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後後262 前日から。フライングスタートを楽しむ?

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あっという間に祭り前日。

もう気の早い者は屋台を開店している。
先頭を切ったのはシューレ。
「人がよく通る道だ、開けたら売れるだろ?」

村の外れだけど村の中?な祠の場所。
村に隣接した畑の一部を祠の場所に貰い、大きい石の上の一部をくり抜いて御札を入れるようにして、祠。周囲に木が植わってる。
村の主通りと交差し畑地に行く道に入り少し行くと右手に祠が先に見える小道がある。

その小道を太く見立てで、両側に屋台が奥の神楽舞台の近くまで立ち並んでいる。当日は人があふれるだろう、余裕を見て道を広くとっている。

小道の入り口には気の立派な鳥居ができていた。色は塗られていないのが渋くて良い。
鳥居は泉さんの提案かな?元日本人にとっては心の風景だなー、特に祭りの。

もうこんな日にのんびりとトリミングに来る者はいなかった。
なのでアニャータと村を見て回ってる。
泉さんも忙しいのだろう、朝食時も見ていない。


「シューレ、これちょうだい!」
「おう、うまいぞ!」
見た目クレープみたいなもの。
が、

「なんかサバみたいな臭がする・・・」
「よくわかったな!うまいぞ!」
サバクレープ?
まぁ、でも、しゅーれ・・・

「訊くけど、これ、弟子たちが作ったの?」
「だいじょうぶ!私が改良したんだ、それなりだぞ!!」
・・・やっぱ奴らか!!
でも食べられるように治したのであれば、まぁ・・・

「先に毒味してみるね?」とアニャータに断ってひとくち食べてみるガク

「うっつ・・・」
心配そうなアニャータ。ガクが毒味とか言ったからな。

「ま、ずくない?」
「もっと食ってから言ってみろ!」
ぱくぱく、もぐもぐもぐ、ごっくん。パクパク、モグモグゴックン!

「シューレ、アニャータにもあげて」
「そうだろうそうだろう!!ほれ!」

アニャータ、くんくん、と匂いを嗅いでからパクリ!
ねこがくんくんってやってるの可愛いよねー

「あらおいしい!匂いと裏腹にっ!!」
やっぱ匂いはまずそうだったようです。

「うむ、匂いは改良すべきだろうが、サバの匂いがインパクトなんだよなぁ」
いらねー方のインパクトだよそれっ!。食い物にはうまそうな匂い以外いらねー

ざばマヨではない。

「これ、サンドイッチの代わりになるんじゃない?」
「だろ?軽食だよな。も少し皮を厚めにしてもいんだが、そうすっとまるまんなくなるんだよなー」
「切れ目少し入れたら?」
「見た目がなー」
なかなか面倒なもんだな

次だ、とシューレは勝手に次を出してきた。試食係には今でも在籍中なのかな?俺。と思うガク。

「これは口直しの甘いものだ」
口直しとか本人が言っちゃってるよ。でもサバうまかったけどね。

香りからして菓子。うまそう。
ぱくりんこ!もしゃもしゃごくん・・
「あっっま!でも・・」ばくばくばくばくばく!ごっくん!

「うまいね?こんな甘いのに?」
「果物を煮込んだり干したりすると甘みが出るが、中にはそれが凄く出るのもある、砂糖は使っていない。」
「天然ジャムか」
そんなとこだ、と、今度は飲み物を出してきたシューレ

じゅーーーーーーっ!ストローだ。
ぷっはー!!
「何?甘み少なめ、柑橘系じゃないよね?でもさっぱりしてる?」
「あっはっは!野菜も入ってるというかそっちがメインだし。」
そんな感じしなかったし・・

アニャータも甘いものを食べきってジュースを飲んでいた。
「全部とても美味しかったです!!」
「王都でも出せばいいのに」
「野菜は取ったそばから使ってるんだ。王都じゃできない」
あ!
そう。畑でなってる野菜をその場で食べるのと、もいでおいといたモノとじゃかなり違う場合がある。

「なるほどなぁ、そういうのを使ってるのか」
「さっき泉も同じようなこと言ってたな。」
「泉さん来たんだ、アノ人も実家も本人も本物の百姓だからね。」
「おまえもそうじゃないのか?」
「・・・半分?」現代百姓は昔のの足元に及ばない。

隣の水風船(風船よーよー)の屋台も遊ばせて貰った。ねこ型だとうずうずしちゃうので、とひと型になってよーよー釣りをしたアニャータ。ひと型もかわいいねー。

獲れなかったけど1個づつ貰って礼を言って他の開いている屋体に行ってみる。

どろんごりゃげす?
「なんですかコレ?」
と訊くと、物陰からそんちょが出てきた。
そんちょの屋台か!知ってたら来なかったのに!
どーせろくでもないのだ。

「ほれ」とショットグラスを屋台の前面にあるカウンター越しに渡される。
赤い液体。
「飲むんじゃ」
「いやです」
・・・・・
くんくん、あ、
「これ、臭わないけどお酒ですね?」
「ほう、よくわかったな?」
「アルコール入ってないの?」
「酒精分は無いですね。でも違うもので酔うもの、木の実とか草とかからの抽出物でできるんです、似たようなもの」
へぇ。

「そんちょ、ちょっと耳かして」
と呼ぶと、とちっさい老人体型なのでこどもみたいにカウンターに乗り出して、
ぐいっ!
がぼごぼごっくん!
「なにするんじゃぁ、ああい?ひよ?あぷんきょけ?にょらにんにょうむにぃ・・・」どたっつ、とカウンターに突っ伏した。
・・・・
ふう、危なかった・・・

「で、コレ、ダイジョブ?」とそんちょを指差す。
「多分。ちょっと待っててください」
たたたったた、とアニャータは来た方向に走っていた。

シュン!
シューレとアニャータが目の前にいきなり現れる!
「っ・・・・。・・心臓に悪いわ」
「驚かせてごめんなさい!」アニャータ
「いやアニャータは悪くないぞ?」

「なんだ?コレか?」
とそんちょを指差すシューレ。

こくこくと頷く2人。
「あっはっは、大丈夫だ。会合のときにな、酒に代わる何かないか?とか聞かれて少し作ってやったら・・・コレだ。100倍くらいに薄めろ、って言ったのになぁ」
「実験されたんでしょうか?」
アニャータ、やっとそんちょの実態判ってきたようだ、エライぞ!!
あたまをなでなでしたら、えへへへぇ、とか喜ぶアニャータ。ひと型もいいねっつ!!

そんちょは半刻ほどで目が覚めるだろう、とシューレが言うので放置して、3人で屋台を周ってみることにした。
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