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8羽笑うなら笑いやがれ!
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「ゼェーハァー…ゼェー…ちょっと、ちょっと待ってください!!」
なんで今日も昨日と同じことになってるんだよ!
ダニアさんは屋台を引こうと言ってくれたが、そんな昨夜知り合ったばかりの人に屋台を引かせるなんてできない。しかも、昨夜は寝ずの番まで引き受けてくれた。
俺がスライムがいるから大丈夫ですよって言っても、そんなわけあるかと起きていたみたいだ。
起きていた結果、スライムが鼻提灯垂らしながら魔物食ってたんだよ!おかしいだろ!って言われた。知らんがな。俺が聞きたいよ。
しかも、今朝は巻き付いてはいなかったけど、俺が動かないようにスライム寝袋になっていた。
俺が食われると思ったダニアさんが焦って引き剥がそうとしたらしいが、離れない食われないで諦めたらしい。
いや、そこ諦めないでよ。
「ケン、やっぱり俺が引こう」
「だぁ…だ、大丈夫です。俺が、、引き、ます、からっ!」
「いや、頑張ってるところ申し訳ないが、このスピードでは今日中に街につかないんだ」
今日中に街につかない?え?そんなに遠いの!?遅いけど、そんなに遅いつもりはないぞ。
普通に歩くぐらいの速さでは引いてるつもりだ。坂もないし。でも、今日中に街につかないのは困るな。
「それなら、お言葉に甘えても良いですか?」
「あぁ。大丈夫だ。ほら、貸してみろ」
貸してみろって渡してから、すごい勢いで歩き始めたよ。それ俺が走らないと追い付かない速さだからね!?
しかもスライムは歩くことなく屋台の上にいる。お前どんだけ楽してるつもりだよ!俺は必死で走った。必死で着いていったよ。
時々ダニアさんが振り返り、大丈夫か?と声をかけてくれる。大丈夫ですと言うとさらにスピード上げるからマジで疲れた…。
「ほら、見えて来たぞ。あれが俺がいるラッセン街だ」
「…へぇ…ハァ…らぁっせぇぇ……ン?」
「大丈夫か?」
どうみても大丈夫じゃないでしょ。街が見えたことで、スピードを落としてくれるダニアさん。俺どんだけ走ったんだよ…。
休憩は入れながら来てくれたけど、これは相当疲れた。昨夜の筋肉痛もあるのに、これはさらに明日筋肉痛だぞ。
◇
「お帰りなさいダニアさん!そちらの方は?」
「あぁ、帰る途中で知り合ってな。街まで一緒に来たのさ」
「そうでしたか!よくいらっしゃいました。そのスライムは…」
街の入り口では、警備兵らしき人が立っていた。森から街が離れていることもあり、早々魔物は街に来ないらしい。
ただ、来ないと言うだけで時々迷った魔物が来るらしいく、その警備に立っているそう。
スライムは俺のですと答えると、街に入っても問題ないがテイマーを示す腕輪をつけておいてくれと腕輪を渡される。
シルバーのなんともない腕輪でテイマーでもないけど、必要ならつけておこう。
「ケンはどうするんだ?この後ギルドに行くのか?」
「いや、疲れたんで少し休みます。屋台置けそうな場所ありますかね?」
「それなら、街の馬車を止める場所に置けばいい。誰でも使っていい場所だからな。問題ないはずだ。あと、少ないがこれ飯代だ」
飯代にと、ダニアさんが金色に光るコインを10枚くれた。大きさは500円玉をもう一回り大きくしたぐらいだ。これがこっちの貨幣なのか。
「貰えませんよ!街まで連れてきてもらったのに。それで充分です」
「これから商売しようとしてる奴が何言ってるんだ。それにあんな高級食材を食わしてもらったんだ。これじゃ安いぐらいだ」
貰えない貰っとけの押し問答をし、俺が負けた。人の行為は素直に受けとれと言われ受け取った。
今度会う機会があったら、なにかお礼しないとな。教えてもらった場所に屋台を止めに行くと、これで持ち主を確認するからなと木でできた預かり札を貰った。
ポケットでジャラジャラなる金貨。裸銭もいけないかと、ポケットに入れていた財布に入れる。
日本円は使えないだろうから、アイテムボックスにしまっておけばいいか。一段落後スライムと一緒に街の中を歩く。
「ママ―!見てスライムがいる!」
「見ちゃいけません!」
「見て見ろよ。あいつスライム連れてるぜ」
え?なに?なんか不思議な目線を感じるんだけど。スライム連れてるっておかしいの?だってテイマーいるんだよね。俺以外にもチラホラ連れてる奴いるじゃん。
「兄さん変わった人だね。スライム連れてるテイマーなんて初めて見たよ」
笑いをこらえながら街の中で屋台を開いているおじさんが話しかけてくる。なんだよ。別に良いだろ。スライム連れてたって。
ムスッとする俺に、悪い悪い。悪気があるわけじゃないんだよって笑いこらえながら言われても、説得力ないだろ。
「いや、悪かった。うちの売れ行きナンバーワンの串焼きやるから怒るなって」
「くれるなら貰っときます」
おじさんが渡してきたのは、見た目牛肉っぽい串焼き。ただ、サイズがデカいな。これ1つで俺は腹が膨れそうだ。
かぶりつくと程よい塩加減が良い感じだが、胡椒をかけた方がさらに美味いんじゃないか。
「いやな、スライムって言ったら一番弱い魔物だろ?連れてるやつがいないのさ。逆に言うと連れてるとスライムしかテイムできないテイマーなのかと思ったのさ。ククク…ダメだ腹がいてぇ!」
結局笑うんじゃないかよ!まぁ、そうだよな。初心者冒険者の試し切りに使われるぐらいだ。相当弱いイメージなんだろうな。
俺はそんなことは気にしない!笑うなら笑いやがれ。顔が売れた方が店には良いからな。
――つんつん――
「ん?お前も食いたいのか?」
右手が上がる。そうだよな。昼めし食ってないからな。何も言わずついてきたし、こいつなりに遠慮してたのか?そうだとしたら、ありがたいけどどうなんだ。
「おじさん、串焼き1つもらえないか?」
「おー!良いが2本目は買ってくれよ。1つで800リラだ」
「リラ?」
「おいおい。金持ってないってことはないだろ?」
いや、さっきダニアさんに貰ったお金があるがリラがわからない。日本でいうところの円か。懐から先ほど貰った金貨を出した。
なんで今日も昨日と同じことになってるんだよ!
ダニアさんは屋台を引こうと言ってくれたが、そんな昨夜知り合ったばかりの人に屋台を引かせるなんてできない。しかも、昨夜は寝ずの番まで引き受けてくれた。
俺がスライムがいるから大丈夫ですよって言っても、そんなわけあるかと起きていたみたいだ。
起きていた結果、スライムが鼻提灯垂らしながら魔物食ってたんだよ!おかしいだろ!って言われた。知らんがな。俺が聞きたいよ。
しかも、今朝は巻き付いてはいなかったけど、俺が動かないようにスライム寝袋になっていた。
俺が食われると思ったダニアさんが焦って引き剥がそうとしたらしいが、離れない食われないで諦めたらしい。
いや、そこ諦めないでよ。
「ケン、やっぱり俺が引こう」
「だぁ…だ、大丈夫です。俺が、、引き、ます、からっ!」
「いや、頑張ってるところ申し訳ないが、このスピードでは今日中に街につかないんだ」
今日中に街につかない?え?そんなに遠いの!?遅いけど、そんなに遅いつもりはないぞ。
普通に歩くぐらいの速さでは引いてるつもりだ。坂もないし。でも、今日中に街につかないのは困るな。
「それなら、お言葉に甘えても良いですか?」
「あぁ。大丈夫だ。ほら、貸してみろ」
貸してみろって渡してから、すごい勢いで歩き始めたよ。それ俺が走らないと追い付かない速さだからね!?
しかもスライムは歩くことなく屋台の上にいる。お前どんだけ楽してるつもりだよ!俺は必死で走った。必死で着いていったよ。
時々ダニアさんが振り返り、大丈夫か?と声をかけてくれる。大丈夫ですと言うとさらにスピード上げるからマジで疲れた…。
「ほら、見えて来たぞ。あれが俺がいるラッセン街だ」
「…へぇ…ハァ…らぁっせぇぇ……ン?」
「大丈夫か?」
どうみても大丈夫じゃないでしょ。街が見えたことで、スピードを落としてくれるダニアさん。俺どんだけ走ったんだよ…。
休憩は入れながら来てくれたけど、これは相当疲れた。昨夜の筋肉痛もあるのに、これはさらに明日筋肉痛だぞ。
◇
「お帰りなさいダニアさん!そちらの方は?」
「あぁ、帰る途中で知り合ってな。街まで一緒に来たのさ」
「そうでしたか!よくいらっしゃいました。そのスライムは…」
街の入り口では、警備兵らしき人が立っていた。森から街が離れていることもあり、早々魔物は街に来ないらしい。
ただ、来ないと言うだけで時々迷った魔物が来るらしいく、その警備に立っているそう。
スライムは俺のですと答えると、街に入っても問題ないがテイマーを示す腕輪をつけておいてくれと腕輪を渡される。
シルバーのなんともない腕輪でテイマーでもないけど、必要ならつけておこう。
「ケンはどうするんだ?この後ギルドに行くのか?」
「いや、疲れたんで少し休みます。屋台置けそうな場所ありますかね?」
「それなら、街の馬車を止める場所に置けばいい。誰でも使っていい場所だからな。問題ないはずだ。あと、少ないがこれ飯代だ」
飯代にと、ダニアさんが金色に光るコインを10枚くれた。大きさは500円玉をもう一回り大きくしたぐらいだ。これがこっちの貨幣なのか。
「貰えませんよ!街まで連れてきてもらったのに。それで充分です」
「これから商売しようとしてる奴が何言ってるんだ。それにあんな高級食材を食わしてもらったんだ。これじゃ安いぐらいだ」
貰えない貰っとけの押し問答をし、俺が負けた。人の行為は素直に受けとれと言われ受け取った。
今度会う機会があったら、なにかお礼しないとな。教えてもらった場所に屋台を止めに行くと、これで持ち主を確認するからなと木でできた預かり札を貰った。
ポケットでジャラジャラなる金貨。裸銭もいけないかと、ポケットに入れていた財布に入れる。
日本円は使えないだろうから、アイテムボックスにしまっておけばいいか。一段落後スライムと一緒に街の中を歩く。
「ママ―!見てスライムがいる!」
「見ちゃいけません!」
「見て見ろよ。あいつスライム連れてるぜ」
え?なに?なんか不思議な目線を感じるんだけど。スライム連れてるっておかしいの?だってテイマーいるんだよね。俺以外にもチラホラ連れてる奴いるじゃん。
「兄さん変わった人だね。スライム連れてるテイマーなんて初めて見たよ」
笑いをこらえながら街の中で屋台を開いているおじさんが話しかけてくる。なんだよ。別に良いだろ。スライム連れてたって。
ムスッとする俺に、悪い悪い。悪気があるわけじゃないんだよって笑いこらえながら言われても、説得力ないだろ。
「いや、悪かった。うちの売れ行きナンバーワンの串焼きやるから怒るなって」
「くれるなら貰っときます」
おじさんが渡してきたのは、見た目牛肉っぽい串焼き。ただ、サイズがデカいな。これ1つで俺は腹が膨れそうだ。
かぶりつくと程よい塩加減が良い感じだが、胡椒をかけた方がさらに美味いんじゃないか。
「いやな、スライムって言ったら一番弱い魔物だろ?連れてるやつがいないのさ。逆に言うと連れてるとスライムしかテイムできないテイマーなのかと思ったのさ。ククク…ダメだ腹がいてぇ!」
結局笑うんじゃないかよ!まぁ、そうだよな。初心者冒険者の試し切りに使われるぐらいだ。相当弱いイメージなんだろうな。
俺はそんなことは気にしない!笑うなら笑いやがれ。顔が売れた方が店には良いからな。
――つんつん――
「ん?お前も食いたいのか?」
右手が上がる。そうだよな。昼めし食ってないからな。何も言わずついてきたし、こいつなりに遠慮してたのか?そうだとしたら、ありがたいけどどうなんだ。
「おじさん、串焼き1つもらえないか?」
「おー!良いが2本目は買ってくれよ。1つで800リラだ」
「リラ?」
「おいおい。金持ってないってことはないだろ?」
いや、さっきダニアさんに貰ったお金があるがリラがわからない。日本でいうところの円か。懐から先ほど貰った金貨を出した。
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