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10話 パン屋の朝
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起きたら、またルピがいない。早起きだなぁ…。
階段を降りて一階の扉を開けると、ドラスさんが台所でお茶を飲んでいた。
「おはようございます」
「起きたか。おはよう。よく眠れたかい?」
「はい!よく寝れました。ありがとうございます」
「それなら良かった。母ちゃんは今パンを焼きにパン屋の方に行ってるよ。お嬢ちゃんも興味があるのか、母ちゃんについて行ってるから行ってみな」
「はい!ありがとうございます」
お礼をしてパン屋の方に向かうと、ますますパンの良い香りがしてくる。朝から焼きたてのパンの香りで目覚めるなんて、なんて贅沢なんだ!
パン屋の扉を開け奥の厨房に向かう。
「マーヤさんおはようございます。ルピは邪魔してませんか?」
「ハヤトおはよう!よく眠れたかい?ルピはいい子にお手伝いさ!」
「ピィ~ルル♪」
元気よくマーヤさんとルピが挨拶してくれる。ルピの服が…パン屋さんぽい服装になっていて、頭に三角ずきん。やばい…めっちゃ可愛いんですけど。
「よく眠れました。ありがとうございます。ルピ、そのお洋服も作ってもらったのかい?」
「ピィ♪」
マーヤさんめちゃくちゃ器用な人なんだなと思う。かっぷくの良さから大雑把に見えそうだけど、この人の手先の器用さはすごいのかもしれない。
「でもこの子はすごいねー!パンのタネは混ぜるのに力がいるのに、魔法でちょいちょいと混ぜてしまうさ。パンの形も私が一回作って見せたら、同じように器用に作ってしまうさね。たいしたもんだよ」
「ピィー♪」
ルピがどうだすごいでしょ‼︎とドヤ顔で僕の顔を見てくる。なにこの可愛い生き物‼︎朝から鼻血が出そう…
「上手にお手伝いできたんだね。さすがルピだね。でも、今度から僕を起こしていいんだからね」
平静を装いルピに年上らしく接してみたけど、マーヤさんは気づいてるらしく笑いをこらえて僕を見ていた。恥ずかしい…
「さぁ!ルピが手伝ってくれたおかげで順調に準備が終わったよ!このパンを焼いて朝ごはんにしよう」
「ピィ~♪」
僕はパンが焼ける間、厨房の隅にある椅子に座ってなと言われたので大人しく座って待つ。ルピは容量が良いのか、マーヤさんがあれ!それ!と言うと、ピッピッと取って渡していた。
なにこの長年連れ添ったような熟練の技…。
関心よりも尊敬の眼差しで2人を見ていると、マーヤさんが台所に行ってなと声をかけてくれた。パンの匂いにヨダレが凄いルピを連れて一緒に台所へ向かう。
「お嬢ちゃん、お手伝いありがとな。母ちゃんは自分の子供とパンを作るのが夢だったんだ。夢が叶って母ちゃんも喜んでるよ」
ありがとうありがとうと、ドラスさんがルピの頭を撫でると嬉しいのかピィ♪と返事を返していた。
「待たせたね。朝ごはんにしよう!今日はルピが手伝ってくれたパンだから、格別にお美味しいよ!」
テーブルの上に様々なパン、コーンスープ、リンゴジュースが並んだ。焼きたての良い匂いにお腹が鳴ってしまい3人に笑われる。
「「天の恵みに感謝して、頂きます」」
それぞれが好きなパンをお皿に取り食べ始める。昨日のパンも美味しかったけど、焼きたては本当に美味しい。クロワッサンのサクサク感がたまらない‼︎
「母ちゃん、いつも美味いが今日のパンは絶品だな」
「当たり前さ。なんたってルピが手伝ってくれたんだ。不味くなる方が難しいさね」
「そりゃそうか!明日も頼むぞルピ!」
「ピィ!」
「アンタ、無理言うもんじゃないよ!これからルピ達は忙しくなるんだから、今日が特別なんだよ!しっかり味わって食べな」
「ピッ!(出来る)」
「ルピ無理しなくて良いんだよ。気持ちだけで嬉しいさね。こんなに楽しいパン作りは初めてだよ。それで満足さ」
「ピィッ!(やるの)」
「ハッハハ!母ちゃん一本取られたな。ルピは明日もお手伝いがしたいんだとさ」
「子供がなに言ってんだい。明日の気分で考えな。本当に…」
そう言いながら、マーヤさんはエプロンで目元を押さえていた。そんなマーヤさんを見て、ドラスさんは嬉しそうな顔で静かにマーヤさんを見つめる。そして良かったな母ちゃんと静かに声をかけた。
ルピは可愛いだけでなく、人思いの優しい子なんだって事が僕も嬉しい。こんな良い子に出会わせてくれたルルさんに感謝だな‼︎
食後ドラスさん達にギルドの場所を聞くと、複数あると言われた。
冒険者ギルド。
冒険者のためのギルド。街の外で討伐した魔石や魔物の素材の買取をしてくれる。
商用ギルド
薬草や討伐中に取れた宝物などを買い取りしてくれる。武器や防具もここで買えるらしい。
雑貨ギルド
街の人が主に使うのはここのギルド。着る服や身につける鞄、食器等日常的に使うものが買うのに便利ということだった。
生産ギルド
街の外で採取される薬草等を街の畑で作成し、効果・効能研究が主なギルド。
戦闘ギルド
街を守り魔物の被害が出ないよう、街の護衛的な役割をしている。
身分証明書の発行はギルドがしてくれると言われたので、ひとまず目的地は冒険者ギルドに決める
階段を降りて一階の扉を開けると、ドラスさんが台所でお茶を飲んでいた。
「おはようございます」
「起きたか。おはよう。よく眠れたかい?」
「はい!よく寝れました。ありがとうございます」
「それなら良かった。母ちゃんは今パンを焼きにパン屋の方に行ってるよ。お嬢ちゃんも興味があるのか、母ちゃんについて行ってるから行ってみな」
「はい!ありがとうございます」
お礼をしてパン屋の方に向かうと、ますますパンの良い香りがしてくる。朝から焼きたてのパンの香りで目覚めるなんて、なんて贅沢なんだ!
パン屋の扉を開け奥の厨房に向かう。
「マーヤさんおはようございます。ルピは邪魔してませんか?」
「ハヤトおはよう!よく眠れたかい?ルピはいい子にお手伝いさ!」
「ピィ~ルル♪」
元気よくマーヤさんとルピが挨拶してくれる。ルピの服が…パン屋さんぽい服装になっていて、頭に三角ずきん。やばい…めっちゃ可愛いんですけど。
「よく眠れました。ありがとうございます。ルピ、そのお洋服も作ってもらったのかい?」
「ピィ♪」
マーヤさんめちゃくちゃ器用な人なんだなと思う。かっぷくの良さから大雑把に見えそうだけど、この人の手先の器用さはすごいのかもしれない。
「でもこの子はすごいねー!パンのタネは混ぜるのに力がいるのに、魔法でちょいちょいと混ぜてしまうさ。パンの形も私が一回作って見せたら、同じように器用に作ってしまうさね。たいしたもんだよ」
「ピィー♪」
ルピがどうだすごいでしょ‼︎とドヤ顔で僕の顔を見てくる。なにこの可愛い生き物‼︎朝から鼻血が出そう…
「上手にお手伝いできたんだね。さすがルピだね。でも、今度から僕を起こしていいんだからね」
平静を装いルピに年上らしく接してみたけど、マーヤさんは気づいてるらしく笑いをこらえて僕を見ていた。恥ずかしい…
「さぁ!ルピが手伝ってくれたおかげで順調に準備が終わったよ!このパンを焼いて朝ごはんにしよう」
「ピィ~♪」
僕はパンが焼ける間、厨房の隅にある椅子に座ってなと言われたので大人しく座って待つ。ルピは容量が良いのか、マーヤさんがあれ!それ!と言うと、ピッピッと取って渡していた。
なにこの長年連れ添ったような熟練の技…。
関心よりも尊敬の眼差しで2人を見ていると、マーヤさんが台所に行ってなと声をかけてくれた。パンの匂いにヨダレが凄いルピを連れて一緒に台所へ向かう。
「お嬢ちゃん、お手伝いありがとな。母ちゃんは自分の子供とパンを作るのが夢だったんだ。夢が叶って母ちゃんも喜んでるよ」
ありがとうありがとうと、ドラスさんがルピの頭を撫でると嬉しいのかピィ♪と返事を返していた。
「待たせたね。朝ごはんにしよう!今日はルピが手伝ってくれたパンだから、格別にお美味しいよ!」
テーブルの上に様々なパン、コーンスープ、リンゴジュースが並んだ。焼きたての良い匂いにお腹が鳴ってしまい3人に笑われる。
「「天の恵みに感謝して、頂きます」」
それぞれが好きなパンをお皿に取り食べ始める。昨日のパンも美味しかったけど、焼きたては本当に美味しい。クロワッサンのサクサク感がたまらない‼︎
「母ちゃん、いつも美味いが今日のパンは絶品だな」
「当たり前さ。なんたってルピが手伝ってくれたんだ。不味くなる方が難しいさね」
「そりゃそうか!明日も頼むぞルピ!」
「ピィ!」
「アンタ、無理言うもんじゃないよ!これからルピ達は忙しくなるんだから、今日が特別なんだよ!しっかり味わって食べな」
「ピッ!(出来る)」
「ルピ無理しなくて良いんだよ。気持ちだけで嬉しいさね。こんなに楽しいパン作りは初めてだよ。それで満足さ」
「ピィッ!(やるの)」
「ハッハハ!母ちゃん一本取られたな。ルピは明日もお手伝いがしたいんだとさ」
「子供がなに言ってんだい。明日の気分で考えな。本当に…」
そう言いながら、マーヤさんはエプロンで目元を押さえていた。そんなマーヤさんを見て、ドラスさんは嬉しそうな顔で静かにマーヤさんを見つめる。そして良かったな母ちゃんと静かに声をかけた。
ルピは可愛いだけでなく、人思いの優しい子なんだって事が僕も嬉しい。こんな良い子に出会わせてくれたルルさんに感謝だな‼︎
食後ドラスさん達にギルドの場所を聞くと、複数あると言われた。
冒険者ギルド。
冒険者のためのギルド。街の外で討伐した魔石や魔物の素材の買取をしてくれる。
商用ギルド
薬草や討伐中に取れた宝物などを買い取りしてくれる。武器や防具もここで買えるらしい。
雑貨ギルド
街の人が主に使うのはここのギルド。着る服や身につける鞄、食器等日常的に使うものが買うのに便利ということだった。
生産ギルド
街の外で採取される薬草等を街の畑で作成し、効果・効能研究が主なギルド。
戦闘ギルド
街を守り魔物の被害が出ないよう、街の護衛的な役割をしている。
身分証明書の発行はギルドがしてくれると言われたので、ひとまず目的地は冒険者ギルドに決める
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