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第七十五話 自然界の摂理と裕太の情
しおりを挟む今日はダンジョン側の街にあるゴンザールの離宮に来ているドーラとユータとダンマスとガンダとジョニー。
前日にゴンザールから防衛についての礼と、今後の話し合いをしたいと要請が来た。
ドーラとユータだけでいんじゃね?という意見も多かったが、敵対相手がクズばかりなので、対奸智に長けた者がいるほうがいだろう、とダンマスを。また、ドラゴニア関係でガンダ、冒険者絡みもありそうなのと、賢いおつむなのでジョニーも居てほしいとガンダの頼みでジョニー。ユータもジョニーがいると心強いと。
武力だとダンマス一人で済む話なのだが、一応他への被害を抑えたいかな、ということでそれらのメンツになった。ゴンザールと他国が離れていればとばっちり被害なんぞ受けないので、ダンマスにお願いの丸投げで全くOKだったけどwもしくは最大のドーラでのブレスのみ、とかで。
王様の執務室。
ゴンザールの魔物の森の領主様も居る。あと先程言ったメンバーの他にはいない。
特に、最近は既存の冒険者ギルド中央がゴンザールに敵対気味なので、いくらゴンザールにあるギルドのマスターがいい人でも、メンバーにするわけには行かない。同盟ではないのだから。
「あー、一応、念の為に確認したいんだけどさ、ゴンザールの王様、領主様?いいかな?」ドーラ
「ああ、どのようなことだろうか?」
「俺らの言うところの同盟って、基本個人間での信頼関係のみで同盟する、ってやつなんだ。人間の国と国との間とのそれは俺らには無意味なものとしか見えない。国のトップが変わったらどうなるかわからんだろう?」
「・・・・まぁ、、そういうことも少なくはない、、言うことはわかる。」王
「だから、俺とダンマスは子供と親の関係、ユータもダンマスの子のようなもんだ。もうダンジョンマスタールームに入れるんだからな」
「・・・・・・・・・・」王、領主。それがどのようなことなのか、を理解している様子。大汗かいてるもんw
「俺とユータとガンダ達は家族。なのでダンマスは、自分の子供の家族達、と思ってくれている。」ドーラ
「ただ、ゴンザールとは、王様、領主様、あんたたち2人と、俺との同盟になっている。俺にとってはな。だからあんたが国から裏切られたら、俺はゴンザールではなくあんたに付く。その時にゴンザールはあんたの敵なので、俺の敵になる。ここまで、いいか?」
「・・・ああ、理解できている」王
「俺の信頼するジョニー。それに似たような信頼に値するような冒険者がゴンザールには多い。何かあったら、俺は奴等も助けたい。心情的には。いいやつを助けないやつはゲスだしな。俺はゲスに成りたくないし。でも、ゲスはどんな小さなゲスでもその場で消す。生かしておくだけ被害が広まっていく。水に垂らした墨のようだ。すぐに掬って捨てなければ水全体が汚染される。
いいか?」
「・・・・ああ、、どうにか、、」
「なので、選別はしない。実質無理だし。潰す時は、そこの地域全体を踏み潰すか、焼き付くすか、そんな感じ。だからどっかに密偵とか送り込んでたら、とっとと引き上げさせろ。いらない。少しでもゴンザールやドラゴニアに良くないかな?と思ったら、俺はまずそこの頭を潰す。で、それでもダメだったら、その国や関連する国全てを焼き尽くす。
ここまで、いいか?」
「・・・うん、、、まぁ、、どうにか、、」王
なんか思考が追いついていないようかな?と思ったジョニー、
「あの、ドーラ、少し茶でも飲んで一服入れたら?」と。
その意味がわかったドーラ。そーしよう、と休憩を入れることにした。
休憩中、
「国王様、領主様、おふた方に僭越上がら申し上げたいことが、、」
「うむ、頼む。言ってくれ」王
王、わかっているようだ。自分達はもう今までと何段も違うレベルに来てしまっていることを。
「王様、領主様は、民衆の上に立つ人間としてすごく立派です。でも、他の国のそれらがどーしょーもないくらいであり、また普通の王様程度でも、あなた達の、、そうですね、足元にも届かない程度なのですよ。
だから、他国を知っている者達は、ゴンザールに来るんです。俺も、いくつもの国を見てきて知っている。だから、世界がなくなろうと、ゴンザールだけは残ってほしかった。今はそれにドラゴニアが加わってますが。
なので、心しておいてください。
ゴンザールはあなた達がいてこそのゴンザール。あなた達が居なくなったら、ゴンザールは他のクズ国になる。と。
そして、
あなた達のゴンザールとこのドラゴニア以外は、世界から消えて良い国なんです。
民衆も、それらの国の民衆は、そこの貴族同様にクズが大変多い。上面いい人ぶっているのが多いけど。
もし納得できなかったら、信用できるレベルの冒険者達に納得するまで聞いてみるといいでしょう。彼らは貴方達2人になら、忌憚なく全てを語ってくれるでしょう。
その後でいいです。決心してください。イザとなったら世界全部を相手にし、全てを消し去る、と。
それが、貴方の民の幸せに最も直結するのです。」
極端なじゃないか?と最初、そう思う2人。
でも、と思い直す。
自分は世界を知っているのか?いや、ほとんど何も知らない。
近隣諸国だけでも知っているのか?ほとんど知らない。面倒くさい奴等だ、としか知らない。
何も知らないんじゃないか?と、自分がそうであることに、愕然とした。
幾重もの人づてで聞いた話もあるが、それこそ情報としては価値は低すぎる。逆に事実と反対になることすらあるだろう、くらいだ。そのくらいわかるほどには聡明性を持っている2人。
かなり経って、、、それを理解して、
2人は、それぞれ、、ジョニーに、ありがとう、、、とポツリと礼を言った。
「んじゃ、ここで再開するか。」と、その茶の席で始めるドーラ。
「国境、閉鎖できるか?」ドーラ
「そんなことしたら、ゴンザールに逃げてこようとしている人びとが、、」領主
「ああ、それは他に考えている。先日王家を滅ぼした、ゲスザンスの方の荒れ地側の森、あそこから荒れ地に道を通したらどうかな?と思ってなー。あそこの森も魔獣の森なので、うちでいただいたほうがいいだろう?」
「まぁ、楽ですねぇ、、ダンジョン作ってもいいし、、」ダンマス。どっかに普通のダンジョン作りたい様子は以前からです。
「なので、ダンマス、、海にダンジョンって作れるの?」ドーラ
「えー、、誰も来ないし、、つまらなくないですかねぇ、、あまりやりたくないかなー」
「そこをどーにか、、ゴンザールへ海から侵入しようとする輩を皆クッちゃってほしいかなーとか思ってるんですけど、、」ドーラ
「まぁ、仕方ないですねぇ、、、ゴーミ側に作ればいいんでしょ?」
「ありがとうダンマス!!そう、で、ゴンザールに入らせないでほしい!」
「大丈夫ですよ、ゴーミの陸地から海に入れないから、あっはっは!」
ゴーミ、漁業壊滅!!ま、自業自得な、と思う皆。
「それじゃ、代替え案として、新しい方の森にもダンジョン作っていいよね?」ダンマス
「仕方ないっすね、、小さいんでお願いします、、、」
「小さいと、取れる資源もしょっぱいですよ?」
「うー、、、んじゃ、それなりに取れるものでお願いします。」ドーラ容認
親と子、マスターと配下、上下関係はあるが、それで強制というのは、低能達の間でしかありえない。
理性が有れば、相反する意見があったり依頼がある場合、相手と話相互の納得理解を必要とする。そして、今のようにそれは難しくない。少なくとも理性が有れば、衝動(感情)の好き嫌いに振り回されることは在りえない。
この世界、親と子以外の関係で、衝動に振り回されるようなヤツの相手をする必要はない。そういうのを相手する低能はまずいない。そしてよほどのバックがなければ、そういうやつはいつの間にか消えている。
前回はそれがゴーミ王家とザンス王家だった。その手先も同罪で、消し去った。
普段、ダンジョンや魔物達は人間の世界を放置している。が、ドーラがユータに関わった時点で、ダンジョンの、というか、世の摂理が人の社会にも適用されるようになった、少なくともユータからみで。
そして、大魔法使いとユータの理性によって、その摂理に「情」が加味されている。
ドーラの判断の基準、今のダンマスの判断の基準は、そこにあった。
「以前、この世界が壊滅する危機が在りました。その時に大魔法使いが、少数、何万かだけでも他の世界に逃がそうとしたんです。その時はその危機はどうにか回避できましたが、もしそうなっていたら、王様、貴方の国くらいでしょう、あの大魔法使いが逃してくれたのは。そしてうちのダンジョンもでしょうけどw」ダンマス
「伝説の、、、」領主
「はい、あれは実際にあったのです。その時は、私さえも覚悟しましたよ。ほんっと、あの大魔法使いは天才ですねぇ、、天災でもあったけど、、、ぷw」ダンマス
わらいごっちゃねーっすけどね、、(ドーラ)
「それを考えりゃ、あんたんとこ以外、どーなろうと同じだろ?」ドーラ
「ええ、まぁ、、、、そうかも?」
「それともなにか?あんたんとこの人々に犠牲になってもらって、他のクズども救うか?」
「ゼッタイ嫌ですね」王、領主
「決まりだな」ドーラ
「これが、俺ら同盟の大前提だ。世界を潰しても、俺らを生かす」ドーラ
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