上 下
348 / 409

後後219 新たな路地とお店と、、?

しおりを挟む

翌朝
農国王宮

アニャータは気が付かなかったが、侍女たちが気がついて王に報告が行って偉い騒ぎになったそうな。
壁の文字は何をどうやっても消えず、上からタールを塗って真っ黒にしても浮き出てきて、にかわを塗って板を貼ってもその上に浮き出てしまう。

「妖精の参上記念としてとっておけ」
というのが、最終王様決定。
それから国内でうまいと評判のトリミング師を探し出すプロジェクトを稼働させた。

それらを見ていた武国将軍様、
「おまえのところのトリミング師、うちのガクに教えてもらえばいいんじゃないか?」

「それほどなのか?」農国王
「奴以上に上手い者など、いくら農国と言えども居ないだろうな。」将軍

「それでいいか」
「んじゃ、帰ってくるのを待つか?」
「早いほうがいいな」
「迎えを出せヴァ?」
「どこにいるんだろ?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・
(今ココ)

それから早馬が近隣各地に向けて放たれた。


その頃
宿の一階で朝食を食べ終えたガクと泉。ケースはもう出かけている。
食後に茶をもらい飲みながら、昨晩の事を泉に話すガク。

「なーんか、ダメダメなんですよねー。」
「人なんぞ、そんなもんじゃないか?良さなどわからんだろう」
「そうなんですかねぇ、、」

「以前、モグラのブラシ作るってんで、うち(いずみ村)のクマの毛をやったろ?」
「ああ、あれはよかった。具合のいいブラシできました。」
「あの毛見て、どうおもった?」

「どうって、とても健康的で成長した雄の成体、毎日の手入れもよく行われ、風呂もほぼ毎日入っているな、って」
「毛ひとつかみから、そこまでわかるのか?」
「え?わかるでしょ?」
・・・・・・・・


外をぶらつく。
街の一日はもうとうに始まっている。
朝の空気は昼間の空気に代わっていた。

なので裏道に入り、、
「おうケーキ屋、、、だけどあのケーキ屋か、、次の路地曲がってみるか、、」
あのごくふつーのケーキのケーキ屋をパスした泉さん。
で、先の路地を大通りと逆の方に入る。

ここにも、点々と店屋がある。
仕立て直し〼、小物作り〼、煙管制作、などの張り紙がそれぞれの戸口に見える。

「おう、少し待ってくれ」
と、煙管の張り紙の所で停まる泉さん。

どんどん、「いるかー」
顔見知りの如く、、中の人も顔見知りが来たんだと思っちゃうよね?

出てきた初老の男と話し込む。懐から煙管を出した泉さん。男がそれを手にとって見る。頷く。
「んじゃ、よろしくな、夕方でいいんだな?」
「ああ、だいじょうぶだ」

また路地を奥に向かいながら、
「手入れでも頼んだんですか?」
「ああ、そんなところだ。永く使っているからな、あと少し長過ぎる。」
改造ですか。

くんくん、、お、そこだ、、
と泉さんがまた民家みたいなところに入っていく。

ガチャ、チリンチリンチリン、、
「いらっしゃーい」と声が聞こえる

入り口にはケーキは置かれていなかった。
それどころか声の主は?、
・・・のっそりクマっぽい青年がカウンターの下から現れた。

「?何か落としたとかだったのか?」
「え?・・・ああ、いえいえ、寝てて、、ほら、ここで寝てればお客さん来ればすぐわかるでしょう?」

(どっかで聞いたセリフだな?)
(ああ、あれはそーだよー、あのぶーとっちのケーキよーせーだよー♪)節を乗せてます

(でも妖精臭くないよな?)
(ひと、なんじゃないですか?)

「まぁいい、ここはケーキ屋だろ?」
「お客さん、よくわかりましたね?」
「まぁ、、これだけいい匂いさせてんだ、違ってたら怒るほどにな。」
「ははぁ、、なるほど、、」

「で?どんなケーキがあるんだ?」
「今丁度焼きあがったところじゃないかなー」
焼きあがるまで寝てたんか?火を見て無くってよかったの?!!

「ものすごくベテランなのか?・・」
「いえー、そこまでではー、えへへー」
なんか棒読みになってるのが、、、

「それじゃまだ時間かかるな?」
「いえ、タルトとパイなんで、あとは切り分けるだけ。」

「お、んじゃ、俺に両方共1切れずつ」
「俺も同じく。あとそれに合う茶があればください」
「えっと、タルトも、パイも3種類あるけど、、」
・・・・「「全部ひと切れづつ」」

その部屋にはテーブルが3つしか無く、部屋も民家の居間そのままくらい、、12-18畳?くらいの狭っちさ。

とても質素な皿6つをうまく運んで来る。
「先にパイだ。甘くないのもあるから。今日のタルトは甘いのだけだから後だ」

「この店、客来るのか?」
ちょっと泉さん?

「ああ、店で食べないだよ。お客さんは皆持ち帰る。皆自分でデカイ皿持ってきて、俺がそれに載せる。」
「・・んじゃ、俺らが、ここで食べる初めてか?」
「・・・・・・・・いや、昔、、誰かがここで食べたっけ、、かな?」
(妖精じゃねーか?)
(・・性格は妖精そのものっぽいですねぇ、、)

「まぁ先に食べたほうがいい、せっかくの焼き立てだ」
「おう!そうだなっつ!!」
「いっただっきまーす!」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

チート幼女とSSSランク冒険者

紅 蓮也
ファンタジー
【更新休止中】 三十歳の誕生日に通り魔に刺され人生を終えた小鳥遊葵が 過去にも失敗しまくりの神様から異世界転生を頼まれる。 神様は自分が長々と語っていたからなのに、ある程度は魔法が使える体にしとく、無限収納もあげるといい、時間があまり無いからさっさと転生しちゃおっかと言いだし、転生のため光に包まれ意識が無くなる直前、神様から不安を感じさせる言葉が聞こえたが、どうする事もできない私はそのまま転生された。 目を開けると日本人の男女の顔があった。 転生から四年がたったある日、神様が現れ、異世界じゃなくて地球に転生させちゃったと・・・ 他の人を新たに異世界に転生させるのは無理だからと本来行くはずだった異世界に転移することに・・・ 転移するとそこは森の中でした。見たこともない魔獣に襲われているところを冒険者に助けられる。 そして転移により家族がいない葵は、冒険者になり助けてくれた冒険者たちと冒険したり、しなかったりする物語 ※この作品は小説家になろう様、カクヨム様、ノベルバ様、エブリスタ様でも掲載しています。

祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活

空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。 最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。 ――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に…… どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。 顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。 魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。 こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す―― ※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。

異世界転生はうっかり神様のせい⁈

りょく
ファンタジー
引きこもりニート。享年30。 趣味は漫画とゲーム。 なにかと不幸体質。 スイーツ大好き。 なオタク女。 実は予定よりの早死は神様の所為であるようで… そんな訳あり人生を歩んだ人間の先は 異世界⁈ 魔法、魔物、妖精もふもふ何でもありな世界 中々なお家の次女に生まれたようです。 家族に愛され、見守られながら エアリア、異世界人生楽しみます‼︎

料理スキルで完璧な料理が作れるようになったから、異世界を満喫します

黒木 楓
恋愛
 隣の部屋の住人というだけで、女子高生2人が行った異世界転移の儀式に私、アカネは巻き込まれてしまう。  どうやら儀式は成功したみたいで、女子高生2人は聖女や賢者といったスキルを手に入れたらしい。  巻き込まれた私のスキルは「料理」スキルだけど、それは手順を省略して完璧な料理が作れる凄いスキルだった。  転生者で1人だけ立場が悪かった私は、こき使われることを恐れてスキルの力を隠しながら過ごしていた。  そうしていたら「お前は不要だ」と言われて城から追い出されたけど――こうなったらもう、異世界を満喫するしかないでしょう。

神獣に転生!?人を助けて死んだら異世界に転生する事になりました

Miki
ファンタジー
学校が終わりバイトに行く途中、子供を助けて代わりに死んでしまった。 実は、助けた子供は別の世界の神様でお詫びに自分の世界に転生させてくれると言う。 何か欲しい能力があるか聞かれたので希望をいい、いよいよ異世界に転生すると・・・・・・ 何故か神獣に転生していた! 始めて書いた小説なので、文章がおかしかったり誤字などあるかもしてませんがよろしくお願いいたします。 更新は、話が思いついたらするので早く更新できる時としばらく更新てきない時があります。ご了承ください。 人との接し方などコミュニケーションが苦手なので感想等は返信できる時とできない時があります。返信できなかった時はごめんなさいm(_ _)m なるべく返信できるように努力します。

異世界でのんびり暮らしてみることにしました

松石 愛弓
ファンタジー
アラサーの社畜OL 湊 瑠香(みなと るか)は、過労で倒れている時に、露店で買った怪しげな花に導かれ異世界に。忙しく辛かった過去を忘れ、異世界でのんびり楽しく暮らしてみることに。優しい人々や可愛い生物との出会い、不思議な植物、コメディ風に突っ込んだり突っ込まれたり。徐々にコメディ路線になっていく予定です。お話の展開など納得のいかないところがあるかもしれませんが、書くことが未熟者の作者ゆえ見逃していただけると助かります。他サイトにも投稿しています。

『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?

釈 余白(しやく)
ファンタジー
HOT 1位!ファンタジー 3位! ありがとうございます!  父親が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。  その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。  最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。 その他、多数投稿しています! https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394

積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!

ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。 悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。

処理中です...