76 / 84
72話魔石と温泉たまご
しおりを挟む
その日の晩御飯は、コリー達と外でフライパンと魔導コンロを出して庭でプチバーベキューをした。
精霊が僕がお風呂に入った後だからと気を使ってくれ、もっとお肉ー!!というルピ達にせっせこ焼いていた。
見えないだけにお礼がしにくいけど、ありがとう精霊。
『あるじや、ワシは一階の奥の部屋を貰いたい。あと、地下に部屋を作ったんじゃが…それも使っていいかのぅ?』
「地下に部屋!?」
『キッコリーナは薄暗いところが落ち着くんじゃ』
そうなんだ。キッコリーナの生態を知らないからわからないけど、コリーが言うならそうなんだろうな。
この家を建ててくれたのはコリーなんだから、住みやすいようにして大丈夫だよと伝えた。
僕もルピも気づいてなかったけど、この時ロッソは肉にかぶり付きながら、コリーに視線を向けていた。
『主人や、2人はまだ食事が終わらんじゃろう。家の中のカーテンを見てくれんかの?』
「え?でも、もう夜で暗いけど大丈夫なの?」
『街で操石を買おうとしたんじゃが、生産ギルドに立ち寄って作り方を見て来たからのぉ。作ってみたから明りは大丈夫じゃぞ』
よく教えて貰えたね!?
なんか極秘な感じがするけど、そうでもないのかな…。コリー曰く精霊に中を覗いて来てもらったらしい。
あ、教えてもらったんじゃなかったのね。それなら納得。精霊は人間には見えないんだろうしね。
作り方はいたって簡単。取って来た魔石を魔力水に着けておく。そうすると魔石の中の不純で人間には毒に近い魔物の魔力が外に抜け出し空っぽの状態になる。
それに明かりや水を出すと言った効果を埋め込めば操石の出来上がりらしい。
ただ、作るためには長い時間魔力水に着けておく必要があるらしいのが欠点みたいだ。
「長い時間つけておかなきゃいけないのに、もう出来たの?」
『人間の言う魔力水と、ロッソやルピ達が出す魔力水では全然魔力が違うからの。小さな魔石ならあっというに出来たぞ』
「そんな水置いていったっけ??」
『ほれ、泉があるじゃろ』
コリーが泉に向かい紐を引っ張ると、ザバァーッとざるに入れられた魔石が出て来た。魔石が温泉たまごのような扱いされてるんですけど…。
これゲーハさんやリリーが見たら、もっと大事に扱いなさい!って怒られそうだな。
『ほらの』
「う、うん。あ、でも魔石は赤いけど魔力が抜けると薄い水色になるんだね。これは綺麗だね」
『作っている人間も、色と魔物の魔力が抜けてるかを測る魔道具で鑑定しておったそうじゃ。ワシらは持てばわかるからいらんがの』
持てばわかるって…まぁ、コリー達だからね。そんなもんなのかな。操石を入れ操る魔道具は、これもコリーが見てきて自作したと言っていた。
なんでも作れるんだねコリーさん…。
「これどうやって電気付けたらいいの?」
『電気とはなんじゃ』
「あぁ。ごめん。明りはどうやってつけたらいいの?」
そこにある球体の魔道具に触れれば付くぞと言ってくれので触れてみると、リビングに明かりが付いた。
各部屋にこの魔道具は置いてあるから、明かりも問題ないぞと言われる。
トイレも覗いてみると洋式トイレが出来上がっていた。ドラスさん達の家のトイレは、まぁ昔ながらのトイレと言うか和式だったんだよね。
僕としては洋式の方が慣れてるからありがたい。
ビックリしている僕に、王都にいた頃水洗トイレを見ていたからの。まねさせてもらったのじゃということだった。
「これどこに排水流す仕組みになってるの?」
『流した水は地下のタンクに1度流れて、そこにある操石が浄化してくれるぞ。それがまたトイレの水として使われるんじゃ』
「へぇー!よく出来てるんだね!」
その後も、部屋に選んだカーテンやベットを見せてもらうけど、どれも素敵な色合いのものばかりだった。
ただ、僕の部屋が、なんかメルヘンチックな感じがするのがちょっと気になるんだけどね…。
コリーに聞いたら、普通のを選ぼうとしたら精霊がルピがいるんだから!女の子の部屋!お爺さん趣味で選んじゃいけない!と怒られたらしい。
精霊って女の子なのかな?それとも女性なのかな?
『煩いのぉ。今伝えるところじゃ。ほれ主人や』
コリーがクローゼットを開けてみるんじゃというので開けると、大量のルピの服があった。
「こ、これなに!?」
『魔石を取りに行ったんじゃが、ワシと精霊じゃ毎回魔石は出んからの。討伐品は勝手に売らせてもらったぞ。その金で買ったんじゃ。こいつが煩くてのぉ』
精霊が、ルピ達の服を作りたいと言い始めたそうだ。マーヤさんの服を見て、自分でもやってみたいと。
糸と針は自分で調達できても布の調達は難しい。かといって僕のお金で全部買うのも嫌だ。
それなら、自分達で稼げば良いんじゃないか!と必要数の魔石が取れても狩りを止めなかったそうだ。
お疲れコリー。僕も何となくその気持ちがわかるよ…。
「それよりどうやって売りに行ったの?」
『ゲーハとかいう男に売りに行ったんじゃ』
「え?人間の姿で行ったの?よくすぐに受け入れてくれたね」
『この姿で言ったぞ。言葉は通じんからの。文字で書いて売りに来たと伝えたら買い取ってくれたぞ』
人間にも化けられるコリーが文字を書けないわけがないよね。
はぁ…これゲーハさんに会ったら笑い話しにされるのか、それともお前の従魔がーー!!と言われるのか、どっちなんだろう。
売れるものは魔石以外すべて売却し、それで大量の布を購入してルピ達の服が出来上がり。
お肉は全部取ってあると言われたけど、下ごしらえが必要なんだよなぁ…。
精霊が僕がお風呂に入った後だからと気を使ってくれ、もっとお肉ー!!というルピ達にせっせこ焼いていた。
見えないだけにお礼がしにくいけど、ありがとう精霊。
『あるじや、ワシは一階の奥の部屋を貰いたい。あと、地下に部屋を作ったんじゃが…それも使っていいかのぅ?』
「地下に部屋!?」
『キッコリーナは薄暗いところが落ち着くんじゃ』
そうなんだ。キッコリーナの生態を知らないからわからないけど、コリーが言うならそうなんだろうな。
この家を建ててくれたのはコリーなんだから、住みやすいようにして大丈夫だよと伝えた。
僕もルピも気づいてなかったけど、この時ロッソは肉にかぶり付きながら、コリーに視線を向けていた。
『主人や、2人はまだ食事が終わらんじゃろう。家の中のカーテンを見てくれんかの?』
「え?でも、もう夜で暗いけど大丈夫なの?」
『街で操石を買おうとしたんじゃが、生産ギルドに立ち寄って作り方を見て来たからのぉ。作ってみたから明りは大丈夫じゃぞ』
よく教えて貰えたね!?
なんか極秘な感じがするけど、そうでもないのかな…。コリー曰く精霊に中を覗いて来てもらったらしい。
あ、教えてもらったんじゃなかったのね。それなら納得。精霊は人間には見えないんだろうしね。
作り方はいたって簡単。取って来た魔石を魔力水に着けておく。そうすると魔石の中の不純で人間には毒に近い魔物の魔力が外に抜け出し空っぽの状態になる。
それに明かりや水を出すと言った効果を埋め込めば操石の出来上がりらしい。
ただ、作るためには長い時間魔力水に着けておく必要があるらしいのが欠点みたいだ。
「長い時間つけておかなきゃいけないのに、もう出来たの?」
『人間の言う魔力水と、ロッソやルピ達が出す魔力水では全然魔力が違うからの。小さな魔石ならあっというに出来たぞ』
「そんな水置いていったっけ??」
『ほれ、泉があるじゃろ』
コリーが泉に向かい紐を引っ張ると、ザバァーッとざるに入れられた魔石が出て来た。魔石が温泉たまごのような扱いされてるんですけど…。
これゲーハさんやリリーが見たら、もっと大事に扱いなさい!って怒られそうだな。
『ほらの』
「う、うん。あ、でも魔石は赤いけど魔力が抜けると薄い水色になるんだね。これは綺麗だね」
『作っている人間も、色と魔物の魔力が抜けてるかを測る魔道具で鑑定しておったそうじゃ。ワシらは持てばわかるからいらんがの』
持てばわかるって…まぁ、コリー達だからね。そんなもんなのかな。操石を入れ操る魔道具は、これもコリーが見てきて自作したと言っていた。
なんでも作れるんだねコリーさん…。
「これどうやって電気付けたらいいの?」
『電気とはなんじゃ』
「あぁ。ごめん。明りはどうやってつけたらいいの?」
そこにある球体の魔道具に触れれば付くぞと言ってくれので触れてみると、リビングに明かりが付いた。
各部屋にこの魔道具は置いてあるから、明かりも問題ないぞと言われる。
トイレも覗いてみると洋式トイレが出来上がっていた。ドラスさん達の家のトイレは、まぁ昔ながらのトイレと言うか和式だったんだよね。
僕としては洋式の方が慣れてるからありがたい。
ビックリしている僕に、王都にいた頃水洗トイレを見ていたからの。まねさせてもらったのじゃということだった。
「これどこに排水流す仕組みになってるの?」
『流した水は地下のタンクに1度流れて、そこにある操石が浄化してくれるぞ。それがまたトイレの水として使われるんじゃ』
「へぇー!よく出来てるんだね!」
その後も、部屋に選んだカーテンやベットを見せてもらうけど、どれも素敵な色合いのものばかりだった。
ただ、僕の部屋が、なんかメルヘンチックな感じがするのがちょっと気になるんだけどね…。
コリーに聞いたら、普通のを選ぼうとしたら精霊がルピがいるんだから!女の子の部屋!お爺さん趣味で選んじゃいけない!と怒られたらしい。
精霊って女の子なのかな?それとも女性なのかな?
『煩いのぉ。今伝えるところじゃ。ほれ主人や』
コリーがクローゼットを開けてみるんじゃというので開けると、大量のルピの服があった。
「こ、これなに!?」
『魔石を取りに行ったんじゃが、ワシと精霊じゃ毎回魔石は出んからの。討伐品は勝手に売らせてもらったぞ。その金で買ったんじゃ。こいつが煩くてのぉ』
精霊が、ルピ達の服を作りたいと言い始めたそうだ。マーヤさんの服を見て、自分でもやってみたいと。
糸と針は自分で調達できても布の調達は難しい。かといって僕のお金で全部買うのも嫌だ。
それなら、自分達で稼げば良いんじゃないか!と必要数の魔石が取れても狩りを止めなかったそうだ。
お疲れコリー。僕も何となくその気持ちがわかるよ…。
「それよりどうやって売りに行ったの?」
『ゲーハとかいう男に売りに行ったんじゃ』
「え?人間の姿で行ったの?よくすぐに受け入れてくれたね」
『この姿で言ったぞ。言葉は通じんからの。文字で書いて売りに来たと伝えたら買い取ってくれたぞ』
人間にも化けられるコリーが文字を書けないわけがないよね。
はぁ…これゲーハさんに会ったら笑い話しにされるのか、それともお前の従魔がーー!!と言われるのか、どっちなんだろう。
売れるものは魔石以外すべて売却し、それで大量の布を購入してルピ達の服が出来上がり。
お肉は全部取ってあると言われたけど、下ごしらえが必要なんだよなぁ…。
1
お気に入りに追加
3,366
あなたにおすすめの小説
召喚されたけど不要だと殺され、神様が転生さしてくれたのに女神様に呪われました
桜月雪兎
ファンタジー
召喚に巻き込まれてしまった沢口香織は不要な存在として殺されてしまった。
召喚された先で殺された為、元の世界にも戻れなく、さ迷う魂になってしまったのを不憫に思った神様によって召喚された世界に転生することになった。
転生するために必要な手続きをしていたら、偶然やって来て神様と楽しそうに話している香織を見て嫉妬した女神様に呪いをかけられてしまった。
それでも前向きに頑張り、楽しむ香織のお話。
転生王子の異世界無双
海凪
ファンタジー
幼い頃から病弱だった俺、柊 悠馬は、ある日神様のミスで死んでしまう。
特別に転生させてもらえることになったんだけど、神様に全部お任せしたら……
魔族とエルフのハーフっていう超ハイスペック王子、エミルとして生まれていた!
それに神様の祝福が凄すぎて俺、強すぎじゃない?どうやら世界に危機が訪れるらしいけど、チートを駆使して俺が救ってみせる!
神に同情された転生者物語
チャチャ
ファンタジー
ブラック企業に勤めていた安田悠翔(やすだ はると)は、電車を待っていると後から背中を押されて電車に轢かれて死んでしまう。
すると、神様と名乗った青年にこれまでの人生を同情された異世界に転生してのんびりと過ごしてと言われる。
悠翔は、チート能力をもらって異世界を旅する。
神に愛された子
鈴木 カタル
ファンタジー
日本で善行を重ねた老人は、その生を終え、異世界のとある国王の孫・リーンオルゴットとして転生した。
家族に愛情を注がれて育った彼は、ある日、自分に『神に愛された子』という称号が付与されている事に気付く。一時はそれを忘れて過ごしていたものの、次第に自分の能力の異常性が明らかになる。
常人を遥かに凌ぐ魔力に、植物との会話……それらはやはり称号が原因だった!
平穏な日常を望むリーンオルゴットだったが、ある夜、伝説の聖獣に呼び出され人生が一変する――!
感想欄にネタバレ補正はしてません。閲覧は御自身で判断して下さいませ。
一般人に生まれ変わったはずなのに・・・!
モンド
ファンタジー
第一章「学園編」が終了し第二章「成人貴族編」に突入しました。
突然の事故で命を落とした主人公。
すると異世界の神から転生のチャンスをもらえることに。
それならばとチートな能力をもらって無双・・・いやいや程々の生活がしたいので。
「チートはいりません健康な体と少しばかりの幸運を頂きたい」と、希望し転生した。
転生して成長するほどに人と何か違うことに不信を抱くが気にすることなく異世界に馴染んでいく。
しかしちょっと不便を改善、危険は排除としているうちに何故かえらいことに。
そんな平々凡々を求める男の勘違い英雄譚。
※誤字脱字に乱丁など読みづらいと思いますが、申し訳ありませんがこう言うスタイルなので。
世界最強で始める異世界生活〜最強とは頼んだけど、災害レベルまでとは言ってない!〜
ワキヤク
ファンタジー
その日、春埼暁人は死んだ。トラックに轢かれかけた子供を庇ったのが原因だった。
そんな彼の自己犠牲精神は世界を創造し、見守る『創造神』の心を動かす。
創造神の力で剣と魔法の世界へと転生を果たした暁人。本人の『願い』と創造神の『粋な計らい』の影響で凄まじい力を手にしたが、彼の力は世界を救うどころか世界を滅ぼしかねないものだった。
普通に歩いても地割れが起き、彼が戦おうものなら瞬く間にその場所は更地と化す。
魔法もスキルも無効化吸収し、自分のものにもできる。
まさしく『最強』としての力を得た暁人だが、等の本人からすれば手に余る力だった。
制御の難しいその力のせいで、文字通り『歩く災害』となった暁人。彼は平穏な異世界生活を送ることができるのか……。
これは、やがてその世界で最強の英雄と呼ばれる男の物語。
異世界生活物語
花屋の息子
ファンタジー
目が覚めると、そこはとんでもなく時代遅れな異世界だった。転生のお約束である魔力修行どころか何も出来ない赤ちゃん時代には、流石に凹んだりもしたが俺はめげない。なんて言っても、魔法と言う素敵なファンタジーの産物がある世界なのだから・・・知っている魔法に比べると低出力なきもするが。
そんな魔法だけでどうにかなるのか???
地球での生活をしていたはずの俺は異世界転生を果たしていた。転生したオジ兄ちゃんの異世界における心機一転頑張ります的ストーリー
パーティ追放が進化の条件?! チートジョブ『道化師』からの成り上がり。
荒井竜馬
ファンタジー
『第16回ファンタジー小説大賞』奨励賞受賞作品
あらすじ
勢いが凄いと話題のS級パーティ『黒龍の牙』。そのパーティに所属していた『道化師見習い』のアイクは突然パーティを追放されてしまう。
しかし、『道化師見習い』の進化条件がパーティから独立をすることだったアイクは、『道化師見習い』から『道化師』に進化する。
道化師としてのジョブを手に入れたアイクは、高いステータスと新たなスキルも手に入れた。
そして、見習いから独立したアイクの元には助手という女の子が現れたり、使い魔と契約をしたりして多くのクエストをこなしていくことに。
追放されて良かった。思わずそう思ってしまうような世界がアイクを待っていた。
成り上がりとざまぁ、後は異世界で少しゆっくりと。そんなファンタジー小説。
ヒロインは6話から登場します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる