天使な狼、悪魔な羊

駿馬

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第18章 隆盛の大国

9.ほとりでの会談

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シェニカと並んで玉座の奥にある扉に向かって歩き始めると、彼女は物珍しそうに玉座を見上げた。今まで国の重臣と関わってこなかったから、王宮の中にある物が珍しいのだろう。
そんな彼女に色んなことを教えてあげたいと思っていると、シェニカは大臣達の後ろにいた文官を務める若い貴族達が送る視線に気付いたのか、貴族らしい煌びやかなワンピース姿の女性と、赤や青といった派手なスーツを着こなす男性達に視線を移した。

シェニカとの話は機密を多く含むからこそ、形式的な報告を行うこの場での話はすぐに終了となった。しかし、大臣達の後ろにいる若い貴族達のうち、ほとんどの者がなぜ呆気ない謁見だったのか不思議がっていて、それ以外の者の多くはシェニカの目に留まろうと熱視線を送っている。
そんな中でも、数人はシェニカを見ることも、口を開くこともなく、ただ静かにメモを書いている。その者達は爵位こそ低いが、与えられた仕事をそつなくこなすだけでなく、問題を徹底的に洗い出して考察し、練った対応策を簡潔にまとめて上官に提出するなど、高い評判を聞いている。
陛下は大臣を選ぶ基準は爵位ではなく能力と決めているから、今は有力貴族の座に居ても、代替わりをすれば一気に力を失ってしまうと、ほとんどの大臣が自分の子の反応を見て溜め息をついている。


「父上。この後何が行われるのですか?」

「場所を変えてシェニカ様と陛下との会談が行われる」

「その席には私達も同席するのですよね。どこに行けば良いのですか?」

「会談の席には王太子殿下と宰相様。バルジアラ様とディスコーニ様、トゥーベリアス様、その腹心しか出席できない。お前達は仕事に戻ってよろしい」

「どうして大臣を務める父上も、将来を担う私達も同席を許可されないのですか?」

「今回の陛下とシェニカ様の会談は、通常の『白い渡り鳥』様とのそれとは違う。内容に多くの機密を含むため、この場で話が出来ないから場所を変えるのだ。それに、ここにいる大臣全員が会談に同席すれば、トラントに向かった大臣達が不平不満を言うだろう?それを避けるための措置だ」


筆頭将軍のバルジアラ様と戦地に行った自分が同席するのは当然だが、他の将軍らや大臣らも会談の同席を願った。
力を持つ人達からの発言はある程度配慮されるのが通常なのだが、今回の相手は有益な情報が少ないシェニカであり、大恩人が不快に感じるようなもてなしは絶対に出来ない。

会談について意見を求める宰相様からの手紙に対し、「シェニカ様は会談というような席は不慣れでいらっしゃるので、大人数になればシェニカ様は居心地が悪く、話しにくい状況になってしまいます。シェニカ様と公的な者との接触は、最少人数かつ最低限の回数でするのが望ましいと思います」と返事を出しておいたら、『会談に同席する条件はシェニカ様と顔見知りの者だけ』となった。


その決定後に宰相様から届いた手紙には、

「首都に残っている将軍達は全員既婚ということもあり、単純にトラントとの大罪や『聖なる一滴』についての情報を、シェニカ様から直接聞きたいということで同席を願っていました。なので、説明をすれば直ぐに納得しましたが、大臣達は了承しながらも不満を漏らしていました。

彼らの魂胆といえば、シェニカ様が出席する場に同席すれば、顔を覚えてもらえる可能性は上がり、共通の話題などが見つかるかもしれない。もしシェニカ様と会話が出来る状態になれば、未婚の令息やシェニカ様と歳の近い令嬢を紹介出来るかもしれない。
陛下ですら頭の上がらない大恩人のシェニカ様に気に入られれば、どんなに代替わりの子に問題があっても高い身分や地位を約束してくれる、という呆れたものです。

そう考えて不満を漏らす大臣達の子どもはものの見事に無能なので、親である大臣が職を解かれれば、直ぐに爵位を落として王宮から締め出します。老後の生活と爵位の維持に必死な大臣達からすれば、今回のシェニカ様のご訪問はまさに好機。
彼らの思惑通り、シェニカ様に気に入られれば、無能であってもある程度の身分と地位は与えなければなりませんが、シェニカ様との繋がりや寵愛を振りかざして図に乗る者は、波風を立て秩序を乱す種となるでしょう。そういうことにならないためにも、ディスコーニ様による配慮を願います」

と書いてあった。
陛下や宰相様が気にするほどシェニカはそういう相手に興味を持つことはなさそうだが、油断しないように気を引き締めなくては。




「では晩餐会は何時から?」
「舞踏会はいつ予定されているのですか?今夜ですか?」

「予定はまだ宰相様から伝えられていない。謁見が終わったのだから、お前たちは早く仕事に戻りなさい」

そんな風に子らに話す大臣の前を通り過ぎると、何人かの令嬢や令息らは自分の顔色を窺って、「シェニカ様を紹介して欲しい」「自分達にも接触する場と時間を与えて欲しい」と訴えている。

シェニカと自分が親しくなっていること、シェニカに関することは全て自分を通すこと、というのは彼らにも既に通達されている。その上、バルジアラ様が『シェニカ様とディスコーニは恋人のように見える親しさ』と陛下に報告しているから、その話も王族や上級兵士、貴族らにも話が回っている。
これで自分に近寄れば、シェニカから邪魔をする者として認識される可能性があり、大恩のあるシェニカの不興を買ってしまえば国王陛下から厳しい咎めがある、と分かっているから自分に女性は近寄らない。

だから、女性たちは友人という立場になりたいと願っている様子で、胸の前で手を組んでシェニカに笑顔を送り、男性たちは彼女の目に留まろうと色気のある微笑を浮かべたり、小さく手を振ったりしてアピールしている。しかし、シェニカは誰にも興味を持たなかったようで、小さな会釈をして前を向いた。



「こちらにどうぞ」

王宮の奥へと続く廊下に出て、謁見の間から少し離れた扉をバルジアラ様が開くと、王太子殿下と宰相様に続いて入ったシェニカは、小ホールくらいの広さのある丸い部屋の中を興味深そうに見渡した。

天井のほとんどは曇りのないガラスの天窓に覆われ、中庭でもないのに地面は芝生。部屋の中央には、真ん中をくり抜いた広い楕円形のウッドデッキがあり、座布団が乗った10脚の丸椅子が空洞を囲むように置かれている。
今日のような天気の良い日には、天窓から陽の光が気持ちよく降り注ぎ、部屋の中に満ちる土の匂いと相まって、散策に来たような気になれる。扉は1つ、天窓のほかに窓がない状態でも、圧迫感は感じない。


「ここは何の部屋?」

「ここは沈思ちんしの間と言われる場所です」

「沈思の間?」

「ウッドデッキの中央部には池があって、そこで釣りをしながら難しい問題について考える部屋なんです」

「池があるの?見に行ってもいい?」

「ええ、もちろん」

シェニカをウッドデッキの中央部に案内すれば、彼女は中腰になって池を覗き込んだ。王宮にある中庭の噴水くらいの大きさのこの池は、足が着かないほど深い。水面からデッキまではさほど高さは無いから、万が一落ちても這い上がってこれるのだが、泳げない彼女が落ちてしまってはいけないと、シェニカのすぐ隣に立った。シェニカを挟んで反対側にいる『赤い悪魔』は、彼女から2歩離れた場所に立って無表情で池の中を覗き込んだ。

彼がシェニカの恋人ではないと大々的に知られると、自分を売り込もうと積極的に動く者達が山のように現れる。破局したことを知っているのは自分とバルジアラ様、それぞれの副官達だけだったが、シェニカに迷惑をかけないためにも、国王陛下、王太子殿下、宰相様にのみ伝えて他は伏せることにした。



彼女が悠々と泳ぐマールの群れを興味深そうに見ていると、国王陛下を連れたトゥーベリアスがシェニカに笑顔を向けて部屋の中に入ってきたが、彼女は陛下しか見ていない。

この場に同席できたレイビニオンは、ソルディナンドを出迎えるために関所にやってきているというキルレの筆頭将軍に、見届人の役目を急遽務めたことの礼を直接述べに行ったからここにはいない。
命令違反のため、警備の任を解かれたトゥーベリアスが同席することになってしまったが、バルジアラ様を前にして自分からシェニカに近付くことはないだろう。


デッキに上がった陛下は、シェニカの隣で立ち止まって池の中を覗き込んだ。

「何か気になる魚がいたかな?」

「あ。えっと。マールがいるなと思いまして」

シェニカが戸惑ったように答えると、陛下はシェニカを見て穏やかな笑顔を浮かべた。


「この池は城の郊外にある小さな湖と地下でつながっているから、マールやヒラといった魚だけでなく、ドリアニといった深い場所を好む魚もいてね。釣り上げたいところだが、ここにいる魚はスれているから釣れなくてね。
そのかわり、みんなで釣り針を垂らしながら議論すると、良い議論が出来るから、ここは熟考する時に使っているんだよ」

「そうなんですか。みんなで釣りをしながら議論するなんて、面白いですね」

陛下はお気に入りの場所を褒められて嬉しそうな表情になると、シェニカに右手を伸ばして握手を求めた。


「シェニカ殿。改めてウィニストラへようこそ。『聖なる一滴』の治療だけでなく、大罪の証明もして頂いて心から感謝しています。まぁ、立って話すのもなんだから座って釣りでもしようか」

シェニカと握手した手を両手で包んだ陛下は、すぐ近くの椅子を勧めた。
彼女の右隣に座った陛下の横には王太子殿下、宰相様、トゥーベリアスが座り、シェニカの左手側には『赤い悪魔』、その隣に自分、その隣にバルジアラ様が座り、腹心達は餌の付いた釣竿を渡し終えるとウッドデッキの下で控えた。

陛下が釣り糸を池に落とすのを見たシェニカは、少し戸惑いながらも同じ様に釣り糸を垂らした。


「今回のような戦場介入の禁を犯す事例は過去の記録にもなくて、世界中が半信半疑になっていてね。
神官長から話は聞いたが、シェニカ殿から『聖なる一滴』についての説明をしては貰えんか」

「はい」

陛下が水面の浮きに視線を固定したまま静かに話を切り出すと、シェニカは小さく頷いた。


「『聖なる一滴』というのは、『白い渡り鳥』のみが作れる毒薬で、白魔法の適性の高さで効果に違いがあります。そのため、『白い渡り鳥』のランクを決める試験で使用されます。
この毒薬には解毒薬がありますが、それに必要な薬草はすでに絶滅してしまっているために、今は作ることは出来ません」

「シェニカ殿はラーナで治療してくれたそうだが、どうやって解毒薬を?」

「絶滅した薬草を再生させて解毒薬を作っていたので、それを使用しました」

「シェニカ殿だけでなく、『白い渡り鳥』であれば薬草を再生させることが出来るのか?」

「ある特殊な魔法が必要になりますが、それは私にしか使えませんので他の『白い渡り鳥』には出来ません」

「そのような魔法があろうとは。……では、シェニカ殿の『聖なる一滴』を受けた者も治療出来るのか?」

「いいえ、私の『聖なる一滴』には効果がありません」

陛下が釣り竿を小さく左右に揺らすと、泳いでいたマールが近寄ってきた。シェニカがその様子をじっと見ていると、マールは餌の端をつついただけで去ってしまった。


「今までシェニカ殿は数多の国を回って治療してきたと思うが、今回よりも前にその解毒薬を使ったことはあるのか?」

シェニカは今まですぐに返事をしていたのに、突然言葉に詰まったように黙ってしまった。何かあったのかと全員がシェニカを見ると、彼女は水面を見たまま強張った顔をしている。何か異変が起きたのかと思って彼女の方に行こうとした時、彼女は小さく息を吐いて口を開いた。


「実は。今回の戦争が始まる前、『聖なる一滴』を受けた傭兵を治療しました。その傭兵は、トラントとエルドナとの間で起こった戦場で、トラント側の傭兵から『聖なる一滴』を塗った毒矢を受けたそうです」

トラントが今回の戦争で使う前に、どこかの戦場で実験していたとは思ったが。エルドナとの戦争の時に使用しても大罪が発覚しなかったということは、『白い渡り鳥』様が『聖なる一滴』を受けた負傷者と出会わなかったか、大罪の事実が分かっても口を噤んだか、トラントが負傷者を始末した、ということだろうか。


「トラントは今回よりも前に戦場で使っていたのか。しかしエルドナがそれを問題視しているとは聞いていなかったが。バルジアラ、何か思い当たることはあるか?」

「いいえ、ありません」

「その傭兵の話では、矢を射ったのは麻薬中毒となったトラント側の傭兵ですが、トラントの副官が『聖なる一滴』を受けた相手の状況を確認してから息の根を止め、遺体を燃やしたそうです。外に漏れないように徹底したようなので、おそらく痕跡が残らなかったために発覚しなかったのだと思います。
それに。その傭兵は治療を求めて引退した『白い渡り鳥』の元に行ったそうです。毒のパターンから『聖なる一滴』が使用されたと分かったと思いますが、その方は口を噤んでしまったようです」

「そうか。『白い渡り鳥』達は『再生の砂』を融通し合うために、結束を固くしているそうだ。今回の大罪を証明すれば、その結束の輪から外れて砂の融通がなくなる可能性があるために、証言しないだろうと聞いた。シェニカ殿に証言をして貰えなかったら、今頃世界中がどうなっていたことか」

「いえ、当然のことをしたまでです。私は『再生の砂』を自分で作れますし、他の『白い渡り鳥』との付き合いはほとんどありませんから……」

無駄のない動きで釣り竿を仕舞った陛下は、不思議そうに見上げるシェニカに向かって静かに立った。



「今回の大罪を証明して貰うには、『白い渡り鳥』同士の繋がりが密でないシェニカ殿かジェネルド殿、ローズ殿のたった3人しか居なかった。
戦地に近いラーナにシェニカ殿が居たからこそ、我が国は領土を失うこともなかったし、速やかに反撃に出ることも出来た。ウィニストラの国民を代表して感謝を述べたい。心から感謝申し上げる」

「あ、あの。大丈夫ですから、どうか頭を上げて下さい」

シェニカは釣り竿をデッキに置くと、立ち上がって頭を深く下げる陛下の前でアタフタと慌てた。
こちらが不利な場面でも、どんな相手であろうとも、大国の王として頭を下げたことがなかっただけに、陛下の行動にはこの場にいる誰もが驚いた表情を浮かべた。

しばらく頭を下げたままだった陛下は、ゆっくりと頭を上げるとアワアワと慌てるシェニカににっこりと微笑んだ。


「我が国の大恩人であるシェニカ殿に礼がしたい。希望を教えてはくれぬか」

「特に希望はありません」

「私は受けた恩に報いる時、それ以上で返すのを信条にしていてね。シェニカ殿には例えようのないほどの大きな恩を受けたのだから、どんなことでも言って欲しい」

シェニカは引く様子のない陛下にどう対応してよいか分からないようで、困った顔で自分を見てきた。『遠慮なく言って下さい』という気持ちで微笑み返すと、彼女はハッとした顔になった。


「あの……。では、恋するクルミを頂けないでしょうか」

シェニカの希望が意外だったのか、陛下はパチパチと何度か瞬きをした。


「恋するクルミを?そういえばオオカミリスの生息地に行く予定になっておったな。シェニカ殿はオオカミリスが好きなのか?」

「はい!ディスコーニ様のオオカミリスをひと目見て、大好きになりました」

「そうか。では、後で渡そう」

「ありがとうございます!」

シェニカが嬉しそうに声を上げると、ひとまず要望を聞けたことで安心した陛下は小さく息を吐いた。


「シェニカ殿がラーナにいなければ。治療を拒否されていたら。大罪の証明をして貰えなければ。今頃、バルジアラを始めとした将軍や副官達は死に、不穏な芽を摘むために王族の血を引く者は根絶やしにされ、私の首は城門に晒されていただろう。
この国が今でもウィニストラであること、我々がこうして生きていることは、間違いなくシェニカ殿のおかげだ。恋するクルミは貴重品ではあるが、受けた恩を返すには全然足りていない。他に望みが出来たら、いつでも遠慮なく言って欲しい」

「はい……」

シェニカは遠慮がちに頷くと、陛下はとても嬉しそうな笑顔を浮かべた。


「移動続きで疲れているだろう。晩餐の準備が整うまでは、部屋でゆっくりと過ごして欲しい」

陛下がそう言うと全員が立ち上がり、陛下はバルジアラ様と共に先に部屋を出て行った。
後方で控えていたファズに釣り竿を預け、すぐに『赤い悪魔』の後ろを通ってシェニカの隣に行くと、背中に嫉妬や憎悪ではなく冷めた視線を感じた。

シェニカと別れるまでは、燃え盛る炎のように激しい性格を剥き出しにしてきたが、今は『護衛として彼女の後ろで静かに控える』という、自分の立場を弁えた姿勢を取っている。
しかしその心の奥底では、今まで剥き出しにしてきた激情を種火にして、静かな炎が燃え広がっているのだろう。
自分の行いを後悔しているのは伝わってくるから、もうシェニカに危害を加えることはないと思う。でも、その静かな炎が一気に表に出た時、再び燃え盛る炎に変わって問題が起きなければいいのだが。


「本当なら宿を取りたかったのですが、今の城下は凱旋の歓喜で混乱しやすいので、王宮に泊まって貰っても良いですか?私も今まで通り隣の部屋で休みますので」

「うん、分かった」

王太子殿下の先導で彼女と並んで廊下に出ると、シェニカは窓の向こうに見える城下を見ながら歩いている。
謁見と会談を終えて少し気が落ち着いたのか、その横顔が緊張が和らいだ普段の表情に戻っているのを見て、自分も少し安心した。



■■■後書き■■■

よろず置き場の方に、小話を追加しておきました。本編には直接関係のないお話なので、軽い気持ちで読んで頂けると嬉しいです。(*´ェ`*)
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