上 下
119 / 409

後−46 妖精おっさんの食堂 プチビーレ

しおりを挟む

おっちゃん妖精に飛べるの?って聞いたら、フンヌッ!とか言っていきなり羽生やして、ぱたぱた飛んだ。
「かなり久しぶりなんでなー、、ちゃんと飛べてるだろかね?」
「ナニがちゃんとになるのかわからんが、ブートッチの妖精同様には飛んでるぞ?」泉さん

「ほう、向こうにもまだ居たのか、、、ナニやってた?」おっちゃん
「どっちも、自分の好きな食い物屋で働いていた。」
・・・・・・
「・・やつら、まだ食うだけだった?」
「おう、食いまくってたな!」泉さん

・・・・
「まぁいっかー、、」と何かを諦めた妖精おっさん

「んじゃ、小魚いってみるか?」
とおっちゃんいきなり店主に戻る、いや姿は最初から変わってない。

「どーいうの?」俺
「まぁ、今食ってるやつの小魚版で、まるごと食うの。うめーぞ」
「おお、たのむわ!」泉さん


来たのは、
小魚に塩揉み込んでまぶして焼いたの。
「まぶしてある塩は、好みで取ってくれ」とのこと。
まずそのまま食ってみる。
「おお、これでもいけるな、、、」泉さん、肴としてのことだろう
次にまぶしてある塩を取り去る
「・・・おお、これだといくらでもいけそうだな!」

結局「どっちもうまい!」だった。

「働いて帰ってきたときは、塩あるまま食い、そーでないときは塩を取って食う。大体の客がそーやってんな」
とおっちゃん。

「おっちゃんが考えるの?こーゆーの」俺
「あ?ああ、そうだったかなぁ、、、ああ、、干物を作るの見てて思いついてやってみたんだったかな、、干物って開いて塩水に漬けてから干すだろ?なのでだ、塩水につけて焼いてみたりいろいろやったが、今のやり方が一番うまいとなってなー。100年位前かな?それからそれが流行って、、エッ料理になったんだったなー」

「すげーなー、、、発祥者かよ、、。で、妖精って、皆食い物関係なの?」俺
泉さんはいつものように食い、飲みながら聞いている。

「ああ、長く存在しているとだな、飽きてくるんだよ。でも、食い物に関しては、作るのだったら際限ないわな?もっと美味いもん、あたらしいもん、を作ってみたくなるだろ?素材を作るにしても。
例えば魚を養殖させ、でも運動不足魚はうまくないんで改良させてばんばん泳ぐようにさせて、、とかさ。
焼き加減も、昔に比べりゃかなり変わっているよな、今思い返せば。
一時期は石窯とか使ってみたりもしてた。ムニエルみたいな感じになった。あっち、ブートッチの連中はそっちのほうが気に入ったらしいが、俺は今のやり方を編み出してこれにした。香草も基本は入れない。塩のみで食う。」

「長年かけてたどり着いたのは、最も簡素な方法だったわけだ」泉さん
「ああ、妖精でも、自然には勝てねぇ、ってことだなぁ」おっちゃん

「で、その大自然の集大成である、酒のもっと美味いやつ、あるんだろう?」泉さん
「かなわねぇなぁ、、、どこまで飲んべぇなんだあんたわ、、、」と、カウンターの中から一升瓶を出すおっちゃん

目を輝かし両手を差し出す泉さん
「待ってろって、こりゃ燗するほうがうめぇんだよ、、」

「旨い」ことに関してはもう一目も二目もおっちゃんに置いた泉さん、素直に待つ。

「いいだろう、、」
おっちゃんはほどほどになった二合徳利を持ってくる。
「冷めるともったいないんで、終わったら次を燗するからな」おっちゃん

おう、、はやくはやく!!とぐい呑をっし出す泉さん
とくとくとく、、、
くいっ、、
「っかぁーーー」
「お、ちと熱かったか?」
「いや、ちょーど良い、美味さは多分これがちょうど良いんで、これでいい」泉さん
「んじゃ、小魚、塩をそのままで肴にしてみな」

食っては飲み、飲んでは食う、
「・・・お、、最初はあまり気付かなかったが、、食って飲んでると、、うめぇな、両方、、どんどんうまくなってる?」
へっへっへぇ~
「だろう?、食って飲んでその後に、口や腹が感じる美味さってのは、合わさるんだよ、、それに気づいてからな、もっと料理も酒も飲み物も面白くなってなぁ、、」


「もしかして、、あの、、茶を食いながら食ったらとても旨いケーキって、、、」
「あ?ああ、あれも最初は俺が編み出した」

「「妖精って!!!」」

「まぁ、中にはまだまだ若くって、食い気だけの者達も多いが、そのうちに作る方に走るんだよ。ばんばん食ってるとだな、ある日いきなりバチンとなんかが弾け、ナニをどーしたらうまくなるんじゃないか?とか湧くわけ。
で、そっからはもうどんどん作りまくりの外しまくりの当てまくりだな。」
へぇ、、、

「んじゃ、おっちゃんも最初は食い意地のはった妖精だったわけ?」
「あっはっは!向こうのはまだそれかww、あーそーだ、そいつらと一緒だったなー」
へぇ!

「「面白いねぇ!妖精って!!」」

「だろう?」
と皿を差し出す。
皿には、見た目きびなごのからあげみたいのが乗っかっている。

「、きびなごの唐揚げっぽい、、、」俺
「ああ、昔なぁ、こっちにも外来が来ててな、教わったんだ。菓子みたいだって言ったら、まぁ、そうだなってわらってたなー」
「そうだな、、こっちの肴に比べたら、向こうのは、今思えば菓子みたいのばっかだったなー」と俺は思い返す。

「外来、多かったんスカ?」
「いや、そいつだけだった。」


「あれ?あんた、それ妖精のだろ?」
とおっちゃんはスクレに貰った髪留めを指差す。

「あ?、ええ、向こうのケーキ好きの妖精に。あいつも自分が妖精だと忘れてて、、」
はっはっはっは!皆そーだよはっはっは!

「ちょっと借りていいか?」おっちゃん
はずして渡す
その髪留めをつまんで、もごもごするおっちゃん
・・
・・
「ああ、わかった。」
へ??

「いや悪い、この持ち主だったやつと話した。」
・・・
「妖精の機能?みたいなやつだ」
へぇ、

「なんか今混んでて忙しいんで、明日昼ご飯時にこっちにくるって。あんたらいいか?」
「ああ、いいが、、」泉さん
またおっちゃんもごもご、、

髪留めを俺の襟に付け、
んじゃあすは昼飯にここで、ってことでたのまー
で、
「もう一本いく?」
「お?ああ、無くなってたか、、いつの間に、、、、うん、お燗で頼む」

なんだかよくわからんが、明日になればわかるかも?
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

チート幼女とSSSランク冒険者

紅 蓮也
ファンタジー
【更新休止中】 三十歳の誕生日に通り魔に刺され人生を終えた小鳥遊葵が 過去にも失敗しまくりの神様から異世界転生を頼まれる。 神様は自分が長々と語っていたからなのに、ある程度は魔法が使える体にしとく、無限収納もあげるといい、時間があまり無いからさっさと転生しちゃおっかと言いだし、転生のため光に包まれ意識が無くなる直前、神様から不安を感じさせる言葉が聞こえたが、どうする事もできない私はそのまま転生された。 目を開けると日本人の男女の顔があった。 転生から四年がたったある日、神様が現れ、異世界じゃなくて地球に転生させちゃったと・・・ 他の人を新たに異世界に転生させるのは無理だからと本来行くはずだった異世界に転移することに・・・ 転移するとそこは森の中でした。見たこともない魔獣に襲われているところを冒険者に助けられる。 そして転移により家族がいない葵は、冒険者になり助けてくれた冒険者たちと冒険したり、しなかったりする物語 ※この作品は小説家になろう様、カクヨム様、ノベルバ様、エブリスタ様でも掲載しています。

祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活

空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。 最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。 ――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に…… どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。 顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。 魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。 こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す―― ※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。

異世界転生はうっかり神様のせい⁈

りょく
ファンタジー
引きこもりニート。享年30。 趣味は漫画とゲーム。 なにかと不幸体質。 スイーツ大好き。 なオタク女。 実は予定よりの早死は神様の所為であるようで… そんな訳あり人生を歩んだ人間の先は 異世界⁈ 魔法、魔物、妖精もふもふ何でもありな世界 中々なお家の次女に生まれたようです。 家族に愛され、見守られながら エアリア、異世界人生楽しみます‼︎

料理スキルで完璧な料理が作れるようになったから、異世界を満喫します

黒木 楓
恋愛
 隣の部屋の住人というだけで、女子高生2人が行った異世界転移の儀式に私、アカネは巻き込まれてしまう。  どうやら儀式は成功したみたいで、女子高生2人は聖女や賢者といったスキルを手に入れたらしい。  巻き込まれた私のスキルは「料理」スキルだけど、それは手順を省略して完璧な料理が作れる凄いスキルだった。  転生者で1人だけ立場が悪かった私は、こき使われることを恐れてスキルの力を隠しながら過ごしていた。  そうしていたら「お前は不要だ」と言われて城から追い出されたけど――こうなったらもう、異世界を満喫するしかないでしょう。

神獣に転生!?人を助けて死んだら異世界に転生する事になりました

Miki
ファンタジー
学校が終わりバイトに行く途中、子供を助けて代わりに死んでしまった。 実は、助けた子供は別の世界の神様でお詫びに自分の世界に転生させてくれると言う。 何か欲しい能力があるか聞かれたので希望をいい、いよいよ異世界に転生すると・・・・・・ 何故か神獣に転生していた! 始めて書いた小説なので、文章がおかしかったり誤字などあるかもしてませんがよろしくお願いいたします。 更新は、話が思いついたらするので早く更新できる時としばらく更新てきない時があります。ご了承ください。 人との接し方などコミュニケーションが苦手なので感想等は返信できる時とできない時があります。返信できなかった時はごめんなさいm(_ _)m なるべく返信できるように努力します。

異世界でのんびり暮らしてみることにしました

松石 愛弓
ファンタジー
アラサーの社畜OL 湊 瑠香(みなと るか)は、過労で倒れている時に、露店で買った怪しげな花に導かれ異世界に。忙しく辛かった過去を忘れ、異世界でのんびり楽しく暮らしてみることに。優しい人々や可愛い生物との出会い、不思議な植物、コメディ風に突っ込んだり突っ込まれたり。徐々にコメディ路線になっていく予定です。お話の展開など納得のいかないところがあるかもしれませんが、書くことが未熟者の作者ゆえ見逃していただけると助かります。他サイトにも投稿しています。

『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?

釈 余白(しやく)
ファンタジー
HOT 1位!ファンタジー 3位! ありがとうございます!  父親が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。  その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。  最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。 その他、多数投稿しています! https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394

積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!

ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。 悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。

処理中です...