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第百四十六話 秘密の夜間工事

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翌日は新南東領都に戻り、停車場を見つけて北に行く馬車を探した。
イスターニャまで行く馬車は無く、終点で乗り継いでいけば3本くらいでいくじゃないか?と御者達は言った。

「んじゃ、これから北に向かう馬車、ある?」ドーラ
「ああ、俺の馬車がじきに出るぜ、もうそろそろ席が半分うまるからな」
半分?
聞くと、途中で結構拾うらしい。なので満員まで待つと、途中の客がかわいそうだろ?と言う。

「儲けが少なくなるんじゃないの?」ユータ
「あっはっは、心配してくれてありがとよ、でもなもう前みたいにバカッ高い許可証代を毎年払わんでいいのよ。それで俺も馬も客も楽になったってことだ。」御者

以前は詰め込めるだけ詰め込まないと食っていけなかったらしい。
「おもすぎて馬車の軸は度々折れて、ある程度走ったら替え軸を積んで走っていたよ。軸も単なる棒っきれじゃねーから、買わなきゃならねー。各地の領主に金をやるために走っていたようなもんよ、俺も馬も。馬鹿みてーだろ?

でも、今はガタが出だしたら交換できる。客も詰め込みはしない。勿論たまたま混む時は、屋根でも載せてやる。載せないとその客は翌日まで馬車が拾えない時もあるからな。
でも大概は、馬は楽に走れるくらいでしかない。こいつも歳だからな、あまり苦労させたくないんだよ」

「もう少し道が良くなりゃ、馬も助かるんじゃないの?」ドーラ
「ああ、今、新しい王さんが、なんか徐々に街道整備しているってことだ。ここもそのうちやってくれるだろうさ。なにせ南から北への主街道だからな」

じき、昼飯休憩になった。
街道沿いの茶屋に馬車は停まった。
御者は「ココはそばが美味いぜ」というので、それぞれ違うそばを注文してみた。
ばゆの甘露煮そば、きのこと肉のそば、がっつり肉そば

ローラは肉そばが気に入ったようだ。
「そば自体は、つるつるして面白いけど、あまり食べた気がしない、、」
と、ローラは握り飯いくつかとトリの丸焼き1羽を追加で食べていた。

他の客と御者は、信じられないものを見ているような目で見ていた。


「ローラ、道の整備ってやったことあるか?」ドーラ
「ないでーす。ダンジョンの道はそのままでいいし、、作るものって、ダンジョンボス用の、それらしく見えるようにした城とか、各フロアボスで城を欲しがったのに作ってあげるとか、しかしてないわ。」

「ひとの街の道は、こんな感じで馬車も走るんで、できればきれいに均すほうがいい。外だから雨も降る。土だと雨が降ると沼の端みたいなることもある。だから石を敷く。」
「めんどくさい?」
「ああ、面倒くさい。もし魔法が使えなきゃ、俺はやらんだろうな、途方も無い仕事だよ」

「でも、にんげんは、それを魔法を使わないでやっている。もし仲間がそんな苦労していたら、かわいそうだろう?だから俺達はできるときは手伝ってきてた。今回も、やったほうがいいんで、今晩手伝ってやる。夜中にな。」ドーラ
「んじゃ、次の町?」ユータ
「ああそうだ。夜は走らないので、夕方に街に着けて泊まるんだよ人の移動は面倒なんだ。」
と、ローラに説明したドーラ。


「出発でーす!」
客がぞろぞろ馬車に戻る。

それから、腹がいっぱいになった客達は当然眠気に襲われて眠る。
ユータたちも。

「クシュン!」
誰かのくしゃみと、少しの肌寒さで起きたユータ。外を見ると日が落ちて、街道沿いに家が増えている。
次の街は大きそうだ。

ほどなく停車場に到着。
翌日は日の出には馬車が停車場に来ているという。焦らなくても、ここは主街道だから馬車は多い。満員でも次があるから大丈夫だ。と説明された。

「どこが一番でかい街なの?」
とユータが訊く。王都が無くなったからね。

「今は、国境の街が最もでかくなっている。うちの国が戦争でボロボロになったから、もう交易頼りだ。当分それは仕方がないだろう」
とのことだった。

「ああ、だから南の街道、、」ユータ。
ドラゴニアとの街道を、ミカロユスが整備しているのだ。ものすごくでかい街道を。

「・・んじゃ、あの街道の真ん中車線は、鉄道馬車とかにするほうがいんじゃない?」ユータ
「おう、そう言ってみるか、、そんだけ鉄があるかな、、今度はダンマスに調査して貰わんと足りないんじゃないかなぁ」ドーラ
線路を引くとなると、膨大な量の鉄が必要になりそうだ。魔法で合成?いや勘弁だよ、、

御者におすすめ宿を訊いて、礼を言って宿に向かう。メシウマ宿を教えてもらった。

1部屋2ベッドしか無いと言われたが、あとから以前ストレージにしまった昔の宿のを出して使えばいい。
「んじゃ、外の野原に宿ごと出して使えばいんじゃね?」ドーラ
「どこの冒険者がそんなことしているの?」ユータ
・・・・・・・・・・・・・そらそーだ、、

風呂に行って、冷たいもの飲みながら帰ってきて、夕飯食べて、ユータとドーラは少しエール飲んで、ローラは苦いと飲まなくて、寝た。

ユータとドーラは夜中に起きて、鼻提灯出して寝ているローラを起こし、部屋から街道に転移。
新南東領の領都への枝道の入り口から、北の国境まで、土から石の素材になるものを抽出して7-8cmくらいの平たい石にして敷き詰め、間にモルタルを流し込む。

もし鉄道馬車を通すのであれば、道の下に少し砂利を敷くほうが良いが、当分はこれで持つだろう。
荷物を載せた馬車でも、ユータの時代のトラックなどに比べりゃかなり軽いものだ。
少々手直し必要な方が、沿線住民に仕事ができるだろうし、、、、と言い訳w

夜間に走る馬車などほとんど居なかったが、なぜか2台ほどいて、施工の間浮いていて貰った。

夜が明ける頃には終わった。3人は転移で宿に戻って、昼間で寝ていた。

「ふぁー、、よく寝た、、、」
一番最初にドーラが起きた。
街がざわついている。
ああ、これで起きたんだな?と思った。
が、いや、こんな程度で起きるほど神経質じゃねーよな?俺、、と思い直すドーラ。

ぐぅー、、、腹が鳴った。
あ、これで起きたのか、、、納得のドーラ。

「ユーター、、ローラー、、飯いくぞー」
がばっ!!
「ごはん!!どこ?ごはんっ!!」ローラ
「、、おう、顔洗ってこいや、、よだれでがびがびだぞ?」
・・・・
舌を伸ばして顔を舐めあげようとするローラをはたいて、
「めんどくさがらず、洗面所のオケに水あるか、それで顔洗ってこい!」
「ういーっす」

うーん、、ごはん?いらないー、もすこしねる、、とつぶやくユータに馬乗りになって
「ごはんいくぞー!寝るのは馬車の中でいーだろーが!」
「うー、、わかったよー」


食堂
晩御飯もうまかったが、今食べている飯もうまい。肉野菜スープにご飯。スープにご飯をぶち込んで食べてる3人。
最初「何やってんお?」みたいに見てた他の客。
でも、うまそうに食べる3人、お代わりしている。
恐る恐る真似してみる者がではじめ、、その者も美味いとがばがば食い始めると、結局全員が同じことをした。

途中で厨房のご飯が無くなって、お代わり終了。
物足りない顔のローラ。
「んじゃ外行って食うか?」
「うん!」

他の客が呆れてた。
昼過ぎもかなり経ったので、
「もう一泊していくか?今馬車乗ってもたいして進めないし、、」
「「賛成!!」」
「食べ歩きするほうがいい!」ローラ
・・・・・まぁ、そうだろうな、、と、ユータとドーラ

宿でもう一泊の代金を払い部屋を確保し、表に出る。

結局夕飯まで食べ歩き、、、、食べてたのは主にローラだけど。
夕方に風呂に行って、宿に帰って夕飯食べ、またユータとドーラは少し飲んで、寝た。
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