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後後223 国境の町最終夜
しおりを挟む夕方、ケースに起こしてもらって3人はパスタのお店に向かう。
この店に最初に来た時の常連さんのみで、他に客はいなかった。
「いつもより早い時間なんで、結構客が居ると思っていたんだが・・。」泉
「ああ、そうだと思って少しね、、」おっかさん
いつもは厨房に入っているのが、今日はカウンターにいた。
「?、そうだと思った?」
「なに、妖精の勘ってやつさ」
何この人達(ひとではないけど)、予知なんかできるの・・・
「まぁ席に着きな、」
と、おっかさんは泉、ガク、ケースを席に着かせてから、どんどん料理を運んできた。
ピザ、クリームパスタ、ラザニア、サラダ、そして、スープと言うよりは煮込み?洋風煮込み、シチューか。
よく見ると、全てが秋風。
「よくわかったね、今の時期のみのものを多用したよ。秋満載だね。」
わざわざ俺らのために?(ガク)
「明日、帰るんだろ?」
「聴いていたんですか、、どこまで届くんだよ妖精の魔法って」ガク
「あっはっは、シューレとか私とかくらいになったモンだけだよ。安心おし」
そーですか、、万年級のみですか、、
「いやそこまでは届いていないけど」
1万年後にまだ存在している可能性高くね?
「・・・・・・・・・・・・すこしは、、」
「ガク、、ケースが戸惑ってるぞ?念話とか判ってるみたいだけど、内容がわからないからな」
「あ、ああそうだね・・・。いやー、喋らないでいいってのは結構楽なんだよなー」
「そうだね、それは言えるね。かなり楽だね」おっかさん
「そーいえば、おっかさんのお名前なんてんだ?」泉さん
「言ってなかったかい、、ピザ・とーすと
「脚下っつ!!!!きゃっかだきゃっかぁああああ!!!」
「安易すぎたかい?」
「舐めきっているよっつ!!」
「んじゃ、何がいいかね?」
「いえ、ふつーに昔から名乗っている名前を教えてください。じゃないとシューレに訊きます」
「あ、そうか、、しかたないね、、グレゴーリナ・アスタマニャーナ、だよ・・。」
あすたまにゃーなって、、、
「・・・だから言いたかなかったんだよ、やっぱり知っていたかい。けどね、こっちに来た当初はそうおもって毎日がんばらなけりゃやっていけないほどきつかったね。
いつもそれをいつの間にか口にだしていたらしく、アスタマニャーナとかよばれ出してね、ここの親に付けてもらったグレゴーリナは捨てがたく、家名が無かったからアスタマニャーナを家名にしちゃったんだよ。アスタマニャーナ、まさしくそのとおりでさw」
「転生者だったんだ、、」
「ああそうさ。この嬢ちゃんもあたしと似た方向に行ってるんじゃないかい?」
「まぁ、そうみたいっすね」
「まだ決まっていはいない・・・」泉さん僅かに抵抗w
「んじゃ、イタリア?」
「そうだよ、だからパスタなんだよ」
「美味いわけだわ、、」
「いや、料理人じゃなかったからね。でも味だけは覚えていた。それが向こうからの唯一の財産だね」
「ですねぇ」
「だな」泉さんも転生者だからわかるのだろう。泉さんは同様に剣技を覚えていたから。
「娘はアニエッラってんだよ。仲良く頼むね」
「任せろ」泉さん
「あんたらが、・・・・いや、。さあ食べな、冷めちまうよ!」
「「「いただきますっつ!!」」」
その後食後の果物の後にタルトを出してくれ、その後果実酒も出してくれた。
泉さんがシューレに貰ったストレージに忘れていた干し肉を出してつまみにしようとしたら、アニエッラが少し炙ってくれた。娘は食べることも妖精らしいが、でもおっかさんの子らしく、気がつく子になってるように見えた。
グレゴーリナもアニエッラも一緒に席についている。
アニエッラは果実酒は好きだが、酒は「まだ美味しいとは思わない」だそうだ。
「そーいえば、おっかさんはほぼシューレと一緒なんでしょ?」
「何が?とか言えちゃう質問だけど、わかるから、そーだと答えよう」おっかさん
「転位もできちゃうの?」
「そうだね、そう言えばできたね、、」
忘れてたのかよ
「んじゃいつか、ウチの村に娘さんと遊びに来てよ」
「あー、シューレの店があるって言ってたかね。うん、お邪魔させてもらうよ・・・・・・・というか、あんたら王宮に帰るんだろ?送ってってやろうか?」
「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」俺、泉さん
「何、その手があったかっ!!みたいな顔してるんだよ。いいよお安い御用さ。」
「いいのか?すごく憑かれるとかないのか?」泉さん
「・・・・・疲れはしないね、その程度で魔力が不足とか妖精じゃありえないよ。シューレ、すごかったろ?」
「ああ、いろいろ、すさまじいな、奴が本気でノリノリになると・・・」泉さん
「ロボか・・、あたしも加わりたかったねぇ、」
いややめてくださいとんでもないことになってたと思う。
「そうかい?案外面白いことになってたかもよ?」
意味一緒!
明け方まで飲んでそのまま寝てしまった。
「おはようございます、がくさ・ん?あさですよー」
鈴の音の様な声に起こされ、
「う、うーーーん・・・、もう朝?。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・おやっつ????」
農国王宮の俺たちが借りている部屋だ。迎賓館ではなく、アニャータが貴族の娘なので王宮でいいと。
「昨晩、国境の街のグレゴーリナ大精霊様が3人を届けてくださいましたよ?」アニャータ
3人?あ、ケースさんも?いいの?大丈夫かなあの人、、仕事放置だな、かわいそうに。
朝食を食べに行こうと下に降り、ダイニングに行く。
「おはようございます」と声を掛けながら見渡す。おう、などの返事をいただく。
王様、将軍様、領主様。農国のお后様は最初からあまり出てこない。アニャータによると、将軍様と領主様と一緒にいるときは邪魔になるからだと。「わんぱく坊主の集まりみたいになってますからね」だとのこと。上手いことを言うw
そしてグレイス公爵。隅っこに控えめに座っているのがケースさん。帰るに帰れないのかな?かわいそうに・・。
なので、ケースの側に座る。泉さんはケースの逆側に座ってる。
誰も「こっちゃこう」とか言わない。俺が意図的にケースの側に座ったのを判っているからだ。で、その意図を尊重してくれているからだ。
アニャータは俺の隣に座る。
アニャータの斜め向かいに公爵。
俺らの前にナプキンとフォークやスプーンなどがセットされた。
皆は先に食べていたので、何が出てくるのかはわかる。
スープが来た。
一口。・・・二口。
ケースの顔より少し前に顔を出す泉さん、こっちを見ている。
俺は頷く。
ナプキンをテーブルに置いて、
「少し失礼します」と言って立つ。
泉さんも立って、2人で厨房に。
いた。
「何やってんスカ?」
「何って、皆の朝食作ってるんだじゃないか?」グレゴーリナ
疑問形!!
「まぁ、すごく旨くて有り難いが、、いいのか?」泉さん
「まぁね、、ケセラセラ、じゃなくってアスタマニャーナだよ、あっはっはっは!!」
らしいな!
王や貴族など権力者に目をつけらた場合、逃げればいいだけさ、みたいなもんなのだろうか。
人のこと言えないけどねw似たようなことしたしww
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