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中−14 出立 「さあ!僕達の旅の始まりだー!!」 打ち切らない!!
しおりを挟む準備は整った。
で、
どんな準備をしたの?
というと、、
地図、
行き先(とりあえず)、周るところ。
期間(だいたい)
連絡方法
泉さんと話し合った結果、装備品よりも重要なのは計画だということいになったわけだ。
で、
足慣らしとして、最初は国内を周り、雪解けと共に北に上っていく。
大国農国の王都には武国の駐在官がいる。そこに寄り其れまでの足跡と気付いたことやらの報告を出し、東武領主に送ってもらう。
秋まで農国を東に向かい、秋になったら早めに南に下る。いきなり冬にはいるだろうから降雪に合わないように下る。雪が最地域まできたら、そこで少々滞在。その後東に向かう。
その後は、東の海に当たるまで進むつもりだが、あまりに遠かったら南の小国郡に向かい、西に戻ってくる。海側から武国に入る。
各国ではなるべく首都に向かい、武国駐在官がいるところは報告を残し、いないところはなるべく商人などに手紙を託せる者がいれば託す。
銭は国によって違うので、なるべく貴金属で持っていく。尽きる前に稼ぎながら進む。
ひとところに長く滞在する時は、可能なら武国まで便りを出す。
「ま、こんなところじゃろう、、
で、装備は軽いほうがいい。」
泉さんと俺は、攻国に行った時の装備をそのまま。
泉さんは二本刺しはやめて脇差しのみ。俺は小太刀というか小刀、刃渡り15センチほどのナイフのみ。
軟膏、丸薬、乾燥食料、水袋、酒少し、
マント、カサ(かぶる方)、衣料着替え一式、
手ぬぐい等小物類。
必要なら中古で揃え、要らなければ売るなりで処分。
旅程は東武領周囲近辺は熊が詳しい。ので、よく聞いて地図に書き込みをした。
許可は降りた。
ーーーーー
里心が付くと困るので、大々的な見送りなど断った。
領主様と泉さんが小館に来て、小館からの出発となった。そのまま西に。
上村を越し、峠越えをし、向こう側の領地に入る。ここらへんまでは熊の話しを聞いていたので楽だろう。
「ひー、、ひー、、いずみさーん、、ちょ、ちょっと休けーしまそー、、もうだめー」
・・・・・・
無視されること数回、
半日でやっと足を止める泉さん。
乾燥飯、乾燥肉、乾燥野菜を食いながら水を飲みながら、足を揉む俺。
鬼だ、泉さんは鬼の娘だ!
「おまえなぁ、、一人だったら一日でちっとも進まんかったぞ?子供でさえも日に5里は行けるんだぞ?」
、、、20キロ?まさかぁ?
「なんだ?疑ってるのか?んじゃ次の村で聞いてみようなー、」
え、まじ?まじに子供でも?
「で、でも、俺文明人だし、、」
「ナン年こっちにいるんだよ、もうこっちの人間になってるじゃねーか、おまえ、体を鍛えるのが嫌いなだけだろう?」
・・・すきではない、、、
「・・・もしかしたら、歩き方がアレなのかもなぁ」
今度は泉さんに歩き方を教えてもらいながら進む
「おら!また足で歩いているぞ!」
ああ!
叱られながら教えてもらったケツ筋肉で歩く方法で歩く。
確かに足は楽だ、、なんかほとんどつかっていないケツの内部の筋肉?腰の方の筋肉?痛になりそう、、
「大丈夫だ、そこは筋肉痛になりにくいから」
まじかー?
山を挟んでちょうど上村の逆側あたりの村で一泊。上村での温泉開発の話を聞いて、ここでも領主様にお願いして温泉を掘ったとのこと。勿論湧いた。
筋肉疲れにちょうどよく、、
うまい飯くったら、、爆睡数秒前だなこりゃ、、、
「学、早く起きろ、馬車に間に合わなくなるぞ!」
ガバッ!!
「え!馬車あるんすかっ!!!」
「うむ、領都方面への駅馬車があるそうだ。週に2本程度しかないので乗り遅れたら歩きだぞ?」
どたばた!どたばた!
速攻で着替えて荷物をまとめ、下に降りて朝飯食って駅(と言っても門前の広場)に急ぐ。
席が無かったので空いていた屋根の上の荷台に。季節がいいし、天気もいいので屋根の上は気持ちよくぐーすか寝られる。
2晩かかり領都から2つ手前の町で下車。
ここから領都へは東に進む。俺らは北に行くので枝街道に入る。
不定期馬車があればそれ、商人などの荷馬車がいれば乗せてもらう交渉をするのが基本だ、と泉さん。
客馬車は2日後に出るという話を宿で聞いた。
悩む泉さん。
商業組合で北に向かう馬車はないかと訊くと、
「たぶん、**商会の馬車がもうそろそろ出るんじゃないかな?」と。
聞きにくと「明日出立」。用心棒してくれるんなら乗ってもよいとのこと。
客馬車なら人ば多いので使い手は必ずいる。が、荷馬車は御者と使用人がいるかいないか程度なのだ。
商談成立。
3晩4日かけて真北の大きな街に行くとのことだった。月に1-2回は往復しているとのこと。ツイていた。
流石に表街道と違い、人通りはほぼ無い。
「これじゃ少しは用心棒ほしいわけだな。」
「山賊とかほぼいないとか聞いてたんスけど、、」
「東武領は、まずいない。外から流れてくる者達でも仕事くらい有るからな。悪党は即討伐されるし。
しかし、他の領はどうだか、、、」
「、、ははぁ、そう言われれば東武領ってバーサーカー資質の者達ばかりって、、、強さもだんとつ武国一だと、、、」
「まぁそのバーサーカーとやらが何を言うのか知らんし聞かないけど、、そういうことだなー」
昼に半時ほど休憩し、各々昼食をとる。丁度小さな村の入り口で、茶店が出ている。
こういう時代だから、人通りの少ない枝街道でものんびり商売できるのだろう。畑仕事をやりながらの現金収入のための茶店、だ。衣食住は自給できる、何かのときのための小金を溜める、というためだけの茶店商売。年寄りにやらせておけばいい。
泉も学も、そういったガツガツしていないこの世界が好きだった。
古ぼけて修繕跡がそこここに見えるが、清潔にされている。店の中で蕎麦をすすり、冷酒を飲む。
ほどなく出発。
はらがこなれてきた頃、馬車が止まった。何もない場所。
「か、金を出せ、、、」
ばらばらばら、と、5-6人の貧相な者達が小刀?包丁?を持って、、
あきらかにびびっている、
「チッ」舌打ちする泉さん
ガちゃ、、ぎぃ、、
タン、タン、 俺も一緒に降りた。大丈夫そうなので。
「おい、おまえら、食うに困っての物盗りだな?
初めてだろう?
農民か?木こりか?仕事は何やっていた?」
「お、おめぇーにそんなこと答えるギリねーだ、、」
「いや、まて、、おらたちは農民だ、年貢が払えなくて逃散しただ、、、」
「なぜ払えなかった?」
「急に男どもを雑役に駆り出され、収穫に間に合わんかっただ、、コメも野菜も大半がだめになった」
(こりゃ、村を潰したかったんだろうなぁ、どこの領主だ?)
「どこの領だ?ここらじゃないな?」
「ああ、北の山2つ越したとこの北山領だ。北村、おら達の村だった。今は誰も居ないはずだ。」
泉さんは懐から銭袋出し、少し考えてから幾らかをそこから出して、そして懐から筆を出しちょいと舐めて湿らせ、懐紙にすらすら、と何かを書く。
「ほれ、ここから南に進めば裏上村という村に着く、そこから東の山を越せば上村に出る。その先に小館村がある。そこの村長に渡せ。おまえらがまともな農民になりたいのであれば、領主様は受け入れてくれるだろう。
だが、騙すなよ?世界一恐ろしい東武領の領軍が駐在しているんだからな?」
びびりながらも手紙を受け取って、銭も受け取った。小館まで位なら皆で毎日2-3食は食えるくらいはある。
東武領も小館も、ベテラン農民はほしかった。
夕刻の野営まで、それからは何もなかった。
商隊での野営は初めてだ。
商人だから結構良い野営なのかな?とか思ったが、俺達と変わらない。湯を沸かし、保存食を食べ、湯か薄いスープを作って飲むだけ。寝るのは荷台か御者台に横になる。
泉さんは気配に敏感なので、「全員眠っても大丈夫」だという。ので、見張りはたてず。
朝起きたら狼が3頭切られていた。
「夜中に襲ってきてなー」と、何でも無いように言う泉さん。
バーサーカー達にとっては普通以下程度ということだろうなぁ、、
狼の毛皮をはいで持っていく。
「そこそこの金になる」とのこと。
うちの人狼たちのモフ度にくらべりゃ哀れになるほどがさがさだ。
それから3日後、何事もなく到着。
北山領ゴラーテ。
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