274 / 409
後後148 ごっこ王宮。
しおりを挟む今日はガクは朝食後、素直にトリミング小屋を開店させていた。
もう余計な事しない!と、心に決めたのだ。
なんか旅から戻って、あまり良い出会いはない。西の大陸でのドラゴニアくらいか?マシだったのは。でもありゃ日のいする国国王の親戚だからな、出会いと言うかまー、、。
「今は動いちゃいけない時期なんだ。きっと。」
とガクは思った。
動かなきゃ大丈夫だと思いたいわけである。
午前中は、あとの順番の人(人狼)たちも早めに来て茶を飲んでだべって待っている。
まぁ、言うなれば老人の寄り集まり場になってる。
狼に変態しちゃえば可愛いモフだけどな。・・もふだけどな、、
・・・・
・・・・もふ、と、もぐ、、、
これか?
これで、あの、へんなのを出したんか?・・・
っっろっくでもねーーーーっつ!!!
原因の、というか理由の一つが判明し、納得行かねーけどわかっただけまあ安心感は少し多めに、みたいになったんでよしとして、
ガクが老人狼のたわいない会話にまじりながら幸せなモフリミングを楽しむ今日を送っている頃、
王都では
「セバスチャン!セバスはおるかぁー!」
と王宮に声が響く。
「はい、これに」
シュタッと現れた老執事。
本名、源次郎・バスチャーヌ・シュッタルト。父の家系を農国に持ち、母の家系を武国に持つダブルである。母方祖母は現国王(将軍)の家系。時期王の育成を前王時代から任されている。
よって、よって呼びつけたのは姫。
姫は最近博子に染まって、ごっこにはまっている。
今はなんだかしらんが、源次郎をセバスチャンと呼んでいる。
源次郎は最初、セバスちゃん、だと思っていた。なんか幼き子になったような気がしたが、セバスチャン、で名前らしい。
その名前だと幼児時代は、セバスチャンちゃん、と呼ばれて、周囲がめんどくさいんじゃあないかな?とも思った。
現王の子供時代は分かりやすかった。ストレートだったから。子供の頃から武人そのものだった。
姫も、最近まではその気が強かったが、、なんか、博子が来てからおかしな方向に行き始め、源次郎も掴みかねている。
なので博子ともよく会話し、傾向を知ろうと努力してみたのだが、、アホ?なんです、みたいな感触しか未だつかめていない。脳筋系アホに近いので安心は安心だろうとは思う。
まぁ、つきあってればそのうちわかるだろう、とは思っているのだが。
「戦だ!戦にいくぞー!」姫
姫、一体今度はなんのごっこなのだろう?まったくわらん、、、と源次郎。でも武人系なので一応系統としては予測しやすい方なので助かった、と思った。
「姫、どことの戦に赴かれるので?」源次郎
「うむ、良いことを訊くな!それをセバスに頼もうと呼んだのだ!」姫
よくわからない、、見回しても博子は居ない。さてはあやつ、面倒臭がって適当に姫に押し付け放置したな?
よくあるのだ。
「姫、その意気は大変よろしゅうございます。が、今、我が国はとんでもなく平時でございます。戦と平時は糾える縄のごとく、その流れを乱すのは天の意思に逆らう如く、、、いかがでしょう?魔獣平定で民の安寧を助けては?」
「・・・うむ、、仕方がない。平和を乱すのは余の目指すものでもない。民の安寧こそ国の要じゃ。」
途中が少し抜けている気がするけどまぁいいか、乗ってくれたから、と源次郎。
この辺が「ごっこ」でもなりきっていないところで、最近は少し物足りないセバス源次郎である。
「博子を呼べ!ひろこー!!」姫
呼べと言っておきながら、めんどくさがって自分で呼んでしまう姫。
もっとなりきってほしいものだ、と、ここでもセバス源次郎は思った。
瞬時に現れる博子。
近くから見ていたのであろう。さきほど、セバスが姫に呼ばれてここに現れてからなーんか付近でワクワクした気配がしていたのだ。
(こいつ、、、)と源次郎セバス
「魔獣討伐に行くぞ!馬をもて!」姫
は!すぐに!とか言ってにこにこしながらシュタッと消えていく博子。
このように天賦の才はあるのだが、、いかんせんおつむが、、、と、博子の素質を目にするといつも残念に思えて仕方がない源次郎。
姫もすたすたすた、、と玄関の方に行ってしまった。
はぁ、、どっからあーゆーネタを持ってくるのだろうか?
それが知りたい。その話を読むことができれば、もっと良く、徹底した演技もできるだろうに、、、
いかんせんネタ元が博子だ。無理である。
以前、ごっこだとまだ知らない頃、わけわからず途方に暮れていた源次郎は姫に解説されたことがある。その時は、伊豆ヴァローン伝説という温泉の話だろうと表題からは察するのだが、全く違くって、えすえふ?なんか、当時の世の全てのSFとファンタジーを愛する少女達が泣いたとか、、女子に限らずSF男子まで総じて泣いたとかどーとかいうほどの名作で、今も歴史にその名は冠たるものとして輝いているとかどーとか、、今でも全くわからない。でも姫は、そういう解説を博子から受けてわかっているらしい。すごい能力である。
それから伊豆のおどり子号とかいう、移動宴会馬車の話だった。それももっと理解不能だった。なぜ焚き火を飛んで超えるのが見せ場なのだろう?宴会芸なのだろうか、、、。そう言えば、どこかの民族に焚き火を素足で踏んで歩いて成人の儀式にしている、とか聞いたことがあるような、、似たようなものなのか?。
で、向こうでは「伊豆」が付くと評判になるんだろうか?
セバスがそう思考しながら仕事に戻ると、将軍が通りかかった。
「あ、セバスセバス!、」
将軍までセバス呼びである。今回のごっこは範囲が広いのかな?将軍もなんか役どころを与えられているのだろう、、
「おまえ、見当ついた?さっき姫と話していたろう?」将軍、つまり姫のお父様だ。
将軍とはおむつ替える時代からの付き合いの源次郎。
「残念ながら、初回接触でしたのでまったくもって。武家方向かな?とは思いましたが」源次郎
「だよなぁ、、俺もまったくわからん、設定くらい教えてくれないと対応に困るわ、、、」
「まぁ、姫と博子のコンビなので、、なにか心のシンクロみたいな感じでその物語をわかりあっているのでしょう。余人にはそこまで入り込めないと、、」
「はぁ、、最近で、もっとも脳みそつかうわ、、、速攻で分析しなけりゃならんよな、、相手してみて反応がよくないと、あ、間違ったー!ってなるし、、、、」
「それです。かと言って漠然としすぎた対応すると不満みたいだし、、」
「それなー、、しかも、俺ら毎回役割あるだろ?」
「それですねぇ、、役付けされると、外から見学して方向性を見るとかやりにくいです。」
まぁなにか見当ついたらまた話し合おう、と2人は別れた。
もし、ここにガクがいたら、博子と同じ世界で同じ世代なので、幾分は見当が付いたかも知れない。
ガクは基本昭和のおっさんギャグ系だが、同世代のを全く知らないというわけではない。伊達にオールラウンダーガクと自称していたわけではない。
うそだけどw
でもそこそこきっちりやらないと気がすまないタチなので、博子に追求に追求を重ねて再現し、本棚埋め尽くすくらいまでやっちゃいそうである。そこまでになるともうライフワーク級。
いなくてよかったね!
というか、ちゃーんと、分けてくれてるんだね、混ぜたら危険な3人。大田、博子、ガク。
0
お気に入りに追加
148
あなたにおすすめの小説
チート幼女とSSSランク冒険者
紅 蓮也
ファンタジー
【更新休止中】
三十歳の誕生日に通り魔に刺され人生を終えた小鳥遊葵が
過去にも失敗しまくりの神様から異世界転生を頼まれる。
神様は自分が長々と語っていたからなのに、ある程度は魔法が使える体にしとく、無限収納もあげるといい、時間があまり無いからさっさと転生しちゃおっかと言いだし、転生のため光に包まれ意識が無くなる直前、神様から不安を感じさせる言葉が聞こえたが、どうする事もできない私はそのまま転生された。
目を開けると日本人の男女の顔があった。
転生から四年がたったある日、神様が現れ、異世界じゃなくて地球に転生させちゃったと・・・
他の人を新たに異世界に転生させるのは無理だからと本来行くはずだった異世界に転移することに・・・
転移するとそこは森の中でした。見たこともない魔獣に襲われているところを冒険者に助けられる。
そして転移により家族がいない葵は、冒険者になり助けてくれた冒険者たちと冒険したり、しなかったりする物語
※この作品は小説家になろう様、カクヨム様、ノベルバ様、エブリスタ様でも掲載しています。
祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活
空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。
最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。
――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に……
どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。
顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。
魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。
こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す――
※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。
異世界転生はうっかり神様のせい⁈
りょく
ファンタジー
引きこもりニート。享年30。
趣味は漫画とゲーム。
なにかと不幸体質。
スイーツ大好き。
なオタク女。
実は予定よりの早死は神様の所為であるようで…
そんな訳あり人生を歩んだ人間の先は
異世界⁈
魔法、魔物、妖精もふもふ何でもありな世界
中々なお家の次女に生まれたようです。
家族に愛され、見守られながら
エアリア、異世界人生楽しみます‼︎
料理スキルで完璧な料理が作れるようになったから、異世界を満喫します
黒木 楓
恋愛
隣の部屋の住人というだけで、女子高生2人が行った異世界転移の儀式に私、アカネは巻き込まれてしまう。
どうやら儀式は成功したみたいで、女子高生2人は聖女や賢者といったスキルを手に入れたらしい。
巻き込まれた私のスキルは「料理」スキルだけど、それは手順を省略して完璧な料理が作れる凄いスキルだった。
転生者で1人だけ立場が悪かった私は、こき使われることを恐れてスキルの力を隠しながら過ごしていた。
そうしていたら「お前は不要だ」と言われて城から追い出されたけど――こうなったらもう、異世界を満喫するしかないでしょう。
神獣に転生!?人を助けて死んだら異世界に転生する事になりました
Miki
ファンタジー
学校が終わりバイトに行く途中、子供を助けて代わりに死んでしまった。
実は、助けた子供は別の世界の神様でお詫びに自分の世界に転生させてくれると言う。
何か欲しい能力があるか聞かれたので希望をいい、いよいよ異世界に転生すると・・・・・・
何故か神獣に転生していた!
始めて書いた小説なので、文章がおかしかったり誤字などあるかもしてませんがよろしくお願いいたします。
更新は、話が思いついたらするので早く更新できる時としばらく更新てきない時があります。ご了承ください。
人との接し方などコミュニケーションが苦手なので感想等は返信できる時とできない時があります。返信できなかった時はごめんなさいm(_ _)m
なるべく返信できるように努力します。
異世界でのんびり暮らしてみることにしました
松石 愛弓
ファンタジー
アラサーの社畜OL 湊 瑠香(みなと るか)は、過労で倒れている時に、露店で買った怪しげな花に導かれ異世界に。忙しく辛かった過去を忘れ、異世界でのんびり楽しく暮らしてみることに。優しい人々や可愛い生物との出会い、不思議な植物、コメディ風に突っ込んだり突っ込まれたり。徐々にコメディ路線になっていく予定です。お話の展開など納得のいかないところがあるかもしれませんが、書くことが未熟者の作者ゆえ見逃していただけると助かります。他サイトにも投稿しています。
『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?
釈 余白(しやく)
ファンタジー
HOT 1位!ファンタジー 3位! ありがとうございます!
父親が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。
その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。
最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。
その他、多数投稿しています!
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394
積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!
ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。
悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる