上 下
51 / 409

中−18 旅の宿いろいろ?

しおりを挟む

ぱっかぽっこぱっかぽっこ
がたごとがたごとがたごとがたごと
暇だと言うか平和だと言うか、、天気が良いねー
音と振動が眠気を誘う
うつらうつらしながら視線はそとののんびりとした景色に

あー、いなかの鈍行列車の旅みたいだなー
・・・・
・・・・
うえ、、、ああ、夕方かーー肌寒くなってきた、、
ああ山越えか、、
あー、下界が見えらー、、随分登ってきたんだなー
お、やっと峠か?
って、峠とかで野営するの?もう暗くなるよ?いや、なってるよ?
ぼうずだよ?木すらほとんど生えていないよ?この峠!!
ピューピュー言ってる、、うわーー、寒そう、、

って、宿ありました。ありがたやありがたや!

峠のわずか下、風の直撃や雷を避けるための位置だろうなとすぐにわかった。
建物はかなりの年月を経ているようだ。
かなりの俺らみたいな旅人に喜ばれて来たんだろうなぁ、、偉いぞ!

「いらっしゃませー」
客はそこそこ。俺らの馬車の客たちが入ったら満杯くらい?
帳場を見たら大部屋もある。こんなところで客があぶれないように詰め込める部屋を持っているわけだ。

「2人泊まれる部屋ありますか?」
「ああ、まだあるよ、飯、つける?夜と朝、二人分。付けるなら銀貨一枚。」
「え?一人分?」
「いや、二人分で」
「いいんすか?」
「ああ、ここは毎日お客さん多いからね、安くてもいんだよ」
「風呂は裏に露天が在るから。」
「風呂もあるんすか?」
「温泉が湧くんでねー」
「まじ住みたい住みたいくらいっすね!」
「あはは、よく言われるよ
でも季節に寄っては風が凄くてねぇ、、人が飛ばされるくらいの時もある。
特に雪の季節にはね。住むのには慣れが必要だねぇ、、」
・・・・

「おう、露天風呂とな!早速行こう!!」
泉さんは大乗り気。
「温泉の後の酒はうまいからなー♪フフンフン♪」



「おじょうちゃん!ちゃんと洗いなさい!」
「仕方がないわねぇ、おばちゃんが洗ってあげるから」
「いー、いいからー、ワシ自分であらうからぁーー」
「いいからいいから!」
うひぃーーー!!


なんか女湯から聞こえるけど、大丈夫そうだね♪
じゃぶ、、ふぃー、、、
最高♪鉱泉か、、活火山じゃないのかな、良かったな。
噴火してこの宿が被害受けたら悲しいからなー


晩飯
野鳥だな、もも肉。泉さんのは胸肉。締まってて噛むほど美味い。味付けが塩とほんの少しの胡椒だけってのが丁度良い。
ハツとレバの串焼き、野草のおひたし。大根の味噌汁。
飯は麦が半分くらいまじっているけど、逆にそれがおかずにマッチしてるのか、美味く感じる。
すげーな、、王都とかで店出せば、、いや、ここでも充分繁盛しているか、、、
隠れた5つ星、ってとこだなぁ、、

旅路の宿なんぞ、大して語るところも無い宿が多いのだが、ここはすごくイイ!!
あれだな、領主様に推薦してもいいくらいだわ。
「泉さん、ここあれですね、領主様に推薦してもいいくらいじゃないっすか?」
「おう、俺もそう思った。酒が普通なのが勿体無いがなー」
まぁ酔いつぶれられてもアレだからだろーな。


翌朝
野菜と鶏肉の煮物。おひたし。味噌汁。ごはん。
と言えば普通に見えるが、みんな美味かった!
なんだかなぁ、、なんか、村で普通に飯食ってるのがもったいなかった?
もっと美味しく作れたんじゃないか?って思わせられるものだった。


ぱっかぽっこぱっかぽっこ
「お客さん達、あの宿、どうでした?」御者
「すっげー旨かった!温泉も良かったし!やすかったし!!」俺
「そうでしょうそうでしょう!この路線の目玉ですわ、あーはっはっはっは!!」
だろうなぁ、、同じ道のりなら皆こっち選ぶだろうな。いや、少しくらい回り道でも選ぶかな?

峠から幾分下ると、もう風の音もなく、木々も茂り、普通の風景になった。

次の宿は、全く普通で、わざわざ記すべきことは無かった。


その次のちょいと大きい街が終点だった。
御者のおっちゃんにおすすめ宿を訊いた、つか、
「おっちゃんどの宿に泊まるの?」
「あっはっは!もろだなーwその根性に免じてワシの定宿を教えてやろう、でも誰にも教えるんじゃないぞ?
お前が小さい子連れてるから特別だぞ?」
と教えてもらった宿。

ぎぃー、ガランガラン、
・・・客、いねぇ、、
「いらっしゃい、、、」
陰気臭い人が出てきたんですけどー、、、アンデット?
泉さんの気で浄化できないかな?
「いやだなぁ、、私は人間ですよ?初めてのお客さんはみなそんな反応するんだからー」
「あ、、ご、ごめんなさい、、人間とはわからず、、」
「ヒデェ、、」泉さん
「あ!!」
「まぁいいですよ、誰かの紹介でしょう?」
「ええ、まぁ、、特別にって教えてもらって、、」
「んじゃ、部屋あいていますよ?どうします?」
「あ、お願いします。食事付けてください。」
「はいはい、、晩飯と朝飯、昼の弁当はいるますか?」
「え?そんなのあるの?」
「ええ、殆どのお客さんは持っていきますねー、御者さんが多いから、、」
なるほどー
「どうします?」泉さんに訊く
「うむ、もらっとこう、御者たちが持ってくんだ、うまそうだからな」
「はいー、んじゃ1部屋2人分の3食で銀貨2枚です」
「・・・いいの?ガラガラなのに?」
「はっはっは、うちは混むのは
「おやじー来たぜー!」どやどやどや、、、
7-8人がいっぺんに入ってくる。
「このように、遅くなってからなんですよ?」
はー、、、


晩飯は賑やかだった。あの御者さんもいて、その仲間も多く、泉さんも飲みにまじって。
飯ウマだったし、エールも美味かった。
御者さんが多かったんで、北への路線も訊けた。ここから農国のでかい街まで駅馬車が在るという。人が多いので、毎日朝早くに出ているので困らないだろう、と。
「でもこの街素通りは勿体無いよ?」と一人が。
「あー、そうだな、、2,3日いてみりゃ面白いってわかるだろうな」と2,3人が同意。

「んじゃ、2,3日ここでゆっくりしてみるか?」
「ですねー」


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

チート幼女とSSSランク冒険者

紅 蓮也
ファンタジー
【更新休止中】 三十歳の誕生日に通り魔に刺され人生を終えた小鳥遊葵が 過去にも失敗しまくりの神様から異世界転生を頼まれる。 神様は自分が長々と語っていたからなのに、ある程度は魔法が使える体にしとく、無限収納もあげるといい、時間があまり無いからさっさと転生しちゃおっかと言いだし、転生のため光に包まれ意識が無くなる直前、神様から不安を感じさせる言葉が聞こえたが、どうする事もできない私はそのまま転生された。 目を開けると日本人の男女の顔があった。 転生から四年がたったある日、神様が現れ、異世界じゃなくて地球に転生させちゃったと・・・ 他の人を新たに異世界に転生させるのは無理だからと本来行くはずだった異世界に転移することに・・・ 転移するとそこは森の中でした。見たこともない魔獣に襲われているところを冒険者に助けられる。 そして転移により家族がいない葵は、冒険者になり助けてくれた冒険者たちと冒険したり、しなかったりする物語 ※この作品は小説家になろう様、カクヨム様、ノベルバ様、エブリスタ様でも掲載しています。

祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活

空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。 最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。 ――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に…… どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。 顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。 魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。 こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す―― ※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。

異世界転生はうっかり神様のせい⁈

りょく
ファンタジー
引きこもりニート。享年30。 趣味は漫画とゲーム。 なにかと不幸体質。 スイーツ大好き。 なオタク女。 実は予定よりの早死は神様の所為であるようで… そんな訳あり人生を歩んだ人間の先は 異世界⁈ 魔法、魔物、妖精もふもふ何でもありな世界 中々なお家の次女に生まれたようです。 家族に愛され、見守られながら エアリア、異世界人生楽しみます‼︎

料理スキルで完璧な料理が作れるようになったから、異世界を満喫します

黒木 楓
恋愛
 隣の部屋の住人というだけで、女子高生2人が行った異世界転移の儀式に私、アカネは巻き込まれてしまう。  どうやら儀式は成功したみたいで、女子高生2人は聖女や賢者といったスキルを手に入れたらしい。  巻き込まれた私のスキルは「料理」スキルだけど、それは手順を省略して完璧な料理が作れる凄いスキルだった。  転生者で1人だけ立場が悪かった私は、こき使われることを恐れてスキルの力を隠しながら過ごしていた。  そうしていたら「お前は不要だ」と言われて城から追い出されたけど――こうなったらもう、異世界を満喫するしかないでしょう。

神獣に転生!?人を助けて死んだら異世界に転生する事になりました

Miki
ファンタジー
学校が終わりバイトに行く途中、子供を助けて代わりに死んでしまった。 実は、助けた子供は別の世界の神様でお詫びに自分の世界に転生させてくれると言う。 何か欲しい能力があるか聞かれたので希望をいい、いよいよ異世界に転生すると・・・・・・ 何故か神獣に転生していた! 始めて書いた小説なので、文章がおかしかったり誤字などあるかもしてませんがよろしくお願いいたします。 更新は、話が思いついたらするので早く更新できる時としばらく更新てきない時があります。ご了承ください。 人との接し方などコミュニケーションが苦手なので感想等は返信できる時とできない時があります。返信できなかった時はごめんなさいm(_ _)m なるべく返信できるように努力します。

異世界でのんびり暮らしてみることにしました

松石 愛弓
ファンタジー
アラサーの社畜OL 湊 瑠香(みなと るか)は、過労で倒れている時に、露店で買った怪しげな花に導かれ異世界に。忙しく辛かった過去を忘れ、異世界でのんびり楽しく暮らしてみることに。優しい人々や可愛い生物との出会い、不思議な植物、コメディ風に突っ込んだり突っ込まれたり。徐々にコメディ路線になっていく予定です。お話の展開など納得のいかないところがあるかもしれませんが、書くことが未熟者の作者ゆえ見逃していただけると助かります。他サイトにも投稿しています。

『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?

釈 余白(しやく)
ファンタジー
HOT 1位!ファンタジー 3位! ありがとうございます!  父親が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。  その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。  最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。 その他、多数投稿しています! https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394

積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!

ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。 悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。

処理中です...