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13話 魔石買取

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「すいません。魔石を売りたいんですけど」

「はい。話は聞いてたから大丈夫よ。だけどキミも大変だね。この街は比較的穏やかな場所にあるから楽しみが少ないの。ヒマな冒険者が新人をいびって暇つぶしをしてしまうのよ」

「暇つぶしした結果が燃やされて水責めされるなら、わけないですね」

「ふふ、本当だね。あんなのばかりじゃないから気分悪くしないでね」

買取場所にいる人は、気さくな良い人に見えるけど油断は禁物だな。でも、なんで受付嬢ってどこも綺麗な人が多いんだろ?
病院の受付嬢のお姉さんも綺麗だったな…とふと思い出す。
まぁ、僕にはまだよくわからないけど目の保養ってやつなんだろう。

「じゃぁまずはギルドカードを貰える?」

「はい」

「これに買い取った金額が保存されるの。おろす時には私か受付にいる子に声をかけて。他のギルドでも可能よ。あと、おろす金額が多い時にはキミの血とサインが必要になるわ。だから、カードを落としても早々お金盗まれるものじゃないけど落とさないようにね」

「わかりました。気をつけます」

「買取魔石は何個あるのかしら?他にも討伐品があるなら買い取るわよ。魔石は大きさによって値段が変わってくるんだけど、とりあえず出してもらえる?」

ここに来るまでに倒した魔物は合計で42匹になっていた。多いのか少ないのかわからないのでとりあえず全部出す。
他の討伐品は受付さんが毛皮とか肉といっていたけどそんなの出てこなかったよなぁ。

「………。これ、全部その子が倒したの?」

「はい。ルピが倒しました」

「いったい何百匹倒したの⁉︎魔石は強ければ強い魔物ほど持っているけど、弱いと5匹に1つ出るか出ないかなのよ。この魔石は強くてDランクの魔物ね…。それはそれですごいけど」

えーっと、5匹に1つってことは50匹倒して10個取れるかどうかってことだよね。42個出した僕は200匹以上討伐したことになる。Dランクの魔物もいたらしく、驚かれていた。

「そんなには倒してません。たまたま運が良かったんだと思います」

「ステータスの幸運が高いと出やすいとは言われてるけど…。Cランクの人が幸運30でも、弱い魔物からは3匹に1つぐらいよ。よっぽど運が良かったのね」

Aランクで幸運30。たしか僕は100以上あった。ルピと合わせたらもっとある。それのおかげか!

「あー…たまたまです。たまたま」

「たまたまねぇ…。まぁ、少し待ってて。鑑定してくるから」

そんなに待たずに、お待たせと女の人が戻って来る。

「42個中22個がダークウルフなどDランクの魔物よ。残り20個がFランクとEランクの魔物の魔石になるわ。ゴブリンやマービー、ホーンラビットといったところね」

ダークウルフとゴブリンは察しがつく。ホーンラビットは多分ツノがあるウサギのことだろう。ルピがピッピッ討伐してしまうので、実は何を倒したのか僕もよくわかってない。

倒したときに出た牙や耳も出そうとしたが、魔石の数と同じ数しかないため討伐数=魔石の数になってしまう。話を聞く限りまずいんだろうと出さずにしまっておいた。

それよりマービーってなんだ?

「あの、マービーってどんな魔物ですか?」

「頭が平べったいヘビね」

おー、あのマムシもどきか。

「それで、これが魔石の買取金額よ。魔石の状態も良いし、これからも頑張っての気持ちを込めて少し色をつけさせてもらったわ。拾ってこなかったようだけど、今度からは討伐した魔物の一部も持ってきてね」

Dランクの魔石が1つ銀貨5枚で合計金貨11枚。Eランクの魔石10個で1つ銀貨3枚Fランクの魔石10個1つ銀貨1枚。合計金貨4枚。全部合わせて金貨15枚になり、そこに色をつけてくれて金貨16枚になった。



「ありがとうございます。ちなみに、山奥から出てきてお金の価値がイマイチわかりません。教えてもらっても良いですか?」

「あら、お金もない山から出てきたの?ふふ、良いわよ」

お姉さんの話をまとめた結果

銅貨=日本円10円
銀板=日本円100円
銀貨=日本円1,000円
金貨=日本円10,000円
大金貨=日本円100,000円
白金貨=日本円1,000,000円

こうなるらしい。マーヤさん、2人で3食寝床付きで銀貨1枚。日本円で千円って、それは流石に安すぎるでしょ…。どうにかもう少しもらってもらえないかなと悩み事が増えた瞬間だった。

「今後の冒険者君たちのお名前を聞いても良いかしら?」

「僕がハヤト。この子がルピです」

「ピッ!」

「ハヤト君にルピちゃんね。私はエリーよ。よろしくね」

「はい。よろしくお願いします」

「ピッ!」

「可愛いお返事をありがとう。ルピちゃんは、多分ハク族かしら?少し雰囲気が違う気もするけど。でも、ハク族は臆病な種族だから、従魔にするテイマーはなかなかいないのよ。こんなに懐かれて羨ましいわ」

「ルピはルピだから、それで良いです」

「ピィ♪」

「それもそうね。野暮なことを聞いたわ。またぜひ来てちょうだいね」

「お世話になるときはよろしくお願いします」

僕が話を終えて帰る頃には、冒険者ギルドもにぎわいを取り戻していた。僕たちに絡んだ冒険者は壁にもたれかかっており顔を上げたらたまたま僕たちと目が合った。

「ヒィッ…!」

顔が青ざめていた。自分からけしかけておいて、それはないだろうと思ったが無視して建物の外へ出て行った。
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