放課後はダンジョンに行って憂さ晴らしのつもりがいつの間にか学園最強になってたことに気が付かなかった

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第百二十五話 ちょっとそこいらを、、

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ドーラが念話でジョニーに呼びかけても返事なし。
日本から念話でドラゴニアにいるダンマスに呼びかけられたドーラが、だ。

「もしかして、、」
「いや、死んじゃいねーと思う、、通じているけど、相手が出ない?みたいな?」
うん、わかる、、、

「寝てる?」
「どうだろ?でもそんな感じかなー」
「時間ずらす?」
「ああ、またあとで呼んでみる。」

なので、ユータ達が以前いた国リターニャに占領されてた国ラットビアに行こうか、となった。
どっかうろついてりゃいいだろ、と。
出発したのに連絡付かないから戻る、とか、なんかもったいないと言うか、、、そんな気持ちしたのでw

まず現地の様子をみたいので、リターニャとの国境の街に転移する。
問題があるとすればここらが一番なんかあるんじゃないか?とドーラが思ったのだ。

まず上空に転移し、街全体を見渡す。
「大きいねー」
「ああ、それだけ国境が使われていた、ということだろうなー、あのバカ王どもがアホウなことするまでは」

どんな仕組みを使ってる国だろうが、支配階層がアホウだとろくでもなくなる。支配層が責任感持って国を運営していれば、仕組みがなんであれ、民は幸せに生きられるのに。

この街の外壁はさほど大きくはない。侵略はあまりされなかった?獣や魔獣が入れない為の壁だったのだろうか。
ダンマスが言うには、昔の王もアホウで侵略やってたとか言っていたと思ったが、、、
闘わずにスルーの街なのかな?
それだと王が大変だなぁ、、
まぁ、どっちにしてもあまり良い国では無かったし、、
とかドーラとユータは話す。

当時はゴンザール以外良い国はなかった。北のイスターニャは比較的良い国みたいだが、イスターニャの情報は他の国にはほとんど入ってこなかったようだ。周囲がアホウな奴等ばかりだったんで、出入りを厳重にしていたんだろう。

一応城塞の街なので、出入りには門を通る。
なので門の外の街道の目立たないところに転移して、歩いて門に向かう。

「あまり魔獣や獣の気配ないねー」
「ああ、狩り尽くしちゃったんじゃないか?近場だから」
「冒険者や狩猟者が多いのかな?」
「だろうなー、デカイ街だもんなー」

門はデカイ。出入りが一度に多くできるようになっているわけだ。
入る人はそう多く並んでは居ない。
人が少ないのか?というとそうでもなく、出入りは容易だからな様子。

ユータも冒険者証を見せ、ドーラも最近作った冒険者証を見せてすんなり入れた。
ドーラの冒険者証を見た時、衛兵は「へ?」という顔をしたが、子供に見えるからだろう。


街の中は整然として、ゴミもそう落ちてはいず、きれいだ。
「うん、良さそうな街だ」
「だねー、」

とりあえず食堂に入ってみる。
昼には速い時間だが、客はちらほら居る。
壁の品書きを見たら結構多くあった。それらの料理にはいろいろな材料が使われている。もちろん海から遠いここでは海の食材を使ったものはあまりない。干した海藻くらいだろう。それでもそこからモノの豊富さはわかる。

味も悪くはない。ここで生活してもいいかな、くらいだ。量もケチっては居ない。
他の客を見ても、それなりの物を食べている。

「問題なさそうだねぇ」ユータ
「ああ、悪くはなさそう。」ドーラ

茶を持ってきてくれたおばちゃんに訊くと、景気はまぁまぁだという。安全性のほうは、西の国リターニャが引き上げてから問題は起きていないし、魔獣は出ないし、ならず者は今はいないし、よくなったと。
「ならず者、いないの?」
「以前はいたんだけどねぇ、、傭兵とか冒険者でも碌でもないのが多かったし、、でも最近はそういうのは見ないし、聞かなくもなったねぇ、、」
と、上々の様子。

国境の向こうからも人が来るし、大方は商人のようだ。流民、難民はいないという。こっちからも商人は行くらしいが、向こうから来るよりも少ないという。
こっちのほうが景気がいいということだろう。

他の街の話も訊いてみるが、あまり他の街の話は聞かないようで、よくもなく悪くもない、んだろう。もしどっちかだとしたらそういう噂は流れるものだ。
少なくとも国境の向こうの街は悪くはないはずだよ、とおばちゃん。

「拍子抜けだが、いいことに越したこと無い。よかったな」ドーラ
「だねー、」

で、食堂を出てから通りや裏通りを歩いてみた。
「お!ケーキ屋じゃね?」
匂いに敏感、もとい、美味しい匂いに敏感なドーラ。
そのためにダンジョンを出たのだからね!この元ダンジョンボスは。

そのケーキ屋は喫茶店で、中で食べられた。食事もできるようだ。紅茶もそれないりので美味しかった。
値段も高くはなく、田舎から出てきた労働者でも週に一、二度は食べられるくらいじゃなかろうか。
掛けだしの冒険者はメシを食うにも精一杯だろうけど、、

その後裏道を歩いて、下町の奥の方、通常であればスラムになりそうな地域に行ってみた。


「いないね?」
「ああ、まったく。危険性さえ全く感じねぇ、、」
そこらに歩いている者に訊いてみる。

「ああ、もう無いよ。スラムは。ここらがそうだったからな、一番ひどかった。でも見ての通りだ。いい感じだろう?」
と、自慢げに話してくれた。
孤児院は今はこの街の長の邸に隣接して新しく建てられた建物だという。
「立派だぜ、今ではここの自慢でもあるな。昔みたいな不幸な孤児はいないんじゃないかな?皆ちゃんと学校にいかせてもらっているというか、強制で行かせていると言うか、、行くの嫌がるのもいるみたいでな、、」

新しく来た子、とくに年長者は今更学校なんぞ、というらしい。が、少し通ってると面白くなってくるらしく、、、友人ができりゃ面白くなるからな。


孤児院に行ってみた。
外から見ていると、子どもたちは少なくとも今ここでは不幸ではなさそうだ。

門が開け放ってあるので入ってみる。
門が開け放ってある、というのも、意味合いは大きい。子どもたちも、そこまで弁えているということでもある。しっかりしているのだ。無論、管理者達のレベルは高いことが前提になる。子供を押さえつけようとしていると、門を開け放つことができる状態なんぞにできやしない。

「もともとから、わるくはなかったようだな」ドーラ
「だよねー、そんなすぐに変わるのもなかなかできないしね」

子どもたちはデブこそいないが、やせ細っている子はいない。血色も良い。
元気よく前庭で遊んでいる。井戸から水くみをしている子も、それを手伝ってる子もいる。

「お客さんですか?」
年長の子が訊いてきた。
できた子だなー、と思う2人。
「できたら、院長さんに会いたいんだが」
「どこの方ですか?」
更に出来た子だなー!

「ドラゴニアの孤児院関係の者だ」と、ドーラ


院長がすぐ来て、事務所に案内された。
茶を出され、いろいろ話を訊いた。正直者の様子。
人も良さそうだ。今の環境なら上手くできるだろう。厳しい環境だと闘うことは出来ないような人に見えるけど。

教会上がりだが、教会に信頼を置いていなかったので孤児院管理に飛ばされ、自分もそれでよかったと。
「あまり教会にかかわりたくなかった」らしい。
いきなり教会の本山である聖光国が滅亡したので、ここの領主に部下にならないかと言われ、そのままここでやている。
ここの領主は世間でも評判もよいくらいに、街をうまく運営し、人びとは他よりマシだった。
(ああ、だからスルー派なんだな、、戦闘しない、、)とドーラは思った。国より街を優先しちゃう。ある意味すげー決断家!

是非この街の領主にあってみてくれと、今居るはずだからと、となりの領主邸に連れて行かれた。

領主と院長の2人の様子を見ると、かなり懇意にしている様子。

(この領主、うまいな。信頼関係作ってまとめてるんじゃないかな)ドーラ
(そうだよね、そんな感じ)ユータ

領主はあまりドーラ達の身分を詮索せずに、迎えてくれた。院長が連れてきたんだから大丈夫だろう、みたいな感じで。
それも、領主が院長を信頼しているんだからね、という一種の意思表示でもある。
そうやって、更に信頼関係を少しずつ、積み重ねているのだろう。
王にしたらおもしろそうだな、とドーラは思った。

話はドーラとユータが思ったとおりのもので、街優先。
占領された時は、街の者たちに「抵抗しないこと。なにかあったら儂がでるから、とにかく儂を呼べ」と、可能な限り軋轢を防いだ。
街の者は、一人たりとも大きな被害に遭わなかった。物をとられたとか、飲食代を払わないとか、そんなこどどーでもいいことだ、領主があとで払えばいいだけだから、と。

犠牲者、被害者を一人も出さなかった、敵国兵に占領されても。すごいことだった。
(こりゃ、信頼されるわな、、)
(だねぇ!)

(まぁ、街の者たちも領主を信頼して我慢してたんだろう。)
(そっちも大したもんだよねー、一人も我慢できずに、ってのがいなかったんだろうから)
そう、街にもアホウが居なかったということだ。

敵兵が来たときには、それまで少しはいたならず者達は皆逃げ去ったとのこと。
「ありがたかったですね、それについては。その後戻ってきたけど、一匹たりとも中には入れまでんでしたよ、あっはっは!中には仮病を使って入ろうとしたけど、もし本当に病気や大怪我でも入れませんでしたけどね。」
と。

つまらん自分の些細な気持ちより、街を守る、という気持ちのほうが余程強いのだろう。

「世話になっているな。今後、何か問題があったら、躊躇せずにすぐに呼んでくれ。お前の助けになろう。俺はドラゴニア国王ドーラだ。」
ドーラは名乗った。

念話ができる者はいるのか?と訊くと、獣人の部下達ができるが、ドラゴニアまではどうかわからないと。
なので、呼んで貰い、ドラゴニアにいるテイナにドーラが念話で、この者と話してみて、と話させ、一旦念話を解除し、今度はその獣人の執事と兵士に、それぞれテイナに念話を送ってもらった。通じた。

機会が会ったら、部下たちも連れてドラゴニアに遊びに来てくれ、と言い、ドーラとユータは領主邸を後にし、その日は街に宿をとった。
領主も、ドーラ達に泊まってくれとか食事しようとか無理強いはしなかった。わかる男である!
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