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33羽 新しい出会い
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1時間ちょい待ってダニアさんが帰ってきた。後ろには血相を変えたガレッダがいた。
え?この子ガレッダの妹なの?
「お前は!お前はなんてことをしてるんだ!!」
「落ち着けって。顔見ても怒るなって言っただろ?」
「これは僕が悪いんです。僕が妹をしっかり面倒見れてないから…。いくらでも、どうやってでも罰金は払います!!」
きっとこの様子だと、ダニアさんの話しはほとんど耳に入ってないんだろうな。
ダニアさんの事だから今回罪には問われないことは伝えてるはずだ。
まぁ、誰でも家族が犯罪犯したと言われたら気が動転するだろう。
「だから、今回は罪はないって何度も言っただろう。だけど、いちを報告だけはしておいた方が良い」
「わかりました。今すぐ連れて行きます!ほらっ!さっさと行くぞ!!」
俺が知っている雰囲気のガレッダとは全然違い、真っ青な顔をして妹の腕を引っ張っていくガレッダ。
妹も泣きながら、何度もごめんなさいごめんなさいと兄についていく。
これって、このままで良いのか?
「ちょっと待て。
お前も妹の言い分聞いてやってからでも良いだろ?向こうの部屋使っていいから。お前等だけだと話し聞きそうにないからな。捕まえたイーサとそれにケンも同行させよう。
俺は仕事があるし」
「え?俺ですか?」
「頼むよ。この子もお前の方が話しがしやすそうだ。それにイーサだけだと、圧力感がすごいだろ?」
「はぁ…」
俺苦手なんだけど、まぁ仕方がないか。関わった以上は責任もあるだろう。
部屋に入ると、まずはガレッダに妹の言い分を聞いてやれと妹に話しをさせる。お互いの言い分を聞かないとまとまる話もまとまらないからな。
ガレッダはなぜ妹が盗んだのかという理由がわかると、不安な思いをさせてしまって申し訳ない。
でも、兄ちゃんちゃんとやるから心配するな。だからもう盗まないで欲しいと妹に話していた。
妹もごめんなさい絶対にしないからと約束していた。うんうん。お互い話せばわかるんだから。
「ガレッダはなんでクビになったんだ?うまく働いてたろ?」
「それは…」
店のオーナーが変わった後、盗品のリストの整理から始めました。
しかし盗まれたものがあまりにも多すぎて、実際には前マスターの家の中にあるものだけでは足りなかったんです。
前マスターが売っているのかもしれませんが…。
しかし、そのせいで店に勤める従業員も疑いの眼差しを向けられてしまい、スタッフを総入れ替えすると言われてしまいました。
女の子は、比較的働きやすそうなお店が決まって、力に自信がある人は大工関係に行きました。
その中で、力もなくひ弱な俺は、使ってもらえるところがまだ無くて…。
「でも、お兄ちゃんは何も取ってないの。マスターさんが来なくなってからも、ずっと無給でいつか帰ってくるからお店守らなきゃって頑張ってたの…」
それに新しいオーナーは、マスターがいなくなった日に朝までいた客が他に盗んだものがあるかもしれないって言っても、
お兄ちゃん達は頑なにそんなことする人じゃないって言ったのよと話しを続けてくる。
えっと、これって俺も関係してるよね?朝までいた客って俺の事だ。疑われても仕方がない。それをそんなことする人じゃないと庇ってくれてたのか…。
そうなると、俺もはいそうですかってここで別れるのも忍びないよなぁ…。
朝までいた客が俺だとわかっているガレッダは、お前余計なこと言わなくていいからと慌てて妹に話すのを止めるように言っていた。
いや、もう聞いちゃったよ。
「ガレッダうちで働く気はあるか?」
「え?」
「うちは良い店じゃない。むしろ外だ。冷暖房完備なんてないし、街の移動もある。けっして楽じゃないが、食うに困らない金は出してやれると思う」
あー、言った後で妹どうするんだよと思ったら妹もついて行きたいと言い始めた。
だってこの子まだ勉学学ぶ年齢だよね?そんな子を街から連れ出すのはさすがに不味いだろうと思ったら、必要な勉学は終わってると言われた。
それに10歳ぐらいかと思ったら12歳だと言われる。年齢言わなくてよかった…。多感な時期の子は年齢1つで傷つきそうだからな。
しかも、この世界は15歳から働き始める子も多いらしい。だから、全然働くことには抵抗が無いと言う妹。
しかし、12歳使うのまずいだろ。12歳と15歳じゃ全然見た目からして違う。
無理して働かなくていいと言ったが本人の意思は固い。兄が街を離れれば当分会えないから離れたくない気持ちもわかるけど…。
俺の悩みに解決策を投じてくれたのはイーサさんだった。
「俺の家で預ろう。捕まえたのは俺だからな。ケンが兄貴を雇うなら、俺もできる協力はしよう。子供がいないから妻に相談してみるが、迎えてくれるだろう」
「え…?イーサさん既婚者なんですか⁉︎」
「あぁ。まぁ、聞いてからにはなるがな。優しい妻だ。話せばわかってくれるだろう」
イーサさんが既婚者ってことにビックリだよ…。この顔の男性を選ぶ女性がいるなら、俺だって…と思うけど今は関係ない話しか。
取り敢えずガレッダに今後について伝える。給与はおいおいダニアさんに相談して決めるで良いだろう。少なくとも前のところよりは払うつもりだ。
今思いつくことだけを伝え、それ以外は考える。悪いようにはしないさと話した。
○基本住み込み。この街にいる間は開店準備から来て締めの片付けまでして欲しい。それ以外の時間は好きにしていい。
○遠征がある場合は、遠征費として給与にプラスアルファをつける。食事や宿はこちらで持つ。長期帰れないことも覚悟してほしい
○宿に泊まれない場合はテント。魔物の討伐もあり。
不安そうにしている妹を置いて話しを進めるのもどうかと思うが、まずは稼ぎ頭がやる気を起こす方が大事だろう。
え?この子ガレッダの妹なの?
「お前は!お前はなんてことをしてるんだ!!」
「落ち着けって。顔見ても怒るなって言っただろ?」
「これは僕が悪いんです。僕が妹をしっかり面倒見れてないから…。いくらでも、どうやってでも罰金は払います!!」
きっとこの様子だと、ダニアさんの話しはほとんど耳に入ってないんだろうな。
ダニアさんの事だから今回罪には問われないことは伝えてるはずだ。
まぁ、誰でも家族が犯罪犯したと言われたら気が動転するだろう。
「だから、今回は罪はないって何度も言っただろう。だけど、いちを報告だけはしておいた方が良い」
「わかりました。今すぐ連れて行きます!ほらっ!さっさと行くぞ!!」
俺が知っている雰囲気のガレッダとは全然違い、真っ青な顔をして妹の腕を引っ張っていくガレッダ。
妹も泣きながら、何度もごめんなさいごめんなさいと兄についていく。
これって、このままで良いのか?
「ちょっと待て。
お前も妹の言い分聞いてやってからでも良いだろ?向こうの部屋使っていいから。お前等だけだと話し聞きそうにないからな。捕まえたイーサとそれにケンも同行させよう。
俺は仕事があるし」
「え?俺ですか?」
「頼むよ。この子もお前の方が話しがしやすそうだ。それにイーサだけだと、圧力感がすごいだろ?」
「はぁ…」
俺苦手なんだけど、まぁ仕方がないか。関わった以上は責任もあるだろう。
部屋に入ると、まずはガレッダに妹の言い分を聞いてやれと妹に話しをさせる。お互いの言い分を聞かないとまとまる話もまとまらないからな。
ガレッダはなぜ妹が盗んだのかという理由がわかると、不安な思いをさせてしまって申し訳ない。
でも、兄ちゃんちゃんとやるから心配するな。だからもう盗まないで欲しいと妹に話していた。
妹もごめんなさい絶対にしないからと約束していた。うんうん。お互い話せばわかるんだから。
「ガレッダはなんでクビになったんだ?うまく働いてたろ?」
「それは…」
店のオーナーが変わった後、盗品のリストの整理から始めました。
しかし盗まれたものがあまりにも多すぎて、実際には前マスターの家の中にあるものだけでは足りなかったんです。
前マスターが売っているのかもしれませんが…。
しかし、そのせいで店に勤める従業員も疑いの眼差しを向けられてしまい、スタッフを総入れ替えすると言われてしまいました。
女の子は、比較的働きやすそうなお店が決まって、力に自信がある人は大工関係に行きました。
その中で、力もなくひ弱な俺は、使ってもらえるところがまだ無くて…。
「でも、お兄ちゃんは何も取ってないの。マスターさんが来なくなってからも、ずっと無給でいつか帰ってくるからお店守らなきゃって頑張ってたの…」
それに新しいオーナーは、マスターがいなくなった日に朝までいた客が他に盗んだものがあるかもしれないって言っても、
お兄ちゃん達は頑なにそんなことする人じゃないって言ったのよと話しを続けてくる。
えっと、これって俺も関係してるよね?朝までいた客って俺の事だ。疑われても仕方がない。それをそんなことする人じゃないと庇ってくれてたのか…。
そうなると、俺もはいそうですかってここで別れるのも忍びないよなぁ…。
朝までいた客が俺だとわかっているガレッダは、お前余計なこと言わなくていいからと慌てて妹に話すのを止めるように言っていた。
いや、もう聞いちゃったよ。
「ガレッダうちで働く気はあるか?」
「え?」
「うちは良い店じゃない。むしろ外だ。冷暖房完備なんてないし、街の移動もある。けっして楽じゃないが、食うに困らない金は出してやれると思う」
あー、言った後で妹どうするんだよと思ったら妹もついて行きたいと言い始めた。
だってこの子まだ勉学学ぶ年齢だよね?そんな子を街から連れ出すのはさすがに不味いだろうと思ったら、必要な勉学は終わってると言われた。
それに10歳ぐらいかと思ったら12歳だと言われる。年齢言わなくてよかった…。多感な時期の子は年齢1つで傷つきそうだからな。
しかも、この世界は15歳から働き始める子も多いらしい。だから、全然働くことには抵抗が無いと言う妹。
しかし、12歳使うのまずいだろ。12歳と15歳じゃ全然見た目からして違う。
無理して働かなくていいと言ったが本人の意思は固い。兄が街を離れれば当分会えないから離れたくない気持ちもわかるけど…。
俺の悩みに解決策を投じてくれたのはイーサさんだった。
「俺の家で預ろう。捕まえたのは俺だからな。ケンが兄貴を雇うなら、俺もできる協力はしよう。子供がいないから妻に相談してみるが、迎えてくれるだろう」
「え…?イーサさん既婚者なんですか⁉︎」
「あぁ。まぁ、聞いてからにはなるがな。優しい妻だ。話せばわかってくれるだろう」
イーサさんが既婚者ってことにビックリだよ…。この顔の男性を選ぶ女性がいるなら、俺だって…と思うけど今は関係ない話しか。
取り敢えずガレッダに今後について伝える。給与はおいおいダニアさんに相談して決めるで良いだろう。少なくとも前のところよりは払うつもりだ。
今思いつくことだけを伝え、それ以外は考える。悪いようにはしないさと話した。
○基本住み込み。この街にいる間は開店準備から来て締めの片付けまでして欲しい。それ以外の時間は好きにしていい。
○遠征がある場合は、遠征費として給与にプラスアルファをつける。食事や宿はこちらで持つ。長期帰れないことも覚悟してほしい
○宿に泊まれない場合はテント。魔物の討伐もあり。
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