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後−42 キャンプブートッチ出立前日
しおりを挟む昼食後の腹ごなしに少し散策。裏道をゆく。
ここも小さい教会やらモスクがそこここにある。
幾つかに入ってみるが、ここのも、多くがほかの町のと同じように、古くでもよく手入れがされている。
そして、小さいながらも美しい作りだ。
「美味いもの食ってると、きれいな教会とか作るんですかね?」俺
「・・うーん・・理屈がわからんが、、結果を見ると、そうだよなぁ、、」泉さん
「でも、うまいものばかり数百年食ってても、治んないポンコツって多いみたいですねぇ」俺
「ああ、それはもう実例2つ見ちゃったからなー、否定できん」泉さん
そういえば、市でわけわからんモノ買ったな、、この街を出る前にスクレにあげるか、、
指揮棒様の棒みたいなものの持ち手部分の端に妖精の形の飾りが付いているものだった。
街を歩きながら、この街を出ると決めてから、自分がここを出たくない気持ちを持っていることを知った。
ほかの街ではここまで感じたことがなかった。少し後ろ髪引かれるときもあったが、その程度でしかなかった。
「知り合い、、多く出来ましたよねー、ここ」
「ああ、他より多いな、、」
「また、来ましょうね、、ゴンザとかマキシムとか居るとは限らんけど、二ヶ月もいりゃ来るでしょw」
「奴等の誰かは常にいるだろ」
「あーそうっすねー」
「次は、妖精とか、全部見つけたいっすねー」
「・・・・それはそれで、、またなんか面倒になりそうだなぁ、、」
「「ははははは!」」
晩飯は宿で食った。
給仕の子に、明後日朝に発つんだが、と、日のいずる国への行き方と、あっちに行くのにココで買っていったほうが良いもの、とか、何かアドバイスないか?と訊いた。
客が引けた後、給仕の子達は俺ら席に来て、皆で茶を飲みケーキを食いながらいろいろ話を聞いた。
4人いる給仕や下働きの子の半数は日のいずる国から来たという。
「あっちより待遇いいとか?」俺
「いや、ここ、飯がうまいって有名なんで、小さい頃から”大きくなったらブートッチに住むんだ!”って決めてたんで、、」
そーっすか、、、
(なんか、妖精と一緒だよな?)泉さん
ほかの子達も似たりよったりだった。
「で、どう?ここ」
「「「「天国♪」」」」
まかないでさえ、すげーうまい!とか。
「あ、でもお客さんに出す食事のほうが美味いっすよ!!」
とフォロー忘れないトコが、プロになってるのってことかな?
「ケーキとか、食わないの?」
「「「「休みの日は皆でケーキ!」」」」
だよなぁ。
で、向こうの国境の街まで距離は無いんで、昼間近の馬車でも十分だという。
道も広く、よく固められている。石畳ではないけど、春先のぬかるみ時期になると、板を敷き詰めるという。
「短い距離っても、、すごいおお仕事だろ?!」俺
「街あげて、手伝える者達みなでやります。勿論領主様の兵隊がメインで。賃金でるんで嬉しいんですよねー」
店の客も幾分減るんで、かわりばんこに出るから、店の給金と道路工事の賃金で嬉しい時期だという。
ケチ臭い雇い主がいないらしい、この街は。
そういうとこでも居心地いいのだろう。、、あれ?でも農国、あまりケチ臭い奴見たことなかったな?全体的にいいのかな?
「貴族たちがばんばん金を使うんだろう、一般の社会で。ゴンザレス達が言ってたろ?どこでも食いに行くって。」
なるほど。
金持ち一人が一般社会でばんばん金使えば、一般人数十人や時には100人以上の生活向上の貢献になるだろう。
「俺らの武国も、結局似たようなことになっているだろ?今は」泉さん
そーなの?
「領主連中が、いろいろなことに金を使うようになったんだよ。しかも、領民の教育とか考えるようになったしな。小館を知ってから。」
ふーん、、
「ま、ゆっくりだが、、そのうち、うちの国もここみたいに心にでかい余裕が持てるようになるだろうさ」
「だったらいいですね」
給仕達は、自分達の国や人々が褒められているのだな、ということだけは理解できたようで、なんとなく喜んでいた。
ーー
給仕達のアドバイスを元に、というか、買っていったほうが良いもの、って全て食い物だった。
長持ちする干物がメイン。
あとは日持ちするクッキーとかバターケーキとか。
おすすめの店でおすすめの品を買い込み、、、食って無くなってしまうものなんで、少しの間は重くてもいいのだ。
夜、スクレの夜番する店。
「きたよー」
「ちーす」
「いらっしゃいませー!」
がやがやがやがやがやがやがやがやがやがやがやがやがやがやがやがやがやがやがやがやがやがやがやがやがや
「盛況だな、、つーか、、席ない?満席?」俺
・・・・
「あ、今作ります!!!」スクレ、
ケーキをおごってもらって食っているのに、中断して立ち上がる。
「あ、いい、あっちから持ってきていいんだろ?」と俺達が、ケーキカウンターの客用なのか、そこにある小さなテーブルと椅子を持ってくる。
で、同じものを注文し、スクレにもおごる。
今さっきおごってもらって食べてたのに、相変わらず顔が100wになる。こいつどんだけ、、
で、
ケーキが運ばれた時、
「あ、これ、市場で見つけて買ってきた、あげるよ」と、あの棒をスクレに。
・・・・・・??・・・・??!??・・・・!!、?、、!!!!! 「あーー!!」
何?
これ、、
「これ、じーちゃんだかばーちゃんの時代の、、、なんだっけ?」
ぽんこつ極まったな?
「ああ、魔法の杖だった、、」
スクレ、、、、のうまでクリームとスポンジになったんじゃね?
記憶がクリームに埋まって掘り出しにくかったの?
「使ってみてよ」俺
・・・・
「どーやるんだったっけ?とか考えてる?」俺
「いやいやいやいや!!そこまでじゃないですよーー!!でも、少しだけ、どーやるんだっけって思っただけで」
そのものじゃないですかね?
「てくまくまざこん、とか言いながらフルんじゃないの?」
「・・・・・あ、、+*@¥¥=!!#$&&!!」
しゅりーん!!!
俺らは星空に包まれて、というか、、360度星だけの世界にいた。
勿論息はできる、、が、、美しいというのか、息をのまれて息が止まっていた
しゅるーん、、、
数秒の後、店の席に座っていた。
「あー、まだうまく行きませんねぇ、、100年ぶりくらいっすかね、今の魔法使ったの」スクレ
他の客も呆然。
「杖のお礼に、、、」
と、スクレが自分の髪飾りを俺の襟に差してくれた。
「お、ありがとう、、」
へへへ、と照れるスクレ
で、俺らは明日発つというと、えー!!とびっくりする。
また寄るから、と確約できない約束じみたことを言ってごまかす。
「魔法使えるってばれたから、気をつけなよ?」泉さん
「あと、あっちの通りの**てパスタ屋に妖精の子いたから行ってみな」俺
朝まで満員でドタバタしていたスクレに別れを言い、俺らは宿に戻り、
荷物を持ち、
朝飯を食い、ゆっくり茶とケーキを食い終えてから、停車場に向かった。
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