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14羽リズ達の行方。そしてノックアウト
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奥に行った店員が、今朝会った店員と昨日夜の営業にいたという店員を連れて来た。
それを見て俺は縮こまる…。どうせ俺は小さい男だよ。
「昨夜、リズさんと来店された方ですよね」
「え、えぇ。はい。昨日リズさんと来ました」
やばい。声が上擦る。だって、目の前に男の店員が5名と女の店員が2名いるんだよ!?
俺は頼りになるのかよくわからないスライムが一匹しかいないんだ。
「昨日、あなたが酔いつぶれた後、マスターが店は閉めておくから帰って良いと言われて。その後から行方が分からないんです…」
「自宅にも行きましたが鍵は閉まってるし、いる気配もありませんでした。いつもならリズさんも来るはずなんですが来なくて…」
「はぁ…」
俺に言われても応えようがないだろ。昨日会ったばかりの人間の私生活なんか俺は知らないよ。
店員に案の定なにか知らないかと聞かれたが、俺は全く分からないと伝える。
とりあえずマスターが来た時のために名前を教えて欲しいと言われたため名前を伝え店を出た。
「お前先に帰ったから何も知らないよな?」
右手を上げるスライム。そうだよな。魔物のお前が人間になんて興味持つわけがないか。
もしかしたら、マスターはリズさんとイチャイチャしてるのかもな…。
はぁ…。やっぱり俺は女にはモテないんだな。重い足取りで屋台を受け取りに行く。今から外に出ると伝えると、夜に出るのか!?と止められたが泊まる宿もないんだ。出るしかないだろ。
「行けるところまで行こう。疲れたらそこで野宿な」
大丈夫というファースを連れて森がある場所へ向かう。道沿いに歩いてきたが、段々暗くなってきたため電気をつける。あれから数時間は歩いたか。今日はこの辺りで休めばいいだろう。
夜になると魔物が増えてくる。スライム以外の魔物にも遭遇する。まぁ、ファースが良い感じで仕留めてくれるから助かるんだけどね。
「今日はこの辺で寝るか。今日は照り焼きチキンとチキンステーキどっちがいい?材料ないし鳥しかないからな。我慢してくれ」
両方食いたいと言ってきたファースに両方作ってやり、俺はファースに作ってやったチキンステーキにかぶりつく。かぶりつきながら、未練たらしくリズのことを思い出していた。
昨日俺が飲み潰れたから嫌気がさしてどこかに行ってしまったのかなとか。でも、それなら金払って行くはずないよなとか。やっぱり俺男として魅力ないのかなとか。
思えば思うほど惨めになる反面、女に金を払わせてしまったという思いも強くなる。
女と飲みに行く機会があったら絶対に女に金を払わせない。
そう決めていたのに、俺の決意なんて絹豆腐より柔らかいんだ…。
はぁ…。異世界来てそうそうプライド無くなるとはな。明りを消すと真っ暗になるため明りを灯したまま就寝に着いた。
◇
「うぅ…ん」
寝苦しい。本当に寝苦しいと思って目を覚ますと、やっぱりファースが巻き付いていた。巻き付くの禁止だって言ったじゃないか!
「おい!起きろよ!苦しいだろッ!!」
起きる気配はないな。ったくこいつだけは…と思いながら違和感を感じる。なんだこの違和感。なんか違うんだよな…。
あっ!鼻提灯が無いんだ…。鼻提灯作らずに寝れるのかと思っていたら、別のスライムが出て来た。
やばい。ファースは寝てるし、今の俺は格好の餌食だよ。悶えながら抜けようとするが抜けない。
「起きろって!このバカスライムが!!!」
――バシッ!!――
「いっったいな!なんだよ!!」
ジト目で俺に巻き付いてないスライムが見てくる。スライムってジト目で見てくるのか?違うよな。
街を出た時に倒したスライムはジト目でなんか見てこなかった…。
「マジで起きろよ!襲われてるだろ!!!起きろって!こぉんの!バカスライムめ!!」
――バシッ!!バシッバシッ!!――
ファースじゃないスライムが、俺をバシバシ叩いてくる。なんだよこいつ…。さっきから俺を叩きやがって。
スライムは弱いとは聞いていたが、結構力あるぞ!?暴力的なのか!?
スライムが俺に巻き付いているスライムにくっつくと、俺についてたのが吸収されるように一つになった。まさか…。まさか…?
いや、まさか分裂とかないだろ。俺は数日一緒にいたが見てない。これは食ったのか?ファースが食われたのか!?
「お前‼よくも…よくもファースを食ったな!!」
――バシッ!バシバシッバッシーンッ!!――
痛い…!親父に殴られるよりも痛い。なんで俺こんなにスライムに殴られなきゃいけないんだよ。
俺のファース…。俺のごみ処理係…。もっと大切にしてやればよかった…。
「来いよ!ファースの恨みは俺が果たしてやるからな!」
ボクシングのように両手を前に出し構える。初心者の腕試し扱いのスライムだ。ファースは無防備を襲われた結果負けたんだろう…。
でも、俺はファースの敵は打つ。短いなりにも一緒にいた相棒だ。そんな俺にお構いなしに
――ジュワッジュワッ――
ジト目で草を消化するスライム。まさか…。本当にまさかなのか…。
「ファース…?あってたら左手をあげてくれ」
左手が上がる。
ファァァァ――――スウゥゥゥッ!と抱き着こうとした俺は、見事にファースにノックアウトされた。
気づけよ俺…。寝ながらでもファースは魔物を倒してたじゃないか…。
宙を舞う体。
あぁ…今日も空が青いな…。
それを見て俺は縮こまる…。どうせ俺は小さい男だよ。
「昨夜、リズさんと来店された方ですよね」
「え、えぇ。はい。昨日リズさんと来ました」
やばい。声が上擦る。だって、目の前に男の店員が5名と女の店員が2名いるんだよ!?
俺は頼りになるのかよくわからないスライムが一匹しかいないんだ。
「昨日、あなたが酔いつぶれた後、マスターが店は閉めておくから帰って良いと言われて。その後から行方が分からないんです…」
「自宅にも行きましたが鍵は閉まってるし、いる気配もありませんでした。いつもならリズさんも来るはずなんですが来なくて…」
「はぁ…」
俺に言われても応えようがないだろ。昨日会ったばかりの人間の私生活なんか俺は知らないよ。
店員に案の定なにか知らないかと聞かれたが、俺は全く分からないと伝える。
とりあえずマスターが来た時のために名前を教えて欲しいと言われたため名前を伝え店を出た。
「お前先に帰ったから何も知らないよな?」
右手を上げるスライム。そうだよな。魔物のお前が人間になんて興味持つわけがないか。
もしかしたら、マスターはリズさんとイチャイチャしてるのかもな…。
はぁ…。やっぱり俺は女にはモテないんだな。重い足取りで屋台を受け取りに行く。今から外に出ると伝えると、夜に出るのか!?と止められたが泊まる宿もないんだ。出るしかないだろ。
「行けるところまで行こう。疲れたらそこで野宿な」
大丈夫というファースを連れて森がある場所へ向かう。道沿いに歩いてきたが、段々暗くなってきたため電気をつける。あれから数時間は歩いたか。今日はこの辺りで休めばいいだろう。
夜になると魔物が増えてくる。スライム以外の魔物にも遭遇する。まぁ、ファースが良い感じで仕留めてくれるから助かるんだけどね。
「今日はこの辺で寝るか。今日は照り焼きチキンとチキンステーキどっちがいい?材料ないし鳥しかないからな。我慢してくれ」
両方食いたいと言ってきたファースに両方作ってやり、俺はファースに作ってやったチキンステーキにかぶりつく。かぶりつきながら、未練たらしくリズのことを思い出していた。
昨日俺が飲み潰れたから嫌気がさしてどこかに行ってしまったのかなとか。でも、それなら金払って行くはずないよなとか。やっぱり俺男として魅力ないのかなとか。
思えば思うほど惨めになる反面、女に金を払わせてしまったという思いも強くなる。
女と飲みに行く機会があったら絶対に女に金を払わせない。
そう決めていたのに、俺の決意なんて絹豆腐より柔らかいんだ…。
はぁ…。異世界来てそうそうプライド無くなるとはな。明りを消すと真っ暗になるため明りを灯したまま就寝に着いた。
◇
「うぅ…ん」
寝苦しい。本当に寝苦しいと思って目を覚ますと、やっぱりファースが巻き付いていた。巻き付くの禁止だって言ったじゃないか!
「おい!起きろよ!苦しいだろッ!!」
起きる気配はないな。ったくこいつだけは…と思いながら違和感を感じる。なんだこの違和感。なんか違うんだよな…。
あっ!鼻提灯が無いんだ…。鼻提灯作らずに寝れるのかと思っていたら、別のスライムが出て来た。
やばい。ファースは寝てるし、今の俺は格好の餌食だよ。悶えながら抜けようとするが抜けない。
「起きろって!このバカスライムが!!!」
――バシッ!!――
「いっったいな!なんだよ!!」
ジト目で俺に巻き付いてないスライムが見てくる。スライムってジト目で見てくるのか?違うよな。
街を出た時に倒したスライムはジト目でなんか見てこなかった…。
「マジで起きろよ!襲われてるだろ!!!起きろって!こぉんの!バカスライムめ!!」
――バシッ!!バシッバシッ!!――
ファースじゃないスライムが、俺をバシバシ叩いてくる。なんだよこいつ…。さっきから俺を叩きやがって。
スライムは弱いとは聞いていたが、結構力あるぞ!?暴力的なのか!?
スライムが俺に巻き付いているスライムにくっつくと、俺についてたのが吸収されるように一つになった。まさか…。まさか…?
いや、まさか分裂とかないだろ。俺は数日一緒にいたが見てない。これは食ったのか?ファースが食われたのか!?
「お前‼よくも…よくもファースを食ったな!!」
――バシッ!バシバシッバッシーンッ!!――
痛い…!親父に殴られるよりも痛い。なんで俺こんなにスライムに殴られなきゃいけないんだよ。
俺のファース…。俺のごみ処理係…。もっと大切にしてやればよかった…。
「来いよ!ファースの恨みは俺が果たしてやるからな!」
ボクシングのように両手を前に出し構える。初心者の腕試し扱いのスライムだ。ファースは無防備を襲われた結果負けたんだろう…。
でも、俺はファースの敵は打つ。短いなりにも一緒にいた相棒だ。そんな俺にお構いなしに
――ジュワッジュワッ――
ジト目で草を消化するスライム。まさか…。本当にまさかなのか…。
「ファース…?あってたら左手をあげてくれ」
左手が上がる。
ファァァァ――――スウゥゥゥッ!と抱き着こうとした俺は、見事にファースにノックアウトされた。
気づけよ俺…。寝ながらでもファースは魔物を倒してたじゃないか…。
宙を舞う体。
あぁ…今日も空が青いな…。
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