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後後267 秋祭り
しおりを挟む収穫祭当日。
なんだかんだで準備に全くかかわらなかったなぁ、と少し反省なガク。
馬車に村人詰め込んで大勢で乗ってきた。が、当然村の中なんぞ入れない。入り口からもう参道状態だからだ。両側屋台。道は人混み。
なので、街道の端の木がある所に馬車を停める。馬を馬車から離し、水を与えて手綱を木に結わえつけておく。
皆でぞろぞろ参道(村への小道)を歩いていく。歩きだと村の中まで二十分くらいかかるんじゃないか?
でも両側に屋台がみっしりなので楽しい。
これだけ客が集まると、うちの村の連中があまり見えない。5村が集まったからな。上村はよく行くので知った顔が多い。皆来ている様子。楽しんでる。
ここから上村、下村までは荷馬車で2時間程度だろうか。俺達の村もいつも帰りはそれほどかからずに帰れる。行きは満載なので歩き程度な場合も多いのでそれなりに。
なので、のんびり歩いてくることも出来る。
どうだろう、上村からだと、朝出て昼前について、夕方早くに出て夜に帰れる、って感じだろうか。
ひとごみののんびりした流れに乗って、やっと奥の社のほうに来れた。
神楽隊の側に泉さんが居た。
「おう!来たか。」泉さん
「すごいっすねー人混み!」
「ああ、各村への馬車が頻繁に出ているからな」
それでかー。
「お久しぶり!ガクセンセー」
「カタリーナ、立派になったなー!嬉しいよ!」
「ガクセンセーこそすごいお嫁さんもらってすごいですね!世界一のモフ美って評判ですよ!うちの子達もモフ☆モフ度はかなり上ですけど、所詮王都なのでトリミングは下手くそですね、ガクセンセーは世界一だから仕方がないとしても、村長宅女性陣達の足元にも及ばないので、定期的に村に帰ってトリってもらってます。それはそうと王都は音楽がすばらしいですね!・・・・
相変わらずのカタリーナ・・・喋りだしたら止まらない・・・(16話)
カタリーナの連続喋りを途中でぶった切ってアニャータを紹介する。
そしてアニャータ。人が多いだろうと、目立たぬように人型で来たが、今ここでねこに戻ってもらった。
それを見た瞬間突撃し、アニャータのモフに埋もれるカタリーナ!!
もふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふあふーん!
ぼこん!ガクのゲンコが降る。
「ほどほどになっ!!」
「・・・・・すごいです。・・・もふ美、というか、魔性のモフ・・・おもわず、いつの間にか、引き込まれ・・・」
ああ、モフ愛が強い者には、そうだな、そうなんだな。さすがカタリーナ、よくぞわかった!!
納得のガク。
アニャータはそばにいた楽団の子達をモフりまくる。子供達もアニャータをも触れるので喜んでいる。
舞の子達が羨ましそうに見ているので、アニャータはちょいちょいとおいでおいでをする。
ばっふん!!と2人の舞の子達がアニャータに飛びこむ。
モフ玉状態のアニャータ達。
祭りに来て社に参拝に来てる者達にはこれが見えるので、皆、うらやましそうに、見つめる。
はっはっは!!!俺は大体こういうのたまにあじわってるんだぜー!!!
モフに人生を掛けているから、そういうご利益が受けられるのだ!!
「皆健康状態が良いからでこその、あの毛並みだな?」
と、泉さん。
「ですねー、山に居た頃だったらがっさがっさでしょうね、針金みたいに」(15話)
良い生活が良いモフを生む!!
もふりあいもひといきついたらしく、神楽の子達が楽器を始めた。
ぴぃ~っ、どん!、ぴぃ~~~、どん!ぴぃ~ひゃら、どん!どん!
神楽がBGMになると、祭りは一気に祭りらしくなる。
雑踏のざわめきもより大きくなり、参拝する者も増えてくる。
中には採れた作物を捧げる者もいる。今年は豊作だった。山のものも多く採れた。
豊作の翌年は控えめになるが、凶作になるわけではない。
土地の手入れ、水利、みな上々だ。凶作要因は天候しかない。
そして、悪天候が続くということは「生まれてこの方無かった」by村長。らしい。さすがこの世界を作った神様、そこらは優しい。
土を大切に活かしておれば、土も恩恵をくれ続ける。薬剤撒いて奴隷をこき使うように土に無理ばかりさせることなどしていない。
ぼっこん!
「ガクさん!いらっしゃい!」
ごむたいが土から顔を覗かせた。
「おう、お前、祭りを楽しめよ?」
「ええ、すごいですよ!土の中で聞いてると、足音が楽しそうなんです!」
そういう楽しみ方ですか・・・
「よかったなー」(棒)
「ええ、おもしろいですよー!」
ほどなく領主様が祝詞奏上。響子も見守る。
その後舞が舞台で行われた。
領主親子は楽しそうに腕を組んで見ている。
舞が終わり、領主様は新しく得た唯一の肉親と屋台達を楽しむために雑踏にまじっていった。
「おう、よかったなー」
それを眺めていた泉さん。
「一時期、あの命日のときだったか?ありゃまずいなぁ、とか思ったからな」
そういうときがあった。俺達は心配したが、どうしようもなかった。
「うん、もう、どうにか、大丈夫ですよね」俺
「あ、そういやリーダーは?」俺
「ほれ!」
と、泉さんがあごをしゃくった先に、あのトリオと飲んで出来上がっているリーダー。3人も出来上がっている。
「今朝まで緊張してぱんぱんだったわ。で、おまえが楽しまないで村人や祭りの客どころか主賓の神様も楽しめないだろ?ってな、ばんばん飲ませた。」
さすがわいずみさん・・・・w
「まぁ、俺らの時代の者達はメンタルガラスなんですよ、びびりんぼうが身に沁みついている。なので、今後もそうやってきたえてやってください。たのんます!」
リーダーは外来なのだ。
「おう。・・・・俺らの時代とはちがうn・・イヤ、そうでもないな。士官した奴らなど、多くは似たようなもんだったな。ふだんと大きく違うなんかあると冷静さを失い多くは激高する。ああいうのはビビリから来るからな、でそれを認めたくないんで激高してた。気にするなガク、俺の時代もにたようなもんだ」
それはそれで悲しげななんかがあるぞ?
「下手に教育受けず、無知な者ほど聡明さがあるんじゃないかな?ってこっちの世界で知りました。聡明さがありゃビビリんぼうはかなり抑えられます。」俺
「そりゃそうだ。危険の原因を探ろうとするからな、びびってる暇ないぞ?」
さすが剣豪泉!
俺達も3人で屋台を回ることにした。
あんずアメも出てる。
「大田さん!ここでも活躍ですかっつ!おつかれでっす!!」
大田のカルメラ焼きだ。領主様も、大田さんがこうやってまともな事やってりゃ安心だろう♪
「おう!テキ屋もおもしろいなー!こんど射的屋やりたいなー」
ノリノリになってきてるようだ!
輪投げもまともになている。フツーの輪だっつ!!
・・・シューレ
”シューレのちょこばなな”
”シューレのくれーぷw”
”シューレの水風船釣り”
”シューレのプチケーキ”(小さくして安くして買いやすくしている)
今度は4軒並べてやってる・・・
その隣に出ている焼きそばを食べてみる。
「うん、完璧・・。なんか?ってのが全く無い!!!」
泉さんとアニャータにも買って食べさせて感想を訊く。
「おう、前のよりうまいな。」泉
「そうですね、こちらのほうがいいです」アニャータ
「すげぇ、、多分、今回の祭りの屋台、すんげーまとも!!リーダーが外来だからだ。あの人が全部ダメ出ししてまともに直させたんだ!!すげぇ!あのひとすげぇぜっつ!!!」
「ガクがこれほどになるとは・・・・」
「すごい熱ですね?熱血になったんですか?」
(まぁ、リーダーのことは領主様に伝えることは伝えておこう。村人から彼を取り上げることはしまいし。)と思う泉。
人材は隠れたところに埋まり、事がなければその実力を現すことはない。
見る目のある者が見てこそ、その人材の価値をわかるというもの。
(ガクは、それが人一倍うまいんじゃねーかな?)
気炎をあげながら吠えまくるガクを見ながら、そうと気付く泉であった。
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