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はじめて5(性描写あり)
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「あなたを、助けに来たのよ、フェリクス」
言って、アンリエッタはガウンをその場に落とした。
メイドの手によって着せ付けられた煽情的なネグリジェは、大切な場所が隠れていない、薄い生地のものだ。アンリエッタの目から見てもはしたないように思える。
けれど、これはアンリエッタの勝負服なのだ。アンリエッタを頼ってくれないくせに、自己犠牲ばかり激しいフェリクスとの。
アンリエッタのしどけない姿を目にして、フェリクスは硬直した。
「アンリエッタ、どうして」
そう、戸惑う声がする。
しかしその声は次第に熱を孕んだ吐息に取って代わられて、フェリクスは重い体を引きずるようにしてアンリエッタのもとに歩み寄ってきた。
アンリエッタはにらむようにフェリクスを見た。恥ずかしくて目を逸らしたい、でもフェリクスを助けたいという想いが、アンリエッタの目を逸らさせなかった。
ふいに、がばりと抱き着かれる。アンリエッタは突然の強い抱擁に息を吐きだした。
耳元に、フェリクスの荒い吐息が触れる。
フェロモンが強くなる。アンリエッタの喉を、鼻を、肺をも侵食するようだった。
「アンリエッタ、そんなことをして、もう後戻りはできないよ。僕は今、もうほとんど理性が持ちそうにない」
「ええ、いいわ。私はフェリクスにそうされるために来たんだもの。……私が困ったら、あなたが助けてくれるんでしょう?なら、あなたが困ったときは、私が助けなきゃ。……番、なんですもの」
アンリエッタが言う。
――その、言葉が、皮切りだった。
噛みつくように口付けられて、戸惑う舌に絡みつかれて。
フェリクスは、アンリエッタを抱き上げてベッドに向かった。天蓋をいささか乱暴に払ってアンリエッタを横たえる。
はっと見やる、わずかなろうそくの明かりに照らされたフェリクスの目は、ぎらぎらと輝いていた。欲望のたぎる、雄の目――アルファの、これから自分のオメガを愛するのだという意思のこもったまなざし。
「アンリエッタ……震えているのか?」
「し、かたないでしょう、はじめてなんだから」
アンリエッタの声に、フェリクスは気分を良くしたようにふっと口角をあげた。
いつもの優しいだけのフェリクスが、こんな顔をするなんて、とアンリエッタは思った。
まるで二重人格みたいだわ、と。
フェリクスが、アンリエッタの首筋に舌を這わせて横目でアンリエッタを見る。
ただ舐めるだけなのに、時折うなじのあたりに犬歯をつうと沿わされると、どうにかなりそうになる。叫びだしたいような、そのままぎゅっと抱きしめてほしいような、おかしな気持ちに。
「は、ぁ、ああ」
「アンリエッタ……かわいい、かわいいね」
「そこ、そこでしゃべらないでぇ……ッ」
吐息でかき混ぜるように、耳にフェリクスの甘い声が吹き込まれる。太ももをすり合わせて、アンリエッタは声をあげた。
自分から、こんな、信じられない声が出るなんてしらなかった。
フェリクスの指先がアンリエッタの鎖骨を辿って、胸の、わずかに色付いた薄桃色の蕾に触れる。最初、確かめるように触れられていたそこは、フェリクスの指先が次第に激しくなって、きゅうう、くりり、とつまむように触れてから、そこはまるで茱萸の実のようにたちあがり、硬くなった。
フェリクスが、アンリエッタの形よい胸に手のひらを当てて、胸の尖りごと揉み込むと、フェリクスの手のひらに小さな蕾がつぶされる。片方はそうされておいて、もう片方の胸は触れられぬまま――アンリエッタはどうしようもない気持ちになって、ただフェリクスの手の動きに翻弄されることしかできなかった。
言って、アンリエッタはガウンをその場に落とした。
メイドの手によって着せ付けられた煽情的なネグリジェは、大切な場所が隠れていない、薄い生地のものだ。アンリエッタの目から見てもはしたないように思える。
けれど、これはアンリエッタの勝負服なのだ。アンリエッタを頼ってくれないくせに、自己犠牲ばかり激しいフェリクスとの。
アンリエッタのしどけない姿を目にして、フェリクスは硬直した。
「アンリエッタ、どうして」
そう、戸惑う声がする。
しかしその声は次第に熱を孕んだ吐息に取って代わられて、フェリクスは重い体を引きずるようにしてアンリエッタのもとに歩み寄ってきた。
アンリエッタはにらむようにフェリクスを見た。恥ずかしくて目を逸らしたい、でもフェリクスを助けたいという想いが、アンリエッタの目を逸らさせなかった。
ふいに、がばりと抱き着かれる。アンリエッタは突然の強い抱擁に息を吐きだした。
耳元に、フェリクスの荒い吐息が触れる。
フェロモンが強くなる。アンリエッタの喉を、鼻を、肺をも侵食するようだった。
「アンリエッタ、そんなことをして、もう後戻りはできないよ。僕は今、もうほとんど理性が持ちそうにない」
「ええ、いいわ。私はフェリクスにそうされるために来たんだもの。……私が困ったら、あなたが助けてくれるんでしょう?なら、あなたが困ったときは、私が助けなきゃ。……番、なんですもの」
アンリエッタが言う。
――その、言葉が、皮切りだった。
噛みつくように口付けられて、戸惑う舌に絡みつかれて。
フェリクスは、アンリエッタを抱き上げてベッドに向かった。天蓋をいささか乱暴に払ってアンリエッタを横たえる。
はっと見やる、わずかなろうそくの明かりに照らされたフェリクスの目は、ぎらぎらと輝いていた。欲望のたぎる、雄の目――アルファの、これから自分のオメガを愛するのだという意思のこもったまなざし。
「アンリエッタ……震えているのか?」
「し、かたないでしょう、はじめてなんだから」
アンリエッタの声に、フェリクスは気分を良くしたようにふっと口角をあげた。
いつもの優しいだけのフェリクスが、こんな顔をするなんて、とアンリエッタは思った。
まるで二重人格みたいだわ、と。
フェリクスが、アンリエッタの首筋に舌を這わせて横目でアンリエッタを見る。
ただ舐めるだけなのに、時折うなじのあたりに犬歯をつうと沿わされると、どうにかなりそうになる。叫びだしたいような、そのままぎゅっと抱きしめてほしいような、おかしな気持ちに。
「は、ぁ、ああ」
「アンリエッタ……かわいい、かわいいね」
「そこ、そこでしゃべらないでぇ……ッ」
吐息でかき混ぜるように、耳にフェリクスの甘い声が吹き込まれる。太ももをすり合わせて、アンリエッタは声をあげた。
自分から、こんな、信じられない声が出るなんてしらなかった。
フェリクスの指先がアンリエッタの鎖骨を辿って、胸の、わずかに色付いた薄桃色の蕾に触れる。最初、確かめるように触れられていたそこは、フェリクスの指先が次第に激しくなって、きゅうう、くりり、とつまむように触れてから、そこはまるで茱萸の実のようにたちあがり、硬くなった。
フェリクスが、アンリエッタの形よい胸に手のひらを当てて、胸の尖りごと揉み込むと、フェリクスの手のひらに小さな蕾がつぶされる。片方はそうされておいて、もう片方の胸は触れられぬまま――アンリエッタはどうしようもない気持ちになって、ただフェリクスの手の動きに翻弄されることしかできなかった。
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