上 下
15 / 35
麻衣子さん視点

  お試し期間がお試しになっていない②*

しおりを挟む
 長大な陰茎が膣を突き進む感覚は、苦しくて気持ちがいいのに圧迫感だけは未だに慣れなくて、苦しさを紛らわすために深く息を吐いた。

「あぅっ」

 陰茎が最奥へ到達した衝撃を和らげようと、麻衣子はシーツを握る。

「はぁ、ああっ麻衣子さんっ」
「あっあっ、ああん」

 腰を打ち付ける音と、二人の喘ぎ声が常夜灯だけが付いた薄暗い室内に響く。最初から余裕の無い腰の動きは、彼の心情を表しているようだった。
 脹脛を撫でていた手が麻衣子の太股を抱え直し、腰を浮かせる体勢にすると陰茎がさらに奥まで入り込んでくる。

「あぁっ深いっ、そこっだめぇ」

 深い場所まで入り込む陰茎が、子宮口を抉じ開けるのではないかという恐怖と、頭の中が痺れるような強い快感に襲われて麻衣子は喘いだ。

「でも、此処が、奥がいいんだろ?」
「ひゃんっ」

 抜け出るギリギリまで陰茎を引かれてから勢いよく最奥を突かれ、軽く達するくらいの強い衝撃に体が震える。

「奥を押すと、はぁ、凄いナカが、締まる。気持ちイイよ」

 快感で目元を赤く染めた隼人は荒い息を吐く。
 抱えた太股に指の形が残るほど強い力で掴み、最奥を抉るように腰を左右に揺らす。

「あぁっ!? グリグリしちゃ、いやぁ!」
「駄目」

 シーツを蹴って逃げようとする麻衣子へお仕置きだとばかりに、色付いて自己主張している右乳首を食む。

「あぁっ!」
「可愛い。可愛いよ、麻衣子」

 ビクリッ、肩を揺らして反応する麻衣子をうっとりと眺め、隼人は腰の動きを速めていく。

「あっ、ああっ、もう、もぉ、わたし、イッちゃいそう」
「いいよ、イって。俺ももう、出そうっ。一緒にイこう」

 半開きの唇へキスをした隼人は、麻衣子のイイ所へ狙いを定めて強く腰を打ち付ける。

「あぁあああー!」

 快感が最高潮に達した瞬間、麻衣子は隼人の背中へ爪を立てて盛大に達した。

「ぐぅ、出るっ」

 達した膣壁が射精を欲して締め付ける気持ち良さに顔を歪め、呻いた隼人は衝動に逆らわず白濁した精液を吐き出した。

 達した疲労感と先日の睡眠不足も相まって身動きできず、麻衣子はぼんやりとコンドームを外す隼人を見ていた。
 明日も仕事のため、終電までには支度をして自宅へ帰らなければならないのに、重たい体は動いてくれない。

「このまま泊まっていきなよ」

 甘い声に頷きかけて、首を横に振る。

「だめ、昨日もだったから、今日こそ、帰らなきゃ」

 舌足らずなしゃべり方になっている麻衣子の目蓋は、帰らなければという意思に反して落ちていく。

「おやすみ」

 麻衣子の頭を撫でた隼人は、眠る彼女の頬へ触れるだけのキスをした。



(あぁあーこれって、マズイんじゃない?)

 スマートフォンの目覚ましアラームが鳴り響き、飛び起きた麻衣子は隣で眠る隼人を見て頭を抱えた。

 足の手入れをしてもらった後、セックスをしてそのままお泊りするのは今回が初めてではなく、毎回の事となっていた。
 お泊りした翌日でも、隼人の自宅から仕事へ行けるようと、宅配サービスを利用して仕事用の服と部屋着は買いそろえてあるし、化粧品も取り寄せてもらってある。
 2LDKの彼の家は寝室ともう一部屋荷物部屋になっていた部屋があり、荷物を片付けて空けてもらった部屋にどんどん増えていく麻衣子の私物。
 これは半同棲状態じゃないかと麻衣子気が付いた頃には、アンティーク調のお洒落なドレッサーまで用意されてしまっていた。

 あと二週間、残っているお試し期間が終わり、「やっぱり付き合えません」となったらどうするのかと問い詰めたこともあったが、隼人に笑って誤魔化されてしまった。
 頭を抱える麻衣子の太股から脹脛を手の平が撫でる。

「おはよう、麻衣子さん」

 上半身を起こした隼人は爽やかな笑顔を麻衣子へ向け、ちゅっとリップ音を立てて唇へキスをした。

「一緒に出勤するのは、駄目だと思うし私は電車で行きます」
「上手くやるから、君は心配しなくていい」

 斎藤課長の姿へ変身した彼は、黒縁眼鏡のフレームを人差し指で押し上げ麻衣子の鞄を持って歩き出す。
 会社の駐車場で別れ、時間差を付けて出社するにしても誰に見られているか分からないと警戒しながら、結局は今日も一緒に出勤することになるのだった。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

不埒な一級建築士と一夜を過ごしたら、溺愛が待っていました

入海月子
恋愛
有本瑞希 仕事に燃える設計士 27歳 × 黒瀬諒 飄々として軽い一級建築士 35歳 女たらしと嫌厭していた黒瀬と一緒に働くことになった瑞希。 彼の言動は軽いけど、腕は確かで、真摯な仕事ぶりに惹かれていく。 ある日、同僚のミスが発覚して――。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

身分差婚~あなたの妻になれないはずだった~

椿蛍
恋愛
「息子と別れていただけないかしら?」 私を脅して、別れを決断させた彼の両親。 彼は高級住宅地『都久山』で王子様と呼ばれる存在。 私とは住む世界が違った…… 別れを命じられ、私の恋が終わった。 叶わない身分差の恋だったはずが―― ※R-15くらいなので※マークはありません。 ※視点切り替えあり。 ※2日間は1日3回更新、3日目から1日2回更新となります。

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

処理中です...