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3章 私と魔王様のお盆休み

17.そして、甘美な感情を知る*

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 まだ胸だけしか触れられていないのに、頭の中が痺れるくらい気持ちが良くて理子は、疼く下腹部に力を入れた。

(もっと、胸以外も触って欲しい……)

 執拗になぶられている胸の頂はすっかり硬く色付いて、舌先で弄ばれて堪らなく気持ちが良い刺激を与えているのに、理子の体は貪欲に次の快感を待ち望んでいた。

「んっ、はあっ、シルヴァリス、さまぁ胸だけじゃ、いやっ」
「下も弄って欲しいのか?」

 コクコク頷けば、シルヴァリスの手が下の方へ這って行き、脚の付け根から蜜を滴らせる割れ目へ向かうのを感じ、触られる期待に理子の心臓は早鐘を打つ。

「ああっ」

 脚の付け根を滑る指先の刺激から、反射的に身体をくねらせて逃げようした理子の太股をシルヴァリスは掴む。

「あんっ」

 長く骨張った指が愛液を滴らせる秘部の割れ目をなぞる。
 二本の指先が、秘部の入口の浅いところを往復する異物感と刺激に、腰が甘く溶けてしまいそうな感覚を抱き理子はシーツを掴んだ。

「あ、あんっ」

 割れ目をなぞっていた指は、つぷりっと音を立てて中へと侵入する。

「くくくっ、こんなに滴る程濡らして、俺の指を待ちわびていたのか? はしたない体だな」

 意地悪な台詞を言うシルヴァリスは、息を荒くする理子に聞こえるように音を立てて指を動かす。
 いつの間にか三本に増やされた指は、ぐちゃぐちゃ耳を塞ぎたくなる恥ずかしい水音を立てて理子の膣壁を擦り上げる。もう片方の手は、立ち上がり硬くなった乳首をコリコリ弄って、摘まんだ。

「はぁん!? あっああ」
「乳首を、下の口を弄るたびに中の肉壁がうねって俺の指を離さない。そんなに気持ちが良いのか?」

 覆いかぶさるシルヴァリスが耳朶を舐める形の良い唇が、理子の羞恥を煽る言葉で責め立てる。
 甘く、色気たっぷりの声を耳許に流し込まれて、それを聞いただけで秘所はしたなく愛液を溢れさせシルヴァリスの指を締め付けてしまう。

「うん、気持ちいい、もっとあっ、して?」

 蕩けた思考で言えば「御褒美だ」とぐるりと中で回された指が膣壁を刺激して、親指はクリトリスが掠める

「ああんっ、え? ひあっ」

 指とは違う感触が走り抜けて、理子は驚きと衝撃に体を揺らした。

「やぁ、そこを、舐めちゃダメぇーあぁんっ」

 肉厚の舌で舐められるという刺激から逃れようと、脚を動かすがあっさりシルヴァリスの腕に抱えられてしまった。
 ぴちゃぴちゃと音を立てて、シルヴァリスは理子の恥ずかしい液を舌で掬うように舐める。

「ふぅん、ぁああー」

 敏感な粘膜を舌先でこすられ、羞恥心と指とは違うざらついた感触に、どうしようもないくらい子宮の奥が疼いて、快感が沸いてくる。
 涙を浮かべて自分の腹部を見れば、理子の愛液を舐めとるシルヴァリスの赤い瞳と視線が合う。
 美しい魔王の唇が、溢れた恥ずかしい液で濡れて光って見えるという、淫猥で背徳的な光景に興奮が高まっていく。

「ひぅん、ん~ん~」 

 切ないくらい高められた快感が、出口を求めて渦を巻いていく。すぐにでも達してしまいそうな快感を、シーツを握って堪える。
 もっと舐めて欲しくて、理子の腰が揺れてしまう。
 じゅるりと音を立てて蜜口を啜られ、クリトリスを強く吸い上げられた瞬間、理子の目の前が真っ白に染まった。

「ひっ、あぁあああー!」

 達したばかりの体は軽く痙攣して、弾けた快感の余韻に呆けて肩で荒い息を吐く理子は、満足そうに口元を拭うシルヴァリスを見上げた。

「はぁ、はぁ……」

 達した膣内は、入ったままのシルヴァリスの指をきゅうきゅう締め付けて、緩く動かされるだけで子宮の奥が切なく疼く。
 恥ずかしいところを広げられて奥まで見られてしまい、指と舌で身体中を愛撫でされて喘がされているのに、何かが足りない。

「はあんっ」

 膣内に埋まっている指が緩く動き、再開される愛撫。
 ぐちゃぐちゃと秘部をかき混ぜる音が、理子の耳をも犯していく。
 三本の指が膣壁をばらばらに擦り、すぐ上のクリトリスを舌で舐められる快感に、喘ぎ声が止まらない。
 良いところを繰り上げられおかしくなるくらい気持ち良くて、また達してしまいそうになった。

(気持ちいい。気持ちいいのに、これだけじゃ足りない。もっともっと奥を……奥に欲しい。それに……)

 まだこれでは足りない、満たされないと子宮の奥が訴えていて、理子は眩暈がしてきた。

 未だにバスローブを羽織ったまま、冷静に理子の反応を見ているシルヴァリスに手を伸ばす。

「シル、ヴァリスさま、お願いっ」

 達するのを堪えて、理子は荒い息で言葉を紡ぐ。
 股の間から顔を上げたシルヴァリスは、秘部に入れている指はそのままで、もう片方の手の甲で愛液まみれの唇を拭った。

「何だ? リコのお願いは何でもきいてやる」
「もっと、奥を……あっ!」
「奥がどうしたのだ?」

 尖った乳首を悪戯に舐め、唾液が糸を引く舌先をちらりと覗かせて、シルヴァリスは上半身を上げた。

(何を「お願い」しようとしているのか分かっているだろうに、なんて意地悪なの)

 意地悪だと分かっていても、体の疼きはもう限界だった。
 シルヴァリスのバスローブの下半身を押し上げている屹立を見詰めて、理子は手を伸ばす。

「奥に、欲しいの。シルヴァリス様ので、いっぱいにして。いっぱい、ちょうだい? 私と一緒に、気持ち良くなって?」
「はっ、お前は、本当に……」

 上目遣いに見上げる理子を見下ろす赤い瞳が、一瞬だけ驚きに見開かれる。
 細められた赤い瞳と目元は確かに赤く色付いていて、愛しさと期待に理子の胸が大きく高鳴った。

「あんっ」

 秘部の中を埋めていた三本の指が引き抜かれ、シルヴァリスは自身のバスローブの腰紐へ手を伸ばす。

「望み通り、リコの中を俺でいっぱいにしてやろう」

 ばさりと音を立てて、シルヴァリスはバスローブを脱ぎ捨てた。

「あ……」

 バスローブを脱ぎ捨て露になった裸体を、理子は息を飲んで見詰めてしまった。
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