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後後173 俺もついていくぅ! 南部領
しおりを挟む領主様が南部領に行くという。
「んじゃ、俺が護衛に付くのは当然だな。だからついていくと言ってきた」
と、泉さんが朝食の時に言った。
領主様はまだこっち(小館村)の別荘に居る。
将軍様がこっちの離宮に居るので、少し心配で戻れない。
ドラゴニアの客達はまだひっきりなしで、なんか二周めに入っているとかいないとか、、エンドレスかと!!
今回の件は、東武領と南部領の物流などの案件をうまくどうにかしたいんで、領主同士話し合うのがいいな、となったとな。
で、南部領は良港を持っている。
魚が美味いのだ。
生で食えるのだ。
刺し身というわけ。
「もちろん俺も行きます。領主様の学者としてついていかないわけにいかないのだ!」
「?いくのかいかないのか、どっちなのだ?」
「もちろん行きます!」
「んじゃ、領主様に許可貰ってくれば?」
がばがばがばがばがばっ!!!
メシをかっこんでいたら、
ガラガラガラ、、
「朝飯おくれ」
領主様、どっかのおっちゃんみたいに入ってくる。
知らん者が見たら、そこいらのおっちゃんだろう、ちょんまげの形以外。
らっき!
タタタ!!シュタッつ!(敬礼)
「ぼーひゅはまぼぶ、ぶっ、、
「急ぐな、全部飲み込んでから言え。ゆっくりでいいから。焦るな。」領
もぐもぐもぐもぐもぐ
ずずずー、と茶をすすって待つ領主様
ごっくん!
ほれ、と、横から泉さんがガクの湯呑みを持ってきてくれた。
ごくごく、ごっくん!
ぷはぁ!
「・・・・・えっと?」ガク
「なんか、話があるんじゃなかったのか?」R
あ
「そうです!!大事なっ!!わたくしも同行させてください!!あの南部に!!南部へ!!」ガク
いいけど、、どこがこやつをそこまでそそらせるのか?
と疑問な領主様
「いいが、、、モフ放置でいいのか?」少しいぢわる言ってみるR
「・・・・背に、背に腹は変えられませんっつ!!!」血の涙を流すガク
いいけど、”代える”だぞ
「なぁ泉、なぜガクはここまで南部にそそっているんだ?」
と、いつの間にか横で茶をすすって眺めている泉に聞く領主様。
「ああ、ここんとこ平和すぎたし、飽きたんでしょう、、しかも南部は刺し身が美味いし、」
「あ?刺し身だと?そう言えば最近食べていないなぁ、、うまいのか?その南部のは」
自分で転移出来るシューレがそういうことを言ってくる。
一人でふらつくのが好きではなくなったのだろう。こっちでまとまってバカやりながらの移動とかばかりだったので。
「そりゃ
「ウンマイでゴんっす!!冷やでも熱燗でもなんでもいいでありゃーっす!刺し身だけじゃなく、鍋も美味いっす、新鮮なのは鍋でもわかるうまさっつ!!焼くぅ?美味いどころじゃないね?粕漬けとか味噌焼きとか、古くなった魚を食う手法を使っちゃったとしても、やっぱとれたてを隠すことは出来ないうまさ!!」
逝っちゃってるガクに見える
「ホントか?」シューレ、泉に訊く
「ああ、まぁ、、わかるほどの違いはあるな、、ここまで逝くのはどうかと思うが、、猫でもここまで逝かねーんじゃね?」
まぁ、、どっかに行って物珍しさを堪能したんだろうなぁ、、出る癖がついてしまったか、、と思う領主様
「まぁ、、出る時は一度こっちに寄るから、通り道だし、、用意はしておけ」R
「ガッテン承知でございます!!」ガク
店に居る皆は呆れてみていた。
ガクせんせー、なんか逝っちゃってるよ、、、って。
「領主共、私も同行を」シューレ
「それはもちろん。数日後、こちらに寄って出発しますので」領主様
ーー
カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ
幾度改良されたのだろう、今の最新型高速馬車はとても静か。小さななんかのカタカタ音がするだけだ。
ガちゃ、ぐいぐい、バン!、かちゃ、
・・・・・・・・
カタカタ音がなくなった。
「すごいっすね泉さん、直っしゃった?」
「おう、俺も気になってた、、で、見ると窓の引っ掛けに遊びがあったからな、」
ぐいぐい押してひん曲げてぴったりにしたのか、、
風切り音と、窓から入ってくる速いテンポの蹄の音が小さく聞こえるだけ。
密閉度がかなり高い。冬の暖房を考えてのことだろう。
暑い季節は壁を外して通気を良くすればいいのだ。
「これも試験車両ですか?」ガク
大体、新型第一号車は領主様に納入される。もしくは改良型の場合、領主様の馬車を改良する。
「おう、いいだろ?今回のはすごいな。乗り心地抜群になっている。他国の王達もびっくりだろうな!」R
「ウチの王様は?」G
「まだ知らない?」R
・・・・
「いーんだよ、ドラゴン王達と楽しくやってるのだから。」R
「そのドラゴン王達にも見せりゃ自慢できるのに、、」泉
「!!!!!・・・・・・・・」R
気づかなかった?
一方、シューレにはこの凄さとかいまいちピンと来ない様子。
まぁこういうのは男が好きなことだからな。
「道も更に良くなっていると見えるが、、」シューレ
「ええ、交通量が多いので、常に手入れしてまして、新しいやり方をその都度使って見て試しています」領主様
「ほう、、なかなか、、、」
シューレも実験好きだからな!
実際、前の世界のコンクリの道ともう変わらないくらいに見える。
土地にも悪くないし、と、百姓的思考をしてしまうのは仕方がない♪元プロの卵だし!!
石灰分だからな!
「馬に、面やらがかぶさってるが?」シューレ
「ええ、かぶせとくと疲れが違うようです。先頭の馬は風に当たりっぱなしですからね」領主様
ええ!熊、そこまで考えているの?!!!
「大田とか福田とかのアイデアかもしれんぞ?」泉さん
なるほど、、レースがらみで大田さんかもなー
そんなこんなで夕刻には領境の山の麓の街に到着。
・・・・
「以前、ここから領都まで2日掛かったとおもうけど、、」ガク
「そうだったか?」そういうの気にしない泉さん
「馬、交換していないで?ここまで走っちゃったの?あんな硬い道を?あの距離を??」
「何驚いてるんだ?ガク。あの道用に蹄鉄も改良されているんだぞ?馬の足に負担がかからんように」R
まじっすかっつ!!!!
愕然だね!!呆然だね!!どこまで馬車を進化させるの?!!そのうち空飛んでも驚かねーぞもう、、、
「あっはっは!それはいいな、、そのうち熊と話してみよう!」と、シューレ
・・・・・・・・・・・・・
俺の心を読めない領主様まで、なにかはわからないが、どういった感じか判ったようで、、ジトメで見てくる、、
「さあ、風呂とメシだ!」泉さん
ぞろぞろと、そこの宿に入る。
名主には前もって言ってある。
こういう場合、通常名主の家とかに泊まるのだが、東武領領主は一貫して宿に泊まることにしている。
負担かけたくないから。ただ、名主などそこの長に挨拶には行き、話を訊く。何か有れば改善の手助けなどを約束し、それは必ず守られ、後に遂行される。
領主様が名主のところに行くのは明日だ。だからガク達は明日の、少なくとも午前中はフリータイムになる。
宿はごくフツーの。質素倹約な領主様だからね。理由があれば別だが。
で、外の銭湯に行き、、、、
温泉でござった!
「ん?以前はここに止まらなかったのか?」領主様
「泊まったはずですが、あまり覚えていないかも、、、」
・・・・
よかったな周囲に現地の者がいなくって。と領主様。
覚えていない、とか言われりゃ悲しいよな?
悪いとこでも覚えられる方がマシだろう。良くすればいーんだし。
宿に戻ると、、、
メシは、ここからもう刺し身が始まっている!
峠超えがあるから一日経っている魚だろうけど、、うまいなぁあ!
と、ガツガツな泉とガク
そうだよな、、旅の始まりを実感するのは、
メシが地元のと違う、ってはっきり判るときだよなー
合わない時もあるけどなっつ!!
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