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麻衣子さん視点

  お試し期間がお試しになっていない②*

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 長大な陰茎が膣を突き進む感覚は、苦しくて気持ちがいいのに圧迫感だけは未だに慣れなくて、苦しさを紛らわすために深く息を吐いた。

「あぅっ」

 陰茎が最奥へ到達した衝撃を和らげようと、麻衣子はシーツを握る。

「はぁ、ああっ麻衣子さんっ」
「あっあっ、ああん」

 腰を打ち付ける音と、二人の喘ぎ声が常夜灯だけが付いた薄暗い室内に響く。最初から余裕の無い腰の動きは、彼の心情を表しているようだった。
 脹脛を撫でていた手が麻衣子の太股を抱え直し、腰を浮かせる体勢にすると陰茎がさらに奥まで入り込んでくる。

「あぁっ深いっ、そこっだめぇ」

 深い場所まで入り込む陰茎が、子宮口を抉じ開けるのではないかという恐怖と、頭の中が痺れるような強い快感に襲われて麻衣子は喘いだ。

「でも、此処が、奥がいいんだろ?」
「ひゃんっ」

 抜け出るギリギリまで陰茎を引かれてから勢いよく最奥を突かれ、軽く達するくらいの強い衝撃に体が震える。

「奥を押すと、はぁ、凄いナカが、締まる。気持ちイイよ」

 快感で目元を赤く染めた隼人は荒い息を吐く。
 抱えた太股に指の形が残るほど強い力で掴み、最奥を抉るように腰を左右に揺らす。

「あぁっ!? グリグリしちゃ、いやぁ!」
「駄目」

 シーツを蹴って逃げようとする麻衣子へお仕置きだとばかりに、色付いて自己主張している右乳首を食む。

「あぁっ!」
「可愛い。可愛いよ、麻衣子」

 ビクリッ、肩を揺らして反応する麻衣子をうっとりと眺め、隼人は腰の動きを速めていく。

「あっ、ああっ、もう、もぉ、わたし、イッちゃいそう」
「いいよ、イって。俺ももう、出そうっ。一緒にイこう」

 半開きの唇へキスをした隼人は、麻衣子のイイ所へ狙いを定めて強く腰を打ち付ける。

「あぁあああー!」

 快感が最高潮に達した瞬間、麻衣子は隼人の背中へ爪を立てて盛大に達した。

「ぐぅ、出るっ」

 達した膣壁が射精を欲して締め付ける気持ち良さに顔を歪め、呻いた隼人は衝動に逆らわず白濁した精液を吐き出した。

 達した疲労感と先日の睡眠不足も相まって身動きできず、麻衣子はぼんやりとコンドームを外す隼人を見ていた。
 明日も仕事のため、終電までには支度をして自宅へ帰らなければならないのに、重たい体は動いてくれない。

「このまま泊まっていきなよ」

 甘い声に頷きかけて、首を横に振る。

「だめ、昨日もだったから、今日こそ、帰らなきゃ」

 舌足らずなしゃべり方になっている麻衣子の目蓋は、帰らなければという意思に反して落ちていく。

「おやすみ」

 麻衣子の頭を撫でた隼人は、眠る彼女の頬へ触れるだけのキスをした。



(あぁあーこれって、マズイんじゃない?)

 スマートフォンの目覚ましアラームが鳴り響き、飛び起きた麻衣子は隣で眠る隼人を見て頭を抱えた。

 足の手入れをしてもらった後、セックスをしてそのままお泊りするのは今回が初めてではなく、毎回の事となっていた。
 お泊りした翌日でも、隼人の自宅から仕事へ行けるようと、宅配サービスを利用して仕事用の服と部屋着は買いそろえてあるし、化粧品も取り寄せてもらってある。
 2LDKの彼の家は寝室ともう一部屋荷物部屋になっていた部屋があり、荷物を片付けて空けてもらった部屋にどんどん増えていく麻衣子の私物。
 これは半同棲状態じゃないかと麻衣子気が付いた頃には、アンティーク調のお洒落なドレッサーまで用意されてしまっていた。

 あと二週間、残っているお試し期間が終わり、「やっぱり付き合えません」となったらどうするのかと問い詰めたこともあったが、隼人に笑って誤魔化されてしまった。
 頭を抱える麻衣子の太股から脹脛を手の平が撫でる。

「おはよう、麻衣子さん」

 上半身を起こした隼人は爽やかな笑顔を麻衣子へ向け、ちゅっとリップ音を立てて唇へキスをした。

「一緒に出勤するのは、駄目だと思うし私は電車で行きます」
「上手くやるから、君は心配しなくていい」

 斎藤課長の姿へ変身した彼は、黒縁眼鏡のフレームを人差し指で押し上げ麻衣子の鞄を持って歩き出す。
 会社の駐車場で別れ、時間差を付けて出社するにしても誰に見られているか分からないと警戒しながら、結局は今日も一緒に出勤することになるのだった。
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