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29羽テンヤワンヤの開店。嬉しい悲鳴が上がります!
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「こっち焼き鳥まだかー?」
「ビールお替りだビール!」
「ねぇ!こっちもビールセットまだなんだけどぉ!」
やばいやばいやばいやばい…。
手が足りん。
ファースは手伝う気ゼロ。
屋台の上に陣取り動く気配もなし。猫の手も借りたいのに!!
オープンを迎えると、最初はすごく静かだった。
段々とだったら亭のお客さんが来てくれたり、スライムの噂を聞いた街の人が来てくれたりと賑わいを見せてきた。
きたんだが、マジで助けてくれ!!人が足りねぇ!!
「よぉ!やってんな!夜に灯り1つを囲んで地べたに座るのも悪くねぇかもな」
「ダニアさん!ちょっと待っててくださいね。手が回ってなくて」
「手伝おう。何をすればいい?」
イーサさん!!
スラリと包丁を取り出し屋台の中へ入ってくれる。本来は断るべきなんだが、ありがたい。今日は甘えさせて貰おう!
焼き豚や味玉など出来てるものを切って出してほしい。ビールは、その樽から出てくるから注いで出してくれと伝えた。
「任された。ケンは焼き物に集中しろ」
「助かります!」
「俺もビールぐらいなら出せるぞ?」
「助かります!!」
イーサさんは実に良い仕事をしてくれた。
作った物を客に運ぶ最中に親子煮や生姜焼きを見たんだろう。作れそうだが?と言ってくれた。
ダシやタレはもう作ってブレンドしてあるし、後は切って炒めれば良いだけなんですと伝えると、俺が作るものと遜色ない物を提供してくれた。
イーサさん、マジで俺の店に欲しいわ…。ダニアさんはウエイター兼お会計係を担当してくれた。
◇
「マジで助かりました。飲んで食べてください」
「いや、俺らは今日帰るよ。街でスライムが屋台やってるんだって話しがチラホラ聞こえて来たからな。様子を見に来ただけなんだ」
「でも、それじゃ俺の気持ちが…」
「気にするな。むしろ最近お前のおかげで討伐品が多くて助かってるよ。だから気にすんな」
何回か引き留めたが、帰って良く2人に心からお礼を伝え閉店をした。
——つんつん——
「まさか今のこの俺を見て作れとか言うのか?」
右手が上がる。
はぁ…。お前は本当に自由気ままなスライムだよ…。
ファースに飯を食わせて、俺は買っておいたテントを出して、その中に布団を引く。毎日宿屋に帰るのも面倒だし金がかかるからな。テント暮らしでも俺は特に支障はない。
最近はファースがいれば外も問題ないことも十分わかり、屋台の灯りは消して寝ている。やっぱり暗い方が安眠できるしな。
——
————
——————————
「店仕舞いしたみたいだな」
「ですね兄貴!あれだけの賑わい、きっとたんまり金がありますぜ!しかも、食ってきた人間脅して聞いたら、ひょろい男とスライム一匹。襲ってくれと言ってるようなもんですぜ」
「分け前はわかってるんだろうな?お前が3で俺が7だからな。俺がいないとお前はタダのチビの能無しだ」
「勿論で!兄貴がいるから俺が生きていけるってもんですよ!」
くそっ!なんだよこいつ!
俺が聞いてきたり見てこなきゃ、まったく動くことが出来ないバカじゃないか。ただ腕力だけはあるからな。
こいつといれば、それなりの魔物が来ても殺される心配はない。
お互い窃盗や人殺しで追われる身。街には入れない。そのため弱そうな奴を見つければ金品奪い食い物をとって来た。
「お前がまずは行け!問題なさそうなら俺を呼べ。2人で行って気配で起きられても面倒だからな」
「わかりやした!問題なさそうなら一瞬小さな明りを灯しやすぜ」
「くれぐれも気づかれるなよ」
お前のデカい擦るような足音どうにかしてから意見言えってんだ!バカの木偶の某が!
しかしまともなものを最近は食ってないからな。屋台なら多少なりとも食い物はあるだろう。そろそろと近づいていく。
屋台まであと一歩のところでスライムが屋台の上から飛び降りて来た。
驚き声が出そうになるが、抑えることが出来た。
くそっ!スライムにビビるなんて俺もどうかしてるぜ。
『なんだよ、どけよ』(小声)
どく気配が無いスライム。
ほっといても害はないが、ひょろい男を起こされたりしたら面倒だ。殺しとくか。
短剣を出しスライムに突き刺した。突き刺したが、スライム倒したときの独特のあの中の核を潰すような感覚が無い。
おかしいなと思い剣を抜こうとするが抜けない。なんだよ…どうなってんだよ!!
「…ッヒッ………」
魔道具が落下した衝撃で灯りが着いた。それを見た男が上手くやったんだなと屋台へ向かう。
向かった瞬間に灯りが消え、なんだ⁉︎と辺りを見回し声も出すことなく意識が闇の中えと消えて行った。
◇
ダメだ…。体がマジでもたない…。
嬉しい悲鳴だよ!毎日満員御礼なんだから…。
ここ1週間毎日人で溢れる状態。特にビールがかなり好評。
こんなビールは飲んだ事がない!とビール飲みたさに集まってくる人もいるぐらいだ。
もちろん料理も良い評価を得てるが、おかげで生姜焼きや親子煮は中止している。焼き鳥と作り置きの煮玉子を出すのがやっとの状態…。
どうしたものか…ファースが手伝ってくれりゃあなぁ…。
ファースの言い分は、手伝わない代わりに肉を取って来てるんだから文句は言うな。と言う事だった。
肉が無けりゃ、焼き鳥はできないから仕方ないといえば仕方ないんだけど、もう少し俺を労ってくれ!
せめて疲れ果ててるところに、飯作れって薄情なことはやめてくれ!!!
「ビールお替りだビール!」
「ねぇ!こっちもビールセットまだなんだけどぉ!」
やばいやばいやばいやばい…。
手が足りん。
ファースは手伝う気ゼロ。
屋台の上に陣取り動く気配もなし。猫の手も借りたいのに!!
オープンを迎えると、最初はすごく静かだった。
段々とだったら亭のお客さんが来てくれたり、スライムの噂を聞いた街の人が来てくれたりと賑わいを見せてきた。
きたんだが、マジで助けてくれ!!人が足りねぇ!!
「よぉ!やってんな!夜に灯り1つを囲んで地べたに座るのも悪くねぇかもな」
「ダニアさん!ちょっと待っててくださいね。手が回ってなくて」
「手伝おう。何をすればいい?」
イーサさん!!
スラリと包丁を取り出し屋台の中へ入ってくれる。本来は断るべきなんだが、ありがたい。今日は甘えさせて貰おう!
焼き豚や味玉など出来てるものを切って出してほしい。ビールは、その樽から出てくるから注いで出してくれと伝えた。
「任された。ケンは焼き物に集中しろ」
「助かります!」
「俺もビールぐらいなら出せるぞ?」
「助かります!!」
イーサさんは実に良い仕事をしてくれた。
作った物を客に運ぶ最中に親子煮や生姜焼きを見たんだろう。作れそうだが?と言ってくれた。
ダシやタレはもう作ってブレンドしてあるし、後は切って炒めれば良いだけなんですと伝えると、俺が作るものと遜色ない物を提供してくれた。
イーサさん、マジで俺の店に欲しいわ…。ダニアさんはウエイター兼お会計係を担当してくれた。
◇
「マジで助かりました。飲んで食べてください」
「いや、俺らは今日帰るよ。街でスライムが屋台やってるんだって話しがチラホラ聞こえて来たからな。様子を見に来ただけなんだ」
「でも、それじゃ俺の気持ちが…」
「気にするな。むしろ最近お前のおかげで討伐品が多くて助かってるよ。だから気にすんな」
何回か引き留めたが、帰って良く2人に心からお礼を伝え閉店をした。
——つんつん——
「まさか今のこの俺を見て作れとか言うのか?」
右手が上がる。
はぁ…。お前は本当に自由気ままなスライムだよ…。
ファースに飯を食わせて、俺は買っておいたテントを出して、その中に布団を引く。毎日宿屋に帰るのも面倒だし金がかかるからな。テント暮らしでも俺は特に支障はない。
最近はファースがいれば外も問題ないことも十分わかり、屋台の灯りは消して寝ている。やっぱり暗い方が安眠できるしな。
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「店仕舞いしたみたいだな」
「ですね兄貴!あれだけの賑わい、きっとたんまり金がありますぜ!しかも、食ってきた人間脅して聞いたら、ひょろい男とスライム一匹。襲ってくれと言ってるようなもんですぜ」
「分け前はわかってるんだろうな?お前が3で俺が7だからな。俺がいないとお前はタダのチビの能無しだ」
「勿論で!兄貴がいるから俺が生きていけるってもんですよ!」
くそっ!なんだよこいつ!
俺が聞いてきたり見てこなきゃ、まったく動くことが出来ないバカじゃないか。ただ腕力だけはあるからな。
こいつといれば、それなりの魔物が来ても殺される心配はない。
お互い窃盗や人殺しで追われる身。街には入れない。そのため弱そうな奴を見つければ金品奪い食い物をとって来た。
「お前がまずは行け!問題なさそうなら俺を呼べ。2人で行って気配で起きられても面倒だからな」
「わかりやした!問題なさそうなら一瞬小さな明りを灯しやすぜ」
「くれぐれも気づかれるなよ」
お前のデカい擦るような足音どうにかしてから意見言えってんだ!バカの木偶の某が!
しかしまともなものを最近は食ってないからな。屋台なら多少なりとも食い物はあるだろう。そろそろと近づいていく。
屋台まであと一歩のところでスライムが屋台の上から飛び降りて来た。
驚き声が出そうになるが、抑えることが出来た。
くそっ!スライムにビビるなんて俺もどうかしてるぜ。
『なんだよ、どけよ』(小声)
どく気配が無いスライム。
ほっといても害はないが、ひょろい男を起こされたりしたら面倒だ。殺しとくか。
短剣を出しスライムに突き刺した。突き刺したが、スライム倒したときの独特のあの中の核を潰すような感覚が無い。
おかしいなと思い剣を抜こうとするが抜けない。なんだよ…どうなってんだよ!!
「…ッヒッ………」
魔道具が落下した衝撃で灯りが着いた。それを見た男が上手くやったんだなと屋台へ向かう。
向かった瞬間に灯りが消え、なんだ⁉︎と辺りを見回し声も出すことなく意識が闇の中えと消えて行った。
◇
ダメだ…。体がマジでもたない…。
嬉しい悲鳴だよ!毎日満員御礼なんだから…。
ここ1週間毎日人で溢れる状態。特にビールがかなり好評。
こんなビールは飲んだ事がない!とビール飲みたさに集まってくる人もいるぐらいだ。
もちろん料理も良い評価を得てるが、おかげで生姜焼きや親子煮は中止している。焼き鳥と作り置きの煮玉子を出すのがやっとの状態…。
どうしたものか…ファースが手伝ってくれりゃあなぁ…。
ファースの言い分は、手伝わない代わりに肉を取って来てるんだから文句は言うな。と言う事だった。
肉が無けりゃ、焼き鳥はできないから仕方ないといえば仕方ないんだけど、もう少し俺を労ってくれ!
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