天使な狼、悪魔な羊

駿馬

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第9章 新たな関係

9.狭まる距離

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険しい山道が続く街道を野宿しながら歩き、私達は山裾に広がる地方都市ヤンゴートに辿り着いた。
石畳みで通りを整備された街の中には、たくさんの傭兵の姿があった。


地図を見ると、この街の周囲にある森の中にまで傭兵団の拠点があるらしい。
それがあると言うことは、ここは傭兵街だ。



「やっぱりサザベルの軍人がいっぱいいるね」


「そうだな。ここはサザベルの駐屯地があるみたいだな。しかし、マードリアの兵士はノーテンキな顔した奴ばっかりだな」


ルクトの視線の先には、1人の民間人の女性を取り囲む様にしてナンパしている2人のマードリア兵士がいた。




その様子とは対象的に、エメラルドグリーンの軍服を着たサザベルの兵士が、2人1組で巡回している姿をたくさん見かける。

その視線はルクトのように鋭く、マードリアの兵士が彼らとすれ違う時、まるで上官にする様に敬礼をしていた。
その様子から、まるでこの街がサザベル領内にあるかのような印象を受けた。





街の外れの方にある安い宿を取った後、私達はこの街にいる領主の屋敷へと足を運んだ。

屋敷は豪華な庭園のある2階建ての広い建物で、壁には緑色の蔦がびっしりと生えている。緑の隙間から灰色が見えているから、きっと石造りの屋敷なんだろう。


屋敷の門を守るマードリアの軍服を着た兵士に身分を明かすと、すぐに屋敷の応接間へと通された。

金で国全体が潤っているから貴族も裕福なのか、応接間はまさに豪華絢爛といった具合で、呼吸するだけで汚れがつくのでは?と心配してしまうような、見事な調度品で溢れていた。



「ようこそお越し下さいました!あのシェニカ様にご訪問頂けるなんて思ってもみませんでした。治療院は街の中央にある空き家をご利用下さい」


ーー『あの』って何だろう。もしや、口汚く罵り、時折制裁する暴力的な『ヤンキー渡り鳥』って噂されているのでは…。






「あ、ありがとうございます…」


内心とても複雑だが、『ヤンキー渡り鳥』でも訪問を歓迎されて良かったと思っておこう。





「シェニカ様。もしよろしければ、今夜こちらでお食事でもいかがでしょうか。
今、この街には今度サザベルの将軍になるユド様がいらっしゃっているんです。
事前の連絡はありませんが、高名なシェニカ様がお越しになっていると聞けば、喜んでいらっしゃるはずです」


ーー私は高名な『ヤンキー渡り鳥』らしい、多分。
至極真っ当に、グレることなく生きてきたつもりだが、私はとうとう日頃の行いから『ヤンキー渡り鳥』と言われる日が来てしまったのだろう。

ナンパ撃退をしているだけだと言うのに。泣けてくる…。とほほ。




「せっかくのお誘いですが、私はそういった場は苦手ですので遠慮させて頂きます」


「そうですか。それは残念ですね」


例え私が『ヤンキー渡り鳥』だろうが、将軍とか領主とかそういう人達との繋がりはお断りである。






翌日。治療院を開くと、傭兵も民間人もやって来るが、マードリアとサザベルの兵士もやって来た。


サザベルの兵士は、治療中も終わった後も淡々として必要最低限のことしか喋らないが、マードリアの兵士はここでもナンパしてくる。





今、治療部屋にいるのは、何に使うのか分からないが、大きなケースを持ってきた美形のマードリア兵士だ。


「シェニカ様。治療どうもありがとう。僕の珠のようなお肌には、一筋の怪我もあってはいけないんだ」


「はぁ」

脇の下の古傷の治療を終えると、彼はガタガタとケースを開け始めた。





「今度、首都に配属になるんだ。シェニカ様とは遠距離恋愛になっちゃうけど、俺がいつだって側にいることを忘れないでほしい。これは僕からのささやかな愛の囁きさっ!」


「は?」



「僕らの出会いは、小さな小さな空き家の中。そこで運命の歯車は回り始めた…」


ポロ〜ン。ポロ〜ン。



私の目の前の椅子に座ったままギターを構えた兵士は、ポロンポロンと1音1音哀愁を感じさせる曲を弾き始めた。




ジャジャジャーン!!


ーーあ、なんか曲調が変わった。





「ア〜!情熱の炎でっ!この身を焼きつくすまで〜♪ラララ〜。僕は君の永遠の恋の奴隷さ〜」


ジャカジャカ!!ドンドン!ジャカジャカ!!



突然始まったよく分からない歌謡ショー(?)に呆気に取られたが、すぐに我を取り戻した私は、目を閉じて気持ちよく大音量で歌う兵士の額に指を当てた。





「……貴方はその自慢の歌を街で一番目立つ場所で歌いたくなる。ハイ、行ってらっしゃい!」



強制催眠で穏便に御退場してもらった。


これも『ヤンキー渡り鳥』と言われないための措置である。きっと誰かが術を解除してくれるだろう。





治療院をそろそろ閉めようかと思う時間になってきた頃、ルクトの睨みに負けない子どもっぽさを感じる若い傭兵がナンパしてきた。



「先生っ!俺と朝までトランプしない?」


「しません。おかえりはあっちですよ〜」


私が出口を指差すと、傭兵が口を尖らせて不機嫌そうな顔をした。

早く諦めて出て行って欲しい。お腹が空いたから早く宿に戻ってご飯を食べたい…。





「ちぇっ。先生ってノリ悪いなぁ」


お腹が空きすぎて精神的な余裕がなくなった私は、怒りのボルテージが一気に上がってしまった。






「悪くねぇわ!さっさと出てけぇっ!お腹空いとんじゃ!」




ゲシッ!!





「いっでぇぇ!!鬼ぃっ!!」


キレてしまった私は、ついつい傭兵の脛に蹴りを入れてしまった。




「鬼じゃねぇわ!まったく!次の方どうぞ〜」


ルクトの影響か、だんだん私の口は悪くなっていく気がする…。



お父さん、お母さん。
シェニカは口が悪くなってきました。このままじゃお嫁にいけない気がします。

そして『ヤンキー渡り鳥』と言われてしまうのです…。ガックリ。





「先生、怪我の治療をお願いします…」


治療部屋に入ってきたのは、暗い顔で自分で自分の身体を抱きしめた若い女性傭兵だった。

私の前の椅子に座ると、彼女の手首に青紫色の痣があることに気付いた。



「はい。怪我はどこに?」


「手首や背中、胸とかに…」

小さな声で俯いて答える女性だったが、膝の上に置いた手にポタリポタリと水滴が落ちている。

泣いているみたいだ。



後ろに控えたルクトに、『あっち向いといて』とジェスチャーで指示を出すと、ルクトはプイッと窓の方を向いてくれた。



「すみませんが、少し上着を捲っても良いですか?」


「はい…」


ボタンを外してもらって旅装束の上着を捲ると、身体のあちこちに血の滲んだ跡が残されていた。




「これは…。痛かったでしょう。すぐに治りますから安心して下さいね」



アーチ型で短い横線がびっしりとある形状から、それは歯型に見える。治療魔法をかけていけば、身体中の痛々しい跡は綺麗サッパリ消えた。




「ありがとうございました」


「大丈夫ですか?もしかして、その…旦那さんとかに?」


私は小声で涙を目に溜めた女性に声をかけると、彼女はとうとう静かに泣き出した。



「付き合っていた彼と些細な喧嘩をしたら、エスカレートして。激昂した彼に乱暴されたんです。
同じ傭兵団だったんですけど、私は脱退してきましたからもう大丈夫です。
これから故郷に帰って静かに暮らします」



「そうですか…」


「例え恋人でも、乱暴を受けるのは辛いことなんですね。心が凍りつくみたいでとても悲しいんです。
彼は私を嫌いになったから、あんな酷いことをしたんでしょうね。とても大好きな人だったんですけど、もう信じられなくなりました」


傷は癒えたが、その時の恐怖を思い出した様で、入って来た時と同じ様に自分で自分の身体をギュッと抱きしめていた。



「そうですよね…」


傷を癒す治療魔法でも、心に負った傷を癒すことは出来ない。そして、色々と経験不足な私は的確な言葉が出てこない。

それでも私が出来ることは、彼女が少しでも気持ちが楽になるように話を聞くしか出来ない。




「今度は大事にしてくれる人と巡り会えたら良いな」


「きっと現れますよ!『男は星の数程いる!意外とすぐ側に良い人がいるかもしれない!』って、故郷の友達が言ってました!」


遅い初恋を最近自覚した恋愛初心者な私は、恋愛相談なんてとても無理だ。
中等科にいた時の友達が言っていた、フラれる度に言うセリフを思い出すと、つい言ってしまった。



「ふふふっ!そうですね。もう過去のことは早く忘れたいと思います」


女性がプッと笑うと、出口の近くから若い男性が心配そうにこちらを覗き込んだ。



「アイネ。治療終わった?」


「あ…。待ってたの?」


「そりゃあ、心配だからね。あいつに会ったら、君が辛いだろ?宿まで送るよ」


「先生、治療ありがとうございました。傷を見ると辛かったけど、綺麗に消えたし話を聞いて貰って楽になりました。
嫌なことは忘れて次に行こうと思います」


大したことは言えなかったが、少し元気になってくれたようだ。良かった、良かった。







片付けを終えて治療院から出ると、周囲はもう真っ暗で大通りには魔法で作った光が灯されていた。

ルクトと宿に向かって歩いていると、酒場のテラス席でお酒を飲んでいた傭兵姿の男の人に手を引っ張られた。



「んわっ!」



「なぁ、先生。こっちで酒飲みながら話でもしようぜ」



「何勝手に触ってんだよ」


ルクトが掴まれていた手を振り払うと、彼は私を広い背中に隠した。

振り払われた傭兵とその周辺にいた傭兵の数人が立ち上がり、ルクトと睨み合った。一触即発の空気に、私は思わず目を強く瞑ってルクトの上着をギュッと掴んだ。




「テメェには聞いてねぇんだよ。なぁ、俺と一晩ヤってみねぇか?朝までしっかり楽しませてやるからよ」


「お前みたいな小物はすっこんでろ」


「てめぇがすっこんでろよ!」


今すぐに掴み合いの喧嘩が始まりそうな空気が流れ、私はルクトの背中にしがみついて身を小さくするしかなかった。




「そこ。何やってる」


突然聞こえた低い声の方向に顔を向けると、そこにはサザベルの軍服を着た兵士が3人立っていた。


鋭い目で見据える黒髪の男性2人の間に、背の高い茶髪の男性が底冷えするような冷たい目をして立っている。

真ん中の人はルクトと変わらない体型だが、彼よりも背が高く、威圧感がとにかく凄い。一言も喋っていないのに、空間を支配している様な圧倒的な存在感だ。


その両隣の兵士も眼光が鋭く殺気を滲ませているが、真ん中の人は身が竦むような殺気を放っていて、正直言って凄く怖い。

ルクトの殺気に当てられて腰を抜かす人がいるが、私の前にルクトが居なかったらその状態になっていただろう。



「い、いえ。なにも…。おい、行くぞ」


ルクトに喧嘩腰だった傭兵が、冷や汗をかきながら仲間を連れてどこかへ去って行った。



「戻るぞ」


「う、うん」


ルクトは私の隣にピタリと張り付いて、私にフードをパサリと被せ3人の横を通り過ぎた。

私の背中に突き刺さるような視線を感じるが、怖くて振り返れなかった。



大通りから誰もいない脇道に入ると、私は緊張の糸が解けたのか足元から力が抜けて、ヘナヘナと地面にへたり込んだ。
ふと視界に入った手は、カタカタと震えていた。


「どうした?大丈夫か?」


「う、うん。緊張が解けてちょっと腰が抜けた」


「じっとしてろよ」


ルクトは私を軽々と抱き上げると、スタスタと歩き出した。




「え?ええ?」


「あんな所でへたり込んでたら人目について、またサザベルの兵士が声をかけてくるぞ」



「そ、そうだね。ありがとう…」


ーーこ、この状態はお姫様抱っこじゃない!ルクトの顔が凄く近いところにあって、何だか恥ずかしいっ!


スタスタと歩いているけど、ガッチリと抱き込まれているからか振動は感じないし、ルクトのかっこいい顔が近くてドキドキする。



「あの、お、重くない?」


「全然?こんくらい余裕だ」


「そ、そう?良かった」


ーー重いと言われたら、私はもう食堂でサラダしか頼まないと覚悟したが、ルクトは平然と歩いているし、呼吸が乱れる様子もないから、その必要はなさそうだ。


やっぱりルクトって力のある男性なんだなぁ。とてもじゃないけど、私は赤ちゃんくらいしか抱き上げられない気がする。



街の外れの方にある宿を取って良かった。ルクトにこういうことしてもらえるなんて思ってなかったから、私は腰を抜かしたことを少し嬉しく思った。







「あ、もう大丈夫。力が入るようになった」

名残惜しいけど、宿の手前まで来た時にそう声をかけて下ろしてもらった。
流石に宿の中までお姫様抱っこは恥ずかしい。




宿の1階の食堂でいつものように食事をした後、食後のお茶とお酒を飲んでいると、さっきの兵士の話になった。


「さっきのサザベルの兵士達、凄く怖かった。ルクトの殺気を浴びて腰を抜かす人の気持ちが分かったよ」


「真ん中にいた背の高い野郎が、ユドって奴だ」


「ユドって、確か領主が言ってたサザベルの次期将軍?」


「そう。胸に副官の階級章が付いてたし、俺達が立ち去る時に、他の兵士が名前を呼んでいたからな。
そいつが戦場で浴びせるような殺気を遠慮なく浴びせて来たんだ。耐性のないお前が腰を抜かすのは無理もない」



コロシアムの時も思ったけど、戦場ではあんなに恐ろしい殺気を浴びせられるのか。

怖い。私は戦場に行きたくないし、職業柄、戦場に行くことが禁止されていて本当に良かった。






「おい」

部屋に戻り、いつも通りルクトが私の部屋の前で結界を見届けようとすると、彼は不機嫌そうな顔をして声をかけてきた。



「どうしたの?」


「もう震えは止まったのか?」


「あ、えっと。ちょっとだけ…。気を抜いたら震えるかな」


へたり込んだ時に震えていた手は、今は震えていない。でも、あの冷たい目を思い出すとまた震え出しそうだ。
あの恐ろしい目が悪い意味で忘れられなくて、今夜は多分震えて眠ることになるだろう。




「落ち着かせてやる」


「え、えっと…。は、はい。お願いします…」

ルクトは部屋の中に入ってドアを閉めると、ギュッと優しいのに強く抱きしめられた。


私の心臓がバクバクして破裂しそうだ。顔が真っ赤になっているのが、嫌でもわかる。




「こんくらい、いつでもやってやるから遠慮するな」


「うん…。ルクト、ありがとう」


しばらく抱きしめてもらい、頭まで撫でて貰った。撫でられるのが心地よく、彼のあったかさが伝わってきて落ち着いたのか、顔を赤みも感じなくなった。






「そろそろ寝ろ」


「うん」

ルクトが私から離れると、とても寂しい感じがするし、もっとルクトの存在を感じたくなる。

また今度、こうやって抱きしめてもらいたいな。






今日はお姫様抱っこに抱擁までして貰った。


なんてラッキーで、心臓に悪い日だろうかと、私はベッドの上で枕を抱きしめながら、ゴロゴロと何度も転がった。


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