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中−24 プスコの街なか、市場
しおりを挟む翌朝、飯を食い終わってまったり茶を飲んでいる時に泉さんが、
「この街はプスコと呼ばれ、農国の王都よりも古い街だという。このらへんは戦乱もなかったようで、大昔からの建物も多く残されているそうだ。
この街に入る時に城塞の門がなかったろう?この街に接しているのは武国のみ。未だかつて農国と武国はまともな戦争らしい戦争をしたことがないらしい。
なので、のんびりして居心地も良いはずだ、と宿の親父や御者達は言ってたぞ。
また、ここも、昨晩もそう寒く感じなかったろう?なんか農国特有の床暖房があるそうだ。
ほれ、お前が最初に作った煙を床に回すってやつ、と同じ原理らしい。
冬でも室内に居る限りはそう寒さを感じないんで、まぁかなりしのぎやすい、というか、武国の北部よりも室内は暖かだ、と言ってたな。」
ああ、それもあって、床が結構高くなっているのか、、、
単に冬は土が冷たくなるので離しているのかな?とか単純に思っていた。
「煙式より温水式のほうが効率いいんで、将軍も可能性ありますね。」
「ああ、そうか。よくわからんが、、。早いとこ連絡してあげたいものだ、今年の冬にはまにあわんだろうけど。・・・うまく言えば遠征費用の一部が稼げるかもな。」
「ああ、西への、、」
「ああ、いっぺん叩き潰して置かぬと、必ずまた何かしでかすわ、あのような奴らは」
「・・・アレだけの船を送ってくるんだ、国家上げての作戦だったんでしょうねぇ、、
しかも、あれほどの資源を欲しがった、ということは、西は鉱石資源がかなり欠乏しているのか?とも思える。
もしかしたら虎の子の船団だったとか?まさかねぇ、、」
「・・かもな・・・」
「少ししたら、外に出てみるか。その前におまえも領主様に報告書兼手紙でも書いておけ。
ここには武国の将官が駐在しているから、そこにあとで預けに行く。なんかあって、ここに少し逗留するとしたら、もしかしたら返事が間に合うかもしれんしな。先にだしておくのが無難だ」
「はーい、、、でも何書こう、、」
「わしと重複しても構わんのだぞ?違う目で見れば、また違うように見えたりするものだ」
「はぁ、、」
小一時間手紙に時間を使った。
その後、街なかを通り抜け、市場の横を通り、領主邸の付近に集まっている貴族の別邸に混じって、武国農国連絡将官邸があった。
武国の農国側都市にも、農国の武官が駐在している。
「連絡を密にできるってのはいいですねー。勘違いとか疑るとかの可能性が低くなるし、他国の謀略もできにくくなるし、、」
「ほう、よくわかるの」泉さん
「人間と一緒ですよねぇ?国だって。」
「まぁな、所詮人の集まりなだけだ。その人々の性格が、国の性格になるだけだしな。」
将官は不在だったので副官に預けてきた。
「城から(将軍から)貴方方のことは伺っています。各地の駐在役に連絡が送られたようです。預かったものは確実に将軍様に届けましょう。
何か入りようなものとか、要望とかございますか?」
「ありがとう。だが、今の所十分なので。」
滞在先と大まかな日程を伝え、辞した。
「なんか、えらいことになってますね?たかが旅だと思っていたんスけど、、、泉さん、なんか任務背負ってます?」
「いやー、、それとなく、も、なかったしなぁ、、多分、、、まぁ、気を回してくれただけだろ?親友のお気に入りの部下だから、てんで」
それから、あてどもなくぶらぶらした。普通の町並みでも俺らにしたら異国情緒てんこ盛り、歩いているだけでなんか、、ワクワクなのだが、、なんか落ち着いちゃう感じもする、、なんだろう、、懐かしい、のと似ている感じ。
大きなのもそうだが、小館の一軒家のみ程度の小さい寺も多い。年代別にどんどん作られた?
しかも、多くが専属僧侶がいない寺。寺と言っても、農国は武国と同じ宗教ではない。丸いものを屋根に載せた感じの作りが、こっちの寺になる。金をかけてるものはほとんど見ず、質素な作りに見える。
「おもしろいっすね、、上野ほどの密集度ではないけど、このでかい街全体に散らばって、どれだけあるんだ?と思っちゃいますねぇ、、」
「ああ、見た感じ生ぐさではなさそうなので、まぁ民には悪い影響になっていず、逆に民が多くしようとしてた、ということも考えられるな、、面白いものだ」
昼近くに、そこそこの大きさの寺の上で食堂(レストラン)をやっているところがあったので、入ってみる。
メニューは薄い本形式のもの。武国式の壁に貼って見やすさ優先しているものではない。
もしかしたら、昼間と夜のメニューが違うのかな?
「コメの飯があまりないのう、、学、なにかうまそうなの選んでくれ」
と、見てみると、、西洋料理みたいのばかりだ。
「昨日のシチみたいなこっちのごった煮とパンでいいですか?それとも、麺類の変形みたいのがあります。それは武国みたいな食べ方ではなく、上に汁をかけるか、多めの汁の中にいれている、というものですね。あと、魚のやいたもの、でも、いろいろな味付けがしてあります。
そうっすねぇ、、泉さん牛乳って飲んだことあります?」
「ああ、大丈夫だ。嫌いではない」
「その系統のスープもあります。トマトって好きでしたっけ?」
「まぁ、、たべられないこたないなぁ」
「んじゃ、牛乳系の汁に小麦の変形そばを入れたものと、菓子パンに近いものでパイつーのがあるんですが、それでいって見ましょう。」
「おう、なんだかわからんが、頼む」
注文後、パスタは思ったより早く出てきた。乾燥パスタではないのかな?
「お、思ったよりうまいな!味はよくわからんが、どんどん入っていく、ということは旨いと思ってるんだろうな、オレの体が。」
「よかったですね、食べ物が合わないと災難ですからねぇ、、」
「ああ、そうだよなぁ、、確かにそうだなあ」
多分、泉さんはその本体が西洋料理を欲しているんだろう。そのことをまだわかっていなんだろうな。
ましいてや本体は若い女の子だ、鶏と野菜クリームシチューのシェルパスタなんか大好きだったんじゃないかな。
俺自身も今時の子だったので洋食は好きだった。もう食べる機会など無いな、となんとなく思っていたので、突然のプレゼントみたいに嬉しかった。
ああ、泉さんの本体も、同じように感じているのかもしれないなー。魂自体は成仏してしまっているだろうが。
食後にはミルクティーとケーキを頼んだ。ケーキは知らないのばかりなので、泉さんに通訳お願いして、癖のないものにした。
「ほほう、、なんかよくわからんが、あまいものも美味いものだな、、特にこの茶と合う。ふーむ、、おもしろい」
「はは、泉さんは辛党で甘党の両党になりましたねー、」
「ああ、甘いものがこれほど、、、ふーむ、、この国は面白いかもしれんなぁ、、、」もぐもぐもぐもぐ・・
それから泉さんは他の種類3つほど試してぺろっと食べきった。
ちなみに、コーヒーはだめなようだった。
!!そうだ!!、現物があるものは、いずみさんに選ばしてみよう!
価格は、安かった。農国の物価は安いと聞いてたが、、宿の食事より安い?寺だから、なのだろうか?
またぶらぶらと歩いていたら、人通りが少しずつ多くなった。先に市場があるようだ。
行かない手はない。
「よその土地に行ったら、まず市場をみると、そこの状態が感じ取れます。」と熊が言っていたのを思い出した。
活気はあるが、叫んで呼び込みをやっている、というほどでもない。なんか、まったり活気、なかんじ。
売り子が客ともなんか世間話?長話を普通にしている。のんびりしてるなー。
路地を走る者もおらず、荷物運びも特に人を押しのけ前に出ようとなどしない。
!猫みたい?猫ってほとんど喧嘩しないよね、エサ箱一つの場合も、前の猫が終わるまで待っているとか普通だし、、寒い時集まってる猫に更に潜り込むのがいても気にしないし、、
そんな感じだなー、ここは。
小館村の者たちものんびりしているけど、、根っこが違うと言うかそもそもの別の種類みたい、なかんじだな。
まぁ、基本白人系だからなー。武国はアジア人系。
店先に並ぶのは、知ったものも多いが、見当のつく知らないモノもあり、また、見当すらつかないモノも少なくない。
おもしろい。
「この、一見雑草みたいなの、も、食べ物なんですねぇ、、」
「ああ、俺らが美味いと食っているごぼうとか、他国者にしてみりゃ根っこだそうだ。その根っこうまいのか?とか効かれたことあるぞw」
「なるほどねぇ、、食い方をしっているかどうか?なんですかねぇ」
「うん、そうなのかもなぁ」
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