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35話対策と指輪
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ドラスさんは先に冒険者ギルドへ向かったようなので、僕達も向かう準備をする。マーヤさんがいつもの4倍ぐらいある弁当を持たせてくれた。
パンも持たせようとしてくれたけど、まだアイテムボックスに入っているからと断った。
これで2人で銀貨1枚ってあきらかに割に合ってないな。ルピの食欲がこのままならどうにか考えないと。
「おはようございます」
「おはよう。ドラスの肩に鳥が止まっていたが、昨日出したあの鳥で良いのか…?」
「はい」
「ピィ♪『そうだよ♪』」
「あれは、いつまで出しておけるものなんだ?さすがに1日中出しておけば、お前に結界もあるし分身は出したやつの魔力で動く。従魔の魔力が枯渇するぞ」
「え!?そうなんですか。ルピ、大丈夫なの?」
ルピがいろいろ説明してくれたが、ゲーハさんがピッピピッピうるさい。
声に出さず僕に送り込めというので、ルピがふてくされた顔をして対応してくれた。
『鳥さんは自分でご飯食べるから、ルピの魔力は今使ってないよ』
「あ、そうなんだ。それなら安心だね。でも何かあれば鳥さん飛んでくるの?」
『危険があればルピもわかるから大丈夫』
「よくできてるね~」
いい子いい子とルピを撫でてあげると嬉しそうにする。
「でも、負担かけてるようだし結界張ってなくても良いんだよ」
『ダメ』
「無理はしないようにね」
『大丈夫!』
「なんか、ハヤト独り言言ってるみたいで気持ち悪いな」
「それはないでしょう!ゲーハさんがうるさいって言ったんじゃないですか!」
「まぁ、そうなんだがな。外ではやるなよ。やばい奴に見えてくるだろうからな」
なんなのこの人!なんか昨日から失礼なことばかり言われてる気がする…。
ドラスさんがゲーハさんは熱くて信頼できる男だと言っていたけど、僕にはうるさい意地悪してくるおじさんにしか見えない。
ただ魔石の売買を考えると、闇で売るなんて危ないことはしたくない。助言も少なからずくれているし…無知な僕では今以上にやらかすかもしれない。
ただ、なんでもかんでも話すのはどうなんだろう…。リンゴも昨日ルピにアドバイスをくれたお礼にと取ってきたけど、魔力を必要とする鳥が食べて動けるリンゴだ。渡して良いのか。
それにいざとなれば、魔物討伐は辞めてどこかに畑を借りて、薬草栽培で生計を立てても良いかもしれない。
ルピにできるか相談してからにはなるけど…。
「一昨日お前達のステータスを見せてもらったが、人に自分の手の内をさらすようなもんだ。ただ、俺にはどうしても会ったことがないお前達よりも、この街とドラスとマーヤの方が心配だ。特にあいつらは人が良いからな。あいつらと街に危険が及ばないよう確認して対策をとる必要があったとはいえ、嫌な思いをさせて悪かったな」
「それはわかります…。それで対策は思いついたんですか?」
「まずは俺のステータスを見せよう。話はそれからだ」
ゲーハさんは水晶に手を当てステータスを表示させた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
名前:ゲーハ
レベル:75
種族:人族
年齢:56
HP:3,350
MP:994
攻撃:2,821
防御:2,005
魔力:1,105
速度:711
幸運:59
スキル
初期魔法・中期魔法・物理攻撃耐性・魔力攻撃耐性・身体強化
加護
女神の加護(小)
制約の指輪(神のみ破壊可能)
(身に付けたものは外せず、制約を誓った内容は言葉・文字・表現全てにおいて口外不可。制約相手に不利益な情報、制約相手の情報を他に伝えようと意識すれば即死する)
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
おー…。なんか勇者並みに強くない?すごいんですけど。さすがギルドマスターってところなのかな。
あと、なにこの制約の指輪って。神のみ破壊可能って。口外できないうえに、相手に伝えようかなぁって考えただけで即死なの⁉かなり物騒なもん身に着けてないか。
『あれ創造主様の指輪だ!時々ルピの側にいて作ってるの見たー!』
え…。そうなの。そんな簡単に作れるもんなの?まぁ、創造主だからね。人間とは違うか。あとでルピに聞いてみよう。
「あの、その制約の指輪って」
「内容が書いてあるだろう」
「いや、書いてありますけど物騒すぎませんか⁉そもそもこんなもの、どこで手に入るんですか?」
「俺の何代か前の先祖が勇者でな。天から啓示を受けた時に、その力を譲る代わりにこの指輪を送られたらしいとなっている。人に言えないスキルなんかもあったんだろう。それを勇者が言わないための制約だったらしいがな」
「らしいって、そんなの水晶でステータス見ればわかるんじゃないですか?」
「神が人に見せたくないステータスの中身は、例え水晶で見たとしても見えないとなっている。俺はそんなこと体験したことがないからわからないがな」
ゲーハさんに言われて、ルピと僕のステータスを見せた時に天鳥族とギフトが消えていたことを思い出す。
あれから実は家に帰ってルピと2人部屋で確認すると、天鳥族は出てきてギフトもまだあった。
それを考えると、あながち嘘でもないのかもしれない。今後ギフトで人に知られるとまずいものが出てきたとしても、ゲーハさんには見えないのかもしれないな。ただ今後ステータスを見せるつもりはないけどね!
従魔念話とかは、まだ教えても問題ないと創造主は思ったのかの知れない。僕とルピが会話をしても不都合がないようにと考えてくれたのかな。 ゲーハさんの言葉を聞いていろいろ考える。
「考えてるところ悪いが、話を続けていいか?」
「あ、はい」
「お前達が見せたくないステータスを見せてくれ、話したくないことも話してくれたんだ。今度俺が外に漏らさないという信頼もないだろう。それで、この指輪に誓いたいんだが良いだろうか」
「それは構わないですけど…死ぬってなってますよ」
「俺は人に言うつもりはない。だから死ぬつもりもない。ただこの街の冒険者ギルドを預かる人間として、お前達に無理を聞いてもらったんだ。戦闘ギルドと揉めても面倒だしな。害が無い人間だということは示したい」
「なんでそれを一昨日見せなかったんですか?そうすれば、僕達もあんなことにならず見せれた可能性もあったじゃないですか」
「それを先に話して何事もなく見た場合、ルピは力の使い方を自分で考えたと思うか?お前は唸っている従魔を見て先の事を考えたか?」
「わざと僕達を怒らせるようなことをしたってことですか?」
「それもあるが、信用できないのが1番だったからな。それに信用がないやつに俺も命かけますなんて最初から言わないだろう。ただステータスを見せなかった場合は、話して出て行ってもらうつもりだったさ。力づくで来られたら困ったがな」
笑いながらゲーハさんが説明してくれる。ドラスさんが熱い男だと言っていたのが、なんとなくわかる気がする。
ただ、昨日言えばよかったじゃないですかというと、昨日は結界だの分身だので言おうとしてたのが吹き飛んだらしい。
「制約の指輪に誓う。ハヤトと従魔ルピから見聞きした全ての事をもらしはしない」
ゲーハさんが制約の指輪を見ながら言葉をかけると、指輪が光り薄っすらとゲーハさんの首に細い光が巻き付き消えていった。
万が一指輪をしている指が切り落とされたり腕ごと切り落とされた場合は、他の手足の指に指輪がハマるそうだ。
全ての指が無くなった場合は手首と足首にブレスレットのように巻き付くらしい。
巻き付くところが無くなれば首に巻き付いた光が発動して首が落ちるそうだ。えげつないな。
「よくそんなものつけようと思いましたね」
「親父が亡くなった翌朝は俺が戦闘ギルドの隊長になる日だった。悲しいみに飲み込まれず、人の上に立つ仕事をするんだ。部下を裏切らず街を守りぬこうと自分を戒めた。その朝俺の手元に指輪があった。意味があるんだろうとつけたのさ。ま、それに先祖たちの形見みたいなもんさ」
今は年も取ったし若い力があるやつに街の守りは任せて、俺は冒険者ギルドのお守りしてるがな!ゲーハさん笑いながら話してくれるけど十分強いと思いますよ…。
パンも持たせようとしてくれたけど、まだアイテムボックスに入っているからと断った。
これで2人で銀貨1枚ってあきらかに割に合ってないな。ルピの食欲がこのままならどうにか考えないと。
「おはようございます」
「おはよう。ドラスの肩に鳥が止まっていたが、昨日出したあの鳥で良いのか…?」
「はい」
「ピィ♪『そうだよ♪』」
「あれは、いつまで出しておけるものなんだ?さすがに1日中出しておけば、お前に結界もあるし分身は出したやつの魔力で動く。従魔の魔力が枯渇するぞ」
「え!?そうなんですか。ルピ、大丈夫なの?」
ルピがいろいろ説明してくれたが、ゲーハさんがピッピピッピうるさい。
声に出さず僕に送り込めというので、ルピがふてくされた顔をして対応してくれた。
『鳥さんは自分でご飯食べるから、ルピの魔力は今使ってないよ』
「あ、そうなんだ。それなら安心だね。でも何かあれば鳥さん飛んでくるの?」
『危険があればルピもわかるから大丈夫』
「よくできてるね~」
いい子いい子とルピを撫でてあげると嬉しそうにする。
「でも、負担かけてるようだし結界張ってなくても良いんだよ」
『ダメ』
「無理はしないようにね」
『大丈夫!』
「なんか、ハヤト独り言言ってるみたいで気持ち悪いな」
「それはないでしょう!ゲーハさんがうるさいって言ったんじゃないですか!」
「まぁ、そうなんだがな。外ではやるなよ。やばい奴に見えてくるだろうからな」
なんなのこの人!なんか昨日から失礼なことばかり言われてる気がする…。
ドラスさんがゲーハさんは熱くて信頼できる男だと言っていたけど、僕にはうるさい意地悪してくるおじさんにしか見えない。
ただ魔石の売買を考えると、闇で売るなんて危ないことはしたくない。助言も少なからずくれているし…無知な僕では今以上にやらかすかもしれない。
ただ、なんでもかんでも話すのはどうなんだろう…。リンゴも昨日ルピにアドバイスをくれたお礼にと取ってきたけど、魔力を必要とする鳥が食べて動けるリンゴだ。渡して良いのか。
それにいざとなれば、魔物討伐は辞めてどこかに畑を借りて、薬草栽培で生計を立てても良いかもしれない。
ルピにできるか相談してからにはなるけど…。
「一昨日お前達のステータスを見せてもらったが、人に自分の手の内をさらすようなもんだ。ただ、俺にはどうしても会ったことがないお前達よりも、この街とドラスとマーヤの方が心配だ。特にあいつらは人が良いからな。あいつらと街に危険が及ばないよう確認して対策をとる必要があったとはいえ、嫌な思いをさせて悪かったな」
「それはわかります…。それで対策は思いついたんですか?」
「まずは俺のステータスを見せよう。話はそれからだ」
ゲーハさんは水晶に手を当てステータスを表示させた。
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名前:ゲーハ
レベル:75
種族:人族
年齢:56
HP:3,350
MP:994
攻撃:2,821
防御:2,005
魔力:1,105
速度:711
幸運:59
スキル
初期魔法・中期魔法・物理攻撃耐性・魔力攻撃耐性・身体強化
加護
女神の加護(小)
制約の指輪(神のみ破壊可能)
(身に付けたものは外せず、制約を誓った内容は言葉・文字・表現全てにおいて口外不可。制約相手に不利益な情報、制約相手の情報を他に伝えようと意識すれば即死する)
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
おー…。なんか勇者並みに強くない?すごいんですけど。さすがギルドマスターってところなのかな。
あと、なにこの制約の指輪って。神のみ破壊可能って。口外できないうえに、相手に伝えようかなぁって考えただけで即死なの⁉かなり物騒なもん身に着けてないか。
『あれ創造主様の指輪だ!時々ルピの側にいて作ってるの見たー!』
え…。そうなの。そんな簡単に作れるもんなの?まぁ、創造主だからね。人間とは違うか。あとでルピに聞いてみよう。
「あの、その制約の指輪って」
「内容が書いてあるだろう」
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「俺の何代か前の先祖が勇者でな。天から啓示を受けた時に、その力を譲る代わりにこの指輪を送られたらしいとなっている。人に言えないスキルなんかもあったんだろう。それを勇者が言わないための制約だったらしいがな」
「らしいって、そんなの水晶でステータス見ればわかるんじゃないですか?」
「神が人に見せたくないステータスの中身は、例え水晶で見たとしても見えないとなっている。俺はそんなこと体験したことがないからわからないがな」
ゲーハさんに言われて、ルピと僕のステータスを見せた時に天鳥族とギフトが消えていたことを思い出す。
あれから実は家に帰ってルピと2人部屋で確認すると、天鳥族は出てきてギフトもまだあった。
それを考えると、あながち嘘でもないのかもしれない。今後ギフトで人に知られるとまずいものが出てきたとしても、ゲーハさんには見えないのかもしれないな。ただ今後ステータスを見せるつもりはないけどね!
従魔念話とかは、まだ教えても問題ないと創造主は思ったのかの知れない。僕とルピが会話をしても不都合がないようにと考えてくれたのかな。 ゲーハさんの言葉を聞いていろいろ考える。
「考えてるところ悪いが、話を続けていいか?」
「あ、はい」
「お前達が見せたくないステータスを見せてくれ、話したくないことも話してくれたんだ。今度俺が外に漏らさないという信頼もないだろう。それで、この指輪に誓いたいんだが良いだろうか」
「それは構わないですけど…死ぬってなってますよ」
「俺は人に言うつもりはない。だから死ぬつもりもない。ただこの街の冒険者ギルドを預かる人間として、お前達に無理を聞いてもらったんだ。戦闘ギルドと揉めても面倒だしな。害が無い人間だということは示したい」
「なんでそれを一昨日見せなかったんですか?そうすれば、僕達もあんなことにならず見せれた可能性もあったじゃないですか」
「それを先に話して何事もなく見た場合、ルピは力の使い方を自分で考えたと思うか?お前は唸っている従魔を見て先の事を考えたか?」
「わざと僕達を怒らせるようなことをしたってことですか?」
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笑いながらゲーハさんが説明してくれる。ドラスさんが熱い男だと言っていたのが、なんとなくわかる気がする。
ただ、昨日言えばよかったじゃないですかというと、昨日は結界だの分身だので言おうとしてたのが吹き飛んだらしい。
「制約の指輪に誓う。ハヤトと従魔ルピから見聞きした全ての事をもらしはしない」
ゲーハさんが制約の指輪を見ながら言葉をかけると、指輪が光り薄っすらとゲーハさんの首に細い光が巻き付き消えていった。
万が一指輪をしている指が切り落とされたり腕ごと切り落とされた場合は、他の手足の指に指輪がハマるそうだ。
全ての指が無くなった場合は手首と足首にブレスレットのように巻き付くらしい。
巻き付くところが無くなれば首に巻き付いた光が発動して首が落ちるそうだ。えげつないな。
「よくそんなものつけようと思いましたね」
「親父が亡くなった翌朝は俺が戦闘ギルドの隊長になる日だった。悲しいみに飲み込まれず、人の上に立つ仕事をするんだ。部下を裏切らず街を守りぬこうと自分を戒めた。その朝俺の手元に指輪があった。意味があるんだろうとつけたのさ。ま、それに先祖たちの形見みたいなもんさ」
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