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後−23 川沿いの街、ナンダコッチャ目前

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「今回は、、、後味がいいんだか悪いんだか、、、」泉さん
「まぁ、今後によりけりってことですかね?うまくいけばよかったし、いかなければまずったというだけで」
「あとは、宿のあの2人次第ってことかー」
「あの条件で飛びついてくれたんだから、めっけもんの内じゃないすかね?」
「・・かもなぁ、、そう考えれば、、な、、」

昼は川沿いの茶店に停まった。
そばがうまい店だと御者は言う。

泉さんはまいどのざると冷酒、川魚の焼いたやつ。
俺は山菜そばとやっぱ川魚。

そばはうまかった。コネもほどよく、ゆでもちょうど良い具合。長年の経験を培ってきた賜物だろうか、と思わせる。



ぱっかぽっこぱっかぽっこぱっかぽっこぱっかぽっこぱっかぽっこぱっかぽっこぱっかぽっこぱっかぽっこぱっかぽっこぱっかぽっこぱっかぽっこぱっかぽっこぱっかぽっこぱっかぽっこぱっかぽっこぱっかぽっこ

「なんか、川沿いばっかっすねー」
川に沿って少しずつ下りながら東に向かっている。

「この川は途中から南に向いて、日の出る国にいくだよ。次の町から日のいづる国に船があるだよ、馬車より少々値が張るがね」他の乗客の男
へぇー、、

「俺は船は好かん、、、」泉さん
「酔うんですか?」
「川船で酔うやつはおらん、好きではないだけだ」
ふーん、、

あ!沈没遭難の記憶、本体の体のほうの記憶の影響!!
トラウマになるのも当然だ、一回死んでいるのだから。

本当に必要になるってことがなけりゃ、船にのらなくって一生終えてもいいんじゃないかな。

などと学が気を使っていたが、
実はそんなこと関係なかった。

泉が生前の幼少時、女中が泉を小さな庭の小さな池でたらいに乗せて「お船ですよー」とやっていて、そのうち放置された。池のたらいに乗せておけばどっかに行かないし、イタズラもできないというわけだ。そしてその女中は友人というか彼氏が来て、それとの話に夢中になっていた。で、その隙きに近所の悪ガキがたらいを揺らす嫌がらせをしていて、そのうちほんとにひっくり返ってしまった。悪ガキはびっくりしてそのまま逃げた。子供でも低能だと無責任になりがちだ。助けもせずに逃げる。

泉は足が池の底に着いたから溺れ死ななくってまだよかったが、浮かんだ先がひっくり返ったたらいの中。息こそできるがたらいをひっくり返すことができなく、真っ暗で叫んでも中に響くだけで誰も来なかった。
今思えば、池に潜ってたらいの外に行けばいいだけだったが、当時はそこまで頭が回らなかった。幼児だったからね。

女中は泉が自分でたらいをひっくり返したと泉の母に弁明していた。
ホントの事を言っても事がよくなることなど、今まであった試しがなかったので、母親には何も言わなかった。が、後日自分で女中に仕返しした。

その記憶で、船と言ったらその女中のムカつく顔が浮かぶので嫌いだったのだ。
ただそんだけ。ろくでもない話である。


泉も学に負けず、生前の思い出はろくなのがない。というか、ろくなのしか思い出さない。
良い思い出を思い出すと、郷愁に焦がれるからだろうか。



天気の良い日の昼下がり、のどかな川沿いの道をぽくぽく馬車はのんびり走る。
乗客たちは寝入っている。
泉も学も居眠りだ。



「くしゅん!」
目が覚めた泉。
外を見るともう日がかなり低くなっている。
首を出して前を見てみる。そこそこ大きな街の影が遠くに見える。

「あとすごしでナンダコッチャですだー、」と御者。
そうか、次の町はナンダコッチャ、、、なのこっちゃ?
なんか、とっても名前の由来を知りたい街だな?

「なんか気になりますかい?」御者
能力者か?!!
「いえね、皆さん名前の由来を気にしますんで、一応・・」
・・・・
「この街の創設者が、
ナンダ侯爵とコッチャ騎士団長だったらしいです。二人は子供の頃からの親友で、二人の名前をあわせた街にしたそうですよ」

「・・・・つまらん、、」泉
「まぁ、、そういいますね。みんななんか多くを期待するみたいです、名前を聞いた時に。
お客さんはどんな感じの期待しましたか?」
御者も暇なんだろう、、

「まぁ、そうだな、、、
大昔、、まだこの辺りが無人であった頃、、ある冒険者が魔物との戦闘で瀕死の重症を負いながらここらに逃げてきた。川で傷を洗いながら、ああ、もう死ぬかなぁ、と自分の傷の深さを確認し、覚悟を決めていると、、、
川の精霊が顕現し、”ここにひとは来たのは初めてです。初めてのひとを死なせるわけにはいきません”と、癒やしの魔法で傷を全て瞬時に治してくれた。そして、その冒険者は川の精霊に感謝し、川の精霊に忠誠を誓った。
その後2人は一緒に暮らし、そのうち愛が芽生え番(つがい)になった。精霊は身ごもり、300と数日後、赤子が生まれた。

生まれたばかりのその精霊は羽が生えており、父と母に頬ずりした後、飛んでいってしまった。
”生まれたばかりの精霊は100年間霊脈の中で過ごし、精霊としての力を貯めるのです”と精霊である妻は冒険者の夫に言った。動転した夫は
”なんだこっちゃ!!!!”
なんのこっちゃ!となんだそりゃ!がまぢったのだった!!
で、その夫は、自分の死後に戻ってくるかもしれないわが子のために、わかりやすいように大きな街を作った。

ってのはどうだ?」

「ほう、すごくいいですね!!ウケますよ!アホっぽいのがいいですねっ!!
んじゃ、今度はそれを広めますわ!!
あーはっはっはっはっはー!!」

くそっつ、最初のもっ!!!

こうしてアレな人々との出会いの旅は続く。
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