6 / 14
6,仕事
しおりを挟む広告代理店も、大きくなるとそれはそれは手広くやる。
某アメリカのそれはアメリカに敵対している国をどうやってアメリカの隷属国家にするか?まで請け負う。同時に各方面への利益供与も考えながら。
だから東欧南部でのあの時はNATOが臓器売買でかつて無いほど儲けた。一般兵士たちには何も入らなかったが。そしてCIAのNATO支配は強まり、ネオコンのそれは弱まった。
日本の代理店にそこまでの能力はないが、プロパガンが流布くらいはできている。
今回、その立案、総指揮をやらないか?というオファーがあったわけだ。勿論露骨にそう言ったわけではない、が、わかるものだ。
6年後ならできるかも、と応えておいた。6年後でも受ける気はないだろうが。
だが奴等もしつこく、立案数件出してくれないか?と。
内容を聞いてしまえば逃げられないので断った。立案だけだと軽く見た者達はみなその策にはまり、抜けられなくなっていることだろう。
僕らを嵌めるにしてもその程度しか考えつかないのだろう、よほど人材がいないのだろうな、とは思う。
この一件で僕は危機感を覚えたので、依頼元を手広くしてみよう、と、幾つかの国に作品見本も添付したオファーを出してみた。
流石向こうは早い。1週間もしないうちに返事が来た。ビジネスというものを理解している者達との関わりは、手強いけど効率的だ。なにせもったいぶる低能等居ないのだ。そんな程度の者達は一生ペーペーでしかいられない。そういうものを上に上げる会社はほかから相手にされなくなる。そういう世界だ、向こうは。
幾つかの会社と契約をし、作品を送り始めた頃、やはり日本のその代理店は仕事を減らしてきた。兵糧を断てば降参して受けるだろうと子供のような考えを実行したようだ。
もしそれを海外の相手にもやっているのであれば、自らの愚かさを喧伝している無能者だと認識されていることだろう。
日本のその代理店に僕は「全て切ってもいいですよ?」と答えておいた。なにせ新たな顧客の支払う報酬は日本の数倍から10倍以上だから。今までの数分の1の仕事で同額稼げる。
この機会をくれた愚か者達に感謝を!
とりあえず日本マーケットの公告コピーからだ。
注意しなければならないのは、公告依頼主の詐欺レベル。日本以上のもあるし、結構まじめにほとんど事実のみしか許容しない、という会社もある。なので当該顧客の最近の公告を参考にしてその具合を理解し、それに沿って、しかもマーケットに受け、更に依頼主も納得できるようなものを。
日本語でのコピーだが、依頼主の言語での説明を付ける。日本マーケット顧客の傾向やら他社の良い公告を比較に出したりする。
公告の図柄が出来上がってればやりやすいのだが、ラフだけ、とかもある。
その場合、コピーに沿った注文があれば書いてしまう。そういう主張は、通る通らないに関わらず、関係者に一つ以上の情報を与えるのでポジティブなことなのだ。
日本だと「出過ぎたマネ」と言われていたのでやらなくなったが。
大半が2-3回の直しで済んだ。一回で通ったのは1つのみ。
最初に何点か出して、向こうが選んで、直しが有れば直しを、という形が多い。
まぁ、そういってもつきあい始めなので向こうもこちらを試している程度の案件、なのだが。
でも気持ちいいものだ。自分の好きなセンスを活かせる作品にさせてもらえた。今までの代理店はなんか田舎臭いものばかりに修正させられていたので、知らず知らずに鬱憤が溜まっていたようだな、自分の中に。
これで、学校でもプライベートでも気持ちよく過ごせる大きな要因が増えたというわけだ。
良いことだ。ありがとう、僕を切ってくれた代理店!!♪
0
あなたにおすすめの小説
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
地味な薬草師だった俺が、実は村の生命線でした
有賀冬馬
ファンタジー
恋人に裏切られ、村を追い出された青年エド。彼の地味な仕事は誰にも評価されず、ただの「役立たず」として切り捨てられた。だが、それは間違いだった。旅の魔術師エリーゼと出会った彼は、自分の能力が秘めていた真の価値を知る。魔術と薬草を組み合わせた彼の秘薬は、やがて王国を救うほどの力となり、エドは英雄として名を馳せていく。そして、彼が去った村は、彼がいた頃には気づかなかった「地味な薬」の恩恵を失い、静かに破滅へと向かっていくのだった。
冷遇王妃はときめかない
あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。
だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
地味な私を捨てた元婚約者にざまぁ返し!私の才能に惚れたハイスペ社長にスカウトされ溺愛されてます
久遠翠
恋愛
「君は、可愛げがない。いつも数字しか見ていないじゃないか」
大手商社に勤める地味なOL・相沢美月は、エリートの婚約者・高遠彰から突然婚約破棄を告げられる。
彼の心変わりと社内での孤立に傷つき、退職を選んだ美月。
しかし、彼らは知らなかった。彼女には、IT業界で“K”という名で知られる伝説的なデータアナリストという、もう一つの顔があったことを。
失意の中、足を運んだ交流会で美月が出会ったのは、急成長中のIT企業「ホライゾン・テクノロジーズ」の若き社長・一条蓮。
彼女が何気なく口にした市場分析の鋭さに衝撃を受けた蓮は、すぐさま彼女を破格の条件でスカウトする。
「君のその目で、俺と未来を見てほしい」──。
蓮の情熱に心を動かされ、新たな一歩を踏み出した美月は、その才能を遺憾なく発揮していく。
地味なOLから、誰もが注目するキャリアウーマンへ。
そして、仕事のパートナーである蓮の、真っ直ぐで誠実な愛情に、凍てついていた心は次第に溶かされていく。
これは、才能というガラスの靴を見出された、一人の女性のシンデレラストーリー。
数字の奥に隠された真実を見抜く彼女が、本当の愛と幸せを掴むまでの、最高にドラマチックな逆転ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる