上 下
163 / 409

後後37 ケーキ注文、一種の布教活動w

しおりを挟む

>「え?私は武国生まれで、この村のそばの村で生まれましたよ。国から出たこと無いですね。」

この言葉が気になった。
この村の周囲に村や街は無いと聞いているけど。
いつのこと?と訊くのはためらわれたので、、先にケーキの方をどうにかしてから、余裕有れば(気持ち的にw)、フィジ二の弟子にかかずらわろう。


一般家。
「ここすか?」
「だろうよ、名前も合っている」
コッコッ
ドアをノックする

「はいただいまー!」と、男性の声。
その声がしたと思ったら、扉が開かれる。

「えーと、ここでケーキ作ってもらえると聞いて来たんですが、、」俺
その中年の男性は俺と泉さんを見て、
「ケーキのお客さんですか。どうぞお入りください。」

中は、元はお店だったのだろう。喫茶店そのままだった。でも、ショーケースの中はガランとしている、何も無い。
がっかり顔の泉さん。
そのがっかり顔を見て、気が引けたのだろうか?
「申し訳ないね、注文受けてから作るんだ、うちのケーキは」と男性

「では、注文していいですか?」
で、俺達は抹茶や紅茶のクリームのケーキでそのスポンジに少しブランデーと砂糖を入れたもの、シューも焼けるというので、同クリームをはさんだシュー、抹茶クリームはあんこと。紅茶クリームにはブランデー漬けの果物があればそのスライス一切れ、みつ豆のパフェ、などアルージのケーキ屋のケーキのようなものを頼んだ。
多分、ここでもそれらは受け入れられるだろう。

明日の午後、お茶の時間くらいにはできるだろう、ということになった。
その男性にとっては新作ばかりなので、張り切っていたようだ。


その後、宿の一階食堂で塩漬けの魚を焼いたものを肴に少し飲んで寝た。



翌朝、一階の食堂で朝飯らしい朝飯を久々?に食べ、外に出る。

「うん、ふつーの田舎町だな、、」泉さん
「ですねぇ、、なんか小館の最初の頃を思い出しますねー」俺
「なんだ、こんな感じだったのか?」
「ええ、便所と風呂と水車が広まった直後は、まぁこんな感じでしたかねー」
勿論ここにも洋式便座は普及し、水路が通り、水車が回っている。

昨日の夕方着いてから、獣人は見ていない。だからだろう、モフ神の神棚とかはまだここでは見ていない。
港町ではそこここで見たのだが、獣人そこそこいたからなぁ、、


結構回ってみたが、喫茶店みたいな食堂は無かった。もろ食堂という店だけだった。
「やっぱり、口が慣れないと厳しいのかねぇケーキ、、」泉さん
「みたいですねー、、でも和ケーキ注文したんで、今後それが広まるんじゃないですか?ケーキ食えないほどとは見えないですからね、この村。」
「そ~言われりゃそーだな。酒も結構いいの置いてあったしな。」


暇なので森に行ってみたが、魔獣どころか猛獣もいそうになかった。
「平和なのかな?」泉さん
「そうみたいですが、その代わり覇気が見えないですよね、ここのひと達」
「だなぁ、、元気ありゃいーってもんじゃないけど、なんかつまんなさそうだよな」


森への行き帰りでそこそこヒマ潰せたので、遅い昼飯食べてから、ケーキを注文した家に向かう。



「お待ちしていました!!」
満面の笑みの中年氏、、いや、表札にはへキチーノと書いてあったので、へキチーノ氏。

中に入ると、ショーケースの中にケーキ類が詰まっていた。
え?ここまで注文していないが?!
その困惑顔を見たのか、へキチーノ氏が
「いや、これらは試食用に作りました。この街の者達に試食させようと思って」

よし!がっちりだな!! 泉さんと顔を見合わせ、サムズアップ!&ニカッ!

美味いケーキと茶を堪能した。帰り際に会計しようとしたら「結構です!」と断られた。
教授いただいたのだから、と。

ヘキチーノ氏は日のいずる国に行ってケーキを習ってきたという。が、帰ってきて作ってもいまいちウケがよくない。で、そのまま今まで食堂をやりながらケーキは注文受けたときだけ作り、結局喫茶店は閉めっぱなしだったそうな。
「でも、これからケーキ屋を再出発できるでしょう!」と意気込む。

なので、食べさせてもらったお礼というか、、日干しレンガのことを言っておいた。
街?村?の者達が結構時間持て余してそうなので、すぐそばに荒れ地があるのだからそこの粘土でレンガ状にかためてそのまま干せばいい。今のこの感じなら半月ほどで中間で固まるんじゃないか?
うまく行けば村の家々の壁くらいは全部レンガにできるだろうし、そこまでやれば生産も軌道にのるだろうから、単価安いが量が出るので、村の収入としてはいんじゃないか?と。

レンガの流通量が増えれば、家屋や水路はよりよくなる。当然トイレなども更に良く作れるだろう。良いレンガになれば道に敷ける。悪いことはないのだから。よほど質の悪いものさえ作らなければ、だが。




やることやったんで、翌日の馬車でその村を出た。

ぱっかぽっこぱっかぽっこ(略

「あ、、忘れてた、、」俺
「うん?何をだ?」泉さん
「あー、あの村でのフィジニの弟子、あの人が”この近くの村出身”とか言っていたのが気になって調べようと思ってたんだけど、、あの村の近くに他の村なんか無いって話だったんですよねー」
「おう、、んじゃあれか?数百年前の村とか、ほかの世界の村とか、つー、妖精系かもしれなかった、ということか?」
「まぁ、そういう可能性もあるんじゃないかな?と思って、、」
・・・
「でも、たいして意味ないぞ?」
「・・・・・・・そりゃそーか、、、今までも妖精だとわかっても、なんらかわらんかったし、、」
「だろう?」

うーむ、、、こっちの妖精って、、、どういう位置なんなんだか、、、
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

チート幼女とSSSランク冒険者

紅 蓮也
ファンタジー
【更新休止中】 三十歳の誕生日に通り魔に刺され人生を終えた小鳥遊葵が 過去にも失敗しまくりの神様から異世界転生を頼まれる。 神様は自分が長々と語っていたからなのに、ある程度は魔法が使える体にしとく、無限収納もあげるといい、時間があまり無いからさっさと転生しちゃおっかと言いだし、転生のため光に包まれ意識が無くなる直前、神様から不安を感じさせる言葉が聞こえたが、どうする事もできない私はそのまま転生された。 目を開けると日本人の男女の顔があった。 転生から四年がたったある日、神様が現れ、異世界じゃなくて地球に転生させちゃったと・・・ 他の人を新たに異世界に転生させるのは無理だからと本来行くはずだった異世界に転移することに・・・ 転移するとそこは森の中でした。見たこともない魔獣に襲われているところを冒険者に助けられる。 そして転移により家族がいない葵は、冒険者になり助けてくれた冒険者たちと冒険したり、しなかったりする物語 ※この作品は小説家になろう様、カクヨム様、ノベルバ様、エブリスタ様でも掲載しています。

祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活

空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。 最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。 ――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に…… どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。 顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。 魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。 こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す―― ※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。

異世界転生はうっかり神様のせい⁈

りょく
ファンタジー
引きこもりニート。享年30。 趣味は漫画とゲーム。 なにかと不幸体質。 スイーツ大好き。 なオタク女。 実は予定よりの早死は神様の所為であるようで… そんな訳あり人生を歩んだ人間の先は 異世界⁈ 魔法、魔物、妖精もふもふ何でもありな世界 中々なお家の次女に生まれたようです。 家族に愛され、見守られながら エアリア、異世界人生楽しみます‼︎

料理スキルで完璧な料理が作れるようになったから、異世界を満喫します

黒木 楓
恋愛
 隣の部屋の住人というだけで、女子高生2人が行った異世界転移の儀式に私、アカネは巻き込まれてしまう。  どうやら儀式は成功したみたいで、女子高生2人は聖女や賢者といったスキルを手に入れたらしい。  巻き込まれた私のスキルは「料理」スキルだけど、それは手順を省略して完璧な料理が作れる凄いスキルだった。  転生者で1人だけ立場が悪かった私は、こき使われることを恐れてスキルの力を隠しながら過ごしていた。  そうしていたら「お前は不要だ」と言われて城から追い出されたけど――こうなったらもう、異世界を満喫するしかないでしょう。

神獣に転生!?人を助けて死んだら異世界に転生する事になりました

Miki
ファンタジー
学校が終わりバイトに行く途中、子供を助けて代わりに死んでしまった。 実は、助けた子供は別の世界の神様でお詫びに自分の世界に転生させてくれると言う。 何か欲しい能力があるか聞かれたので希望をいい、いよいよ異世界に転生すると・・・・・・ 何故か神獣に転生していた! 始めて書いた小説なので、文章がおかしかったり誤字などあるかもしてませんがよろしくお願いいたします。 更新は、話が思いついたらするので早く更新できる時としばらく更新てきない時があります。ご了承ください。 人との接し方などコミュニケーションが苦手なので感想等は返信できる時とできない時があります。返信できなかった時はごめんなさいm(_ _)m なるべく返信できるように努力します。

異世界でのんびり暮らしてみることにしました

松石 愛弓
ファンタジー
アラサーの社畜OL 湊 瑠香(みなと るか)は、過労で倒れている時に、露店で買った怪しげな花に導かれ異世界に。忙しく辛かった過去を忘れ、異世界でのんびり楽しく暮らしてみることに。優しい人々や可愛い生物との出会い、不思議な植物、コメディ風に突っ込んだり突っ込まれたり。徐々にコメディ路線になっていく予定です。お話の展開など納得のいかないところがあるかもしれませんが、書くことが未熟者の作者ゆえ見逃していただけると助かります。他サイトにも投稿しています。

『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?

釈 余白(しやく)
ファンタジー
HOT 1位!ファンタジー 3位! ありがとうございます!  父親が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。  その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。  最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。 その他、多数投稿しています! https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394

積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!

ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。 悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。

処理中です...