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53話ラッカに到着
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「それで主人は大工を何で探していたんじゃ?」
「家を建てたいんだ。紹介された家がおんぼろすぎてさ」
「直せばいいのか?」
「ううん。壊したから作ってほしいんだけど」
僕の言葉に、壊した?見てみないとわからんな。家を修理するのは人間の大工1人では難しいぞと言われたけど、気長にゆっくりやってくれればいいよ。それより急いで帰らなきゃ。
「ルピ、超特急でお願い!急いで帰らなきゃ」
『超特急?』
「えーっとね、すごく急いでってこと」
『わかったー!いくよー!』
ルピの言葉とともに僕達の身体がふわりと浮く。おー!まさにファンタジー!と思った瞬間に、すごい勢いで飛んで行く。ちょっと待って――――――――!!
ルピの言う通り、2日かけて来たものが3時間足らずで街の近くに着いた。着いた時には、僕の身体はフラフラで激しい乗り物酔いをした時のような感じになっていた。
『ハヤト大丈夫?』
「う、うん。ちょっと待ってね。足が」
『ルピの結界がなかったら、あるじ息するのも辛い速さね』
『ほっほっほー!実に愉快じゃ』
ほっほっほー!愉快じゃじゃないよ愉快じゃじゃ。今度から頼むときは、言葉選んでから頼もう…。
コリーが、ワシは街に行く気はないぞ。家の状態が見たいからのと言われた。更地なんだけどな。
見てもらった方が早いか。今度はルピに、馬車が走るぐらいの速さでお願いし飛んでもらった。
「ここなんだけど」
『なんにもないぞい』
「だから、壊したんだって言ったよ?」
『跡形もないではないか!?』
僕言ったよ。壊したから作ってほしいって。コリーに僕が土に戻せるものは土に戻して、燃やせるものはルピに燃やしてもらったと伝えると、従魔以外に主人もおかしかったか。これは愉快じゃとまた笑っていた。
『周りの木は切っても良いのかの?』
「好きにしていいって言われたから、良いと思うけど切り過ぎないでね」
『大丈夫じゃ。ワシはキッコリーナじゃぞ。切った木の再生ぐらい問題ないわ』
いや、キッコリーナがどんなものか僕知らないし。でも、素人が口を出すよりプロに任せよう。お願いして僕達は街へと帰り冒険者ギルドへ向かった。
「5日で本当に帰って来たな。もう少しかかるかと思ったぞ。無事に奴隷は買えたのか?」
「はい。奴隷というか、まぁ買えました」
「変な言い方をするやつだな。買えたなら良いだろう」
隣町の現状も伝えると、嫁を無くしてから塞いでいたのは知っていたが、そこまでだったのか…。冒険者や街の者からの評判が良くなくてな。
何度かこの街の領主も手助けする打診は出していたようだが、受け付けてくれないため困っていたようだ。
魔石をお前のおかげであるからこちらから融通できる手配をしよう。今なら問題ないだろうと言ってくれたので、とりあえず一安心だね。
リリーと制裁の指輪の契約をしたことも伝えると、あのお嬢様は手ごわいぞって意味深な笑顔を向けられてくる。
うん。ゲーハさんに似てそうな雰囲気があるからね。挨拶を終え冒険者ギルドを出た。
「ただいま帰りましたー」
『ただいまー』
「お帰り!無事そうで良かった。心配してたさね。美味しいものを食べて来たかい?』
街の現状が現状だったからね。美味しいものは食べてない上にゴタゴタに巻き込まれたことけど、いらない心配かける必要はないかと黙っておいた。
「ハヤト、戻ったか。夕飯を終えたら少し話をしよう」
「?はい。わかりました」
一瞬マーヤさんも暗い顔したように見えたけど、その後は今日は美味しいものを作ってあげるさね!と腕まくりをし、ルピとロッソが嬉しそうにしていた。部屋で休んでいると、ご飯さねーと呼ばれ下に降りる。
テーブルの上にはたくさんの料理。しかも僕達の好物ばかりだ。ルピとロッソの大好きな唐揚げも大量に作ってあった。
ルピとロッソは奪い合うように唐揚げを食べ始め、マーヤさんが足りなければ作るさねと嬉しそうに笑っていた。
食事を終えてお茶を飲みながら、ひと段落したところでドラスさんが話しを伝えてくる。
「ギルドマスターから、話しを聞いてな。ここを出ていくことを考えているそうじゃないか」
「…はい」
「だいたいの話しは聞いてある。マーヤも説得済みだ。でも、たまには顔を見せておくれ」
マーヤさんもいつでも帰って来ればいいさねと、寂しそうな笑顔が胸に刺さる。ゲーハさんが僕がいない間に、2人に話しをつけてくれたんだろう。
『食べに帰って来ればいいじゃない』
「でも、それだといつか迷惑がかかるから」
『庭にあるリンゴの木を新しい家にも作ってくれれば転移魔法をかけれるわよ。それなら玄関から入るわけじゃないんだから、バレないでしょ』
ロッソがリンゴを頬張りながら、さも当然と言わんばかりに言ってくる。そんなことができるの!?と思っていたら、私はフェアリー・レジーナなのよとドヤ顔をされてしまった。
「あの、御迷惑でなければ来れる時にはご飯食べに来ても良いですか?」
「いつでも来なね!玄関はいつでも開けとくさね!」
「いえ、新しい家にリンゴの木を作れば裏庭のリンゴの木に扉が作れるそうなので、裏口だけ開けてもらえれば大丈夫です」
そりゃぁ良かった!なぁ母ちゃんとドラスさんとマーヤさんの嬉しそうな顔にホッとする。ルピは、来れる時は毎朝パンを作りに来ると張り切っている。まぁ、バレなければ良いんだよね。
「これから、出来ればダンジョンがあるという話しも聞いたので、そちらにも行く予定です。週末は僕も顔を出します。これない時は前もって伝えます」
「危なくないように出かけるんだよ。その時は弁当こしらえるさね」
暗い雰囲気が一瞬漂ったけど、ロッソのおかげで解決してよかった。ありがとうロッソ。
「家を建てたいんだ。紹介された家がおんぼろすぎてさ」
「直せばいいのか?」
「ううん。壊したから作ってほしいんだけど」
僕の言葉に、壊した?見てみないとわからんな。家を修理するのは人間の大工1人では難しいぞと言われたけど、気長にゆっくりやってくれればいいよ。それより急いで帰らなきゃ。
「ルピ、超特急でお願い!急いで帰らなきゃ」
『超特急?』
「えーっとね、すごく急いでってこと」
『わかったー!いくよー!』
ルピの言葉とともに僕達の身体がふわりと浮く。おー!まさにファンタジー!と思った瞬間に、すごい勢いで飛んで行く。ちょっと待って――――――――!!
ルピの言う通り、2日かけて来たものが3時間足らずで街の近くに着いた。着いた時には、僕の身体はフラフラで激しい乗り物酔いをした時のような感じになっていた。
『ハヤト大丈夫?』
「う、うん。ちょっと待ってね。足が」
『ルピの結界がなかったら、あるじ息するのも辛い速さね』
『ほっほっほー!実に愉快じゃ』
ほっほっほー!愉快じゃじゃないよ愉快じゃじゃ。今度から頼むときは、言葉選んでから頼もう…。
コリーが、ワシは街に行く気はないぞ。家の状態が見たいからのと言われた。更地なんだけどな。
見てもらった方が早いか。今度はルピに、馬車が走るぐらいの速さでお願いし飛んでもらった。
「ここなんだけど」
『なんにもないぞい』
「だから、壊したんだって言ったよ?」
『跡形もないではないか!?』
僕言ったよ。壊したから作ってほしいって。コリーに僕が土に戻せるものは土に戻して、燃やせるものはルピに燃やしてもらったと伝えると、従魔以外に主人もおかしかったか。これは愉快じゃとまた笑っていた。
『周りの木は切っても良いのかの?』
「好きにしていいって言われたから、良いと思うけど切り過ぎないでね」
『大丈夫じゃ。ワシはキッコリーナじゃぞ。切った木の再生ぐらい問題ないわ』
いや、キッコリーナがどんなものか僕知らないし。でも、素人が口を出すよりプロに任せよう。お願いして僕達は街へと帰り冒険者ギルドへ向かった。
「5日で本当に帰って来たな。もう少しかかるかと思ったぞ。無事に奴隷は買えたのか?」
「はい。奴隷というか、まぁ買えました」
「変な言い方をするやつだな。買えたなら良いだろう」
隣町の現状も伝えると、嫁を無くしてから塞いでいたのは知っていたが、そこまでだったのか…。冒険者や街の者からの評判が良くなくてな。
何度かこの街の領主も手助けする打診は出していたようだが、受け付けてくれないため困っていたようだ。
魔石をお前のおかげであるからこちらから融通できる手配をしよう。今なら問題ないだろうと言ってくれたので、とりあえず一安心だね。
リリーと制裁の指輪の契約をしたことも伝えると、あのお嬢様は手ごわいぞって意味深な笑顔を向けられてくる。
うん。ゲーハさんに似てそうな雰囲気があるからね。挨拶を終え冒険者ギルドを出た。
「ただいま帰りましたー」
『ただいまー』
「お帰り!無事そうで良かった。心配してたさね。美味しいものを食べて来たかい?』
街の現状が現状だったからね。美味しいものは食べてない上にゴタゴタに巻き込まれたことけど、いらない心配かける必要はないかと黙っておいた。
「ハヤト、戻ったか。夕飯を終えたら少し話をしよう」
「?はい。わかりました」
一瞬マーヤさんも暗い顔したように見えたけど、その後は今日は美味しいものを作ってあげるさね!と腕まくりをし、ルピとロッソが嬉しそうにしていた。部屋で休んでいると、ご飯さねーと呼ばれ下に降りる。
テーブルの上にはたくさんの料理。しかも僕達の好物ばかりだ。ルピとロッソの大好きな唐揚げも大量に作ってあった。
ルピとロッソは奪い合うように唐揚げを食べ始め、マーヤさんが足りなければ作るさねと嬉しそうに笑っていた。
食事を終えてお茶を飲みながら、ひと段落したところでドラスさんが話しを伝えてくる。
「ギルドマスターから、話しを聞いてな。ここを出ていくことを考えているそうじゃないか」
「…はい」
「だいたいの話しは聞いてある。マーヤも説得済みだ。でも、たまには顔を見せておくれ」
マーヤさんもいつでも帰って来ればいいさねと、寂しそうな笑顔が胸に刺さる。ゲーハさんが僕がいない間に、2人に話しをつけてくれたんだろう。
『食べに帰って来ればいいじゃない』
「でも、それだといつか迷惑がかかるから」
『庭にあるリンゴの木を新しい家にも作ってくれれば転移魔法をかけれるわよ。それなら玄関から入るわけじゃないんだから、バレないでしょ』
ロッソがリンゴを頬張りながら、さも当然と言わんばかりに言ってくる。そんなことができるの!?と思っていたら、私はフェアリー・レジーナなのよとドヤ顔をされてしまった。
「あの、御迷惑でなければ来れる時にはご飯食べに来ても良いですか?」
「いつでも来なね!玄関はいつでも開けとくさね!」
「いえ、新しい家にリンゴの木を作れば裏庭のリンゴの木に扉が作れるそうなので、裏口だけ開けてもらえれば大丈夫です」
そりゃぁ良かった!なぁ母ちゃんとドラスさんとマーヤさんの嬉しそうな顔にホッとする。ルピは、来れる時は毎朝パンを作りに来ると張り切っている。まぁ、バレなければ良いんだよね。
「これから、出来ればダンジョンがあるという話しも聞いたので、そちらにも行く予定です。週末は僕も顔を出します。これない時は前もって伝えます」
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