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抱えていた太股を解放し、呆然となっている陽菜の膨らんだ下腹部を撫でたギルは上半身を起こした。
手の平に小瓶を出現させると、蓋を開けた小瓶の口を陽菜の体から立ち上るピンク色の光の粒子へと向けた。
「ギル……」
エナジーのピンク色の光に照らされた見事な筋肉、頭に角が生えていても完璧な芸術作品のように整った顔立ちは妖艶な雰囲気を放っていた。
(……綺麗)
秘部と尻穴に陰茎が入ったままだということを忘れて、うっとりと陽菜はギルの顔に魅入ってしまった。
(ギルの下から、この綺麗な顔を見上げるのは凄く、)
「すき」
思いが声に出てしまったのは、完全に無意識のことだった。
「……な」
大きく目を見開いたギルは二度、口を開閉してから恍惚の表情で自分を見詰めている陽菜を見た。
「ふふっ」
普段、表情筋が凝り固まっているのかと心配になるくらい、表情の変化に乏しいギルが鉄面皮を崩したのが嬉しくて陽菜はくしゃりと微笑んだ。だが、直ぐに体内の変化に気付き、笑顔が戸惑いへと変わる。
「あぁっ? え、ギル? いっぱい出したのに、なんでまた大きくなるの?」
射精して少しだけ縮んだ陰茎がムクムクと膨らみ出し、射精前と変わらない太さと硬さを取り戻していった。
「待って、イッたばかりだからぁ」
困惑して動こうとする陽菜に太股と足首に、伸びて来た数本の触手が絡み付き動きを押さえる。
手の平の中から小瓶を消したギルは、触手によって固定された陽菜の太股を再び抱えた。
「どうして貴様は、いつも突然……くそっ!」
湧き上がってくる感情が得体の知れないモノであると自覚する前に、自分の頬が熱を持ち赤らんでいるのを認識する前に、悪態を吐いたギルは陽菜の唇に噛み付いた。
「んんっ」
キスされた勢いで亀頭が奥へ入り込み、驚きと快感で陽菜の喉の奥から出た喘ぎ声はギルの口腔内へ飲み込まれていく。
理性よりも情欲に支配されたギルの性欲は、一度の射精では治まってくれない。
こうなってしまってはいつも通りの展開となる。
野獣と化したギルが満足するまで、もしくは陽菜が気絶するまで二人は快楽に溺れ、何度も絶頂を味わうのだった。
***
ぎしり……ベッドの揺れと密着していた温もりが離れて行くのを感じ、陽菜は重たい目蓋を僅かに開いた。
「もう、行くの?」
喘ぎすぎて掠れた声で、ベッドから下りたギルの背中に問う。
魔力によって一瞬で黒装束を纏い、性交の痕跡も感じさせない雰囲気になったギルが首を動かして振り向く。
「ああ」
短く答えた彼は“ギル”ではなく冷酷な帝王、ギルガメッシュの顔に戻っていた。
「酷いことしないで」
何度も絶頂を迎えたせいで起き上がれず、力の入らない腕をどうにか動かした陽菜はギルへ向かって伸ばす。
布団の上に落ちかけた腕に触手が絡まり、陽菜の指先に近付いたギルの指が触れる。
「怪我、しないでね」
ハッとなったギルの両眼が見開かれた。
「ヒナ」
表情は先ほどから変わらず無表情のまま。
だが、陽菜の名前を呼ぶ声に冷たさは皆無で、砂糖菓子のような甘さを含んでいた。
「次は、オムライスが食べたい」
「うん」
頷くも、眠気に耐えきれず陽菜は目蓋を閉じた。
「忘れるなよ」
小さく頷いた陽菜の頬をギルが優しく撫でる。
大きな手の平に甘えて、意識は半ば夢の中に入っている陽菜は顔を擦り付けた。
手の平に小瓶を出現させると、蓋を開けた小瓶の口を陽菜の体から立ち上るピンク色の光の粒子へと向けた。
「ギル……」
エナジーのピンク色の光に照らされた見事な筋肉、頭に角が生えていても完璧な芸術作品のように整った顔立ちは妖艶な雰囲気を放っていた。
(……綺麗)
秘部と尻穴に陰茎が入ったままだということを忘れて、うっとりと陽菜はギルの顔に魅入ってしまった。
(ギルの下から、この綺麗な顔を見上げるのは凄く、)
「すき」
思いが声に出てしまったのは、完全に無意識のことだった。
「……な」
大きく目を見開いたギルは二度、口を開閉してから恍惚の表情で自分を見詰めている陽菜を見た。
「ふふっ」
普段、表情筋が凝り固まっているのかと心配になるくらい、表情の変化に乏しいギルが鉄面皮を崩したのが嬉しくて陽菜はくしゃりと微笑んだ。だが、直ぐに体内の変化に気付き、笑顔が戸惑いへと変わる。
「あぁっ? え、ギル? いっぱい出したのに、なんでまた大きくなるの?」
射精して少しだけ縮んだ陰茎がムクムクと膨らみ出し、射精前と変わらない太さと硬さを取り戻していった。
「待って、イッたばかりだからぁ」
困惑して動こうとする陽菜に太股と足首に、伸びて来た数本の触手が絡み付き動きを押さえる。
手の平の中から小瓶を消したギルは、触手によって固定された陽菜の太股を再び抱えた。
「どうして貴様は、いつも突然……くそっ!」
湧き上がってくる感情が得体の知れないモノであると自覚する前に、自分の頬が熱を持ち赤らんでいるのを認識する前に、悪態を吐いたギルは陽菜の唇に噛み付いた。
「んんっ」
キスされた勢いで亀頭が奥へ入り込み、驚きと快感で陽菜の喉の奥から出た喘ぎ声はギルの口腔内へ飲み込まれていく。
理性よりも情欲に支配されたギルの性欲は、一度の射精では治まってくれない。
こうなってしまってはいつも通りの展開となる。
野獣と化したギルが満足するまで、もしくは陽菜が気絶するまで二人は快楽に溺れ、何度も絶頂を味わうのだった。
***
ぎしり……ベッドの揺れと密着していた温もりが離れて行くのを感じ、陽菜は重たい目蓋を僅かに開いた。
「もう、行くの?」
喘ぎすぎて掠れた声で、ベッドから下りたギルの背中に問う。
魔力によって一瞬で黒装束を纏い、性交の痕跡も感じさせない雰囲気になったギルが首を動かして振り向く。
「ああ」
短く答えた彼は“ギル”ではなく冷酷な帝王、ギルガメッシュの顔に戻っていた。
「酷いことしないで」
何度も絶頂を迎えたせいで起き上がれず、力の入らない腕をどうにか動かした陽菜はギルへ向かって伸ばす。
布団の上に落ちかけた腕に触手が絡まり、陽菜の指先に近付いたギルの指が触れる。
「怪我、しないでね」
ハッとなったギルの両眼が見開かれた。
「ヒナ」
表情は先ほどから変わらず無表情のまま。
だが、陽菜の名前を呼ぶ声に冷たさは皆無で、砂糖菓子のような甘さを含んでいた。
「次は、オムライスが食べたい」
「うん」
頷くも、眠気に耐えきれず陽菜は目蓋を閉じた。
「忘れるなよ」
小さく頷いた陽菜の頬をギルが優しく撫でる。
大きな手の平に甘えて、意識は半ば夢の中に入っている陽菜は顔を擦り付けた。
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