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後−51 プチビーレ出立 本人不在の祝い酒
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あれから2-3日フィジニのところに入り浸り。
朝起きた時寒さがましていたので
「これはまずい!」
と思って、翌日プチビーレを発った。
先程食った茶屋の昼飯。蕎麦だったが、、フィジニ飯の影響だろう、うまそうなのにあまり美味いと感じなかった。
「舌が肥えすぎている、、これはまずいっすねぇ、、」俺
「まぁすぐに戻るだろ」気にしない泉さん
まぁ、まずかろうが、食える時に食っておけ、が身に沁みついているからな俺ら。
泉さんは前世から。
俺はこっちにきた最初から。
南下しながら東進しているし、高度もわずかずつ下っているので、体感できるくらいに少しずつ暖かになっている。
平野くらいに入れば、秋は穏やかに過ぎていく。なので東岸に出ることもでき、そこから南部の小国群への船に乗れるだろう。
南部まで行ってしまえば、冬でも雪はないし。場所によっては霜さえふらない。
南の海は暖流なので航海中はあたたかだという。
日のいずる国はあまり大きくない。
今日のこの馬車は王都にまで届く。途中一泊で。
王都で商会、駐在武官のところに寄り、北の国の領事館に寄って情報もらう。
王都なので多分つまらんから2泊くらいででてしまうだろう。
川沿いの道はのんびりである。客達も、拾っちゃー降りて、が多く、向こうの世界の路線バスみたいだ。
湖から下流に向かう川には船が出ている。下りは早い。
上りは空船を馬に引かせて、というらしい。船が川で馬が川っぷちを歩く、というので、面倒くさいみたい。
だから下り馬車(王都方面)は空いている。
「上りだと、近くの客は馬車にしがみついてるだけだよ」
ということも少なくないとのこと。どこのインドかな?
速度が遅いんであまり危険でもないけど。それを牽く馬偉い!
「ほう、ここいらには、街でもないところにひとが住んでいるのか、、」泉さん
「ああ、ここいらはには魔獣は来ないからね。森も何もない、この川にも魔獣は住めない。なのでここいらはそれについては安心なのさ。」
先程重そうな荷物を持って乗ってきたおばちゃん。ここいらに住んでいるんだろう。
「そうか、、良さそうな場所だな、、川の水は使えるんか?」泉さん
「まぁ、畑程度ならね。ここいらまで来るとかなり薄まっているからさ。それより見な、いけすが見えるかい?」
「ああ、なんかあるってのはわかるな」
「おっさんみたいな口調だね、面白い子だよ。そう、なか立っているのが網の場所だ。うちもそうだが、ここらの者達の多くは畑と生け簀で暮らしているのさ。」
「食生活も豊かそうだな!」
「ああ、同じ魚だって、干物にしたり、漬けたり、で幾種類もできるし、焼いたり蒸したり汁物にしたり、なんであまり肉とか食わないねぇ、ここいらの者達は」
「ほう、、健康そうだな。剣士に向きそうかもなぁ、、」泉さん思考
「まぁそりゃ知らんけど、、、あ、、そいや、何人か王城の騎士団に居るって聞いたことあったっけ、、強いのかい?」
「ここのはよく知らんが、、一般的には精鋭だぞ」
「へぇ、、そうなんかい、、今度帰ってきたら褒めてやらなくっちゃねぇ、、」
「なんだ、息子か?」
「あっはっは、まーね、次男がね。それと近所の悪友も一緒にさ」
へぇ、、
「優秀なんだな」
「嬉しいねぇ、聞かない子だったのに、知らない人までに褒められるようになったんだねぇ、、いつの間にか」
いや、今までがかわいそうだったんじゃないか?
”騎士団にうかった!”とか報告しても無反応か、仕事が見つかってよかったね、くらいだったんだろうなぁ、、、
「うん、帰ってきたら物凄く褒めてやると良い。凄い出世だぞ、それは」
「へぇ、そうなんかい、、まぁ、、毎月仕送りしてくれてて、だいじょうぶなのか?とか、なんか悪い事してるんじゃないか?とか少し不安だったんだけどね」
うえー、、、物凄くかわいそ過ぎ、、
「そ、それは、あまりにも、かわいそうだぞ?」
「あ、ああ、そうなんかい、、かわいそうなことしてたんかねぇ、、」
「時に、あんたらドコまで行くのかい?」
「うん、一応王都まで行こうと思うんだが、、」
「んじゃ、うちに寄ってかないかい?いろいろ教えてもらったんだ、美味いもの食わせるよ」
学を見る泉。学もなずく。
「ああ、んじゃ、寄らせてもらおうか、、いいのかい?いきなり2人も」
「あっはっは!子供2人くらい、うちは男の子3人食わせていたんだよ?いや物凄く食ったよな、、あの子達は、、」
おばはんの家は、ちょうど馬車が一泊する村だった。
川沿いの一軒家。
だんなは生け簀と、その近くの川沿いの土地に畑を作っている。
3男が旦那と一緒に仕事をしている。
長男も王都に仕事を見つけて出ていったとのこと。
「ほう!!豪華だな!!!」
泉さんが驚くのも無理はないと思う。俺だって、農家でこれだけの食事がでるとは、、、
こっちでも農家の飯は基本粥というか雑炊らしい。でもおかずが、
魚の皿が5つ、調理した野菜などの皿、雑炊のボール、酒!、酒は農民にとっては現金を使うものなのでなかなか買う気にならんものなのだが、、
「いいんですか?」
「ああ、かまわんよ、久々のお客さんだ、しかもうちの子(次男)が王都で出世したってことを教えてくれたんだからな。」
「ああ、うちも、全く知らんかったわ、、、あのこには悪い子としたなぁ、、、もっと褒めてもらいたかったんだろうなぁ、、」
ともう一人のおっさん。ここの次男の悪友の父親だという。
「だから俺も言ったろう?出世だって、、」三男
「だってよう、おまえ、出世出世しかいわなかっただろ?ピンとこないよそれじゃー」
と言い訳する2親父ども。
なんだかんだで、本人達不在の祝い酒だった。
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