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後後41 もう満腹です とおもったが、、上には上が
しおりを挟む流石に下りは飛ばせない。でも4輪ブレーキがあるので、普通の馬車よりは速度を出せる。
なので
「心配しねーでくだせーお客さん達!今日は麓までは行けますから!」と御者。
うーん、ブレーキ引きっぱなしってわけでもないし、、大丈夫かな?
山の北側なので、空気は冷たい。
やべー、防寒着買うの忘れてたー。
そんなこんなでも無事麓に降りた。
へぇ、、熊すげーな、、もしかしたらブレーキの耐久テストとかしたのかな?帰ったら聞いてみよう、、
夕方遅くに宿場に着いた。
村の一部が宿場になっている、少し大きめの村のようだ。
この山なので勿論温泉が在り、村にも共同浴場があった。
夕方になって寒さは堪える。が、
「先に市場に行きましょう!」と泉さんを市場に引っ張っていく。
古着で良さそうなのを見つけるのだ。
時期が時期なのであまりいいものは残っていなかった。
「まぁ、もうすぐ帰れるからそれまでだから」
と、ぼろい綿入れの上と、厚手のズボン2つずつ。
手袋は?と泉さんに聞くと、いらない、というので買わず。
でも帽子は買った。横から後ろに垂れ布付いたやつ。防寒の厚手のはなかったけど、これはこれで熱い地方でも使えるからいいかな。
草履じゃ寒いので、藁沓も買う。下駄藁沓じゃないけど、馬車だからいいだろう。中敷き用に布切れをいくつか。
その後メシスキーに教えてもらった宿に行き部屋を取って荷物置いて温泉の銭湯に行く。
「寒いのでよーくあったまってくださいね」と言って、泉さんと別れる。
寒いからだろうか、混んでいた。
温泉だから芯まであったまるので、寒い季節は、温泉がある街の者達には欠かせないものだろう。うん、よくわかるわ。
小館で温泉ができるまでそやって寒さをしのいでいたか忘れたが、風呂出た後すぐ冷えちゃったろうなぁ、、、。
ダラダラ出たり入ったりして十分に温まってでてきたら、泉さんがもう待っていた。
「あ、あったまってないでしょ!」俺
「いや、十分あったまったぞ?ほれ」と頭を出す
「いや、もう冷えてるんですけど、、」と濡れていないほうの手ぬぐいでほっかむりさせる。
「髪、短くしておいてよかったっすねー」
「おう、こんだけ冷えると乾きにくいからなぁ、、」
「乾かないと風邪ひきますからね」
宿に帰ったら食堂のだるまストーブに火がはいっていた。
丁度いいので、その前で泉さんの頭をかわかす。
で、そこに晩飯どうしますかー?と給仕が聞きに来たのでお願いした。
メシが来た頃にだいたい乾いたので、メシに着く。
「熱燗もたのむ!」泉さんが給仕に。
「へーい」
まったく、どこでも見た目子供に出すのが、、、すごいよねー♪
でも皆にもおっさんに見えるのだろう、、多分w
「うめーな!」
「ですね、流石食通おすすめ宿だけある!」
ガツガツ食ってしまう。
鹿?の炙り焼き、野菜の酢漬け、暖かい芋の煮物汁、川魚の開きの粕漬け。
粕漬け?
「え?粕漬け?」
「ほう、、ということは、、」泉さん
給仕がいたので
「給仕さん、ここらに酒蔵あるんですか?」
「ええ、近くに在りますよ。出て中央の方に上っていくと右手に杉玉ありますからわかります」
「おお!ありがとう!」
「食ったら行くぞ!」
「はい!」
食い終わった頃、メシスキー氏が外から帰ってきた。
「あれ?外に出てたんですか、、」
「ええ、ちょいと一杯引っ掛けてから晩飯が食べたくて、」
「あ、酒蔵ですか?」
「流石ですな、もうそれまで」
「いやたまたま粕漬けが出たんで」
「それじゃ、これから?」
「はい、酒蔵に!」
「あ、ここにはケーキ屋があるか知っているか?」泉さん
「んー、、聞いたこと無いですねー、でも、、そこの給仕さん」
とメシスキーは給仕を呼んで聞いてくれた。
「なにかそれっぽいのができたとか?少し要領得ないのですけど、、」
「おう、助かる、まず行って見るから大丈夫だ!」
泉さんは場所を聞き、
「ほら!いくぞ!!」
と走り出す
メシスキーに会釈してオレも飛び出す。
杉玉過ぎて結構行った所。
領主邸?とかおもっちゃうほどのお屋敷のすぐそばにあった。
まだ開いていた。
宿場街のいいとこは、結構遅くまで開いているんだよね。
武国は昔の日本と似ていて、夜は早い。農国や日のいずる国や小国群みたいな宵っ張りではない。
というか、皆一緒に早く寝る、という方が正確かな。
ガちゃ、カランカランカラン、、
「おお!!本物だ、、、」泉さん
「あ、ホントだ、、」
「おや?お客さん達、ケーキを知っているんですね?」とメイド服を来たウエイトレスが、カウンターの奥から出てきた。
「おう、、農国とかで食いまくったからな、、で、どれがおすすめだ?おすすめの上から3つ、と、それに合う飲み物くれ」泉さん、久しぶりなので無駄に食いたくないのがよくわかるw
店員が3つとったのを確認し、それ以外のを3つ注文した。
「どうせなら全て食べ比べていただきたいほどで、、」店員
よほど自信あるんだなー。
席に着くと、
「あ、、夜の喫茶店ケーキ屋、、、」
と、泉さんが不吉なことを言う
「いや、とてもポンコツには見えないから」
「フィジニがポンコツに見えたか?」
・・・・・
ケーキをテーブルに並べているウエイトレス
「え?フィジニ?」
ホラ来た、、、
「泉さんのせいだ・・・」
「違うがな・・・」
「今、彼は何処に居るのですか?」
「えと、、日のいずる国にいますけど、、、なぜ?」
「いえいえ、、長ーく会っていないなぁとおもって。」
なんかありそうだな?とおもって泉さんを見るが、目を合わせない!!こいつうう!!!
「あー、料理屋、食堂やってます。料理作るのにおもいっきりハマってます。うまかったです」
「・・・・りょううりぃいいい?、、、、あの、、フィジニ、ですよね?フィジニ・ラーキ、ですよね?」
そんな名だったっけ?そうかな?多分、、、
「ええ、、ケーキはたまに新作出すくらいで、日常的には料理をやってますよ?」
「・・・・はぁ、、、あんのバカはなにやってんだか、、、」
やっぱ、、、
くんくんくん、、ふんすふんす、、
と、俺と泉さんの匂い嗅ぐウエイトレス、、あぶねえやつかな?
これだね?と言ってオレの襟の髪留めをはずし、泉さんの腕をテーブルの上に乗せる。
「これ、2つとも女だね?」
「そうだけど、違うぞ?フィジにとは全く関係ない。違う街に住んでるし、知り合いでも無かった」泉さん
「あ、そう、、」
素直さんですか!よかったです!!捻くれた地雷だったらどーしよーとおもったよ、、
「おまえもなんかくれ。」泉さん直球どころじゃないね?
「仕方ないですねぇ、、少し疑った手前、、んじゃ、、」
カチューシャをはずして泉さんの頭にかぽっと、、
・・・・・・
「似合うのが困った、、、」俺、思わず、、、
どーしたもんだろ?とこぼす泉さん
んじゃ、、と俺が、はずして首にかけ、飾りを後側に回す。
「でも、これ、うしろからひったくられやすいんで気をつけてくださいね?」
「あー、まー、いーか、、これで、、」
いや、俺、泉さんだからチェーンジとか言って他のモノを出させるとおもった、、
「おまえはフィジニと恋仲なのか?」直球ばかりだと討たれますよ!!
「え?、、まぁ、、大昔ですけどね、、」
「どくらい?」
「4-5ひゃくねん?」
「・・・まだフィジニが食い歩きしていた頃か?」
「おやまぁ、そこまで知っているのかい?」
「まぁとにかく、んじゃ、おまえがフィジニに菓子の作り方を教えたのか?」
「すごいねぇ、最近の人の子は、、こんな小さいのに、、」
いやおっさんですけど?精霊でさえもわからんのか、、、、
「いやでもすごいっすよ、ケーキ単品で食べてもうまいけど、合う飲み物と一緒に食べたらすごく旨くなる。そういうの作ってました。勿論その上手さを料理にも活かしていますよ」
「ふーん、、んじゃ、お前たち、私のケーキを食べてご覧?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
そして何もなくなった。
空いた皿を無言でウエイトレスに差し出す泉さんと俺。
ふふん!という顔して更に3つづつ盛ってくる。
茶のお代わりもいれてくれる。
満腹になってやっと、
「はぁ、、まじで声さえ出せない、ってなぁ、、」
「ええ、何言っても意味なしだとおもって、、」
「そうじゃろう?コレがほんとのうんまいケーキというものじゃ」
いつの間にか”じゃ”話になっているウエイトレス妖精ケーキ職人大師匠。
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