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後後84 毎度のいきあたりばったり 楽器

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「居所がない、、、」
ここはシューレの食堂。
俺らが帰郷してから数日が経っている。

目の前に座るのは、酒を飲みながらとても美味い肴をうまそうにつまむ泉さん。

「もぐもぐもぐ、、、そりゃ、、ごっくん、、仕方ないじゃないか?居ないんだもん、」
とくとくとくとく、ぐびっ、、ぷふぁー、、

「おまえは、トリミングという特技を持ってるじゃないか。それだけでも十分モフれるだろう?」
「まーそーだけど、、かまってもらえるの夜だけだもん、、、」

ぜーたくなやつだなぁー、、とつぶやく泉さん。
そー言われればそうだけど、、

「おまえ、音楽でもやれば?笛とか吹けないのか?」
「ふけるけど、、」

「細い竹、取ってきて乾燥小屋にぶち込んどいて、いい感じになったら節抜いて穴開けて、うまくいったら漆塗って、ほんで吹いて練習すればいいじゃん」

笛、つくるところからですか、、そーですか、、、まー、そっちのほうが面白そーっちゃ面白そーだけど、、

「まー、、おもしろそーなんで、やってみます。」
「うん、それがいい、まーいけ」
と酒を注がれた。

シューレの食堂は、今はほとんど村の人のみでやっている。メインはそんちょ女性陣で、見習いに新人達がついて、日中はシューレの教室に通っている。

シューレは、生徒がどんどん旨くなっていくのが面白いらしい。
そのうちフィジニを越えるやつをばんばん出してやる!
と燃えている。

なので、ケーキなど菓子もだが、料理の方も厳しく教えている。

「でも人間は、教えてもうまくなったら、もう死んじゃう時に近くなってるんだよなー」
とかたまにこぼしている。
周囲の人間は引くけど、シューレにしたらそうなのだから仕方がない。

「おまえら、なんかその気が見えないけど、どーしたらそーなるんだ?」
とか聞かれる

「知らんがな、俺らふつーの人間だ。そのうち年取って死ぬわい、、見ろ、昔より背が伸びて体重も増えとるわ!」
と泉さん
うん、わずかにづつだけど、毎年増えているね。でも人の子って、もっと成長早いよね。
俺もそれに気付いたの最近だけどw

俺ら外来にはなんか呪いとか掛かっているのかな?成長が遅くなる呪い、、あ、でも寿命も伸びるのかな?だったら許容範囲?ボケ神さん、長寿命を外来に与えたら、成長も遅くなっちゃった!、ってやつなのかな?やりそーだね♪!
でも周りが先に死んでいくっての、いやだよね、、あ、シューレとか、そういうの経験してるんだよな、、、

2-3日経って、領主様の所に行った。楽器を見せてもらいに。ベースになる音が出るモノがあったらいーなーと。
勿論馬に乗って。西への遠征で乗れるようになった。あの遠征での唯一の成果かもしれない、、、

領主様は喜んで楽器を見せてくれた。奥方の秘蔵品だったそうだ。奥さんが亡くなってから、楽器を判るものがおらず、放置もできないし、、かといって手放したくもない。
なので、自領でそういうものが現れるのを待つしか無かったというわけ。

「博子とか、できなかったんすかね?」
「あー、、聞いていないが、、」
うん、俺も今やつのガサツさからすりゃ、無理だと思ったわ、、がさつに合う楽器って聞いたことねぇ、あ、、和太鼓くらいか?体力勝負の人よりでけーやつ(ちっこいのは除く。ちっこいのはケニヤとかの太鼓並みに微妙さ要求されるだろうから無理w)。ふつーの楽器並みの微妙さ意味ネーもん、、つか、博子に楽器やらす意味ないからどーでもいいや。

トリミングやらせりゃ、それなりの微妙を使えるかどーかくらいは見えるのだ!子どもたちの反応は的確!
ちなみに、天に昇るような寝顔を見れりゃ、マスタークラスw!
きもちよさそーな顔させてるくらいじゃ、まだまだだね!

・・・・・
びおーらぁ?
まじ?

「領主様?、、これ、、」
「おう!秘蔵中の秘蔵だぞ!!」
まーそーでしょーが、、、

「なぜ、これが、ここに、っつーか、こっちの世界にぃ?」
「・・・・・知らんよ、、」領主様

まぁ、、そーかも、、、
俺も荷物持ってきてたんだし、、、他にも荷物持ってきた人、いたんだろーなー

弦を緩ませている。保管の時はそーしないとネックが曲がっちゃうから。ギターとかな!

弦を少し張って、
ピン!びよ~ん、、
きりきりきり、、
ぴぃーん、
きりきりきり、、
ぴぃーん、
きりきりきり



EADG、ミラレソだったっけ?

ギターだともっと楽なんだがな、、ないよな?
見回しても、それらしきケースなし。

弦切れたら仕舞いだろーしなぁ、、この世界に弦ないだろーしなぁ、、
などと思いながら、くりくりくり、弓の弦を張る

ラー、、、ピーン、クッ、ラー、ピーン
んなもんか、
高いミ、、わからんので
普通のレがいい、どーレー、、、、ぴーん、れー、ぴーん、、
なもんか、、
らー、きー、そー、きー、ふぁー、きー、みー、きー、れー、きー、どー、きー、
ヒクすぎ?クッ、きー、くっ、きー、、どー、きー、どー、きー・・まーこんなていど?

高い方もそれなりの適当で、、、w

きぃー、きー、きー、きー、きー、きー、きー、きー、
(どれみふぁそらしど)
まぁこんなもんか、、

きぃー、きー、きー、きー、きー、きー、きー、きー、(エアー、G線上のアリアのつもり、キーキーしか書けない、、)
うっわー、ぜんぜん音楽になってねぇ、、、

「ふむ、、うまいもんじゃのう」領主様
・・・
えーと、、まぁ、、鳴らせればいい、ってことかな?

「これは難しいですねー、、この、ツルが切れたら替えが無いでしょうし、、」
「そうか?なんか、昔、奥は王都から買ってきていたぞ?」
あるんですか、、、

「おまえ、使っていいぞ?」領主様
「ありがとうございます、、も少し音に慣れてからのほーがいいようです。これはかなりレベルが高くないとむつかしいんで、、、」
「そうか、、がんばれ」

「・・この、同じようなかたちでもっとでっかいのなかったすか?」俺
ギターあったら楽だよなー、、できればクラシックギターがよろし
ネック太いけど、押さえるのが少し楽、、

「・・・あれかな?王都で売っているぞ?」
現地生産できてるんですか、、

「今度見に行きます、、んじゃ今日は、笛ないですかね?できれば横笛などならば尚嬉しいのですが、、」
「ああ、いっぱいあるぞ」
いっぱい?

・・・・
これ、、持ってきたの、、子供ですか?
オレが訊いたのは、プラスチックの横笛、小学校とかで使うやつ?
「うーんどうだろう?出自はよくわからん、奥が手に入れてきたからのう、、」

普通ので、なんかそそるのわあ、、、
お!
ふきふきふき、、

ぴぃ~、、
これ、いいね、、
ぴぃい~~ぴーぴいっぴー
うん、、でも(音の文字での表現が打ち込み奴隷には無理なのだと今判明!!)、、、

「これ、お借りしていいですか?」
「おお、いいぞ。そんなのがいいのか?」
いや、大きさとか見た目とかじゃないっす、楽器って、、それもあるけどw

あ、、ドラム、、でも緩めてある、、さすがだな奥様、、保管
でも皮だからな、、鞣し直さないと切れちゃうかもね

「勿体無いっすね、、これほどあるの、、保管はうまくされていますが、でも日常的に手入れしないと、そこの太鼓の皮とか、さっきの弦とか、それらは消耗品というか、半分生きているようなものだと言うか、、」
「だよのう、、」
・・・・

「領主様、お金って、余裕あります?」
「ん?(何かまた面白いことか?)、そこそこなら、、」
・・
「領主様がパトロンになって、楽団作ってこれらを使わせる、とか?」
「・・・・まぁ、、いい、、かな?」
「楽団の名は、奥様の名を冠して」
「・・・まーいいかもな、、どのくらいかかるのかのう?」
・・・
「まったくもって、、大田さんに調べさせれば?福田さんに言えば王都のあの音楽家さん達に訊いてくれると思うし、、」

「将軍に知られてしまう、、、」
「ソン時は、半分出してください。って、、w」
「まぁそれでいいか、、」

「ちなみに、ボクはど素人なので、この笛をお借りして、それで十分ですので」
ガッし!!と捕まる。
「逃しはせぬ!!逃しはせぬぞっつ!!!」

くっそー、、最近勘が良くなりすぎじゃね?
まーいーわ、シューレや泉さんも巻き込ませちゃるっつ!!!
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