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第百七十三話 海の遺跡と人魚と男子達と、 (マッハ達)2

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遺跡に対してのやる気を削がれて筏でのんびりしようと思っていたマッハ、ターロ、ジーロ、クマの4人。
人魚に話しかけられて、人魚の住環境問題改善に乗り出す!


結局人魚セレーネに手を繋いでもらい、その左右の手に2人ずつ繋がって引っ張られていく。
水圧がすごいのだが、海に入る時に全身にまた薄くバリアを張っているのであまり問題は無い。

時計が有れば10分程度だろう。急に深めになって岩場になっている場所に着いた。

「ここよ。いい感じに岩が多くって住処に丁度いいよのね。筏からも近いでしょ?」セレーネ

「危ないな」マッハ
「うん、よく怖くないよね?」ターロ
「あれなんか、蹴ったら崩れそう」ジーロ
「原始人でもも少し安全なところを選ぶと思うが、まぁ海の中だから崩れたら避難しやすいのかもな」クマ

「あんた達、こんな場所でも見つけるの大変なのよ!!」

「うん、だから俺らが来たんだろ?もっと岸の近くか、島の近くじゃだめか?」

「深さはそこそこ必要なの。海面が荒れている時でも、このくらいになればほとんど影響ないわ。」
「ああ、だから崩れないのか、、」
「なるほどね!」
「考えとるんだなぁ、、まぁ命がかかるんだ。当然か、、、」

「それじゃ、頑丈な家だったら、潰れないし流されない家があればも少し浅くてもいいのか?」
「まぁ、、だと思う。」

「族長とかいないのか?」クマ
「一応国王様です」セレ
「へぇすごいな、王国か。でかいの?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・セレ

(おい、もしかしたらこの見える範囲だけかもよ?)マッハ
(・・・・・そいつは悪いことを聞いてしまったな、、)クマ

「まぁ、とりあえず作ってみてから王様にお伺いをたててみようか!」マッハ
「それがいいな!!」クマ
流れがよくわからないが、「「おーー!!」」と、ターロとジーロ。

数分ほど戻って、幾分岸に近い危なくない場所を選んだ。
もう野次馬人魚達はいなくなっていた。自宅に戻ったら出るのめんどくさくなったのかな?
「この辺なら崩れるとかないし。深さ的にはどうかなセレーネ?」

「まぁ、荒れても、、、このくらいならそれほど強い影響はないわね。けど、この程度だと流れはできちゃうわよ?海がいっきに押し寄せる感じ?」
「それは、、すごい力だろうなぁ、、小山程度だと危ないんじゃないか?」クマ
「そうなのか?」マッハ

「だからあの崖下みたいのがよかったのか、、」クマ
「そうよ、あそこなら崖の上を通り過ぎていっちゃうんで、私達のところにはその圧力が来ないの」セレ

「昔の話なんだが」
と見た目10歳から、せいぜい小さめな15?と無理すれば言えないこともないかな?程度なクマが言い始める。

「海賊の島ってあってな、島の海に面した断崖に洞窟があってな、、そこから島の中心に洞窟が伸びていて、その奥に海賊どもはお宝を隠していたんだ」

「すげーな!探しに行こうぜ!!」ターロ
「おもしろそう!!」ジーロ
「いや、今はそういう話じゃない」クマ
「え?行かないの?」セレ
・・・・・・・・・・・・・・マッハ、クマ

「今の話から、島の海底に洞窟を掘って島の中の方に広い場所を作って、そこに集落を作れば嵐でも安全だと言いたかったんだろ?」マッハ
「そのとおりなんだが、、、」クマ

もうセレーネとターロとジーロは行く気だ。

「・・・あー、どうせ島を回るんだ、探すのも同時にできるけど、先に人魚の住処を作るからな?」マッハ
「「「はーい!!!」」」ターロ、ジーロ、セレーネ

そっから幾つかの島の周囲の海底部分を見て回った。
岸に一番近い、筏のある島は小さすぎ、その上島の周囲は砂ばかり、傾斜もゆるいので穴掘ってもじきに砂で埋まってしまうかもしれない。

4つ目あたりはバリアが張られていた。で、「ダンマス使用中。立入禁止」の立て札が浜に立っていた。

その一つ外側に良さげな島。
外海側から内側の半分まで断崖。そこそこ大きい島なので内側をそれなりの大きさにくり抜いてもよさそう。内側には森が広がる。

「大きな街くらいはある島だな、、丁度良いのではないか?」クマ規準は中世のおフランス。なので市川市くらいはあるのではないか?
「お、クマもそう思う?俺もなんか気に入った」マッハ
「少し岸から遠いけど、外海に面しているのがいいわねー」セレ

「そうなの?外に面していると何がいいの?」マッハ
「魚の種類がダントツ増える。大きい獲物が取れるのよ。水も冷たいし、硬いし、手強い環境がやる気出るのよ。」セレ
「うむ、、海の男だな」クマ

セレーネには浜で待っててもらって、4人は島の中心に飛んで行く。
上空から見渡すと、もう待ってましたとばかりに池がある。
「こういう場合、普通湖だよね?海底と繋がっててさー」ターロ
台無しなやつだ。

先にそいうこと言うと、そういう用意はしてもらえないものなのだ。
「あ、フツーの水、、、ここは荒らせない。ので、離れた場所にしましょー!」池の水をチェックしてみたマッハ

「でも丁度いいな、ここの島にも人が住めるというものだ。」クマ
「そうだな、ドラゴニア以外の者達も住めるな」マッハ

ドラゴニアの者であれば、水は自分で出せる。最低でも飛行魔法できる。転位出来るものも少なくない。あげくに、殆どが大きめ以上のストレージを持っている。当然身体強化できるしバリアも張り続けられる。極地でも一月以上暮らせるだろう。
でも、自然の水があるのは嬉しいし、そっちの水のほうが魔法で出す水より美味しい。魔法で出さなくて済むのは有り難い。

よく見ると外海側半分が小高くなっている。そこの森の中心から少し外側にまた池があった。
降りて、池の水を舐めてみるマッハ。
「あ、海水、、、」
どれどれ、と皆舐めてみる
「「「しょっぺーぇーーー!!!」」」顔をしかめる皆。

「折角神様かだれかが用意してくれたんだ、掘り進むぞ!」マッハ
「「「「おーーー!!!」」」」

「で、どーやって?」マッハ
「「「・・・・・・・・・・・・」」」
あ!、とクマ。

「魔法でこの池から海まで通っている穴に、ロープ通せない?それ頼りに掘り進めればいいかと」クマ
「いいアイデアだな!!」ターロ
「おう、いいな!誰かロープ持っている者?」マッハ
「「「・・・・・・・・・・・・」」」

「浜に戻ってセレーネにも聞いてみよう」
と、皆で戻る。

話を聞いたセレーネ。
「ちょっと待っててね」

程なく人の太さ程度の太さの海蛇を持って(連れて)きた。
「私とこの子をその池につれてってくれない?」セレ

マッハとターロがサイコキネシス(魔法ですw)で海蛇を浮かび上がらせ、クマがセレーネを背負ってジーロがその補助をしてどうにか上の池まで運んだ。
どっぶーん!!ぼちゃん!

「あー、、ほんと海水そのまんまね。こりゃいいわ、、、んじゃ、、」
とセレーネは海蛇になんか言いつけている、いいわね!とか、しっぱいしたら蒲焼き!とか聞こえる。

と思ったら、ちゃぽん、と海蛇が潜り、、、ごごごごご・・・と音が小さくなっていく。池の底が土で濁っていく。

「セレーネ!もしかしたら、海蛇が掘ってるの?」
「ええ!そうー!あとからその穴を広げるだけだから、、広げなくてもデブじゃなけりゃ通れるけどねー!」
篩ですか?デブ仕分けの?
かわいそーだから後で広げてあげよう。

ほどなく、
ざっぱーーーん!!と勢いよく海蛇が戻ってきた。
うみへびが何かをセレに言っている。
「へぇ、偉いよくやった!明日ここに来なさい、報酬に魚をあげるわ」セレ
なんかがっかりがもろわかりな海蛇、魚じゃ自分でも穫れるもんなー

「ちょっとまって、俺が報酬を出すよ、」
マッハ、ニヤと念話で話す。ほどなくマッハの足元にケーキが幾つか乗った皿が現れた。

「ほら、海蛇、ここで食べな。海の中に入れたらダメになっちゃうからな。」
と海蛇の近くの土の上に皿を置く。

海蛇、興味津々で近づいて、パク・・・ぱくぱくぱく、、と一個を一口で食べて、4口で終わってしまった。
その後マッハを見て、セレに何か言った様子で、ちゃぽん、と消えていった。

「アタシも食べたかった、、、」
「いやちがうだろ、、まぁ、あとで食わせてやるから、、」
「あ、約束よっつ!!」
・・・
「そう言えば、海蛇がなんか言っていなかった?」
「そうそう、戻ってくる時穴を広げたって。デブでも通れるか、普通の人魚がすれ違えるくらいにしたって。」
「賢いな、、」
「それと、ゴチソー様だって。またなんかあったら呼んでね、とも言っていたわ」
うまかったんだな、、

それからマッハ、ターロ、ジーロ、クマの4人で池の辺り際の水中に土魔法で家を幾つも作った。勿論ドアなし。使いやすいようにセレーネにいろいろ訊きながら作った。

それらが終わってから、皆で洞窟を通って海側に出る。洞窟の入り口を門風にしてかっこよくした。
「衛兵詰所も作ろうよ!」とジーロが言うので、かっこよさげな詰め所も作った。

「なんか、国の入り口っぽくなったわねー」セレーネ
「村から国へ昇格!!」ターロ
うんうん、と皆頷く。

「あ、んじゃ王宮つくろーぜ?」マッハ
「ちいさいんでいいわよ。人数多くないし、調子こくのもまずいから」
セレーネ・・・・



全部出来たあと、セレーネが人魚達を呼んできた。

人魚達大喜び。見た目がすごく良くなったことを喜んでいる様子。流石人魚だ、へんな自尊心高めのが多い様子w
王は「やっと王国になれた、、、」とその場に座り込んで感涙しはじめている。海の中だから泣いているとかよくわからんが。
どっちかというと住居だけ見たら、スラムからいきなりぷち王国、ってな感じだ。

マッハはニヤに念話して礼をいい、この人魚王国をマークした。

この島はドラゴニア。なので人魚王国はドラゴニアの国内国として、軍事的経済的に保護下になることが、後、人魚国王とガンダによって決まった。



「「「「あー面白かった!!!」」」」
4人の休暇はとても充実したようだった。
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