369 / 409
後後238 暇なので街に出る 2
しおりを挟むドライカレーは、おっちゃんが武国向け特別メニューみたいな形で周知に持っていくとやる気を見せた。
皆が気にしないといくら美味しいものでも広まらないので、領主と王宮に周知させよと厳命しといてやる、とシューレが言った。
さすが美味い食い物には妥協しないな!いろいろと!
で、あとで作ってやるとシューレが言った分は、領主邸でつくっといてやるから安心しとけ。とのことだった。
まだ帰るのは早いので、俺はシューレと別れてまた街を徘徊することに。
カレー食べたので今度は農国ケーキだな?
どこだったっけー、と思ってたら目の前にシューレのケーキ屋。
ああ、ここもなかなか味が広まらないんだよなーもったいない。
なので入る。
「ちーす、おいしいの、シューレがOKだした美味しいのを3つばかり見繕って、あと紅茶ください」
と頼んで席に着いた。
ーー
「うそつけ」
「ほんとです!」
「まずかったらいいつけるからな?」
「・・う、うそです」
「なぜ嘘ついてまで食わせようと?見た目でだめじゃん?」
シューレがOK出したモノだと嘘ついたのだ。
「これはみためじゃないんです」
「は?」
「見た目は改善できないんです、ほらキドニーパイとか、見た目甘いのかな?って思うとがっかりでしょ?」
あーあーあー、、なるほど、だから最初からまずそうに?
「いや、だからって最初から不味そうだとな?」
「まずくないです。食事だと・・、昼食のサンドイッチみたいなものだと思って食べてみてください!」
ばくっ・・・
?
ばくばく、
・・・・
「これ、シューレに”まだ”だと言われたろ?」
「なぜ?!」
「なんか間違っちゃーいないんだよ、なんか。でも2つ3つたりない。なので食べきることもきびしくなる。
あと3つ、なんかばっちりはまるものをどうにかしたら、毎日食べても飽きないじゃないかな?」
「・・・・師匠も同じような事、言っていました」
「だろ?頑張れ・・・・・・あんた、カレーって食べたことある?」
「ああ、一度だけ食べたことありますけど、合わなくって」
「どこで?」
「武国食の店たむらんで、」
「全然カレーじゃねーよ、そんな嘘飯食って何も思わなかったのか?」
「特には」
店番他に居ないというので、「少し外出しますすぐ戻ってきます」と張り紙して扉に鍵かけてカレー屋に行く。
なんかのヒントになるだろうな、と思ったので。
「おっちゃーん、この子に子供向けのやつ一つ。」
「お、早速か?すげーな。さっきのカレーチャーハンか?」
「ううん違う。フツーの子供向けのやつ頂戴。たむらんの嘘カレーたべてアレがカレーだと思っちゃってるんだよね。」
「・・・・・たまんねぇよな、そういうことされるとさ。」
「だよなぁ、、信じちゃんだもんなぁ」
「まぁ、コレが日のいずる国とか南方諸国とかだと誰もあんなの信じないけどな」
「だろうねー」
今の武国は食文化の発展が、アメリカとか豪州並と言ってもいんじゃない?レベルなのだ。
程なく来る。
スープ(カレー)とご飯。ごはんはバターライスなのかな?炒めた?揚げた?薄切りニンニク幾つか載せてある。
まずスプーンでスープを飲んで見るシューレの弟子。
へえ?みたいに小首を少しかしげる。
ご飯にカレーをかける。半分ほど。
ご飯とカレーの量をいろいろ変えて食べていってみている。具も変えたりしながら。
全部食べきった。
「なかなかだな」
「うん、子供向けだけど、はじめてだろ?それを食べきったのはなかなかだ」おっちゃん
「あの、大人向けというのがあるのですか?」弟子
「香辛料、あんたには多分きついぜ?」おっちゃん
「食べてみたいです」弟子
おっちゃんがこっち見るので、ウンと返事した。
ほどなく来た。もうできているからね。
カレーの方を掬って口に運ぶ。
口に入れても顔の変化なし。
へぇ?と俺とおっちゃんは思った。
そのままカレールーのほうばかり掬って飲む。
・・・・・
「あ、なくなっちゃった?」
「・・・はじめてなの?カレー、本物のカレー食べるの、」俺
「え?ええ、なんか美味しいですね。たぬらんのと全く違いますね。」
アレが嘘っぱちなんだって
「へぇー」おっちゃん
「おう、感心した」俺
よく見ると、髪は黒ではなく茶かかっている。瞳もそうだ。
「もしかしたら、ダブルかもな?祖先に農国人とか、いた?」
「しりま・・・そういえば、そういうようなこと聞いたことあったようななかったような・・・」
「ダブルだと、味覚もダブルなので有利だぞ?」
「ダブルってなによ?」おっちゃん
「ダブルアイデンテティ。違う種別の両親を持つと、両方の性質を持てる場合が多い。得なんだ。思考形態も2つ持てるので、考え方にも深みと広さが出る。見ていて判るほどの差がでる。羨ましいくらいだぞ?」
「へぇ、いいな?」
(ただ、生物としてそれをひがんで潰そうとするシングルばかりの土地だと致命的だけどね)
ガクの親友が、そういう立場にあっていた。彼の友人はガクだけだった。
「あの、おじさん、弟子とりません?」シューレのケーキ屋の弟子
「え?あに言ってんお?」おっちゃん
「そうだな、こっちで開花させて、そこから多くの料理を覚え、最後に菓子にたどり着くってんでもいいな」俺
「あんだそれ?」
「シューレが弟子達に教えているやりかた。」
「・・そうなんですか?」弟子
「おう。うちの村からだぜ?シューレが弟子とるようになったのは。基礎からやらされていたな、武国の料理人は基礎だめだって。」
「そこは一緒ですね・・」
「いや、何でもいいんだよ。本気で好きになってやりたい方をやって覚えて、そっからだから。シューレはそういう者に教えるほうが教え甲斐あるみたいだし。だからカレーを頑張ってみれば良んじゃないかな?おっちゃんも、この子は武国人なので武国を知ってるしカレーの美味さを最初からわかる希少種だ。いろいろ思いついたり試したりできるぞ?」
「そりゃそーだよな、俺は農国しかしらないし・・」
「なぁあんた、シューレは多分そうか頑張れ、程度ですませてくれると思う。今度シューレが来たら言ってみ?」
「はい、そうします」
「おっちゃんは、その後いいんだろ?弟子にしてやって」
「お?おう、まぁイヤとは言えないわな、なかなか舌がいいからな、もったいない」
ーー
数日後。
カレー屋に言ってみたら弟子がカウンターに一緒にいた。
「あの翌日さ、シューレさんが一緒に来て全種類食わせろとか言い出して面倒くさかった」とおっちゃん。
「自分の可愛い弟子を渡すんだ、心配だったんだろ?」
「まぁそうだと思って、ちゃんと作ったんだけどな、全種類」
「ごくろーさま!」
0
お気に入りに追加
148
あなたにおすすめの小説
チート幼女とSSSランク冒険者
紅 蓮也
ファンタジー
【更新休止中】
三十歳の誕生日に通り魔に刺され人生を終えた小鳥遊葵が
過去にも失敗しまくりの神様から異世界転生を頼まれる。
神様は自分が長々と語っていたからなのに、ある程度は魔法が使える体にしとく、無限収納もあげるといい、時間があまり無いからさっさと転生しちゃおっかと言いだし、転生のため光に包まれ意識が無くなる直前、神様から不安を感じさせる言葉が聞こえたが、どうする事もできない私はそのまま転生された。
目を開けると日本人の男女の顔があった。
転生から四年がたったある日、神様が現れ、異世界じゃなくて地球に転生させちゃったと・・・
他の人を新たに異世界に転生させるのは無理だからと本来行くはずだった異世界に転移することに・・・
転移するとそこは森の中でした。見たこともない魔獣に襲われているところを冒険者に助けられる。
そして転移により家族がいない葵は、冒険者になり助けてくれた冒険者たちと冒険したり、しなかったりする物語
※この作品は小説家になろう様、カクヨム様、ノベルバ様、エブリスタ様でも掲載しています。
祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活
空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。
最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。
――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に……
どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。
顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。
魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。
こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す――
※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。
異世界転生はうっかり神様のせい⁈
りょく
ファンタジー
引きこもりニート。享年30。
趣味は漫画とゲーム。
なにかと不幸体質。
スイーツ大好き。
なオタク女。
実は予定よりの早死は神様の所為であるようで…
そんな訳あり人生を歩んだ人間の先は
異世界⁈
魔法、魔物、妖精もふもふ何でもありな世界
中々なお家の次女に生まれたようです。
家族に愛され、見守られながら
エアリア、異世界人生楽しみます‼︎
料理スキルで完璧な料理が作れるようになったから、異世界を満喫します
黒木 楓
恋愛
隣の部屋の住人というだけで、女子高生2人が行った異世界転移の儀式に私、アカネは巻き込まれてしまう。
どうやら儀式は成功したみたいで、女子高生2人は聖女や賢者といったスキルを手に入れたらしい。
巻き込まれた私のスキルは「料理」スキルだけど、それは手順を省略して完璧な料理が作れる凄いスキルだった。
転生者で1人だけ立場が悪かった私は、こき使われることを恐れてスキルの力を隠しながら過ごしていた。
そうしていたら「お前は不要だ」と言われて城から追い出されたけど――こうなったらもう、異世界を満喫するしかないでしょう。
神獣に転生!?人を助けて死んだら異世界に転生する事になりました
Miki
ファンタジー
学校が終わりバイトに行く途中、子供を助けて代わりに死んでしまった。
実は、助けた子供は別の世界の神様でお詫びに自分の世界に転生させてくれると言う。
何か欲しい能力があるか聞かれたので希望をいい、いよいよ異世界に転生すると・・・・・・
何故か神獣に転生していた!
始めて書いた小説なので、文章がおかしかったり誤字などあるかもしてませんがよろしくお願いいたします。
更新は、話が思いついたらするので早く更新できる時としばらく更新てきない時があります。ご了承ください。
人との接し方などコミュニケーションが苦手なので感想等は返信できる時とできない時があります。返信できなかった時はごめんなさいm(_ _)m
なるべく返信できるように努力します。
異世界でのんびり暮らしてみることにしました
松石 愛弓
ファンタジー
アラサーの社畜OL 湊 瑠香(みなと るか)は、過労で倒れている時に、露店で買った怪しげな花に導かれ異世界に。忙しく辛かった過去を忘れ、異世界でのんびり楽しく暮らしてみることに。優しい人々や可愛い生物との出会い、不思議な植物、コメディ風に突っ込んだり突っ込まれたり。徐々にコメディ路線になっていく予定です。お話の展開など納得のいかないところがあるかもしれませんが、書くことが未熟者の作者ゆえ見逃していただけると助かります。他サイトにも投稿しています。
『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?
釈 余白(しやく)
ファンタジー
HOT 1位!ファンタジー 3位! ありがとうございます!
父親が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。
その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。
最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。
その他、多数投稿しています!
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394
積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!
ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。
悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる