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21羽バカにされ大金を得る
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「あ、あの。こ、こちらで読み書きが教えてもらえると聞いて…」
多分俺今、顔真っ赤だな。
「はい。教えております。お子様にですか?」
「あ、あの。は、は、恥ずかしいんですが俺なんです…」
「まぁっ!恥ずかしがることなんてありませんわ。いくつになっても学ぶと言うことは大切なことです」
なんて良い人なんだ。素敵な笑顔で、さぁ奥のお部屋にどうぞ。今から始めるところなんですよと連れて行ってくれる。ガチャっと扉が開くと子供たちの目線が俺に集まる。
「皆さん。今日は一緒にお勉強をされる方です。ご挨拶をしてください」
「あんなおっさんが読み書き習うのか?」
「見て。あの人スライム連れてる。よっぽど弱いのかしら?」
「俺見た。あいつが街中でスライム連れて歩いてるの」
おっさんだのあいつだの弱いだの好き勝手言いやがって!
でも、ここは俺は大人だ。子供達に腹を立てても仕方ないだろう。それにシスターがいるんだ。大人の俺を見せなければ。
「初めまして。一緒に学ばせてもらっても良いかな?俺は文字を書けないから教えてくれると嬉しいよ」
「ほら、やっぱりあのおっさんが習うんだよ」
「大人で文字書けないって、すごいバカなんだな」
「ダメよそんなこと言っちゃ!バカだからここに来たんだから!」
ダメよそんなこと言っちゃと言ってくれた子。君も俺をバカって言ってるからね?ピクピクと口元が動くが、我慢だ。俺我慢するんだ。
「はい!皆さん始めますからね。えっと…」
「あ、ケンです。名前も言わず失礼しました」
「ケンさんですね。ローザです。この板に読み書きの練習をしまますので、こちらのチョークをお使いください。消すときは、この布で擦って落としてくださいね」
ローザさん。見た目通り素敵な名前だ…。この机に座ってくださいと促され机に座る。
ローザさんは皆んなの前に立つと、初めての方もいるからと先ずは数字の書き方から教えてくれる。
数字は1から10の書き方まで覚えれば問題なさそうだ。
続いて文字。これが苦戦した。
日本でいうところのひらがな。英語でいうところのアルファベット。漢字もなければカタカナもない。
『あ』~『ん』まで覚えれば問題ないんだが…。書き方が複雑だ。これは何かに書いてフリガナふって練習するしかないな。
「ケンさん、今日はここまでです。明日もありますがいらっしゃいますか?」
「はい。勿論。来させていただきます」
「いつでもお待ちしております。こちらは文字の表を記したものになりますので、予習にお使いください」
ありがとうございますと受け取り、格安宿に泊まって翌日も行ったさ。行って衝撃の事実を聞いた。
実は…お腹に赤ちゃんが出来ました。明日からは皆さんには神父様が教えてくださいますからねと…。なんだと…人妻だって…。
明日はどうされますか?と聞かれたが、丁重にお断りした。文字と数字の書き方は教えてもらったし、この表があれば下手なりにも文字が書けるからな。もう来る意味がないさ…いろんな意味で。
「ファース、開店準備のために皿とかを買いに行こう…」
落ち込むなよと慰めてくれることもなく、ファースは俺の前を歩いていた。途中で雑貨屋を見つけ入っていく。木皿しかないな。箸もない。フォークとスプーンも木製だ。うーん。耐久性を考えると陶器が良いんだけどな。
「すいません。少しうかがっても良いですか?」
「はい。どんなご用件でしょう?」
「陶器で出来た皿は置てないんでしょうか?」
「陶器!?そんな高価なものは当店では取り扱いがありません…。この3つ先の通りにあるお店は貴族ご用達なので、そちらでしたら」
陶器が貴族ご用達って…。貴族ご用達の物なんか屋台で使えないだろ。
仕方なく木皿を20枚。木のコップを15個。スプーンとフォークを各10個買って店を出た。大量に買った俺に、ありがとうございます!と若いお兄ちゃんが笑顔で会計してくれた。
「さて、次はギルドだな」
◇
「すいません。昨日の魔物の鑑定を聞きに来たんですが」
「あぁ。倉庫に準備してあるよ。肉は大量にあり過ぎてここには置けないからな」
ダニアさんが倉庫へと案内してくれる。倉庫を開けると大量の捌かれた魔物の肉が置いてあった。
「まずは毛皮とか爪とかの買取金だな。結構良いものもあったから、全部で金貨176枚だな」
「なっ…」
176枚⁉︎176万円⁉︎俺の貯金の半分以上が一晩でだと⁉︎そんなバカなことあるのか⁉︎
「少ないか…?これでも頑張ったんだが…頑張っても金貨180枚だな」
「ハァッ⁉︎」
おかしいでしょ!値下げどころか上がるのかよ!俺のこの態度が、ダニアさんにとっては渋っていると思われたらしく、もうこれ以上は厳しいから許してくれと言われた。
「あの…全然その金額で大丈夫です」
「そうか。助かるよ。これ以上言われたら、買取やめようか悩んでしまうからな」
豪快に笑われながら、麻袋のようなものにドサッと金貨を入れた袋を渡される。こんなに簡単に金稼げて良いのかよ…。
「あぁ。あと食える肉は分けといたからな。説明受けたら良い」
肉の説明を受けろと、捌かれた大量の肉を指さされる。大量過ぎだろ…。
多分俺今、顔真っ赤だな。
「はい。教えております。お子様にですか?」
「あ、あの。は、は、恥ずかしいんですが俺なんです…」
「まぁっ!恥ずかしがることなんてありませんわ。いくつになっても学ぶと言うことは大切なことです」
なんて良い人なんだ。素敵な笑顔で、さぁ奥のお部屋にどうぞ。今から始めるところなんですよと連れて行ってくれる。ガチャっと扉が開くと子供たちの目線が俺に集まる。
「皆さん。今日は一緒にお勉強をされる方です。ご挨拶をしてください」
「あんなおっさんが読み書き習うのか?」
「見て。あの人スライム連れてる。よっぽど弱いのかしら?」
「俺見た。あいつが街中でスライム連れて歩いてるの」
おっさんだのあいつだの弱いだの好き勝手言いやがって!
でも、ここは俺は大人だ。子供達に腹を立てても仕方ないだろう。それにシスターがいるんだ。大人の俺を見せなければ。
「初めまして。一緒に学ばせてもらっても良いかな?俺は文字を書けないから教えてくれると嬉しいよ」
「ほら、やっぱりあのおっさんが習うんだよ」
「大人で文字書けないって、すごいバカなんだな」
「ダメよそんなこと言っちゃ!バカだからここに来たんだから!」
ダメよそんなこと言っちゃと言ってくれた子。君も俺をバカって言ってるからね?ピクピクと口元が動くが、我慢だ。俺我慢するんだ。
「はい!皆さん始めますからね。えっと…」
「あ、ケンです。名前も言わず失礼しました」
「ケンさんですね。ローザです。この板に読み書きの練習をしまますので、こちらのチョークをお使いください。消すときは、この布で擦って落としてくださいね」
ローザさん。見た目通り素敵な名前だ…。この机に座ってくださいと促され机に座る。
ローザさんは皆んなの前に立つと、初めての方もいるからと先ずは数字の書き方から教えてくれる。
数字は1から10の書き方まで覚えれば問題なさそうだ。
続いて文字。これが苦戦した。
日本でいうところのひらがな。英語でいうところのアルファベット。漢字もなければカタカナもない。
『あ』~『ん』まで覚えれば問題ないんだが…。書き方が複雑だ。これは何かに書いてフリガナふって練習するしかないな。
「ケンさん、今日はここまでです。明日もありますがいらっしゃいますか?」
「はい。勿論。来させていただきます」
「いつでもお待ちしております。こちらは文字の表を記したものになりますので、予習にお使いください」
ありがとうございますと受け取り、格安宿に泊まって翌日も行ったさ。行って衝撃の事実を聞いた。
実は…お腹に赤ちゃんが出来ました。明日からは皆さんには神父様が教えてくださいますからねと…。なんだと…人妻だって…。
明日はどうされますか?と聞かれたが、丁重にお断りした。文字と数字の書き方は教えてもらったし、この表があれば下手なりにも文字が書けるからな。もう来る意味がないさ…いろんな意味で。
「ファース、開店準備のために皿とかを買いに行こう…」
落ち込むなよと慰めてくれることもなく、ファースは俺の前を歩いていた。途中で雑貨屋を見つけ入っていく。木皿しかないな。箸もない。フォークとスプーンも木製だ。うーん。耐久性を考えると陶器が良いんだけどな。
「すいません。少しうかがっても良いですか?」
「はい。どんなご用件でしょう?」
「陶器で出来た皿は置てないんでしょうか?」
「陶器!?そんな高価なものは当店では取り扱いがありません…。この3つ先の通りにあるお店は貴族ご用達なので、そちらでしたら」
陶器が貴族ご用達って…。貴族ご用達の物なんか屋台で使えないだろ。
仕方なく木皿を20枚。木のコップを15個。スプーンとフォークを各10個買って店を出た。大量に買った俺に、ありがとうございます!と若いお兄ちゃんが笑顔で会計してくれた。
「さて、次はギルドだな」
◇
「すいません。昨日の魔物の鑑定を聞きに来たんですが」
「あぁ。倉庫に準備してあるよ。肉は大量にあり過ぎてここには置けないからな」
ダニアさんが倉庫へと案内してくれる。倉庫を開けると大量の捌かれた魔物の肉が置いてあった。
「まずは毛皮とか爪とかの買取金だな。結構良いものもあったから、全部で金貨176枚だな」
「なっ…」
176枚⁉︎176万円⁉︎俺の貯金の半分以上が一晩でだと⁉︎そんなバカなことあるのか⁉︎
「少ないか…?これでも頑張ったんだが…頑張っても金貨180枚だな」
「ハァッ⁉︎」
おかしいでしょ!値下げどころか上がるのかよ!俺のこの態度が、ダニアさんにとっては渋っていると思われたらしく、もうこれ以上は厳しいから許してくれと言われた。
「あの…全然その金額で大丈夫です」
「そうか。助かるよ。これ以上言われたら、買取やめようか悩んでしまうからな」
豪快に笑われながら、麻袋のようなものにドサッと金貨を入れた袋を渡される。こんなに簡単に金稼げて良いのかよ…。
「あぁ。あと食える肉は分けといたからな。説明受けたら良い」
肉の説明を受けろと、捌かれた大量の肉を指さされる。大量過ぎだろ…。
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