14 / 38
13羽お好きにどうぞ&俺のセンス
しおりを挟む
「名前はケンで良いな。年齢はいくつなんだ?」
「はい。歳は27です」
ダニアさんが書類に俺の名前と年齢、そしてテイマーと書いていく。俺テイマーなのかな…。こいつが従魔なのかも微妙なところだ。
スライムの飯係なのは間違いないだろうけどな。
「書類はこれで良い。この冒険者カードをギルドに持ってきてくれれば倒した魔物の種類や数が残る。それに合わせてランクも上がっていくからな」
「冒険者ってレベルとかないんですか?」
「レベルって実力の事か?そんなの自分次第だろ。ランクはあるがな」
そうなんだ。
いやほらさ、『テレレッテッテッテッッテー。レベルが上がりました』みたいな効果音流れるゲームあるじゃん。
あんな感じでレベルがあるのかと思ったらないらしい。あれぐらいなら俺も知ってる。
まぁ、複雑でないならありがたい。
「ここら辺はそんなに強い魔物もいないからな。たまに薬草見かけたら採取してくれ。それも買い取るから」
「薬草ですか?俺には薬草なんてわからないですよ」
「お前本当に無知だな。今持ってきてやるから待ってろ」
ダニアさんが奥の部屋から持ってきてくれた薬草を並べて、これが回復薬で毒消しでと説明してくれる。見るとヨモギの葉やホウレン草にしか見えない。こんなもんが薬草なのか。
まぁ、見つければ持ってくればいいか。違ってもご愛敬にしてもらおう。
「わかりました。見つけたら持ってきます」
「あぁ頼んだ。魔物の買取は向こうにいるごつい男がやってくれるから、持って行ってくれれば話しを通しておこう」
お願いしますと頼んでギルドを出た。さて、この後は魔物を駆りますかね。駆らないと仕入れも何もないからな。
「この後、街の外に出て魔物駆ってもらっていいか?お前…そういや名前って言ってたよな。名前いる?」
両手が上がる。どちらでもいいってことか。でも、いつまでもお前やスライムって呼ぶのも呼びづらいしな。名前なんか付けるか。
スライムアメーバ
略してスラバ。さらばみたいだな。
アメーバスライム
アメスラ。これもアメ横みたいで却下だな。
うーん、俺名前考えるセンスがないんだよな。昔飼ってた犬はポチだったしな。
爺さんから貰ったスライム。あのファンキーな爺さんから貰ったスライムだからな。ファンキー爺さん。ファンキー爺さんスライム。ファンキースライム…。
「わかった。ファースでいこう!今日からファースで良いか?」
両手が上がるため、お好きにどうぞってことなんだろう。構わないならそれでいこう。ネーミングセンスがないんだ。仕方ないだろう。
「じゃぁ、ファース。これから魔物よろしくな」
右手が上がるファースを連れて街の外へ向かう。とりあえず魔物討伐してお金貰えるなら、バンバン倒しちゃいましょうかね!
◇
街の外に出て探してみたが、ここら辺全く魔物が出てくる気配がない。出てきてもスライムばかり。スライムがスライム倒しちゃってるよ。
金になるのかはわからないけど、ファースがスライムの中心にある核をドスッと串刺しにすれば動かなくなったのでアイテムボックスにしまっていく。
そういや、ファースには核が無いけど無いタイプもいるのか?
「ここら辺魔物いないし、俺らがいた森辺りまで戻る必要あるのかな。ただ、遠いんだよなぁ…」
あの森に戻るなら、屋台は引いていかないといけない。じゃないと俺もファースも食うものが無い。どうにかうまい具合に出来ないもんかねと思うが無理なようだ。
「とりあえず、今から屋台取りに行って今日は野宿だな」
ファースに声をかけ預けてある屋台を取りに行きながら、なんか忘れてるよなと引っかかる。俺なんか大事なこと忘れてないか…。
しまった!昨日行った店に夕方顔を出すと約束したんだ。時計を見ると18時前。やばい!早く行かないと迷惑かけるぞ。
「ファース、昨日の店に戻るぞ。俺顔を出すって言ったんだ」
ファースの返答を無視して店へ急ぐ。約束忘れるとか俺最低だろ。商売するなら口約束でも約束は絶対だ。どこから陰口が出てくるかなんてわからない。
◇
「あれ、なんで営業してないんだ…。営業してないといろいろ不安になるんだが…」
店の入り口には『クローズ』という札が多分かけられているんだろう。読めはしないが明かりが付いてない店内。入り口を押しても開かない扉。
閉まってるのは間違いないようだ。
でも、こいと言われてるからな。このまま帰るのもと念のため店の勝手口に回り手をかけると扉が開いた。
「すいませんーん!誰かいませんかー!」
ほんのりと奥に明かりが見えるため、誰かはいるんだろう。俺の声が届いたのか、ガタガタっと奥から人が出てくる。昨日の夜も今朝とも違う店員だな。
「どちら様でしょう?本日お店は臨時休業を頂いておりまして…」
「今朝、こちらのお店で朝まで潰れてしまってて…。夕方顔を出すように言われたんですが、遅くなりすいません」
「あなたがっ!」
俺の言葉を聞いて、待っててくださいと慌てて奥に行く店員。やべぇ…。ますます不安になってきた。
どうしよう。俺のせいで今日営業が出来てないんだとか言われたら…。店の防犯的な問題とかで俺マズったのかな。
店の金はとってない。断じて俺は取ってないぞ。
「はい。歳は27です」
ダニアさんが書類に俺の名前と年齢、そしてテイマーと書いていく。俺テイマーなのかな…。こいつが従魔なのかも微妙なところだ。
スライムの飯係なのは間違いないだろうけどな。
「書類はこれで良い。この冒険者カードをギルドに持ってきてくれれば倒した魔物の種類や数が残る。それに合わせてランクも上がっていくからな」
「冒険者ってレベルとかないんですか?」
「レベルって実力の事か?そんなの自分次第だろ。ランクはあるがな」
そうなんだ。
いやほらさ、『テレレッテッテッテッッテー。レベルが上がりました』みたいな効果音流れるゲームあるじゃん。
あんな感じでレベルがあるのかと思ったらないらしい。あれぐらいなら俺も知ってる。
まぁ、複雑でないならありがたい。
「ここら辺はそんなに強い魔物もいないからな。たまに薬草見かけたら採取してくれ。それも買い取るから」
「薬草ですか?俺には薬草なんてわからないですよ」
「お前本当に無知だな。今持ってきてやるから待ってろ」
ダニアさんが奥の部屋から持ってきてくれた薬草を並べて、これが回復薬で毒消しでと説明してくれる。見るとヨモギの葉やホウレン草にしか見えない。こんなもんが薬草なのか。
まぁ、見つければ持ってくればいいか。違ってもご愛敬にしてもらおう。
「わかりました。見つけたら持ってきます」
「あぁ頼んだ。魔物の買取は向こうにいるごつい男がやってくれるから、持って行ってくれれば話しを通しておこう」
お願いしますと頼んでギルドを出た。さて、この後は魔物を駆りますかね。駆らないと仕入れも何もないからな。
「この後、街の外に出て魔物駆ってもらっていいか?お前…そういや名前って言ってたよな。名前いる?」
両手が上がる。どちらでもいいってことか。でも、いつまでもお前やスライムって呼ぶのも呼びづらいしな。名前なんか付けるか。
スライムアメーバ
略してスラバ。さらばみたいだな。
アメーバスライム
アメスラ。これもアメ横みたいで却下だな。
うーん、俺名前考えるセンスがないんだよな。昔飼ってた犬はポチだったしな。
爺さんから貰ったスライム。あのファンキーな爺さんから貰ったスライムだからな。ファンキー爺さん。ファンキー爺さんスライム。ファンキースライム…。
「わかった。ファースでいこう!今日からファースで良いか?」
両手が上がるため、お好きにどうぞってことなんだろう。構わないならそれでいこう。ネーミングセンスがないんだ。仕方ないだろう。
「じゃぁ、ファース。これから魔物よろしくな」
右手が上がるファースを連れて街の外へ向かう。とりあえず魔物討伐してお金貰えるなら、バンバン倒しちゃいましょうかね!
◇
街の外に出て探してみたが、ここら辺全く魔物が出てくる気配がない。出てきてもスライムばかり。スライムがスライム倒しちゃってるよ。
金になるのかはわからないけど、ファースがスライムの中心にある核をドスッと串刺しにすれば動かなくなったのでアイテムボックスにしまっていく。
そういや、ファースには核が無いけど無いタイプもいるのか?
「ここら辺魔物いないし、俺らがいた森辺りまで戻る必要あるのかな。ただ、遠いんだよなぁ…」
あの森に戻るなら、屋台は引いていかないといけない。じゃないと俺もファースも食うものが無い。どうにかうまい具合に出来ないもんかねと思うが無理なようだ。
「とりあえず、今から屋台取りに行って今日は野宿だな」
ファースに声をかけ預けてある屋台を取りに行きながら、なんか忘れてるよなと引っかかる。俺なんか大事なこと忘れてないか…。
しまった!昨日行った店に夕方顔を出すと約束したんだ。時計を見ると18時前。やばい!早く行かないと迷惑かけるぞ。
「ファース、昨日の店に戻るぞ。俺顔を出すって言ったんだ」
ファースの返答を無視して店へ急ぐ。約束忘れるとか俺最低だろ。商売するなら口約束でも約束は絶対だ。どこから陰口が出てくるかなんてわからない。
◇
「あれ、なんで営業してないんだ…。営業してないといろいろ不安になるんだが…」
店の入り口には『クローズ』という札が多分かけられているんだろう。読めはしないが明かりが付いてない店内。入り口を押しても開かない扉。
閉まってるのは間違いないようだ。
でも、こいと言われてるからな。このまま帰るのもと念のため店の勝手口に回り手をかけると扉が開いた。
「すいませんーん!誰かいませんかー!」
ほんのりと奥に明かりが見えるため、誰かはいるんだろう。俺の声が届いたのか、ガタガタっと奥から人が出てくる。昨日の夜も今朝とも違う店員だな。
「どちら様でしょう?本日お店は臨時休業を頂いておりまして…」
「今朝、こちらのお店で朝まで潰れてしまってて…。夕方顔を出すように言われたんですが、遅くなりすいません」
「あなたがっ!」
俺の言葉を聞いて、待っててくださいと慌てて奥に行く店員。やべぇ…。ますます不安になってきた。
どうしよう。俺のせいで今日営業が出来てないんだとか言われたら…。店の防犯的な問題とかで俺マズったのかな。
店の金はとってない。断じて俺は取ってないぞ。
0
お気に入りに追加
251
あなたにおすすめの小説

黄金蒐覇のグリード 〜力と財貨を欲しても、理性と対価は忘れずに〜
黒城白爵
ファンタジー
とある異世界を救い、元の世界へと帰還した玄鐘理音は、その後の人生を平凡に送った末に病でこの世を去った。
死後、不可思議な空間にいた謎の神性存在から、異世界を救った報酬として全盛期の肉体と変質したかつての力である〈強欲〉を受け取り、以前とは別の異世界にて第二の人生をはじめる。
自由気儘に人を救い、スキルやアイテムを集め、敵を滅する日々は、リオンの空虚だった心を満たしていく。
黄金と力を蒐集し目指すは世界最高ランクの冒険者。
使命も宿命も無き救世の勇者は、今日も欲望と理性を秤にかけて我が道を往く。
※ 更新予定日は【月曜日】と【金曜日】です。
※第301話から更新時間を朝5時からに変更します。


転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。
襲
ファンタジー
〈あらすじ〉
信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。
目が覚めると、そこは異世界!?
あぁ、よくあるやつか。
食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに……
面倒ごとは御免なんだが。
魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。
誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。
やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います
霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。
得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。
しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。
傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。
基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。
が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。

お花畑な母親が正当な跡取りである兄を差し置いて俺を跡取りにしようとしている。誰か助けて……
karon
ファンタジー
我が家にはおまけがいる。それは俺の兄、しかし兄はすべてに置いて俺に勝っており、俺は凡人以下。兄を差し置いて俺が跡取りになったら俺は詰む。何とかこの状況から逃げ出したい。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第三章フェレスト王国エルフ編
アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~
明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!!
『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。
無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。
破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。
「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」
【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる