のような薄い膜が破れ、中からルピがフアァと屈伸をして出てくる。
『…ハヤト?おうち?』
「ルピ!!苦しくない!?痛くないの!?」
『苦しくない。お腹空いた…』
「今日は食べちゃダメだよ!このまま寝てよ?ね?」
お腹減ったからご飯食べたいというルピ。食べたいって、でも万が一食べ過ぎでこうなったなら食べちゃダメな気もするし…。こんな時どうすればいいんだろう…。
『あら、ようやく起きたのね。やっぱりそうだったのね。そろそろだって気づいてなかったの?』
『んーー、変なモヤモヤはあったよ』
『次からは感じとりなさい。森にいる時になったら襲われるわよ』
何の話し!?モヤモヤ?感じとる?意味が全く分からない。
「ロッソ、話しが全く分からないんだけど…」
『何度も説明しようとしたのに、聞かなかったのはあるじじゃない。コリーもほっとくしかないって地下に行っちゃうし』
「そうだったんだ…ゴメン…」
『ルピね、大きくなったの!』
ごめんルピ。全く意味が分からない。大きくなったのって何が?見た目全然変わらないんだけど…。元気になったのはわかるんだけどさ。
『ルピ成長期だったのよ。異常に食べてたのもそのせいね。コリーが言うにはドラゴン倒したことで、それがきっかけになったんだろうって』
「成長?」
『そっ。成長。生きてるんだもの。成長するわよ。あたしは50年目に大きな節目があったわね。次はまだ感じないからもう少し先ね』
ルピやロッソ達は経験値を経て成長していくにつれ、魔力量やそれにあった力を受け入れる準備をするらしい。それがルピは今日だったみたいだ。
膜のような殻に覆われ成長を遂げる事は、特定の種族にはみられるらしい。ロッソは見た事なかったらしいけど、コリーは見たことがあったため慌てていなかったようだ。
「えっと、体は無事なんだね?苦しくないんだよね?」
『全然平気!』
『この感覚覚えてなさい。次あったら、またあるじがパニック起こすから。でも、今までそれを感じずにその強さって、あんたどれだけ強くなるつもりよ』
『いっぱい!』
確かにどれだけ強くなるんだろう…。いっぱいと笑顔で話しているけど、ドラゴンを簡単に倒すルピだ。それがまだまだ強くなるなら、ルピは最終的に何を倒すんだろう…。ドラゴンより強そうな魔物って何?
『で、ルピはどれぐらい強くなったのよ?あたしも負けられないわ!』
『比べっこする?』
『良いわよ!』
外に出て行こうとするルピとロッソを止める。いやいや、2人にとっては普通の事だとしても僕には普通じゃないんだって。
『ハヤト、ルピが強くなったのみたくないの?』
「そんなわけじゃないんだけど…。あ!明日教会に行こう!ね?教会に行って見るから、だから今日はおとなしくしてて」
『今出せるよ?』
「それはわかるんだけど、ほら!前コリーがギルドカード登録しに行った時にルピもまたやりたいって言ってたでしょ?ね?」
1番はルピが心配なのがある。でも、今の2人が外に出て行ったら、大量の魔物をどっちがどれだ狩るかになるか、夜中に手合わせされても心配になる…。
1
お気に入りに追加
3,365
あなたにおすすめの小説
神獣に転生!?人を助けて死んだら異世界に転生する事になりました
Miki
ファンタジー
学校が終わりバイトに行く途中、子供を助けて代わりに死んでしまった。
実は、助けた子供は別の世界の神様でお詫びに自分の世界に転生させてくれると言う。
何か欲しい能力があるか聞かれたので希望をいい、いよいよ異世界に転生すると・・・・・・
何故か神獣に転生していた!
始めて書いた小説なので、文章がおかしかったり誤字などあるかもしてませんがよろしくお願いいたします。
更新は、話が思いついたらするので早く更新できる時としばらく更新てきない時があります。ご了承ください。
人との接し方などコミュニケーションが苦手なので感想等は返信できる時とできない時があります。返信できなかった時はごめんなさいm(_ _)m
なるべく返信できるように努力します。
平民として生まれた男、努力でスキルと魔法が使える様になる。〜イージーな世界に生まれ変わった。
モンド
ファンタジー
1人の男が異世界に転生した。
日本に住んでいた頃の記憶を持ったまま、男は前世でサラリーマンとして長年働いてきた経験から。
今度生まれ変われるなら、自由に旅をしながら生きてみたいと思い描いていたのだ。
そんな彼が、15歳の成人の儀式の際に過去の記憶を思い出して旅立つことにした。
特に使命や野心のない男は、好きなように生きることにした。
召喚されたけど不要だと殺され、神様が転生さしてくれたのに女神様に呪われました
桜月雪兎
ファンタジー
召喚に巻き込まれてしまった沢口香織は不要な存在として殺されてしまった。
召喚された先で殺された為、元の世界にも戻れなく、さ迷う魂になってしまったのを不憫に思った神様によって召喚された世界に転生することになった。
転生するために必要な手続きをしていたら、偶然やって来て神様と楽しそうに話している香織を見て嫉妬した女神様に呪いをかけられてしまった。
それでも前向きに頑張り、楽しむ香織のお話。
一般人に生まれ変わったはずなのに・・・!
モンド
ファンタジー
第一章「学園編」が終了し第二章「成人貴族編」に突入しました。
突然の事故で命を落とした主人公。
すると異世界の神から転生のチャンスをもらえることに。
それならばとチートな能力をもらって無双・・・いやいや程々の生活がしたいので。
「チートはいりません健康な体と少しばかりの幸運を頂きたい」と、希望し転生した。
転生して成長するほどに人と何か違うことに不信を抱くが気にすることなく異世界に馴染んでいく。
しかしちょっと不便を改善、危険は排除としているうちに何故かえらいことに。
そんな平々凡々を求める男の勘違い英雄譚。
※誤字脱字に乱丁など読みづらいと思いますが、申し訳ありませんがこう言うスタイルなので。
神に同情された転生者物語
チャチャ
ファンタジー
ブラック企業に勤めていた安田悠翔(やすだ はると)は、電車を待っていると後から背中を押されて電車に轢かれて死んでしまう。
すると、神様と名乗った青年にこれまでの人生を同情された異世界に転生してのんびりと過ごしてと言われる。
悠翔は、チート能力をもらって異世界を旅する。
料理の腕が実力主義の世界に転生した(仮)
三園 七詩
ファンタジー
りこは気がつくと森の中にいた。
なぜ自分がそこにいたのか、ここが何処なのか何も覚えていなかった。
覚えているのは自分が「りこ」と言う名前だと言うこととと自分がいたのはこんな森では無いと言うことだけ。
他の記憶はぽっかりと抜けていた。
とりあえず誰か人がいるところに…と動こうとすると自分の体が小さいことに気がついた。
「あれ?自分ってこんなに小さかったっけ?」
思い出そうとするが頭が痛くなりそれ以上考えるなと言われているようだった。
前世の記憶さん。こんにちは。
満月
ファンタジー
断罪中に前世の記憶を思い出し主人公が、ハチャメチャな魔法とスキルを活かして、人生を全力で楽しむ話。
周りはそんな主人公をあたたかく見守り、時には被害を被り···それでも皆主人公が大好きです。
主に前半は冒険をしたり、料理を作ったりと楽しく過ごしています。時折シリアスになりますが、基本的に笑える内容になっています。
恋愛は当分先に入れる予定です。
主人公は今までの時間を取り戻すかのように人生を楽しみます!もちろんこの話はハッピーエンドです!
小説になろう様にも掲載しています。
異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが
倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、
どちらが良い?……ですか。」
「異世界転生で。」
即答。
転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。
なろうにも数話遅れてますが投稿しております。
誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。
自分でも見直しますが、ご協力お願いします。
感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる