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後後121 王都・・・

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翌朝一番の馬車に乗った。
次の町は王都だと停車場で聞いた。
教えてくれた者は、デカイぞ!食べ物も美味いぞ、でも高いけどなー。へたすりゃ倍とられる。けどうまいけどな。銭湯もあるし!」と教えてくれた。

何がうまいかと訊くと、
「食事は大概どこでも何でもうまい。ケーキとかもあるぞ!?、これも高いけどなっ!!でもうまいっ!!。」
酒は?と泉さん
「あー、酒蔵はあるし、造り酒屋のどぶろくもなかなかいいな。でも高いの飲んだこと無いんで、俺の飲んでるのはここいらとさほど変わらんなぁ、、」

「まぁ、、旨く飲めるけどな、、ここいらでも」
「そう思うんなら大丈夫だ!あっはっは!!」
いや、幼女相手に普通に酒の話するなよ? でも泉さん相手にする者って、皆泉さんがおっさんに見えているじゃなかろうか?

馬車は俺らでほぼ満員になり、あと4人だけ一般のお客さん。こっちでは屋根の上に荷物を乗せる様だ。雨も少ないんだろうな。
昨日より道が良い。王都との道なので整備されてるんだな、、ただうるさい、、石畳なので。

朝早く出たんで、すぐに皆こっくりこっくりしはじめる。こっくりさんってココから来たのかな?狐に憑かれて本人の魂は寝てしまうとか?ねーよw
ふぁぁー、眠い、、


「休憩でーす。」
との声で起きた。
馬車が道の脇に停まる。
うん、茶屋。毎度のおんなじような作りの。

でもやはり蕎麦はなく、、スープとパン。
泉さんも物足りなさそう、、若手も見ても、、一部は物足りなさそう、、旅を知っているんだな。
泉さんは当然冷酒を飲んでる。(こっちは、冷=常温。江戸時代と一緒)

茶屋の周りにはのっぱらだけではなく、畑も広がる。王都近くだからかな。
向こうには池も見える。用水以外に魚の養殖はしていないのだろうか?そう言えば泉さんは甘露煮とか焼き魚とか注文していない、それが無い、養殖もしていない?
まじ「食」に対して、あまり興味は無いのかなぁ、、

程なく馬車はまた走り始める。
食後なので、また皆ウトウトし始める。
疎(うと)い、とかって、、眠くなって脳が働らかなくなって忘れたりするから、ウトウトから来たのかなぁ、ふぁぁあ、あーい、すうぇーにょ、、、
すうぇーにょって、、、、、ぐーすかぐーすか、、、

クシュン!
泉さんのくしゃみによって起きるガク。

あ、王都だ、、
郊外なのか、畑の合間に農家だろう、民家が見える。民家が纏まっている場所もある。
畑は綺麗に手入れされている様子。
努力が見える割には、みのりの具合が今ひとつなのはもったいないなぁ、、とか思うガク。

どんどん民家が多くなり、街みたいになってきた。
ほどなくでっかい門をくぐり、停車場に着く。

御者に宿の多い場所を訊く。泉さんが「良い宿教えて欲しい」と頼むと、やっぱ幼女のなりが利くのか、美味しく安全な宿を教えてくれた。
当然のように中央市場の近くだった。

「で、美味い酒屋は?」と続けて訊く泉さん
一瞬驚いた顔の御者だったが、、
「ああ、路地を適当に入って市場の裏手に行ってみな、蔵もあるし、小さな造り酒屋もある。混んでない所は玄人向けなので厳しいぞ?」と御者。

うむ、、へんな方向に行きそうだ。


宿の部屋を確保し、銭湯の場所を訊き行く。すぐ側だった。
なぜどこでも市場の側には少なくとも一つは銭湯あるんだろう?
宿が多いからかな?
飯屋も多いしな!(大概は宿の一階、というか、飯屋が上を宿にしている、か、、)


銭湯は、っすがデカイ街の銭湯だけあって広い。皆綺麗に使っているようなので、湯もちゃんと透き通っているw
見ていると、皆体を洗ってから湯船に浸かっている。逝かれた街じゃなくってよかった♪!

大田さんは最初はよく叱られていたという。
「武国に行ってから風呂を村に作ってもらったでしょう?そんときに、洗ってから入りなさい!って毎回人狼達に叱られてたわ」
「日本では?」
「うちに風呂あったからなぁ、、温泉とかランドとか逝かなかったし、、、」
逝けばよかったのに、、

風呂を出て縁台に座って待っていたら、泉さんがオバハン達と出てきた。
「あらあら、おにい、、お父さん?」
「・・違いますお兄さんです、、面倒見てもらったようですね、どうもありがとうございます!!」
「いえいえ、可愛んだけど、わんぱくねー!面白かったわよ!!」
珍獣扱い?

再度礼を行って、さあ、行こうか、、、あれオータさんは?
若手が指を指す。
一番年寄りが最もきかない子供並ってのが、、あの世代だよなっつ!!!!

捨てていこうかと思ったが、宿を探し出せるだろうから無理だなと思い直した。
うん、領主様が俺に押し付けたんだね!今やっとあのときの領主様の目論見がわかったよ!!
多分「躾けろ」だねっつ!!!
今なら返事できるのに、、「無理っつ!!」ってな。
あの世代が国をも滅ぼしているんだと、帰ったら領主様にコンコンと説いて聞かせなきゃな。

まぁ、今の世代もあの海に面した蒸気機関戦車とか蒸気機関潜水艦形状の船とかの支配者だった奴みたいなのも少ないくないけどなー、、
・・・どの世代もヤバイのかよ、、、
、、泉さんの時代も長州みたいな逝かれた集団も常備していたし、、

まっいっか、、今更♪

などとへんなこと考えながら混んでいる食堂に入る。
俺らが泊まる宿も飯ウマらしいが、明日の朝でも明日の晩でも食えるので、外に出た時は基本そこらで食う。よさそうなのがなかったら宿に戻る、が基本。

かなり混んでいて、席が無いかな?

「お客さん、ここでいいかい?」
店の人だろうな、窓際に用意してくれている。
「すまんな、」泉さん

「うまいもの、適当にこの人数が腹いっぱいくえる分、それと冷酒とりあえず2つ。猪口7つ。甘露煮とかあったら嬉しいが」
「譲ちゃん半端なく通だね?あるよ、あまり出したくないやつなんで、品書きにもないだろ?でも待ってな、酒もそれに合わせるからな」
とおっさんはいそいそ戻っていった。

「あれも酒飲みだな」泉さん
類友だなぁ、、こいつら、、

出てきた料理はなんか、肴っぽいモノがおおかった。
ガッツリメシと肉とか食いたかったんですけどー、、、
次回から、ここは「飲みに来る店」だな。

まぁ
旅は「ひと」と「めし」だ。あとは余録みたいなもんだ。
そして、良いひと、と、良いメシ、は大概、一組みのようになっている。

少なくはない国々、街々を見て、滞在し、そこの人びとと交わり、少なからずのことを経験し知った。
街を見れば、そこの人はその街を体現したような者達がほとんどで、、、

街は人で作られ、ひとは街に染まることも。

大都市、王都などは、ある程度以上になると、街が人臭さを発しなくなる。
そういう街には居るべきではないな、と俺達、少なくとも俺と泉さんはそう思う。

ーー

翌日。
朝食は宿の一階の食堂で食べる。
洋食だが、、朝からお魚のムニエルとか、、、めんどくさくないのかなぁ?
開いて、頭と骨を取った中くらいの、、さんまくらい?の大きさの魚のムニエル。

うん、一応バターも使っている。植物油とバターみたいだ。
川魚に合う香草を使って、うまく味が出ている。
あれだな、シューレが少し喜ぶくらいじゃね?

「泉さん、、」
「おう、これはまぁ、こっちじゃ見ないレベルだな」
農国ならばここまで感心しなかった。この大陸だから、ここまで考えながら作るのは珍しいのだ。

「この、王都、、」
「ああ、少し滞在しよう」泉さん

やっと面白そうな街だ。
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